扇久保がスーチョルに敗れたことで、日本に危機感を持った斎藤(C)斎藤裕
初代RIZINフェザー級王者・斎藤裕(パラエストラ小岩)が、2022年9月25日(日)さいたまスーパーアリーナで開催された『超RIZIN』&『RIZIN.38』を自身のYouTubeチャンネルにて振り返った。
第1試合のルイス・グスタボ(ブラジル/EVOLUCAO THAI)vs.大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ)が大会のいい流れを作ったと評価した斎藤が、「私的ベストバウト」としたのは第4試合のキム・スーチョル(韓国)vs.扇久保博正(パラエストラ松戸)の一戦。
「キム・スーチョルが強いので、明らかに。復活してきてどのくらいのコンディションというか状態で試合をするかなと思っていたら、やっぱり突進力がある選手で手も止まらないし。1R見て、扇久保さんがいい感じかなと思ったんですけれど、ちょっと気になったのが1Rでテイクダウンは取れなかったんですよね。ワンテイクダウンでも取れていればちょっと違ったかなと思いましたけれど。打撃が多分1Rで互角みたいな感じになって、1Rで(扇久保の)目が腫れたのかな? 左目が腫れて嫌な流れだなと思っていた矢先の2Rだったので、あれで試合が一気に動いてというか傾いて、スーチョルのペースで進んでいった感じになりましたね」
相手の攻撃をもらっても前に出続けるのは「あれがキム・スーチョルスタイルですね」とし、日本人選手にはあまりいないタイプだという。
斎藤は「めちゃくちゃ悔しい。ただMMAという試合で見たらあれだけ目まぐるしくいろいろな攻防が入れ替わったりというので、僕は自分の中でベストバウトですね。総力前、削り合い、まさにこれがMMAです」と“MMAのいい試合を観た”という満足感に溢れる思いを口にする。
同時に「他の日本人選手はスーチョルを逃したらダメですね。バンタム級で試合をしていくはずなので先に手を上げてやって欲しいなと思っています。何かエンタメどうこう言っている場合じゃないですよね。こういう選手が出てくると。考えさせられるというか。強かった。焼け野原にされてしまう。真剣に考えないといかんぞ」と、バンタム級の選手は打倒スーチョルにどんどん名乗りをあげて欲しいとし、海外の強豪選手が入って来ることで日本は今後厳しい状況に追い込まれるという危機感を持った方がいいとの警鐘を鳴らした。
「日本人選手は焼け野原にされないようにしないといけない。大会自体は盛り上がったけれど、危機感は増していくような気がしています。危機感溢れる、まさにもう開国したような状態なのかも」と、新型コロナウイルスの影響で鎖国状態にあった日本格闘技界が開かれて、危機感が増したと斎藤は語った。