ジムで前に出続ける「ゾンビ」を練習してきた
ケージのなかでMCのミッチ・チルソンからインタビューを受けたDJは、「MMAは進化している。とにかく前に出て手を出すことがゲームプランだった。ハーフガードで彼はパスガードできず、それ以上のことはできないから、だから自分がいい感じで(下から)エルボーが出せるだろうと。で、ご覧の通りだ! よし、よし! とにかくめちゃくちゃ頑張ったんだから、めちゃくちゃ気分いいよ。
(フィニッシュシーンを見返して)ずっとジムでボコボコにされてきたんだよ、アドリアーノに負けてから、これって初めてなんだけど『俺はこれを取り返さなきゃいけないんだ!』って思ったんだ。だから自分を危険な状態に追い込んだ。受け入れ難いことだったから。ジムでめちゃくちゃやり合って、なんて言うか、もう練習を越えてこじ開けていくような、『ゾンビ』って呼んでたんだけど、とにかく前へ前へと進んで行くっていう。うん、もうとにかくジムでハードに練習したんだ。
(「前回ヒザ蹴りを当てられて、跳びヒザのウォークオフKOで取り返す、こんなことある?」と聞かれて)心から信じてた、それは36歳になってもまだ成長できるってことを、だ。それは自分の周りにはチームがいるから。ジェームズ、トニー、AMCのみんな、グラップルクラブのみんな、そしてプロフェッサー・ヤン。自分はまだまだ良くなってるって実感してる。アドリアーノ戦のあと、ロッタンとの試合後、手懐けられた飼い犬のように殊勝にジムで練習してきた。負ける時は、負ける。勝つときは、勝つ、さ。だから(アドリアーノの)あの様子を見た時……よっしゃ!って感じた。ありがたいことだよ。
(5万ドルボーナスを獲得し)それで税金を払って、子供達の大学資金にあてて、あとどれくらい残るかな、妻に渡して、あとはー、まあコーラでもちょっと飲めるかな」と満面の笑顔、北米でも放送されたONEで戴冠を語った。
階級違いかと感じさせるほど大きなモラエスを相手に、序盤でピンチに陥りながら、ペースを乱すことなく戦い、その回転体MMAで最後はフィニッシュ勝利したDJ。
メインの両者と対戦経験を持つONEフライ級3位の若松佑弥は、解説席で「DJ落ちてるって言ってるやつ、何なの? 落ちてねぇよ!」と、そのハイレベルな攻防に興奮を隠せなかった。
王者の帰還に、アジアのみならず北米ファイターたちも大きな反応を示している。