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【RISE】那須川梨々の「野望はぶち壊してあげるしかない」、ベテラン紅絹の決意

2019/06/27 12:06
【RISE】那須川梨々の「野望はぶち壊してあげるしかない」、ベテラン紅絹の決意

以前のパンチ&フットワークだけではなく、ベテランならではのズルさも身に着けた紅絹

2019年7月5日(日)東京・後楽園ホール『RISE 133』のメインイベントで、那須川天心の妹・那須川梨々(TEAM TEPPEN)と「RISE QUEENアトム級王座決定トーナメント」の決勝戦(王座決定戦)を争う元J-GIRLSミニフライ級王者・紅絹(NEXT LEVEL渋谷)。

 紅絹は2006年10月デビューのベテラン選手で、パンチを主体としたトリッキーなファイトスタイルで各団体にて活躍。2012年11月、J-GIRLSミニフライ級王者になったのを皮切りにタイトルマッチを多数経験。3月の1回戦ではNJKFミネルヴァ日本アトム級王者・百花を破り決勝へ進出。5月28日には香港で香港王者のヘレン・チャンを撃破し勢いに乗るベテランは、注目度の高い相手との対戦前に「期待されていないのは承知の上。勝って“紅絹いいじゃん!”と思わせたい」と息巻いている。

■第2代RISE QUEENの神村エリカと練習

――タイトルマッチが遂に近づいてきました。現在の調整はいかがですか。

「練習がしんど過ぎて……もう止めたいぐらいです(苦笑)。試合でいかに自分の動きを出せるようにするかを意識しながら練習していることはこれまでとは変わらないのですが、今回は元女王の神村エリカと何度か一緒に練習する機会がありました。そこでぬるいことをやっていると神村に怒られそうなのであのベルトにふさわしい選手になるように、苦しい練習をいっぱいしています」

――紅絹選手は2013年9月の第2代RISE QUEEN(48kg)決定戦で神村さんと対戦しています。神村さんはその試合がラストマッチとなりましたが、その後、手を合わせてみてどうでした?

「あの人、怖い人間ですよね。現役時代と比べても全く衰えてないイメージがありました。戦いに対する殺気が他の選手とは全然違うので、自分に足りないのはそういうところかなとも感じました」
 

――その神村さんが巻いていたベルトを巻くチャンスです。ご自身もベルトを巻くに値する選手だという自信も付いてきました?

「神村のような選手になる自信はないのですが、自分は自分の戦い方を貫いて観ている人が面白いと思っていただけたらいいのかなと思います」
 
――練習ではどういうところを強化していますか?

「最近、疲れると歳のせいか、試合中でもサボりたくなってしまうので自分に厳しく3分5Rフルに動けるように気をつけながらやっています」
 
――体力の衰えはあるかもしれませんが、プロキャリアは50戦を超えて20代の頃の自分と比べても強くなっている自信はありますか?

「そうですね。キャリアを積み重ねてきた分、テクニックの面など出来ることが増えてきていると思います。3月のトーナメント初戦となった百花戦ではフルマークで判定勝ちすることが出来ましたが、安全に戦いすぎてしまいました。あれは自分のファイトスタイルではないので、もっとアグレッシブに行くべきでしたね。向こうは私がもっと出てくると思っていたと思うのですが、私は彼女の裏をかくような戦いをしたことで勝つことが出来ましたし、もっと打ち合っていたら違う結果になっていたかもと思います。6年前に対戦した時と比べると百花選手は全く別人で気迫も違いました。危ないと思ったので打ち合いを避けてしまった部分もあります」

■那須川選手は『自分のために作られたベルト』とも言っているんですよね? その野望はぶち壊してあげるしかない

――決勝戦で対戦する那須川選手の印象はどうでしょう。

「前回、3月の試合(vs平岡琴)でキャリアのある選手との試合を経験したことで凄く成長したでしょうし、ここ数カ月の練習でも成長したんじゃないかという怖さは正直あります」
 
――テクニックなどで脅威に感じる部分はありますか?

「自由な動きですね。考える前に動くような動きをしていて、こっちも反応しずらいです。考えすぎると大変なので私も感覚で動いていかないといけないと思います」
 
――一発の打撃の重みはどうでしょう?

「そこはやってみないとわからないですね。タイミングが合うと絶対に効いてしまいます。あまりにも相手の距離に入りすぎてカウンターをもらってしまう私の特技があるので(苦笑)、うまく入ればダウンを取られかねませんね」
 
――スピードはどうでしょう?

「私よりも向こうの方が絶対に速いです。私なんか比べものにならないでしょうね」
 

――紅絹選手は50戦以上のキャリアがあります。対して那須川選手は今回が4戦目です。キャリアの差だけでなく、紅絹選手は35歳、那須川選手は16歳と年齢差もありますが、そこは意識してますか?

「過去に対戦した伊藤紗弥選手、NANA選手は若い選手でしたが、対戦した時の自分も若かったので、ここまで年の差がある試合は初めてかもしれません。同じ条件でリングに上がるので、あんまり年齢どういうというのは気にしたことはありません。前回の百花選手はベテランの私のことを尊敬してくれている部分はありましたが、向こうは私のことを怖いと思ってないので、そういう部分が怖いですね。どこかで何とかなる、勝てると思っているはずです。だって、初代女王はRENAだったことを知らないですし、そんなにキックの試合を見ていないと思うんです。それで私の試合も見てないでしょうし、脅威だとは思ってないでしょう」
 
――そういう選手にはベルトを渡したくないという想いは?

「渡したくないというよりは、ただ単純に自分が獲りたいという想いの方が強いですね。でも、那須川選手は『自分のために作られたベルト』とも言っているんですよね? その野望はぶち壊してあげるしかないですね」
 
――今大会では同門の小林愛三選手もRISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座決定トーナメントに出場と、タイトルに絡んだ試合に出場します。

「そうですね。愛三よりも一歩先にベルトを巻いてちょっと偉そうにしたいと思っています」
 
――ベルトを獲った後のことは考えてますか?

「ベルトを獲ることしか考えてないので、その先のことは何も考えられないです。それぐらい懸けていますし、今回のためにやっていることはたくさんあります。終わってもし私の腰にベルトが巻かれていたら、先のことを考えたいと思います」
 
――さらに私が女子格闘技を盛り上げたいとも思います?

「こういうこと言い方は良くないかもしれませんが、私以外にも盛り上げられる選手というのはたくさんいます。自分が盛り上げていこうというよりは、一戦一戦を楽しんでいこうと思っています。私よりもうまいし、強い選手はたくさんいるじゃないですか(笑)」
 
――ファンにメッセージをお願いします。

「今回のタイトルマッチを楽しみにしている人みんなが那須川梨々、那須川梨々と騒いでいて、私に期待していないのは承知しています。だけど、私が勝って“紅絹いいじゃん!”と思って帰らせる試合を見せる自信があるので楽しみにしていて下さい」

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