マスンヤネが孤児院で出会ったレスリングが、MMAへと繋がった
ひとり親家庭の子どもを応援している箕輪だが、マスンヤネも恵まれない環境にいる子供たちを支援している。
マスンヤネ自身も孤児院出身。南アフリカ共和国に囲まれた内陸国のレソトで生まれたマスンヤネは。4人の兄弟と母親と暮らしていたが、2歳の時に母が逝去。マスンヤネはヨハネスブルグの叔母の元で暮らすことになったが、経済的に余裕はなく、マスンヤネは6歳のときに兄弟とともに孤児院に預けられている。
ONEの公式インタビューでは、「孤児院出身ということで、自分は取り残されたような気がした。人生のすべてから取り残されているような気がした。世の中はどんどん進化しているのに、自分は孤児院と学校を往復しているだけ。現実の世界では、取り残されたような、居心地の悪い状況に置かれていた。実は、自分も他の人間と同じという安心感を得るために、不安と戦わなければならなかった」と、当時を振り返る。
そこで出会ったのが、レスリングだった。
「いろいろなスポーツが得意だった。サッカーが好きだった。陸上競技も楽しかったし、体操もたまにやっていた。孤児院の中には、選べる競技がたくさんあって、自分はレスリングに情熱を見出した。続けるうちに、23の国内タイトルを獲得し、3度アフリカ選手権で優勝し、コモンウェルスゲームにも出場した。しかし、残念ながら、南アフリカのレスリングは、世界に比べて規模が小さいんだ。生計を立てることはできないし、最良の選択肢はMMAだった」
マスンヤネは自身がMMAで成功することで、同じような境遇の子供たちに道を示したいという。
「まず、孤児院の子供たちに、チャンスはある、人生で正しい選択をして、続けていけばいいってことを示したかった。でも、そうしているうち、自然と周りの人たちのやる気も上がっていくことに気付いた。孤児院の子供たちのことは大切に思っている。自分もそのような葛藤や世界から取り残されたような感覚、何かの一部になりたいと思う気持ちを経験してきたからだ。そして、ONE Championshipは世界の何か大きなことをの一部になる機会を与えてくれたと思っている」
『ONE 159: De Ridder vs. Bigdash』
2022年7月22日(金)シンガポール・インドアスタジアム
▼ONE世界ミドル級(※93.0kg)選手権試合 5分5R
ライニア・デリダー(オランダ)王者
ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)挑戦者
▼ONE Super Seriesムエタイ暫定世界女子アトム級王座決定戦 3分5R
ジャネット・トッド(米国)
ララ・フェルナンデス(スペイン)
▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
箕輪ひろば(日本)
▼ONEムエタイ バンタム級 3分3R
ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)
▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R
ツオロンチャアシー(中国)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)
▼ONEムエタイ フェザー級 3分3R
ジョー・ナタワット(タイ)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)
▼ONEムエタイ ライト級 3分3R
シムサット・クリンミー(タイ)
リアム・ノーラン(中国)
▼ONEライト級(※77.1kg)5分3R
アリエル・セクストン(コスタリカ)
マラット・ガフロフ(ロシア)
▼ONEウェルター級(※83.9kg)5分3R
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)
ジン・テホ(韓国)
▼ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R
リー・ビヴィンス(米国)
セバー・バノ(インド)