キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】梅野源治を迎え撃つ陸上自衛隊出身ファイター大谷翔司「新生KNOCK OUTは甘くないぜ。出世試合にしようと思ってます」

2022/07/14 21:07
 2022年7月23日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2022 vol.4』にて、「KNOCK OUT-RED -61.5kg契約/3分3R・延長1R」で梅野源治(PHOENIX)と対戦する大谷翔司(スクランブル渋谷)。4月には『RIZIN』に初出場し、力也からダウンを奪われながらも逆転KO勝ちを果たしたところに、続けて梅野戦という大きなチャンスが舞い込んできた。「知名度を上げるためにもオイシイ相手」と話す彼は、この試合でどんな勝ち方を描いているのか? 主催者を通じてインタビューが届いた。 あの梅野選手が、僕のヒジで倒されたり切られたりしたら面白くないですか? ──梅野戦を最初に聞いた時にはどう思いましたか? 「ちょっと意外という点でビックリはしたんですけど、即答で『やりたい』と返事しました。やらない理由がないというか、オイシイ相手だなと思いました」 ──「オイシイ」というのは、やはり実績と知名度ですか? 「そうですね。RIZINでの皇治戦でバズってて、今知名度のあるキックボクサーの一人なので。ただ、ヒジなしのルールに出るようになってからはそんなに意識はしてなかったんです。今回はヒジありで、彼の土俵でできることが逆にうれしいですね。そこで勝てば本人も言い訳できないし、名前を売ることもできるので」 ──梅野選手は本来の土俵では、ものすごい実績を持っていますよね。そこについては? 「ヒジありでは本当に国内トップ選手だと認識してるんですけど、最近は僕自身も自分の力に自信が持ててきているので。まだまだな部分もたくさんあるんですけど、梅野選手にはいい恐怖感を感じてます。その自信と恐怖感のバランスがいいというか、両方あって、すごくいいモチベーションになってますね」 ──ヒジありでの梅野選手の強さ、怖さというのは? 「一発で終わらせる怖さはあると思います。ただ、全体的な攻撃力という意味ではそんなに怖くはないですね。倒すタイプの選手ではないと思うし。ただ、世界と戦ってきた選手なので、キャリアとかいろんな経験からくるテクニックというのは警戒すべきだと思ってます」 ──逆に、梅野選手のここ最近の戦いぶりについては? 「正直、ヒジありじゃなかったら僕が圧勝できると思ってます。その意味であまり意識してなかったというか、ヒジなしだったら彼より強い選手はいっぱいいるし、むしろ僕自身は彼がヒジなしで戦ってきた相手の方に興味を向けていた感じです」 ──一方で、自分の力に自信を持っているというお話がありました。具体的にはどういうところに? 「今までは練習でやってきたことが半分以下しか出せなかったんですけど、最近は7割前後の力が出せるようになりました。フィジカル面で見ても数値も上がってきてるし、誰がどう見ても強くはなってきてると思うんですけど、自信と経験をつけることによってのびのびと試合ができているという感覚があって、そこに手応えを感じてますね」 ──4月にはRIZINに初出場して、勝利しました。そこも自信につながっているのでは? 「ダウンを取られたところから取り返して逆転勝利という展開は初めてだったので、それが経験できたのは一つ大きいですね。あの大舞台で、100%ではないにしてもある程度力が出せたというのも自信につながりました」 ──RIZINに出てからの変化は? 「他の試合に比べて反響は大きかったですね。ただ、そこからまだ飛躍できてないというか、知名度もそんなにないし、そういう意味では今注目されている梅野選手を倒すことで、名前を売れたらオイシイなというところですね」 ──これまで『KNOCK OUT』ではずっとBLACKルールでの出場でしたが、イノベーションではヒジありルールでタイトルも持っていますよね。そこの自信というのは? 「自分自身では、ヒジありとヒジなしでどっちが得意というのはそんなにないんですよ。僕はバリバリのムエタイ・スタイルじゃないですけど、ヒジありルールの中でゴリゴリのムエタイ・ファイターを倒せるのは僕みたいなスタイルだと思っているので。お互いのスタイルが違う方が試合も面白くなるし、勝つ可能性はそっちの方が高いと思ってます」 ──普段の練習では、ヒジありの練習も並行してされているんですよね? 「試合が決まってない時は、ヒジありをベースに両方やってますね。BLACKルールの試合が決まったらヒジを封じてやってます」 ──両方のルールを同時にやることの難しさとかはないですか? 「ないですね。僕はオイシイ話をいただいたら、どんなルールでもやりたいと思っているので。強い相手だったり、有名になれるようなカードだったらどっちでも対応できるように準備してます」 ──『KNOCK OUT』のリングでの大谷選手を見ているファンの方は、ヒジありルールで戦う大谷選手を見たことがないかもしれません。 「そうですよね。ヒジありルールの試合でもヒジはあまり出してないかもしれないんですが(笑)、でも破壊力はけっこうあると思います」 ──ほう。 「ヒジで倒したこととかはないですけど、ミット打ちとかで打ってると「これもらったらやべえな」という重さは自分で感じます。会長とかミットを持ってもらってる人の反応を見ても手応えはありますし」 ──梅野選手に対しても出していきたい? 「もちろん細かい話はあまり言えないんですが、一番面白いのは僕が梅野選手をヒジで倒したり切っちゃったりすることなのかなと思うんですよね。それは考えてます」 ──カットしたりしたら、梅野選手に与える精神的ダメージは大きそうです。 「しかもお客さんも、梅野源治が切られて血を流してたりしたら、すごく盛り上がりそうじゃないですか。それはイメージしたりしますね」 ──今回はポスターなどを見ても、「梅野選手が『KNOCK OUT』に戻ってくる」という感じが強いと思います。そこについて思うことは? 「不満とかはないです。知名度とかで言ったら明らかに梅野選手の方が上なのは確かなので。ただ、梅野選手は旧『KNOCK OUT』には出てましたけど、今の新生『KNOCK OUT』にとっては外敵じゃないですか。ポスターも、一見梅野選手が大きくてメインにいるように見えますけど、僕は仁王立ちしてて、『新生『KNOCK OUT』は甘くないぜ』と壁になって立ちはだかっているイメージを受け取ったんです。僕は梅野選手を止める役割だと受け取ったので、その『KNOCK OUT』の意志を裏切りたくないなと思ってます」 ──そういう意味をいろいろ考えると、この試合はやはり大きいですよね。 「そうですね。必ずターニングポイントになるし、『出世試合』にしようと思ってます。この試合に勝てば、必ずもっと大きいチャンスが来ると思うし、逆にここで負けたら一気に選手としての価値が落ちてしまうので、そういう意味でも『勝ちたい』というよりは『負けられない』という気持ちの方が大きいです」 ──では最後に、今回の試合に関して、一番注目してほしいポイントは? 「困難にも真摯に向き合う姿勢を見てもらって、見る人に勇気とか希望を与えたいというのが一つ。それから陸上自衛隊出身のファイターとして、その強さを見せたいというのが一つ。それと、『KNOCK OUT』や所属ジムもそうですけど、僕を応援してくれてサポートしてくれている人たちの期待を裏切りたくないという気持ちが強いので、最後まで諦めない姿勢を見てもらいたいと思います」 ──それを見せるにはうってつけの相手だと。 「そうですね。昔から僕のことを知ってくれている人には、僕の成長も感じてもらいたいし、僕のことを知らない人には単純に強さを見てもらいたいです」
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