力士体型からMMAファイターに変化した食事療法、そしてムーブメントトレーニング
大相撲時代から大きく変わったのは、MMA用の身体だ。土俵でぶつかり合う力士の体型から、リング・ケージの“何でもあり”で戦う、殴って蹴れる、ステップの踏める身体に変化した。
「デビュー時が112kg。試合が決まる前は重くて123kgまで行くのですが、現在の体重は118.9kg、試合が近づくにつれて絞って、筋肉量を増やしていて、体脂肪率は15.9%です」
その変化は、食事療法、そしてトレーニングによるものだ。食事では、計画的なプロテインスムージーの摂取により、大きく体重に変化があったという。
「1回の食事量で食べ過ぎないこと。ドクターに教えてもらったプロテインスムージーというのがあって、試合が決まる前はパワーアップを目的に、ピーナッツバターだったりを混ぜてプロテインスムージーを作るんですけど、時期によってその中身を変えています。パセリやほうれん草を入れたり、脂肪を燃やしてくれるような成分に変えたりしたら、いきなり落ちてきて、糖質を分解したり、老廃物など余分なものが落ちて来るとアドバイスをもらって、プロテインのメニューを送ってもらいました。それを摂りつつ、ウェイトや新しく採り入れたフィジカルトレーニングもやっています」
そしてシュレック戦に新たに採り入れたムーブメントトレーニングやフィジカルトレーニングを「アンダーアーマー」や「DNS」を手掛ける「ドーム」が開設したトレーニング施設「ドームアスリートハウス」で行っている。契約アスリートが使用することが可能な最先端の施設だ。
「普段ウェイトなどの筋トレを部位ごとにやっていて、そのつけた筋肉を格闘技に活かせる身体の使い方を──ただパワーや筋肉だけをつけても格闘技に活かせないと意味が無いので、トレーナーさんが、パワーの出し方、つけた筋肉をどう活かすのか、使われていない神経をどう使うか──そういった連動系、ムーブメントトレーニングをやっています。結構、疲れるんですけど、それがいま滅茶苦茶いい感じですね。そのムーブメントトレーニングをすることによって、スパーリングやキツいトレーニングも回復具合が違いますし、やったことがない動きでも対応が出来て無駄に身体が疲弊しないです。それにインターバル中の回復もいいように感じます。半月に1度、インボディ(体成分分析装置)を測って、身体の変化を見て」
ファンからは、最近のスダリオの身体的変化について、「ラインバッカーのようだ」との声も挙がっている。
アメリカンフットボールで、ディフェンスラインの選手が手を地面についたスリーポイントスタンス、相撲でいえば「立合い」の姿勢を取るのに対し、ラインバッカーは直立したツーポイントスタイルで構え、強い当たり位に加え、より俊敏な動きが必要とされるが、その体型に似ているのだという。