シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】海人が中島弘貴をKO! 笠原弘希が内藤大樹を再延長戦で破り世代交代、笠原友希は小笠原瑛作を流血TKO葬する大番狂わせ

2019/06/23 19:06
【シュートボクシング】海人が中島弘貴をKO! 笠原弘希が内藤大樹を再延長戦で破り世代交代、笠原友希は小笠原瑛作を流血TKO葬する大番狂わせ

SHOOT BOXING 2019 act.3
2019年6月23日(日)東京・後楽園ホール

▼第10試合 69.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R延長無制限R
〇海人(TEAM F.O.D/S-cup2018世界王者、SB日本スーパーライト級王者)
KO 4R2分56秒 ※3ノックダウン
●中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット/第3代Krush-70kg級王者、K-1 WORLD MAX 2010日本トーナメント準優勝)


 海人は昨年、4月に不可思をTKOで撃破、7月と8月のRIZINに連続出場して2連勝、12月には『KNOCK OUT』で水落洋祐にTKO勝ちしてスーパーライト級国内最強の実力を見せつけた。11月にはシュートボクシング世界トーナメント『S-cup』を全試合KOで制し、2018年は強豪ばかりを相手に9勝(8KO)1敗の戦績で駆け抜けた。


 今年2月にはムエタイ現役ランカーにも勝利したが、4月のチャド・コリンズ戦で敗れ、連勝が「5」でストップ。今回が再起戦となる。得意のヒジ打ちを封印してのルール、通常試合体重より4kg重い69.0kg契約の試合に臨む。


 中島は2006年7月16日、第25回全日本アマチュアシュートボクシング選手権・関東大会の中量級 (-67kg) で優勝し、同年9月シュートボクシングのリングでヒザ蹴りによる衝撃KOデビュー。SBのリングで4連続KO勝利を飾った後は様々なリングに上がり、デビューから13連勝を飾るなど、長らく国内の70kg級トップ戦線で活躍してきた。2010年K-1 WORLD MAX 2010 -70kg日本トーナメント準優勝、2012年には欧州最大のキックボクシング団体(当時)であったIT'S SHOWTIMEの日本王座として制定されたSTJ 70kg MAXの初代王者にも輝いている。


 2009年3月からはKrushを主戦場とし、2009年8月にKrushライト級グランプリ2009優勝。2015年と2017年にはK-1スーパーウェルター級王座決定トーナメントに出場している。試合は2018年1月にKrushで神保克哉に判定負けを喫して以来。今回、12年ぶりにSB復帰戦を迎える。

 1R、海人は右ロー、中島はジャブ。海人はスイッチを多用する。中島は時折大きいフックを放ち、組み付いてヒザを突き上げる。海人はオーソドックスな太ももを蹴るローとふくらはぎを蹴るカーフキックを使い分けて蹴る。

 2R、中島は丁寧にジャブを突き、海人がパンチを放ってくると首相撲に捕まえてヒザを突き上げる。海人は前へ出てローを蹴り、左フックを当てに行く。オープンスコアはジャッジ三者とも10-9で海人。

 3R、中島のジャブと海人の右ローの応酬が続く中、海人が意表を突く飛びヒザ蹴りを命中させるが中島は何事もなかったかのようにジャブを出す。海人の右ロー連打でついに中島が足を上げ始める。海人は左フックからの右ロー、さらに顔面へヒザを突き上げ、右ローでさらにダメージを与えていく。

 4R、海人は足払いで崩してのヒザ蹴り、さらにボディブロー。右ローで中島は大きくグラつく。ロープを背負った中島のアゴに海人は右ヒザを突き上げ、ダウンを奪う。左右アッパーの連打、ヒザ蹴り、そして右ローで2度目のダウンを追加。最後はパンチからの右ローで、中島はゆっくりと尻もちをつくように崩れ落ちて3度目のダウン。海人のKO勝ち。

 海人はマイクを持つと「4月はチャド・コリンズ選手に負けて落ち込んだんですが、ここにいるファンの皆さんのおかげで勝つことができました。僕は65kg級に収まるつもりはないので階級を上げて70kg級で世界の強豪と戦いたい。もちろんあの3人にもやり返したい。皆さん、僕と一緒に世界へ行きましょう」と笑顔で答えた。


 試合後のインタビューで海人は「いつもより階級を上げての新しい挑戦で出場しました。パワー差もそんなに感じなかったので上げるのもありかなと思いました。あと僕がヒジで勝つことが多い印象を持っている人もいると思いますが、それだけじゃないところを見せられたと思います」と、今回は新たな挑戦だったと話す。


 70kgに階級を上げる宣言もしたが「この階級に挑戦する手応えはありましたが、自分的にはまだ早い。65kgでも戦いたいし、まずは67.5kgでやっていきたいと思います。正直、相手のパンチはいつもより重かったのでフィジカル的なパワー差を感じました。まだ70kgの身体を作っていないのでベストではないという印象です」と、まずは67.5kgに上げて70kgも視野に入れていきたいとした。


 また、「序盤で倒せる相手ではないと思ったので、早くても3Rからと思っていました。ローで下から崩していって顔が上がったところにヒザ蹴りと練習していた通りだったので練習の成果が出たと思います」と、狙い通りのKOだったと明かした。

▼第9試合 59.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R
〇笠原弘希(シーザージム/SB日本フェザー級王者)
延長2R 判定2-0 ※10-10、10-9、10-9
×内藤大樹(BELLWOOD FIGHT TEAM/元SB日本スーパーバンタム級王者、SB日本フェザー級1位、RISE DEAD OR ALIVE -57kg王者)


 内藤は2014年11月に伏見和之をKOしSB日本スーパーバンタム級王座を奪取。2度の防衛に成功しているほか、17年11月には各団体のチャンピオンが集結した「RISE DEAD OR ALIVE -57kg TOURNAMENT 2017」に出場、一日3試合の過酷なワンデートーナメントで優勝を果たすなどSB最強王者として君臨してきた。


 しかし昨年11月、3年前にKO負けしているRISE世界フェザー級王者・那須川天心との再戦を行ったが、初回KO負け。その後、所属していたストライキングジムAresを離れ、その進退が注目されていたが、元同門で元SB世界スーパーライト級王者・鈴木博昭が代表を務めるBELLWOOD FIGHT TEAMに移籍。心機一転、階級を上げ今大会で復帰することとなった。


 笠原はジュニア時代からシーザージムで磨かれたテクニックで、SBアマチュア大会で数々の優秀な戦績を残してきたSB次期エース候補。昨年9月のSB日本フェザー級王座決定戦ではベテランの元貴を下してSB日本フェザー級王座を獲得。前戦となった4月大会ではREBELSとの対抗戦に出場し、格上の元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者・小笠原裕典と対戦。背負い投げでシュートポイントを奪うだけでなく、右フックでダウンを奪い大差を付けて判定勝ちを収めた。


 1R、内藤は右ローを狙い撃ち、パンチを狙う笠原を前蹴りで突き放していく。内藤は時折、ハイキックも繰り出す。じわじわとローで攻める内藤。


 2Rもじわじわと右ローを蹴っていく内藤。前蹴りで間合いを調整し、ジャブも当てていく。笠原は右のパンチで強襲し、ミドルを放つが内藤にキャッチされる。完全に間合いを操作する内藤は笠原のパンチをかわしていく。


 3Rも左右のミドルと前蹴りで間合いを支配する内藤。笠原が顔面前蹴りをヒットさせると内藤がニヤリと笑う。笠原はさらに強引に入って左右ボディブロー。笠原は強引な詰めを見せてパンチを当てに行くが、逆に内藤の右フックをもらう。それでも前に出る笠原のパンチをかわしてジャブを打つ内藤。


 試合をコントロールしていたのは内藤だが、決め手がなかったためか本戦の判定はジャッジ三者とも30-30でドロー。延長戦へ突入する。

 内藤がジャブを出しながら前へ出ていく。内藤の左フック、右ストレートに左ボディブローで対抗する笠原。内藤は笠原のパンチをかわし、右ストレート、左フック、ジャブを単発ながら当てていく。判定は1-1でドロー、再延長戦へもつれ込む。


 笠原は左ボディをヒットさせ、内藤が組んでくるとヒザ蹴り。内藤は離れて前蹴りと右ストレート、接近してアッパーを突き上げる。お互いにパンチを当て合い、投げを狙い合う。内藤の左フックがヒットするが、笠原は左ミドルとヒザ蹴りで応戦。両者疲労の色が濃いが、最後まで動き続けた。


 再延長戦も甲乙つけがたい攻防だったが、判定は2-0で笠原が勝利。世代交代を成し遂げる形となった。

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