今年5月に九州で復帰戦を行い、K-1 JAPAN GROUPに6年ぶりに復帰する岩﨑(C)K-1
2022年8月11日(木・祝)福岡国際センター『ECO信頼サービス株式会社PRESENTS K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』にて、スーパーファイトの-63kg契約3分3R延長1Rでゴンナパー・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)と対戦する岩崎悠斗(PURGE TOKYO)が公開練習を行った。
岩﨑は高校時代にK-1甲子園に出場し、Krushのリングでも現在のKrushスーパー・ライト級王者の佐々木大蔵やウェルター級のトップ戦線にいる安保瑠輝也らと激闘を繰り広げてきた実力者。2016年10月『Krush.70』で佐々木とタイトルマッチを戦って以降はK-1 JAPAN GROUPのリングを離れていたが、今回のK-1福岡大会で復帰することが決まった。
しかも、K-1は初参戦だ。「K-1でチャンピオンになることはずっと夢だったんで、素直に嬉しいです」と喜びの声を上げた岩﨑。様々な舞台を踏んできたものの、幼い頃より夢見ていたリングは、「小学校ぐらいから見始めていて、やっぱり凄い夢だったんで、気持ち的にはよっしゃーって感じですね」と、格別なものがあるようだ。
約2年前に現在の所属ジムであるPURGE TOKYOに移籍し、しばらく試合から遠ざかっていたが、今年5月22日にアクロス福岡で開催された北九州プロキックボクシングのリングでのダルビッシュ黒木戦で復帰。KO勝利を収めて、改めてその実力を示した。その試合で感じたのは、PURGE TOKYOに移籍してからの練習の成果だ。
「もう全部ですね。どこがっていうピンポイントじゃなくて、技術もそうですし、マインド面とか精神的な面も違っているなっていうのは実感していて、この間の試合が終わってからも周りの反響もあったんで、なおさら実感が湧きましたね」と岩﨑。PURGE TOKYOで一からやり直し、進化した手応えも復帰戦で掴めたという。
公開練習では3分間のシャドーボクシングを披露し、鋭いパンチを繰り出していた岩﨑。実践的な動きは試合当日にK-1ファンにお披露目する形となったが、現在はコンディションも「めちゃめちゃいいです」と言い切るほど好調の様子。「あと試合までの1カ月、思いっきり追い込むだけです」と、初めてのK-1参戦に向けて意気込んでいた。
そこで臨むのが今回のゴンナパー戦だ。ゴンナパーは昨年7月のK-1福岡国際センター大会で朝久泰央に敗れて、K-1ライト級王座から陥落。しかし、その後は勝利を重ね、先日の6.19『THE MATCH 2022』東京ドーム大会でも白鳥大珠にKO勝利を収めたりと、改めて実力者ぶりを示したばかりだ。
そんなゴンナパーに関して、「やっぱり蹴りが強いし、パンチも強いかもしれないですけど、特別ここがっていうのは感じてないです」と印象を語った岩﨑。しかし、「知名度もあるし元チャンピオンですし、ライト級で一番強いと思っているんで、ここを倒したら美味しいなっていう感じですね」と舌なめずりもしている。
元々、ゴンナパーがK-1に初登場した時から対戦したという希望を持っていただけに、いきなりのマッチメイクは岩﨑にとっても渡りに船だった。そのゴンナパー戦に向けて、「練習はいつも通りに徹底的にやることをやって、自分の持ち味を最大限に活かせたらと思っています」と、PURGE TOKYOでの練習を信じて試合に臨む。
K-1のリングでの目標はやはりチャンピオンの座だ。今後ベルトを争うことになるライト級のライバルたちに関しても、岩﨑は「ゴンナパー選手はずっとやりたかった相手なんですけど、他の選手はそんなに意識してなくて、やっていていけばそのうちチャンピオンになれると思っていたんで、自分という存在を見せつけられればいいかなって感じですね」と眼中になし。
「これをしっかりクリアして、パパッと行ってやろうかなと思っています」と、大物を狩って最短距離での王座戴冠を目論む。福岡は怪我で欠場中の王者・朝久の地元。朝久も来場を予定しているが「勝てば向こうも自然と意識してくるんじゃないかって思いますね」と自信たっぷりだ。
PURGE TOKYO所属選手たちが口々に「岩﨑は強い」と噂していることで、K-1サイドの期待も大きい。「今のK-1のファンの方って、僕のことを知らない人が多いと思うんで、『誰だこいつは?』っていう状態だと思うんですけど、『岩﨑、やべえ!』って思わせられるんじゃないかなって思ってます」と、本人も現在のK-1ファンを驚かせる気は満々。戻ってきた実力者の進化した姿が、いよいよ福岡のリングでベールを脱ぐ。