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2022年7月22日(日本時間23日U-NEXT配信)、米国ワシントン州タコマのエメラルドクィーン・カジノ&ホテルにて『Bellator 283』が開催された。
ライト級では、2019年RIZINライト級トーナメント覇者のトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)が、Bellator同級1位のシドニー・アウトロー(米国)と対戦。
試合は1R、アウトローの左に右を当て、さらに左フックをテンプルに当てたムサエフに、アウトローが足を泳がせると、ムサエフは金網に詰めて、的確にアゴを打ち抜く右ストレートダウンを奪い、レフェリーを呼び込んだ。
わずか27秒、TKO勝ちで衝撃のBellatorデビューを飾ったムサエフはケージの中で「パトリッキー・ピットブルの怪我の回復を待って、ベルトに挑戦したい。ベルト、ベルト、ベルト!」と王座挑戦をアピール。さらに「ウスマンの勝利におめでとう。(コーチの)ハビブ(ヌルマゴメドフ)にも」と、自身の試合の前に1Rで一本勝ちし、戦績を15戦無敗としてかつての練習仲間の勝利も祝福した。
ムサエフの呼びかけに王者パトリッキー・“ピットブル”・フレイレも「11月にやろう」とツイート。ライト級王座戦線が、一気に過熱した。
試合後の会見でムサエフは、「これまでのインタビューでも言っていた通り、今日は予定通りだった。KOで勝つ事は予定通り。対戦相手をリスペクトしますし、この機会に感謝します」と試合を振り返った。
今後について「トレーニングキャンプに早めに戻って準備ができ次第、次の試合について話し合いたい。自分の祖国アゼルバイジャンでピットブルと対戦できると嬉しい」とあらためて、母国でのタイトルマッチを希望した。
また、ライバルであり盟友であるウスマン・ヌルマゴメドフについては、「ウスマンとはいい関係だし、ファイターとしてもリスペクトしている。ただ、彼は今戦いたい選手のプランには載っていない。とにかく今はピットブルと戦う事しか考えていないし、Bellatorが彼との戦いをアゼルバイジャンで開催してくれたら最高だ。ピットブルはSNSでも私との再戦を望んでいた。だから、やるだけだ」と、コンテンダー争いは望まず。先に王者と対戦したいことを語っている。
ムサエフの発言に、Bellatorのスコット・コーカー代表は、「ライト級ではウスマンが素晴らしい試合をした。それに、今日ライト級でもう一人の“キラー”を皆、目の当たりにしただろう。彼の名前も確実にパトリッキーの試合を組む中で入れていかなければならない」とウスマンとムサエフを評価。
さらにムサエフについて、「3年前、彼が日本で パトリッキー・ピットブルを倒した試合を見ていたので、彼の強さは知っていた。当時RIZINトーナメントのチャンピオンになった。その後、彼がフリーエージェントになった時にBellatorに来たいと聞いたのですぐサインをしたんだ。彼の威力は凄かっただろう? ただ、彼の本当の凄さは試合時間があまりに短かったので一部しか見れていないかもしれないが、とても優れた選手だと思う。彼の試合をこれまで何度も見たが、Bellatorのライトを見ると、かなりパワフルで強く充実している。これからどうなるかが楽しみだ」と、期待を寄せている。
ムサエフは今大会前に米国合宿も敢行。
「サンフォードMMA(現キルクリフFC)にはとても感謝している。マネージャーと話して問題がなければ彼らと契約したいと思っている。キャンプのトレーニングでは毎回自分の技術の向上が見れるし、毎回終わるたびにいい気分になる。そして試合毎に経験を積んでいくんだ。なので次の試合もかなりいい試合になると思っている」と、フロリダの名門キルクリフFCにチーム入りすることも視野に入れていることを明かしている。