那須川vs.武尊、未来やメイウェザーにもPPVインセンティブはある
そのためにも、“売れる”カードにはファイターに還元をしていく。
「『THE MATCH』でも選手へのPPVインセンティブはありますね。当然、次回のメイウェザーvs.未来でも、未来にもメイウェザーにも(PPVインセンティブは)ある。今後、北米向けに作るとなると、ひょっとしたらメイウェザーと未来の試合も──2019年のBellator日本大会が12時開始で午後3時くらいにヒョードルが出てきたように──お昼の時間帯でやることが必要になってくるかもしれない。
テニスの大坂なおみが1人で年間40、50億円も稼ぐんだから、同じスポーツアスリートとして、あれだけのことをやり遂げる武尊や天心が何億も稼げる世界を作らないと、この競技の未来はない。その意味では(50億円興行を)実証することができたのは格闘技界にとっては財産。RIZINにとっても、K-1やRISEにとってもこういうマーケットがあると顕在化させられたのはよかった。選手たちも“俺たちがやっていることに未来はある”と感じたと思う。
今回は50億以上にはなるけど、100億は越えないので、ほんとうにまた次回、格闘技界が力を合わせてやるときは、100億を超えられるように、配信環境も整ってきていますし、世界規模で起こせればいいと思います」
『THE MATCH』では、海外ファンからも視聴を望む声も挙がったが、軽い階級の立ち技の需要が少ないことと、時差の問題が大きく、海外PPV配信会社と折り合いがつかなかったようだ。
「海外PPV会社にも声はかけました。ただ、驚くほど軽い階級のキックボクシングに需要が無い。それとタイムフレーム・時差の問題がある。どこに向けて作るか。今回は、海外PPVも“これだったらやれる”と思ってもらえるプラットフォームはなかなか無かったというのが現実です。でも大会後、『やっておけばよかった』という海外のプラットフォームの声は多かったです」と、今後、海外向けのコンテンツにするためには、カードや試合時間に課題が残るという。
それでも、「大会全体のスケール感で言えば、年間通して、世界中の格闘技興行のなかでナンバーワンになれるんじゃないですかね、このまま行けば。ダナ・ホワイト(UFC代表)に会ったときも、『チケット収入だけで20億円を超えている』と言ったらぶったまげていましたから。
UFCのゲート収入は各大会で2億円くらいあればいい。Bellatorのハワイ大会もゲート収入としては7、8千万円くらい。日本のマーケットは、格闘技に関しては世界2位。十分、日本のなかでも勝負できるし、それをベースに力に変えて、世界にどう打って出るか。世界に向けたチャレンジはどんどんしていきたい」と、ポテンシャルを持つ国内市場拡大とともに、世界配信も狙う。