Krush王者となった大沢(左)が迎え撃つのは3階級もアップしたデンサヤーム
2022年8月11日(木・祝)福岡国際センター『ECO信頼サービス株式会社PRESENTS K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』の記者会見が6月29日(水)都内にて行われ、追加対戦カードが発表された。
K-1ライト級3分3R延長1Rで、Krushライト級王者・大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)がデンサヤーム・アユタヤファイトジム(タイ/Ayothaya Fight Gym)と対戦する。
大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2020年7月のKrushで蓮實光にKO負け、12月のK-1では瓦田脩二に延長戦で判定負けと連敗を喫したが、2021年3月の川崎真一朗戦に延長戦で勝利して脱出。7月の卜部功也戦では判定で敗れるも、12月の弘輝戦で延長戦の末に勝利をもぎ取った。今年4月には瓦田脩二からKrushライト級王座を奪取。戦績は28勝(3KO)19敗3分。
デンサヤームは20歳ながら77勝(8KO)25敗3分の戦績を持つムエタイの猛者。175cmの長身サウスポーで、ロングリーチを活かして蹴り技を得意とする。2019年、タイのテレビ局が主催するムエタイイベント『True 4U』のバンタム級トーナメントで優勝。2020年3月の『K'FESTA.3』でK-1初参戦を果たし、判定負けも武居由樹を長い手足から繰り出すパンチと蹴りで苦しめた。2022年から日本に移住し、ウィラサクレック・フェアテックスジム三ノ輪で練習を続けている。先日の女子大会でK-1 WORLD GP初代女子アトム級王者となったパヤーフォンとは同門。武居戦から3階級上げての参戦となる。
大沢はいきなり「TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER所属で試合をするのは8月の福岡が最後です」と発表。その理由は「喧嘩別れではなく(寺島)輝とも龍華とも仲はいいしこれからも一緒に練習していくけれど、残りの格闘技人生であと何戦できるか分からないですが、数少ないですが残りは自由にやっていきたいと思って。自己中な理由です。もっと先に、上に行きたいなと思って。ジムの関係者とも全員仲いいので、いいよって感じだったので卒業という感じです」と、ジム(team JOKER)の責任者から離れてフリーになってやっていくのだと説明した。
それは、タイトルマッチ後に宣言した同門の後輩・龍華とタイトルマッチをやるための布石なのかと問われると「そうですね…それもあるかもしれないですね。ただ、もっともっと海外選手とやれるようになってもっと強くならないといけないと思っているので」と思わせぶりなニヤリ。
試合については「55kgだって聞いたので小さいと思っていたんですが思ったより大きくて、ヘビー級の実方選手に会った時に大きくないですよって聞いたんですが全然大きいし話が全然違うなって」と、武居と対戦した時よりもだいぶ大きくなっていたことに驚いた様子。
試合が決まってからその武居に連絡したと言い、「武居由樹が試合をしているのですぐに連絡して聞いたんですが『僕は勝っているので文也君が負けたら僕に敬語を使ってくださいね』って言われて。だから負けられないって感じですね」と負けられない理由が出来たという。
さらに「絶対に強いでしょう。由樹に脅されました。左ミドルがめっちゃ強いとか、文也君が苦手なタイプだと思うよ、とか。『僕は文也君を応援しているけれど6-4で負けると思っています』と言われました」と苦笑した。
デンサヤームは「また日本で試合が出来るの嬉しい。僕は日本で有名な選手になりたい気持ちがあります。仲のいい友だちのパヤーフォンがスーパースターになってとても有名な選手になりました。自分もそれに続きたい。今はウィラサクレックジムで練習していて、K-1に精通している会長や選手たちと練習して準備しているので楽しみです」と、パヤーフォンに続いて日本で人気を得たいと意気込んだ。
大沢は「別にアツい試合とか面白い試合をする気は全くないので、勝てれば何でもいいので。パンチですかね、最近は蹴りまくってるんですけれど…分からないです。いい試合出来たらって感じです」といつもの大沢節。前回のタイトルマッチのような攻めの姿勢を見せないのかと問われると「あれはタイトルマッチだし、ガンガン前へ行かないと勝てないと思ったので。僕の試合は何試合目になるか分かりませんが、僕の試合はつまらないのでトイレタイムになると思う」と自虐コメント。
それに対してデンサヤームは「自分は見ている人に面白いと思ってもらえる試合をします。そのために100%の力を出していきたいと思います」と対照的な答え。「純粋にKrush王者と対戦できることを嬉しく思っています」とした。
なお、これまで本戦のワンマッチは全てスーパーファイトと称されていたが、前回のRING OF VENUSよりK-1でタイトルを獲得した選手の試合のみスーパーファイトとの名称が使われることになった。