2019年6月29日(土)に後楽園ホールにて『DEEP 90 IMPACT』が開催され、メインでフライ級暫定王者決定戦として柴田“MONKEY”有哉と神龍誠が対戦。18歳の神龍が判定5-0で勝利し、同級暫定王者となった。
×柴田“MONKEY”有哉(56.6kg/Kids MMA Team KIZUNA~絆~)
[判定0-5]※27-30×5,
○神龍 誠(56.7kg/フリー)
※神龍が暫定王者に
現DEEPフライ級王者・和田竜光が2018年4月のDEEPでの高橋誠戦(和田が判定勝利)以降、ONE Championshipに参戦中で、防衛戦を行っていないため、暫定王者決定戦が行われる。
柴田は前戦、4月28日の大阪大会で坂巻魁斗と対戦。坂巻の打撃に柴田が得意の投げで対抗。グラウンドでは互いにノンストップの寝技で勝負し、極めに近づいた柴田が3-0でホームで勝利していた。2016年4月の和田竜光とのフライ級王者決定戦では判定負け。2018年4月には階級を下げてストロー級で王座を狙うも越智晴雄に判定負けしているだけに、フライ級で悲願の王座獲得を目指す。
対する神龍は、2018年4月に和田が持つフライ級王座に挑戦も判定負けで戴冠ならず。同年10月に中山ハルキに判定勝ちで再起戦を飾ると、2019年3月には島袋チカラにも判定勝ちし、再び王座に手をかけた。
互いに組み技を得意とするが、カウンターの打撃とスクランブルに強い神龍と、強い投げ、下になってもガードからポジションを奪いに行く柴田。際の勝負を制するのはどちらか。熱戦必至だ。
1R、ともにサウスポー構えから柴田はオーソにスイッチ。神龍は左で差して金網に押し込み、両差しも柴田は首相撲にとらえ右で小手に巻き投げ狙い。K-crannの横田代表の柔道投げ対策もできているか。神龍は耐えると、左右を振り、右のバックヒジ。そこを詰めた柴田に神龍は上に。柴田は引き込み気味にガードの中に入れると、インサイドから神龍はパウンド!
2R、柴田のオーバーフックからの内股を潰した神龍。上からパスガードを狙うがハーフからフルガードに戻した柴田は外掛けからサドルロック、足関節狙いで背中向ける神龍のバックを2度奪う柴田! パウンドするが、またも神龍は正対し上になったところで2Rが終了。
3R、オーソドックス構えから右ミドルは柴田。さらにダブルレッグもがぶり返す神龍に、柴田は下から脇潜りバック狙いかけるが、ここも横田代表の声に正対する神龍に、下から柴田はオモプラッタ狙い。これを外した神龍はハーフから右で枕に巻きパス、肩固め狙い。潜る柴田はスイープを狙うが神龍が細かいパウンドから上をキープしゴング。判定5-0で18歳の神龍が暫定王者となった。
神龍「よっしゃー! これから僕がフライ級最強と証明したいです。大舞台も行きたいです。一人じゃここまで来れなかったです。僕についてきてくれた皆さんありがとうございます。そして佐伯さん、王座戦を組んでいただき、感謝しています」
(試合前コメント)
柴田「“まこちゃん”から『ベルトに嫌われている』と言われましたが、僕はベルト大好きなんで。今までやってきたことをしっかり出して明日は勝ちたいと思います」
神龍「モンキー選手が相手で強いと思うんですけど、モンキー選手、ベルトに嫌われてるんで、明日は僕がベルトを獲ってチャンピオンになります」
▼第11試合 セミファイナル DEEPミドル級 5分3R
○水野竜也(83.8kg/フリー/DEEPミドル級王者)
[1R 4分58秒 肩固め}
×中井光義(83.1kg/フリー)
低しダブルレッグでテイクダウン奪う水野はハーフからパス、マウント。パウンドを入れながらサイドに回り、肩固めを1R残り2秒で極めた。
水野「追い込んでいる実感ではまだまだいける。もっと上のところで戦いたい」
「今回は僕の中で勝って当たり前。モチベーションを持っていくのが難しくて神経を使いました。周りの人から相手が本気で勝ちに来ていると言われたので、ここで負けていたら今までやってきたことが無駄になると思って、いつもよりも集中しました。初心に帰っていつもより長く練習したりとか。
1Rであの体制で仕留めないと。向かってくる人は魂が乗るんで。前に出られるし、パンチも思い切り振ってくる。でも背負うものがあると神経を研ぎ澄ましてくれるが、そこが相手には無いからいくらでも前に出てくる。いつもと違うことが起きやすいので、先に攻撃をして相手にディフェンスさせることを考えていました。
自分はもっと上、その人と戦って自分が上に行けると思える選手とは常にやりたいですが、与えられた仕事をするのがプロだと思ったので(試合を受けた)。断ったらプロじゃないなと。もっと上のところで戦いたいです。それが海外なのか、日本なのかはいろんな人の絡みがあるので一人では決められませんが、もっとチャレンジしたい。追い込んでいる実感ではまだまだいけると思うので頑張っていきたい。
いろいろな団体があって団体の色がある。DEEPは強さにこだわるのもあるけれど、格闘技を見せてみんなが面白く集まる場所でありたい。チャンピオンが強くて、面白いのもある。そういう団体になったら面白いと思います」
▼第10試合 DEEPフェザー級 5分3R
○小見川道大(66.1kg/小見川道場)
[2R 2分03秒 肩固め]
×オーロラ☆ユーキ(65.95kg/KIBAマーシャルアーツクラブ)
43歳の小見川道大が2015年7月20日の梅田恒介引退試合での一本勝ち以来のDEEP参戦。MMAでは2015年9月に「GRANDSLAM 3」で中村ジュニアに判定勝ち、2016年2月にも「WSOF Global Championship 2」でテディ・バイオレットにスプリット判定勝ちしているが、以降はMMAとはルールの異なる巌流島で3勝2敗。約3年半振りのMMA復帰戦となる。
対するはMMA9勝7敗のオーロラ☆ユーキ。大原樹里の兄で弟と同様に打撃を得意とし、アマチュア時代には第6回J-NETWORKアマチュア全日本選手権大会で優勝するなどキックの試合でも実績を残している。2018年は6月にジョイ・ボーイを1RでTKO。10月に窪田泰斗も左フックで下すなど連勝を飾った。しかし、2019年3月の前戦ではフランスのシェルナンド・ラジッドに判定負けしている。
1R、ともにサウスポー構え。奥襟の部分ろ掴み組んで崩す小見川に対し、オーロラは左右。しかし小見川もいつものようにガードを固め、頭を振って左右で詰めるとダブルレッグからバックをうかがいニアマウントへ。正対を狙うオーロラに片足をかけてリアネイキドチョークを狙う小見川。さらに背後からパンチ。
しかし正対し足を戻して立つオーロラに払い腰テイクダウンは小見川! いったんはサイド奪う小見川だが、ここも立つオーロラは左を当てて、ヒザ蹴り! 一瞬後退する小見川だがガード固め押し戻す。
2R、前に出る小見川に左ハイを当てるオーロラ! ぐらつく小見川にラッシュをかけるオーロラだが小見川は組んで崩してダブルレッグテイクダウンで上に。サイドを奪うと右で枕に巻いて、右肩を押し付け、身体下でクラッチし首を突っ込まない肩固め気味にヴァンフルーチョークを極めた。
「皆さんのおかげで戻って来れました。ただいま! 俺が戻って来れないと思ったやつ、クソったれ! 佐伯代表、僕をうけいれていただき、感謝しています。ありがとうございました」と挨拶した小見川は、「この勢いで9月、10月と連戦したいと思います」と継続参戦をアピールした。
試合後、小見川はバックステージで、フィニッシュはヴォンフルーチョークではなく、勝村周一朗・横浜グランドスラム代表が、サイドポジションから極められるチョークはないかと周囲と研究して作ったグランドスラム横浜のオリジナル技だったことを明かした。
(試合前コメント)
小見川「約3年半ぶりの復帰戦ですが、そのブランクを思わせないような、愛のこもったMMAを見せたいと思います」
オーロラ「勝つための練習を一生懸命やってきました。全力で挑んで勝ちに行きます」
▼第9試合 DEEPウェルター級 5分3R
○悠太(77.4kg/ALLIANCE/第7代DEEPウェルター級王者)
[判定3-0]※29-28×3
×佐藤洋一郎(77.1kg/KATANA GYM/第3代修斗環太平洋ミドル級王者)
ともにオーソドックス構えから。1Rは佐藤が左ミドルを当てるが、2、3R、悠太はダブルレッグテイクダウン。ハーフから細かいパウンドも立つ佐藤。再び悠太はダブルレッグでテイクダウン。ハーフから肩で上体を寝かせ、抑え込んでいく。判定は3-0で悠太が危険な佐藤を完封して勝利。ウェルター級トップ戦線に存在をアピールした。
悠太「とにかく全力で最後までやりきります」
佐藤「お互いにチャンピオンに負けた同士なので、いい勝ち方でアピールしてタイトル挑戦にアピールしたい」
▼第8試合 DEEPフェザー級 5分2R
○横山恭典(66.05kg/KRAZY BEE)
[判定3-0]※20-18×3
×大澤茂樹(65.65kg/Honey Trap)
1R、サウスポー構えの大澤にオーソドックス構えの遠間から右ローを当て、ミドル、さらに右ヒザは横山。大澤の入りを牽制する。さらに右ヒザ! 当てられながらも掴んでテイクダウンは大澤! 横山は金網背に足は超えさせず、下からキムラロックを狙う。
2R、大澤との距離が詰まれば右ヒザを当てる横山。さらに金網詰めて右ミドルも蹴り足を掴んだ大澤がテイクダウン。ガードの中に入れる横山の上体は金網背に。上の大澤が頭を下げると横からヒジを打つ。さらに金網背に立ち、体を入れ替えダブルレッグテイクダウンは横山! 大澤の脇を潜りニアマウントでバックへ。パームトゥパーム、さらに後頭部に回してチョークを狙うも大澤も背後の横山に鉄槌でゴング。
判定は右の打撃を当て、テイクダウンされてもダメージをもらわず、最終ラウンドにはバックからチョークも狙った横山が判定3-0勝利した。
(試合前コメント)
横山「自分はしっかり準備してきたので、やるべきことをしっかりいつも通りやるだけです」
大澤「初参戦です。1年ぶりの試合になりますがインパクトを残せ試合ができればと思います」