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レポート

【RWS】三浦孝太、エキシビションの3Rにレフェリーストップでブアカーオに軍配。福田海斗が1Rからの猛攻で前回ドローのペット―をヒジKO、海人に勝利したピンペットがRIZIN戦士ガーダムを完封

2022/08/19 23:08
RWS「KAT PRESENTS LEGEND OF RAJADAMNERN」2022年8月19日(金)タイ・ラジャダムナンスタジアム▼エキシビション キックボクシングマッチ 特別試合 3分3R-ブアカーオ・バンチャメーク(タイ)[3R レフェリーストップ]-三浦孝太(BRAVE GYM)  K-1 WORLD MAXで2度世界王者となった“生ける伝説”ブアカーオの聖地ラジャダムナン登場は2004年以来18年ぶりとなる。“キングカズ”こと三浦知良の次男・三浦孝太は2021年大晦日にRIZINでMMAデビュー、YUSHIをサッカーキックでTKOに破った。しかし、その後は2度RIZIN参戦が決まりながらも2度とも欠場している。  まずブアカーオが先に入場、大歓声を浴びる。続いて三浦が昨年の大晦日のデビュー戦と同じく、映画『男はつらいよ』のテーマ曲のラップバージョンで入場。スタジアムに姿を現すと悲鳴のような声援が飛び交い、三浦は笑顔で手を上げて歓声に応えた。さらに三浦がガウンを脱いだだけで大声援が起こる。ブアカーオも負けじと笑顔でガッツポーズを作って歓声を巻き起こすが、場内には「コウタ!コウタ!」の大合唱。  エキシビションマッチの1R、前に出るのはブアカーオ。三浦のミドルをキャッチすると右ハイを蹴り返し、三浦のハイキックはスウェーでかわす。三浦はジャブを突き、右フックを繰り出すがブアカーオはブロック。  ブアカーオは右フックから左フック、左ハイキックを放つが明らかに力を抜いている様子。左ミドルも軽く当てる程度。三浦は左右のパンチをまとめて打つと右ミドルを蹴り、ブアカーオは笑みを見せる。  2Rも前に出るブアカーオの打ち下ろしの右ストレートで三浦はバランスを崩す。スピードを上げたブアカーオがパンチの連打とハイキックを繰り出すが、まるで寸止めのようなミドルを蹴る。三浦が右ハイキックを当てるとブアカーオも右ハイの2連発。  左右の足を素早く入れ替えるステップを踏んで三浦を威嚇し、右の蹴りから右ストレートで三浦をロープ際へ詰める。それを押し返す三浦が右アッパーから左フック。ジャブでプレッシャーをかけるブアカーオに三浦がパンチを繰り出すと、ブアカーオはボディワークで鮮やかにこれをよける。  リングサイドの三浦ファン女子が歓喜する中、最終3R。ガードを固めて前に出るブアカーオが右ミドル、右フックから左ボディ。ブアカーオのプレッシャーに三浦は下がり、ロープ際でコカされる。右ミドル、右ハイを軽く蹴り、三浦が前へ出てくるとテンカオを突き刺すブアカーオ、三浦が下がると飛びヒザ蹴りで魅せる。さらに飛びヒザ蹴り連発で場内を沸かせる。  三浦の反撃のパンチはボディワークでかわす。ボディへのヒザを突き刺し、左右ボディブロー、そして飛びヒザ蹴りからコーナーを背負った三浦へいきなりのラッシュ。三浦の反撃のパンチはかわし、一方的に顔面とボディへスピード重視のパンチを次々と見舞う。あまりにも一方的になりすぎたか、レフェリーが鼻血を流した三浦を抱きかかえてストップした。  エキシビションマッチ後、三浦は女性ファンの歓声に手を上げて応えつつ、「せっかくこうやって盛り上げてくださったのに全然相手にならなくて申し訳ないです。初めてこういうキックボクシングの試合をさせてもらったんですけれど、会場の雰囲気があって入場の時はテンション上がったんですが、思っていたようには甘くなくて難しい競技だったなと思います。本当に感謝しかないですし、僕はまだまだ格闘技の実力は全然ないので、このブアカーオ選手の試合をきっかけに強くなるのでRIZINのMMAの試合の応援もよろしくお願いします」とインタビューに答えた。  最後は三浦に拍手が沸き起こり、ブアカーオは観客にTシャツをプレゼント。さらに両者がそれぞれサイン入りグローブを観客席に投げると、割れんばかりの歓声に場内は包まれた。ブアカーオが相手の力量を考慮してのエキシビションマッチとはいえ、最終Rのブアカーオの攻撃にコーナーに釘付けになった三浦のレフェリーストップは、9月25日のRIZIN出場にどう影響するか。 [nextpage] カイト=福田海斗がペットーとの再戦でヒジ打ちKO! ▼第6試合 123ポンド契約 3分3R ×ペットー・ファイタームエタイ(タイ/「True4U」スーパーバンタム級3位) [2R 2分26秒 KO] ※右ヒジ打ち〇カイト・ウォーワンチャイ(福田海斗/キング・ムエ/「True4U」スーパーバンタム級4位/IMSA世界スーパーバンタム級王者/元タイ国プロムエタイ協会フライ級王者)  カイト・ウォーワンチャイこと福田海斗は、ムエタイの本場タイで活躍する日本人選手。対戦相手のペットーとは7月7日のラジャダムナンスタジアム興行のメインイベントで対戦。一進一退の好試合でドローとなり、ラジャダムナンスタジアムの7月度月間最高試合にも選出された。  7月の対戦直後から再戦を求めるムエタイファンの声が大きく、今回のRWSではキムルエイ(第2試合)、ギンサーンレック(第3試合)、ナーラック(第4試合)、ランカーオ(第5試合)といった一流選手より後の試合順に組まれ、実質的にペットーvs.カイト戦が一番のムエタイファン注目の試合となるであろう。福田としてもしっかりと決着をつけたいところだ。  1R、“ジャパニーズ・ムエタイ・スーパースター”と紹介された福田は1R開始から前に出て攻める。右のパンチとヒジを繰り出すカイトにペット―は右ボディストレートと左縦ヒジで応戦。カイトは得意のテンカオを突き刺し、右ローを蹴る。  序盤から激しい展開となり、カイトは右テンカオ、右ヒジでどんどん前へ出ていく。カイトの右ヒジで大きく傾くペット―。左ミドルを蹴るもカイトはキャッチしてヒザを入れる。ジャブと右の連打でカイトがグラつかせて初回を終えた。オープンスコアは10-9でジャッジ三者ともカイト。  2Rも序盤から激しい。ヒジを叩きつけるカイトにペット―はテンカオで応戦。組んでも負けないカイトだが、ペット―は右ボディとヒザでボディを攻め、右ヒジを繰り出す。カイトも負けじと右ヒジを強打してペット―が大きくグラつきロープ際へ。攻撃の手を休めないカイトが左ヒザ蹴りから右ヒジを右目付近へ叩きつけると、ペット―はダウン。 (写真)ペット―との激闘をKOで制したカイトこと福田海斗  ペット―は全く立ち上がれず、担架に乗せられて退場。カイトが鮮やかなKOで勝ち名乗りを受けた。 [nextpage] 海人に勝利したピンペットがRIZIN参戦のガーダムを完封 ▼第8試合 キックボクシングルール スーパーライト級(140ポンド)3分3R〇ピンペット・バンチャメーク(タイ/バンチャメークジム/WPMF世界スーパーライト級王者)[判定3-0] ※30-27×3×トレント・タイガームエタイ(=トレント・ガーダム/豪州/Tiger Muay Thai&MMA)  ピンペットはムエタイの“レジェンド”ブアカーオの弟子。クラップダム、インディートーンといった選手とも戦っているムエタイトップクラスの選手の一人で、2018年6月に『REBELS』に初来日。梅野源治に5R判定2-0で敗れたが、2020年2月のシュートボクシングの来日では海人と5R戦って決着がつかず、3Rにも及ぶ延長戦で合計8Rのマラソンマッチで海人に判定勝ちした。  トレントはRIZINに2度来日経験のあるMMAファイター。2019年8月のRIZIN名古屋大会でビクター・ヘンリーに後ろ三角絞めで敗れたものの、RIZIN初参戦でタイガームエタイジム仕込みの首相撲&ヒジ打ち、変則的なバックスピンキック、強い四つ組みからテイクダウンを奪うなど、DEEP王者に肉薄。2020年2月の井上直樹戦も判定で敗れたが、井上を苦しめた。  1R、サウスポーのトレントが前に出るとピンペットはムエタイに珍しく軽快なステップを踏んでかわす。それでも前に出てくるトレントに右ロー&右ミドル。トレントはその蹴り足をキャッチして左右フックを見舞う。ピンペットの右ミドルにパンチを合わせに行くトレントだが、ピンペットは構わず右ミドルを蹴り続ける。トレントの前進が弱まると今度は左ミドルを狙い撃ちするピンペットは、左右フックで入って来たトレントにテンカオを突き刺した。  2Rはピンペットが前へ出て右ミドルを蹴る。トレントはキャッチしての右ストレートを放つがピンペットはもうパターンを読んでかわす。思い切り右フックをスイングするトレントだがこれも空を切る。ピンペットは前後の動きと前蹴りで自分の距離を保ち、右ミドルを蹴っていく。余裕を見せての後ろ蹴りも繰り出した。トレントのローもバックステップでかわす。  3R、トレントのフックをかわして右フックを入れるピンペット。トレントは左右フックでアタックを繰り返すが、ピンペットはガードしてすぐに右ミドルを返す。左右フックを放つトレントにピンペットも付き合うように打ち合うが、しっかり左ミドルを蹴る。右ストレート、右フックでどんどん前へ出るピンペットにトレントは後退。ピンペットは右ボディストレートを突き、プッシュしてトレントを後退させる。最後にトレントがバックスピンキックを放ったが、起死回生の一撃とはならずピンペットの判定勝ちとなった。
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