2019年6月29日(土)後楽園ホールにて「DEEP 90 IMPACT」が開催され、元UFCファイターの小見川道大(小見川道場)が、2015年7月以来4年ぶりとなるDEEPのケージに復帰。オーロラ☆ユーキ(KIBAマーシャルアーツクラブ)に2R2分03秒、「横浜グランドスラムで研究していた頭を入れない」変形の肩固めで一本勝ちした。
43歳の小見川は、2015年7月20日の梅田恒介引退試合での一本勝ち以来のDEEP参戦。MMAでは2015年9月に「GRANDSLAM 3」で中村ジュニアに判定勝ち、2016年2月にも「WSOF Global Championship 2」でテディ・バイオレットにスプリット判定勝ちしているが、以降はMMAとはルールの異なる巌流島で3勝2敗。グラップリングのQUINTETで2分1敗と勝ち星から遠ざかっており、約3年半振りのMMA復帰戦となる。前日計量では「約3年半ぶりの復帰戦ですが、そのブランクを思わせないような、愛のこもったMMAを見せたいと思います」と意気込みを語っている。
対するはMMA9勝7敗のオーロラ☆ユーキ。大原樹里の兄で弟と同様に打撃を得意とし、アマチュア時代には第6回J-NETWORKアマチュア全日本選手権大会で優勝するなどキックの試合でも実績を残している。2018年は6月にジョイ・ボーイを1RでTKO。10月に窪田泰斗も左フックで下すなど連勝を飾った。しかし、2019年3月の前戦ではフランスのシェルナンド・ラジッドに判定負けしている。
▼第10試合 DEEPフェザー級 5分3R
○小見川道大(66.1kg/小見川道場)
[2R 2分03秒 肩固め]
×オーロラ☆ユーキ(65.95kg/KIBAマーシャルアーツクラブ)
1R、ともにサウスポー構え。奥襟の部分を掴み組んで崩す小見川に対しオーロラは左右のパンチ。しかし小見川もいつものようにガードを固め、頭を振って左右で詰めるとダブルレッグからバックをうかがいニアマウントへ。正対を狙うオーロラに片足をかけてリアネイキドチョークを狙う小見川。さらに背後からパンチ。
しかし正対し足を戻して立つオーロラ。そこに払い腰テイクダウンは小見川! いったんはサイド奪う小見川だが、ここも立つオーロラは左を当てて、ヒザ蹴り! 一瞬後退する小見川だがガード固め押し戻す。
2R、前に出る小見川に左ハイを当てるオーロラ! ぐらつく小見川にラッシュをかけるオーロラだが小見川は組んで崩してダブルレッグテイクダウンで上に。サイドを奪うと右で枕に巻いて、右肩を押し付け、身体下でクラッチし首を突っ込まない肩固めを極めた。
マット上で小見川は、「皆さんのおかげで戻って来れました。ただいま! 俺が戻って来れないと思ったやつ、クソったれ! 佐伯代表、僕をうけいれていただき、感謝しています。ありがとうございました」と挨拶。「この勢いで9月、10月と連戦したいと思います」と継続参戦をアピールした。
また試合後、小見川はバックステージで、フィニッシュはヴォンフルーチョークではなく、勝村周一朗・横浜グランドスラム代表が、サイドポジションから極められるチョークはないかと周囲と研究して作ったグランドスラム横浜のオリジナル技だったことを明かした。
小見川「今、MMAをやらないと損をするって気持ちになった」
「敵は自分自身であり、試合勘が最大の敵でした。久しぶりのMMAだったので、これで次はどうすればいいかという課題も見えた。ケージの中に入って勝ったので、初期の頃に戻った、ビンビンな自分をまた見せられると思います。
戦いたい気持ちを佐伯代表が汲んでくれて出してくれたので、周囲の仲間もいて感謝したいです。そういった人たちに最高のプレゼントが出来たと思います。
オーロラ選手、強かったです。タフな選手で最後の最後で逆転勝ちで。ちょっと気負ったところもあったんですが、そこは踏ん張りどころでした。
(フィニッシュは)勝村(周一朗)さんに教えていただいた横四方で攻める形。サイドポジションに入った時に休もうって感覚だったと思います。極まらないと思っていたでしょうけど、練習でもやっていてカッポリ入りました。
(今後は)性格が前にしか行けないので。後ろを見てないし、前しか見えないので。だから目ん玉が人間という生物は前についているのだと思います。
僕自身が戦いたい。MMAをやりたい。今やらないと損をするって気持ちになったので。それで試合をやる。充実した生活もできました。また作って、9月、10月、DEEPで試合あるのならまたやりたいです。
ビンビンなんで。男は狩りに行かないといけない。本能的にそうなっているんですね。まだやるんだよっていう。目の前に相手を用意されれば全部やります。おいしそうな相手を用意していただければ」
勝村周一朗「頭を入れない肩固め、隠れた必殺技です」
「頭入れない肩固めですね。研究していました。我々(グランドスラム横浜)の隠れた必殺技です。サイドになって相手は油断したと思います。(小見川は)全盛期より落ちているけど、今日の試合みたらまだいけるんじゃないかって思いましたね」