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インタビュー

【Bellator】14戦無敗ウスマン・ヌルマゴメドフ「『ハビブのいとこ』って呼ばれるのは好きだよ」×クリス・ゴンザレス「“ドッグファイト”だ。俺の方が強いドッグだと思っている」

2022/07/22 22:07
 2022年7月22日(日本時間23日朝7時30分からU-NEXT配信)、米国ワシントン州タコマのエメラルドクィーン・カジノ&ホテルにて『Bellator 283』が開催される。  コメインにはライト級の注目カードが並んでいる。ひとつは、RIZINから初参戦となるトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)と、ライト級1位のシドニー・アウトロー(米国)の試合。  もうひとつは、14勝無敗ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)と、元レスリング米国代表のクリス・ゴンザレス(米国)の対戦だ。前日計量では、3位のウスマンが155.2ポンド(70.39kg)、ゴンザレスが156ポンド(70.76kg)でともにパスしている。 ▼ライト級 5分3Rウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)14勝無敗クリス・ゴンザレス(米国)7勝1敗  14勝無敗、ウスマン・ヌルマゴメドフは、元UFC王者ハビブ・ヌルマゴメドフの従兄弟で、ライト級4位。ヌルマゴメドフファミリーにあって、8KO・TKOを誇るストライカーだが、前戦ではパトリック・ピエティラにリアネイキドチョークを極めている。  対するノーランカーのゴンザレスは2016年グレコローマンレスリング米国代表で、元NJCAAオールアメリカンレスラー。元UFCのロジャー・フェルタにTKO勝ちするなどBellator5連勝も、2021年7月にゴイチ・ヤマウチにTKO負けで初黒星。しかし、2021年1月にサッド・アワッドに、サウスポー構えから左ハイキック1R TKO勝ちで再起を遂げた。  テイクダウンとコントロール&パウンドを武器とし、打撃もこなす難敵ゴンザレスを相手に、ヌルマゴメドフは無敗記録を伸ばすことが出来るか。メディアインタビューでの両者との一問一答は以下の通りだ。 ウスマン・マゴメドフ「フィニッシュできるきっかけを常に探している」 ──ワシントン州タコマに来るのは? 「初めてです。どう、といってもホテルにいるだけだから、特に何も無いですけどね」 ──7勝1敗のクリス・ゴンザレスとの対戦になりますが、どのように試合を迎えますか。 「準備はできています。とても良い気分だし、とてもワクワクしています」 ──なぜ今回、AKAコーチのハビア・メンデスは対戦相手にゴンザレスを選んだのだと思いますか。 「Bellatorからオファーがあるだけで、対戦相手は選べないんだと思います」 ──メンデスとの英語レッスンはどのように進んでいますか? 「今、聞いてみてどう思います? 個人的にはとても良くいっていると思います。最初に『ありがとう』や『ごめんね』、『右や左』などを覚えて。引き続き学んでいます」 ──今回、ロメロ・コットンら、AKAの選手が多く参戦していますが、ウスマン選手にとってAKAでの練習というのはいかがですか。 「とてもハードにトレーニングしています。全員が準備が出来ている。金曜の夜(日本時間・土曜の朝)に試合でそれを見せられるのではと思います」 ──キャンプにハビブ・ヌルマゴメドフは参加されていましたか? コーナーにハビブは入りますか? 「もちろん、彼はキャンプにいました。たくさんのアドバイスももらいましたし。これまでも『ファミリーで一番強いか?』と聞かれましたが、そんな風には思っていないです。兄のウマルがUFCで戦っていますし、彼はベストストライカーだから。そして、ハビブはコーナーに入ります」 ──今回の試合後、あなたはもう「ハビブのいとこ」と呼ばれることは無くなるかもしれませんね。「ウスマン・ヌルマゴメドフ」としてきちんと名前を覚えられるでしょう 「僕自身は、『ハビブのいとこ』って呼ばれるのは好きなんですけどね」 ──先ほどのインタビューでクリスは「ウスマンがこれまで戦ってきた相手は大したことのない選手が多く、自分とは全くレベルが違う」と言っていました。ウスマン選手にとって、今回のクリスとの試合は大きなステップアップだと考えていますか? これまでの対戦相手と比較してどうでしょうか。 「そう言うけど、彼はどれだけ経験があるんだ? 7戦とかだろ?(7勝1敗)僕は14勝の経験があるから。どうしてそんな事を彼が言えるのか分からない。まぁ、待っててください。見せますから」 ──Bellatorではこれまで良い勝ち方をしてきたと思いますし、勢いを掴んでいると思います。タイトル戦までの距離はあとどのくらいだと考えていますか。 「今回の試合の結果を見てみればいいと思います。(王座挑戦まで)近いと思っている。(年内にベルトに挑戦できると?)どうでしょう?」 ──あなたにとってBellatorの印象は? 「Belletorではこれまでいくつか勝利してきましたが、まだランカーとは勝負していません。トップ10のランカー達は皆タフな選手だと思います。だから、どうなるかな。楽しみにしていますし、自分にはいい挑戦だと思います」 ──ライト級王者のパトリッキーについてはどう思いますか? 「特になにも」 ──ガジヒ・ラバダノフと同じ大会になるのは初めてでしょうか。ハビブ・ヌルマゴメドフは両試合ともコーナーに立つのでしょうか。 「2回目です。初めはロシアで出るはずだったけど、彼の対戦相手がコロナにかかって試合が流れたから。その後、LAが最初だったと思う。1年前です。ハビブは常に僕のコーナーにいます。彼がいてくれると気分がいいです」 ──あなたはライト級3位です。世界では色々な出来事が起こっていますが、Bellatorはあなたの為にいい戦いと、いい環境を与えてくれていると感じますか? 「そのようには思っていません。そのように見えるのかもしれません。自分で試合を選ぶわけではなく、Bellatorからオファーされているものを受け、そこに向けて集中して試合に挑むだけです。それだけです」 ──これまで14勝無敗で、8KO・TKO、4サブミッション、判定勝ちは2回だけです。試合の際、自分の好きなムーブは何になりますか? 「特に決めている事はないです。今までも言っていますが、試合に向けて対戦相手に集中するだけです。試合中にきっかけを見つける。当たり前ですが、フィニッシュできるきっかけを常に探しています。対戦相手のミスを見つけて、そこからアドバンテージをとったり……。だけど、何も特別に決めている事はないです」 [nextpage] ゴンザレス「ウスマンはこれまで自分のようなオールラウンドファイターと対戦した事がない」 ──今回の対戦相手のウスマン・ヌルマゴメドフ選手について、どう考えていますか。今回、掛け率的にはアンダードッグとしての試合になると思いますが、試合の夜、どのように世界を驚かせますか? 「やらなければいけない事をやるだけだよ。耐えながら、攻めることが出来るところを攻める。ウスマンは現在無敗だけど、いいレジュメ(経験)な訳ではない。戦う経験が不十分だとは言わないし、準備はできているだろうけれど自分は構えすぎてはいない。彼がどれだけ強いのか分かっているし、彼のファミリーの強さも分かっている。リスペクトをされるべきだと思うし、リスペクトもしているが、“ドッグファイト”だ。俺の方が強いドッグだと思っている」 ──アンダードッグとしての参戦が、逆に少し気持ちを楽にしてくれたり、自分の戦いをしやすい環境にさせてくれると思いますか? 「そうは思っていない。アンダードッグだろうがなんだろうが何も関係ない。ケージに入れられて、お互い同じ4オンスのグローブをつけて、2本の腕と2本の足があって。アンダードッグだろうが、フェイバリットだろうが、そんなもの何でもない」 ──今回の対戦相手はオールラウンダーだと言われます。TKO勝利もある、サブミッション勝利もある。スタンディングでもグラウンドでもフィニッシュできる事を踏まえて、今回の試合にむけてどのように準備をしましたか? 「彼のこれまでの対戦相手はそんなたいした相手じゃないだろ? だから、彼がそれらで勝ってきたとしても、俺はそれを上回っているから」 ──どのようにあっと言わせたいですか? 「特に驚かせるような事はないと思うよ。彼も俺の事を理解していると思うし、俺も彼の事をきちんと研究している。自分はスピードもあるし、爆発力もある、グラップリングもクソ強い。だから、何でも期待できるのではないかと思う。彼もそれに向けて準備しているだろうし、だから驚きとかはないんじゃないかな。だけど、いくつか“袖”にはトリックは忍ばせてはいるから、楽しみにしててほしい」 ──ウスマンの戦略は、レスリングを避けてスタンドでのKOを狙っていると思いますか。 「彼はダウンを取ろうとしないのではないかな。彼にとっては残念な選択だけど。もしそれが本当になったら、俺にとってはとても簡単になる。だからそれが彼の戦略だったらいいね。自分のグラップリングにはすごく自信があるし、アドバンテージが取れるようになる。まあ、彼はミクストマーシャルアーティストだから、色々ミックスしてくるだろうね。ストライキングとグラップリングと。ただダウンできると思って、レスリングで向かってくるなら間違っているね」 ──ウスマンのこれまでの対戦相手と違い、クリスとの戦いは今回大きなステップになるだろうと言っていましたが、特に何が違いますか? 「ウスマンはこれまで自分のようなオールラウンドファイターと対戦した事がないのではないかと思っている。自分のようなドミネーターでディシプリンな選手とは戦っていないと思う。だから彼が試合中に経験した事のないような事が露呈するだろうし。彼も世界でもかなり優秀なチーム(AKA)でトレーニングはしていると思うし、世界チャンピオンがそこにはいるだろうから、見たことがないという事はないと思うけど、実戦で倒そうと思っている相手と向き合うのは、やはり少し違うのではないかな」 ──今回クリスからこの対戦を要望したと聞きましたが、なぜこの対戦を希望されましたか? 「ビッグネームと戦いたいんだ。あの魅力的な名前たちに並んでランキング3に名前が上がっているのが、また魅力的だったんだ。最終的に自分はチャンピオンになりたいと思っている。だから3位との対戦はそこに近づく一歩だし、インスタグラムのフォロワーも増えるだろ?(笑)」 ──ウスマンはビッグネームとしてよく取り上げられています。その中で対戦を希望したと聞きましたが、ご自身がスポイラー(かませ犬)のような役割だと感じることもありますか。今話をしてみてすごく楽しんでいるように見えます。 「そうは思っていない。自分はアスリートだし、スポイラーの役割は賭けをしている人の為だろ。今回、集中して準備をしているし自分の中の最高なものをアスリートとして出したいと思っている。スポイラーと呼ばれようが、それは思う人の勝手だし、自分にとってはなんの影響もないよ」 ──今回の試合に向けてのトレーニングパートナーは誰と? 「トレーニングパートナーはたくさんいたんだ。メイソン・ジョーンズ、UFCロンドンの対戦カードにいる。クレイル・ロメロもかなり大きな役割を果たしてくれた。次の火曜にコンテンダーシリーズに出るはずだ(Contender Series 2022)。見てみてほしい。これからの選手だと思う。世界のステージに上がってくるだろう。ハイレベルなトレーニングパートナーがCSAにはそろっている。ガストン、ジョージ、サンディエゴでホワイトサイドトーナメントに出る。本当にハイレベルなパートナーとコーチが揃っているよ」 ──ところで、今着ているTシャツにもコービー・ブライアントがプリントされていますが、コービーのスタイルをどのように活かしたいと? 「まさしく、それだ。マンバメンタリティー(常に最高の自分になろうと努力を続けること。昨日よりももっと良い自分になろうとし続けること)だ。自分を信じる事、決断力、仕事熱心なこと。この3つはアスリートとして、アスリートとしてでなくても成功のカギになる。そのマインドセットを自分に落とし込んでいるんだ。金曜の夜、それを見せられるといいと思っている」 ──ウスマンはこれまで弾丸のような打撃を見せてきましたが、「対戦相手が充分ではなかった」とあなたは言いました。それが故にウスマンは勝ち上がって来れたと思いますか。 「軽く見ている訳ではないけど、彼がこれまで戦ってきた相手はトップクラスの選手ではないと思っている。そして自分はトップクラスの選手だと思っている。もちろんそれなりの相手とは戦ってきていると思うけど、特別なファイターはいなかった。だから、金曜(日本時間・土曜日)も、そうなるか見てみよう」 ──前回の試合(アワッド戦)、かなり距離のコントロールをうまく取れていたと思います。今回も同じように戦われますか? 「ウスマンは身長もある(180cm、リーチ182cm)。自分もそれなりのサイズだ(180cm、リーチ185cm)。リーチが長くアドバンテージは自分にあるのではないかと思っている。少しだけ身長も自分に利があるかな。間違えてなければだけど。グラップラーとしては常に決断力にもアドバンテージがあると思っている。彼が何を出してくるかによるが、自分が何を出せばグラウンドに持っていけばいいか理解している。だから、試合をコントロールするのは自分になるだろう」
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