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【LFA】田中路教がファリアスにスプリット判定負け、U-23グレコ王者・河名マストが激闘もジョンズに判定負け、二宮城光の三男・城太が一本負け

2022/08/06 10:08
 2022年8月5日(日本時間6日・朝10時~ABEMA配信)、米国オクラホマ州ショーニーのグランドホテル・カジノ&リゾートにて「LFA 138: Farias vs. Tanaka」が開催された。 「LFA 138: Farias vs. Tanaka」速報 ▼バンタム級 5分3R〇アリ・ファリアス(ブラジル)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×田中路教(日本)  バンタム級の田中路教(チームアルファメール)は、UFCを2勝3敗でリリース後、GRANDSLAMで現UFCフライ級のホジェリオ・ボントリンにリアネイキドチョークで一本勝ち。ACBと契約したものの試合が組まれず、2019年3月にPANCRASEでロシアのウラジミール・レオンティブに判定勝ちすると、UFC再契約を目指しLFAと契約。新型コロナウイルスやビザの影響で2年半以上のブランクが空いたが、2021年11月の『LFA 117』でヒカルド・ディアスに判定勝ちし、LFA初陣を飾っている。  しかし、LFA2戦目がなかなか決まらないなか、UFCとコンタクトを取りつつ、ほか団体への参戦も模索するなか、ようやく9カ月ぶりのLFAでの試合が決定した。  対戦相手のアリ・ファリアスは、MMA11勝3敗。 アンドレ・ペデネイラス門下のラモン・レモスの黒帯であるファリアスは、2018年のムンジアルライトフェザー級準決勝でジョアオ・ミアオに勝利している強豪柔術家。「Arzalet Fighting 1」でエルニエ・ブラカにTKO負けも、PANCRASE参戦経験もあるサイモン・オリヴェイラに判定勝ちするなどACB2連勝でMMA5連勝を飾るも、Bellatorと契約したマルコス・ブレノにTKO負け。2021年10月の前戦では、「Cassino Fight 7」でホドリゴ・デ・モウラに2R ギロチンチョークで一本勝ちしている。  7つのサブミッション勝利のうち、リアネイキドチョークでの一本勝ちが5つを数えるフィニッシャーで、田中がポジションを譲った場合、バックを許してのスクランブル、あるいは得意のブリッジでのスイープにも注意が必要な相手だ。  ABEMAのインタビューで田中は、柔術黒帯のファリアスとの試合に向け、「相手が柔術家ですごく強い選手であろうと、僕もグラップラー。そこは変えずにグラウンドで真っ向勝負出来れば」と力強く語っている。  田中のセコンドに日本での練習場のロータス世田谷・八隅孝平代表、ONE参戦中の川原波輝がつく。田中はケージサイドの石原夜叉坊ともハグをかわす。ファリアスはバキバキに隆起した上半身を見せる。  1R、ともにオーソドックス構え。上半身を立てて構える田中。手を開き、細かくステップを踏む。 ファリアスの左ミドルを掴んでテイクダウンを奪う田中! フルガードのファリアスのインサイドからパウンド。ファリアスは右腕で田中の左足を手繰り、潜りから足関節のトランジションで田中のバックにつく! シングルバックから4の字バックに変えたファリアス。  左手でリストコントロールし、背後から右手でパウンド。足を外そうとすると、右腕を絞めるファリアス。その右脇を潜る田中に腕十字も狙うファリアス。残り10秒で頭に足をかけて腕十字はファリアスもブザー。ファリアスのラウンドに。  2R、左手を伸ばしながら右ローを当てる田中。ファリアスはインローも、そこに田中もインローを返す。超高速ダブルレッグに入るファリアス。そのバックテイクの瞬間に腰をずらそうとする田中だがケージがあって回れず。リアネイキドチョークを狙うファリアスに防ぐ田中。  右脇を潜る田中は正対! 残り1分10秒。クローズドガードのファリアスをケージに押し込み、細かいパウンドも、ファリアスは引き寄せ、さらに再び潜り足関節から後ろを向かせてシングルレッグに入ったところに田中が正対しブザー。このラウンドもファリアスのラウンドか。  3R、「絶対勝つ」とコーナーに送り出された田中。スタンドで左右を突く田中は上下にも散らして前に。絶妙なタイミングでダブルレッグに入るが、その頭をがぶり足を掴んで切り返すファリアスはシングルレッグからバックテイク! 残り3分50秒、4の字ロックのファリアスにまたも正対した田中! トップから残り3分。下から腰を切り腕十字を仕掛けるファリアスにパウンドし潰す田中! クローズドガードのファリアスにインサイドの田中。ファリアスのラバーガード、腕十字狙いも潰して必死のパウンド。潜り狙いも足を後方にスプロールして潰すとニーシールドも潰してパウンドへ。ファリアスは潜りストレートフットロックからバックを狙うが、正対して上を取る田中。ブザー。このラウンドは田中が取ったが……。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)に割れ、ファリアスが勝利。「ハードなトレーニングをしてきた。タナカはタフガイだ。サムライのようにね。チャンピオンになりたい。タイトルショットの機会を与えてくれ」と語った。2023年にビザが切れる田中は、LFA1勝1敗に。今後、どんな選択をするか。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇ディエゴ・シウバ(ブラジル)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×アスカル・アスカル(パレスチナ)  第1試合に出場したムタズ・アスカルの兄アスカルはLFA3勝1敗。シウバは、2022年5月にLFAデビューし、現UFCのダニエル・アルグエタにスプリット判定負け。  1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるアスカルは右ロー。シウバも右ローの蹴り返し。続く右カーフでアスカルのバランスを崩す。  アスカルも右ロー。そこにワンツーを狙うシウバ。アスカルは左ボディストレートを突く。右カーフを当てるシウバに、アスカルも右カーフの蹴り返し。シウバは左右連打もボクシングの上下打ち分けはアスカル。シウバはワンツースリーの連打で押し返し、跳びヒザも見せる。  2R、右ストレートを打ち下ろすアスカル。右ハイをブロック上に返すシウバ。アスカルは左ジャブ、右ローを突き、圧力をかける。  アスカルのワンツーをダックするシウバだが手数が無い。ワンツーと単調。アスカルは右をブロックして、左ジャブ。シウバは組みの気配を見せない。シウバは右カーフ。アスカルは左ジャブ、右ストーリーを強振。シウバの右フック、後ろ廻し蹴りは空振り。  3R、近い距離で戦うアスカル。スナップをきかせた右ハイ、サイドキックも見せる。かわすシウバは左右を振って右! ここまで試合を支配していたアスカルがダウン。その立ち際にギロチンチョークでクローズドガードに入れるシウバだが、下の位置で首を抜き、トップポジションを奪うと、インサイドから細かいパウンド。  シウバはニーシールドに変えて立ち上がり。しかしそこにアスカルはシングルレッグで金網までドライブ。足を抜き、フックを振るシウバに、アスカルはダブルレッグからシングルレッグに切り替え、シウバのギロチン狙いを察知して対角に跳び、シウバの立ち際を押し込みブザー。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)に割れ、3Rにダウンを奪ったシウバが接戦を制し、MMA戦績を15勝7敗とした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇アライジャ・ジョンズ(米国)[判定3-0] ※30-27×2, 30-26×河名マスト(日本) フェザー級の河名は、元グレコローマンレスリングU-23世界王者。全日本社会人選手権優勝・国体二連覇などの実績を引っさげて、MMAに転向も、初戦でジェイク・ウィルキンスのハイキックを受けてカットしドクターストップ。苦い敗戦を経験した。  しかし、その後は約2カ月毎に試合を行い、怒涛の5連勝。武器であるグレコローマンレスリングをMMAにアジャストし、急激にMMAファイターとしての強さを増している。  米国で戦う相手は、MMA8勝2敗の強豪で、UFCのマイルズ・ジョンズと兄弟のイラジャ・ジョンズ(米国)。左の強打と組みにも長けたオールラウンダーだ。  MMA転向から約1年、北米最大のフィーダーショーで、目標とするUFCへと繋がるLFAに初参戦を決めた河名は、今回の試合に向け、広島生まれとして「8月6日」に、「好きなMMAが出来ることに感謝して戦いたい」と語っている。  1R、サウスポー構えのジョンズの左右と蹴りを一気に詰めて右をオーバーフックして組む河名。体を入れ替えるジョンズが河名に金網を背負わせる。  しかし右をオーバーフックし、小手に巻いたたままの河名は離れず。押し込むジョンズに左の小手に変えた河名。  中央に歩きボディロックで崩すジョンズに前転でヒップアタックを見せるジョンズは立ち上がり。ここも付いていく河名だが、押し込むのはジョンズ。右で小手に巻く河名に右ヒジを打ち込む。そこで左で差して崩そうとする河名だが汗で滑り、スタンドに。  得意の左ハイを狙うジョンズ。その連打ににガード上から効かされたか後退する河名は組みに。それを剥がすジョンズ。右でオーバーフックを試みる河名だが組めない。  2R、先に中央を取るジョンズ。左ストレートも被弾する。喧嘩四つで左ハイを浴びながらもその蹴り足を掴んでヒザを着きながらも立ち上がり蹴り足を上に上げて崩そうとする河名。金網背に組み直し右で小手に巻く河名。  首相撲のジョンズから離れる河名。左回りでジョンズの左ハイを掴んで押し込みボディロックに切り替え、スタンドバックについた河名! 前転し、腕を差し込みスイッチを狙うジョンズが上になりかけると立ち上がり。  レスリングもベースに持つジョンズに、河名は得意のパターンにハメこむことが出来ない。金網背に右で小手に巻き、ボディロックを狙う河名。突き放すジョンズは左の三日月蹴り! 左に回る河名に左前蹴り、左ストレートも。  そこに前手の左フックで前に出る河名だが、左ハイを浴び、さらに左ストレートに後退。鼻から出血する河名は回り続けてブザー。このラウンドも河名は失った。 3R、果敢に前に出る河名。ジョンズを下がらせて跳びヒザをキャッチし組みに。右で小手に巻き金網背に。シングルレッグに切り替え体を入れ替え、ハイクロッチで持ち上げテイクダウンも、すぐに立ち上がるジョンズ!  左で小手に巻くジョンズ。離してジャブ・ストレートを突くが、距離を潰して前に出る河名は、シングルレッグへ。金網背にするジョンズに足を股に挟むも、崩せない河名。四つで体を入れ変えるジョンズは離れる。  左ハイをガード上から浴びる河名。ワンツーで押し返すが届かない。左ハイを肩口で受けて前進し、シングルレッグへ、スイッチ狙いから内無双で防ぐジョンズは右で小手に泣くが、脇を潜る河名はバックから後方への投げ。残り少ない時間でもジョンズはすぐに立ち上がりブザー。判定へ。  判定は3-0(30-27×2, 30-26)でジョンズが勝利。「日本からほんとうにタフなファイターだった。LFAはいい経験になっている。タイトルコンテンダーになりたい」と語った。 [nextpage] ▼148ポンド契約 5分3R〇AJ・カニンガム(米国)[判定3-0] ※29-28×3×シェイ・コンリー(米国)  1R、ともにサウスポー構え。カニンガムのワンツーをかい潜り、シングルレッグをリフトしてテイクダウンしたコンリー。カニンガムの立ち際をがぶりアナコンダチョークに入るコンリー。ヒジを張りスペースを作り防ぐカニンガムは首を抜いて立ち上がり。  すぐに大きなワンツーで詰めるコンリー。左で差して支え釣り込み足気味に回して中央に向けて投げると、今度もカニンガムの立ち際にアームインギロチン!   カニンガムが頭を抜くと腕十字に移行するが、ここもカニンガムはパウンドからヒジを抜く。力を使ってアタックを続けるコンリーは、なおもダブルレッグテイクダウンからがぶりも、カニンガムは立ち上がり、ヒジを狙う。  2R、力を使ったコンリーのスタミナはいかに。オーソドックス構になるカニンガムは、コンリーの入りに右跳びヒザ! しかしコンリーは右ジャブ、カーフキック! 一瞬身体を崩したカニンガムは立ち上がり、右アッパー、右ハイで前に。しかし、コンリーも左ストレートを返すと、カニンガムは右ミドルを当てる。コンリーはダブルレッグで金網まで詰めるが差し上げるカニンガム。  突き放すコンリーは右アッパー、左後ろ蹴り、さらに首相撲ヒザ! コンリーはシングルレッグに入るも切るカニンガムは右ヒジ! 下がるコンリーにカニンガムは金網まで詰めてミドル、さらに右ヒジ、バックヒジ。  ここでカニンガムはダブルレッグ! ギロチンチョークを合わせにいくコンリーから首をすぐに抜き、寝技には付き合わず、スタンドで圧力をかける。  3R、勝負の最終ラウンド。前に出るカニンガムの打ち終わりに足が揃ったところにダブルレッグテイクダウンはコンリー! カニンガムが片足を抜くと、なおもシングルレッグを手繰るコンリーに横三角の形で足を組む。亀のコンリーの足首を掴み、上から右ヒジを左腿にこつこつ落とすと、足を解いてがぶりに変えてアナコンダチョーク狙い。  自ら離れるカニンガム。サイドキックを見せるコンリーは左インロー、シングルレッグからスタンドバックについたところでブザー。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ニック・タラヴェラ(米国)[1R 2分41秒 リアネイキドチョーク]×二宮城太(米国)  二宮城太は、国際空手道円心会館・二宮城光館長の三男。  城光氏は、極真会館芦原道場時代に第10回全日本選手権優勝、芦原会館米国本部長職を経て、1988年(昭和63年)に、国際空手道円心会館を設立。サバキ空手の普及に努めている。  その実の息子である城太は、3歳から円心空手を始め、世界大会「サバキチャレンジ」で優勝。2018年からLFA等のアマチュアMMAに参戦し、2連敗後に4連勝。2022年6月にLFAでプロデビューし、1R わずか34秒でTKO勝ちを収めている。  米国籍を持つ二宮のプロ2戦目の相手タラヴェラは、プロ戦績は2勝1敗。さらにアマチュアでも6勝5敗とキャリアを積んでおり、長身を活かした四つ組みからの小外がけテイクダウン、さらに寝技でもリアネイキドチョーク、ギロチンチョークなどのフィニッシュもマークするグラップラーだ。  サバキ理論をMMAで実践する二宮は、組んでくる相手もさばいて自身の空手をケージで見せるか。 “センセイ・ジョータ・ニノミヤ”とコールされた円心会館館の二宮。コロラドではドウェイン・ラドウィッグとも練習を積む。  1R、右ローから右オーバーハンドを突く二宮。そこにサウスポー構えから左を突くタラヴェラ。詰めて胴に組んで金網まで押し込む。  シングルレッグに切り替えるタラヴェラに、得意のギロチンチョークを仕掛ける二宮。しかし首を抜くタラヴェラに立ち上がる二宮。  その際で右で差してボディロック、脇を潜り、背後から右足をかけ背中に乗るタラヴェラはリアネイキドチョーク狙い。右腕をアゴ下に差し入れ、左手首をリストコントロール。二宮は正対を試みるが、それをさせないタラヴェラは腕を喉に食い込ませて左手も頭後ろに組んで、リアネイキドチョークで引き込みタップを奪った。タラヴェラはプロMMA3勝1敗に。二宮は1勝1敗となった。 [nextpage] ▼150ポンド契約 5分3R〇クリス・メカテ(米国)[判定3-0] 30-26×2, 30-27×ムタズ・アスカル(米国)  1R、メカテはシングルレッグテイクダウン。ハーフから肩固めでプレッシャーをかけるが、アスカルはフルガードに戻す。しかし、上のメカテが、左足を抜いてハーフからアスカルの正対際に左のパウンド連打!  2R、開始早々にダブルレッグテイクダウンを奪うメカテ。右脇に頭を突っ込み、アスカルの左手も挟んでマウントから肩固めへ。左手を抜いたアスカルは右手で頭を抱えて防御。腰を押してエビを狙い、右腕を戻す。ハーフで凌ぐも下のままのアスカル。  3R、メカテのテイクダウンに合わせて左の蹴りでダウンを奪うアスカル! しかし、スクランブルで上と取ると、背中を見せて立とうとするアスカルの立ち際に正対も、そこをまたいでがぶって倒したメカテが1、2R同様に上に。肩固めを狙いつつ、マウント&パウンドでブザー。  判定は3-0でカニンガムが勝利。MMA戦績を9勝2敗とした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇カラム・パーカー(英国)[判定2-1]×アシュトン・カービー(米国) [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ライアン・フーバー(米国)[2R 4分46秒 TKO]×ジャレッド・ブラウン(米国)
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