ユニファイドならアグォンに、RIZINルールはダメージ優先で山本が金星掴む
一方、第10試合のフェザー級戦では、21歳の山本空良(パワーオブドリーム)がカイル・アグォン(SPIKE22)を破る金星を挙げた。
判定は3-0でジャッジ3者ともに山本を支持した。
試合はリポートでも記した通り、1、3Rはアグォンが強いテイクダウンとコントロールで支配。しかし、2Rに山本がアグォンの組みに合わせて打撃を当て、ニアフィニッシュを奪っている。
北米のユニファイドルールなら1、3Rを取ったアグォンが29-28で勝利とされてもおかしくない試合だが、RIZINは3R通じてのトータル判定でダメージの割合が50パーセントと大きい。2Rに山本が奪ったダウンとパウンドがニアフィニッシュとして評価されての、判定3-0での勝利だった。
敗れたアグォンも悔しさはあらわにしながらもその点は理解しており、「ジャッジに対しては全く怒りはなく、彼らみんなが山本選手が勝ったと思ったのなら、RIZINでは山本選手が勝ったということだと思っているので、そこに対しての不満はないですが、RIZINでこれからやっていくなら作戦のアジャストが必要」と語っている。
▼第10試合 RIZIN MMAルール フェザー級(66.0kg) 5分3R
×カイル・アグォン(SPIKE22/65.70kg)
判定0-3
〇山本空良(パワーオブドリーム/65.90kg)
レフェリー:柴田 旭
ジャッジ:
松宮智生/青・山本 [D 0-50/ A 0-30/ G 20-0]
豊島孝尚/青・山本 [D 0-50/ A 0-30/ G 0-20]
片岡誠人/青・山本 [D 0-50/ A 0-0/ G 20-0]
カイル・アグォン「自分のファイトIQの高さと試合に確実に勝ちに行くのは10ポイントマストシステムにおけるもの。RIZINのジャッジのシステムにはハマらなかったので研究したい」
──山本空良選手との試合を終えた率直な感想をお聞かせいただけますか?
「自分が試合には勝っていたんじゃないかとは思っていました。彼は2R目に大きなインパクトを残していましたが、1Rと3Rは自分がコントロールしてしっかり取っていたんじゃないかと思います。打撃をちょっと効かされた時も自分は動いて常に前に出続けていたし、その後に仕掛けていたのでそういう部分では自分はダメージというものを、受けても前に動き続けていたとは思います。
本当にこの競技はいい時と悪い時の落差がすごくあります。最終的にジャッジがどちらかの手を上げるに委ねた自分のせいだと思っています。自分は常にフィニッシュを狙っていますし、今回自分はアグレッシブにやれたと思っているので残念です」
──対戦を終えて、山本選手の印象は戦う前と違うところはありましたか。
「印象は特に変わっていないですね。自分が油断して一発もらいダメージを受けてしまったという部分が全てだと思います。この競技は1ミリ、数センチ単位の世界の中でやっていますから、今回その数センチ、ちょっと自分の油断という部分でスリップの距離とタイミングをずらしてしまってもらってしまった。
そこから、生存するために戦っていたのだと思います。あとはちょっと自信過剰というか、自分が圧倒して勝てるという自信を持って上がっていたので、そういう部分があったのかなと思っています。いずれにしてもまだ自分が彼より総合的に実力が高いと思っていますが、今回その自信過剰な部分が出てタイミングなどミスしてしまったという感じです。印象としては何も変わらないです」
──2R目のインパクトのある打撃でプランが変更されたりスタミナへの影響はなかったですか?
「やっぱりいまだに自分の方がレスリングとかグラップリングが強いと思っていますので、早い段階でダメージをもらってしまったので作戦変更というか、寝技に持っていってセーフゾーンで戦って相手をコントロールして勝ちに行こうという方向になりました。
本当は最初の作戦ではスタンドで打撃勝負をしたかったのですが、本当に総合的に自分の方が優っているというのは変わりません。数センチの距離でやっているので、そこの距離を見謝ったという部分で2R、彼にビッグインパクトあったので、3R確実に取りに行こうという作戦変更がありました」
──試合を終えたばかりですが今後の目標を教えていただけますか。
「自分のファイトIQの高さと試合に確実に勝ちに行くという部分で、結構知られている選手だと思っているのですが、それは10ポイントマストシステムにおけるものなので、それが今回、RIZINのジャッジのシステムにはハマらなかったのだと思いますね。RIZINがまた呼んでくれるのであれば、10ポイントではなくてRIZINのジャッジングシステムをもう少し研究して自分の戦略というものをRIZINのジャッジシステムに合わせた練習と戦い方にアジャストしていかなくてはいけないのかなと思っています。
なので、1回白紙に戻ってまた作り直すという作業になるのではないかと思います。ジャッジに対しては全く怒りはなくて、彼らみんなが山本選手が勝ったと思ったのならRIZINでは山本選手が勝ったということだと思っているので、そこに対しての不満はないですが、RIZINでこれからやっていくなら作戦のアジャストが必要かなと。MMAファイターとして非常にレベルが高いと思っていて自分の技術力も高いと思っています。本当に内容の濃い練習を世界トップ選手たちともしていますので、そこに関しては自信を持って、引き続きやっていきたいと思っています」