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レポート

【格闘代理戦争】初のチーム対抗勝ち抜き戦はピーター・アーツ監督チームを破りチーム武尊が優勝

2019/06/16 03:06
 格闘技界に次世代スターを送り出す格闘ドキュメンタリ番組『格闘代理戦争 4thシーズン』(AbemaTV「格闘チャンネル」)が、6月15日(土)にファイナルを迎えた。 『格闘代理戦争 4thシーズン』は、打撃格闘技としては異例の過酷な「団体勝ち抜き戦」。各チームから先鋒、中堅、大将の3人が登場し、勝ち抜き戦で試合を進め、先に大将を倒したチームが勝利となる。試合時間は3分2R・延長1Rあり。  現K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者・武尊、初代K-1 WORLD GPウェルター級王者・久保優太、Krushウェルター級王者・木村“フィリップ”ミノル、皇治、芦澤竜誠、そしてK-1ヘビー級のレジェンドであるピーター・アーツがそれぞれ監督としてチームを率い、トーナメント戦で激突。  4月の1回戦では芦澤竜誠率いる・芦澤一家と久保優太率いる久保ファミリー、皇治率いる皇治軍団と木村“フィリップ”ミノル率いる木村組が対戦し、久保ファミリーと皇治軍団が準決勝へ進出。  5月の準決勝ではシードのチーム武尊と皇治軍団、同じくシードのピータースと久保ファミリーが対戦し、チーム武尊とピーターズが今回の決勝へ進出した。  第1試合には、チーム武尊から冨沢大智、ピーターズからアミンが先鋒として出場。1R開始と同時に冨澤がコーナーからダッシュして飛びヒザ蹴りの奇襲をしかけようとしたが、アミンは冷静に左フックを浴びせてダウンを奪う。その後も会場人気が高いアミンは声援をバックに、薙ぎ払うような左右フックと飛びヒザ蹴りで冨沢をめった打ち。右フックがヒットしたところでレフェリーがストップした。  しかし、ここでアクシデントが。アミンがインターバル中に左腕をだらりと下げ、セコンドがグローブを外したのだ。ドクターチェックの結果、上腕二頭筋が筋断裂していることが分かり、試合続行不可能に。そのため第2試合はチーム武尊の橋本実生とピーターズの水津空良による中堅同士の対決となった。  番組ナビゲーターの魔裟斗情報によれば両者は空手の試合で対戦したことがあり、その時は橋本が勝利を収めているという。1R、両者サウスポー。回転の速い左右フックで打ち合いを仕掛ける橋本。水津はヒザ蹴りで対抗し、離れると後ろ蹴り。水津は蹴りから左フックもヒットさせた。2R、水津はパンチからヒザへ上手くつないでいく。終盤に橋本が左右フックで勝負を仕掛け、水津もストレートを打ち返す。  判定は1-1のドローとなり、延長戦へ。高橋は戦法をがらりと変えて距離を取ってのロー。しかし、後半パンチで行くとやはり水津がパンチからのヒザ蹴りへつなぐ。ラスト30秒でガムシャラにフックを打ちに行く高橋。水津も右を打ち返すが、手数の差か橋本が判定2-1で勝利を収めた。  もう後がないピーターズの大将は目黒翔大。セコンドにはアーツ監督のほかにK-1 WORLD MAXで活躍した佐藤嘉洋と山本優弥も就く。1R、サウスポー同士。目黒は左オーバーハンドフックからヒザ蹴りにつなぐ。橋本は接近すると左右フックを振り回すが、離れてローを蹴る。2R、遠い距離からハイとローを蹴る目黒。動き回って橋本に的を絞らせない。思い切って橋本がフックを打ちに行くと、目黒はそれをかわして左を打ち込んでいき、判定2-1で目黒が辛勝。大将対決へと持ち込んだ。  チーム武尊の大将は岡嶋形徒。1R、岡嶋が距離を取って前蹴りから右の長いストレート。これが何度もヒット。さらに接近するとヒザを突き上げる。目黒は回り込みながら思い切りフックを振り回していき、これもヒットする。  2R、左右フックで果敢に攻めていく目黒だが、岡嶋の長い右ストレートがもろに入り、目黒が大きく後ろへ吹っ飛ぶ場面も。しかし、後半になると目黒が前へ出てフックで攻め続ける。岡嶋も右で反撃してまたもクリーンヒットを何度も奪い、判定3-0で目黒を破りチーム武尊を優勝へと導いた。  優勝チームには賞金総額300万円が贈呈され、「K-1 WORLD GP」への出場が確約される。  監督の武尊は「自分の試合ではここまで緊張しないんですが、一番心臓がバクバクしていました。KRESTの練習はめちゃくちゃキツくて、プロでも弱音を吐くくらい、休むくらいボロボロになる。でも、こいつらは1日も休まなかった、死ぬほど頑張ったので褒めてあげたいと思います。これで勝たなかったら監督である僕の責任だと思っていました。みんな本当に頑張ってくれた」と、選手たちを称える。  冨澤は「僕は負けたんですが頑張ってこれて、皆さんが応援してくれて、武尊さんと練習できてこの期間幸せでした」と男泣き。橋本は「橋本兄弟の応援をお願いします」とアピールし、岡嶋は「武尊さんに選んでもらえてアマチュアなのにこれだけの人の前で試合が出来て、これからも頑張ります。僕はプロでやるので応援してください」とプロになると宣言。  最後に、魔裟斗は「次のシーズンもきっとあるでしょう。今日の試合を見ていたら自分もまた監督をやりたくなりました」と、次回は自分も監督として(シーズン1では魔裟斗推薦選手が優勝している)参加したいと語った。 ▼決勝戦 左がチーム武尊、右がピーターズ×冨沢大智 1R2分23秒、KO アミン〇〇橋本実生 延長R判定2-1(10-9、9-10、10-9) 水津空良××橋本実生 判定1-2(20-19、19-20、20-19) 目黒翔大〇〇岡嶋形徒 判定3-0(三者とも20-18) 目黒翔大× [nextpage]  決勝戦に先立ち、スペシャルマッチとして芦澤竜誠率いる・芦澤一家と木村“フィリップ”ミノル率いる木村組が対戦。両軍はトーナメント1回戦で敗退しており、いわば“最下位決定戦”として行われた。  第1試合は木村組が田勢ジャイル、芦澤一家は高橋享祐が先鋒として出場。左右のストレートとヒザ蹴りでアグレッシブに攻める田勢だったが、ガードが低く高橋の左右フックと右ハイキック、さらにボディブローをもらう場面が多く、判定2-0で高橋が勝利。  第2試合は木村組の中堅として光原考音が出場し、高橋と対戦。高橋は光原に右ローを効かされながらも右の強打で応戦。両者ともかなりの疲れを感じさせたが、判定2-0で光原の勝ち抜きとなった。  第3試合は芦澤一家の中堅・国分勇太が光原と対戦し、国分が“悪魔の右足”とのニックネームにも関わらずサウスポー構えで左の蹴りを多用。最初に国分がローブローを受け、再開直後に光原がローブローを受ける荒れた展開に。国分がヒザ蹴りと前蹴りでボディを効かし、光原はフックを振り回す。2Rはお互い慎重になって見合いが長くなったが、光原が飛びヒザ蹴りを繰り出すなど意地を見せる。しかし、判定はボディを効かせた国分が勝利。  木村組の大将には、ボクシングとキックボクシングでアマチュア150戦以上の経験があり、ジュニアキックボクシング時代には那須川天心に勝ったことがあるという勲章を持つ榊原達也が登場。試合開始直後に右ストレートでダウンを奪い、最後は左フックで国分をKO。1Rわずか28秒での速攻勝利を飾ると、木村と同じ腕を後ろに組んで立つポーズをとった。  そして、芦澤一家の大将にはなんと15歳の森優翔が登場。1R、榊原は左ミドル&右ロー、森は右ミドルで対抗。榊原は森の蹴りに合わせるのと蹴り終わりにパンチを当てに行く。2R、蹴りを出し続ける森に対し、榊原は手数は少ないが右ストレート、左フックをしっかり当てに行く。森は大きく仰け反る場面もあり、判定3-0で榊原が勝利。木村組に勝利をもたらした。  大将としての役目を果たした榊原は「キツかったけど、この勝利はミノル君、魔裟斗さん、K-1ジム五反田の皆さん、応援してくれる人たちのおかげだと思っています。ここからがスタートだと思うのでチェックしてください」と、今後プロでやっていくことをアピール。  監督の木村は「前回負けたのが悔しくて、自分が試合で負けるより悔しかったので今日は嬉しかったです。明日に向かってまた頑張っていきましょう」とコメントし、自身の次の試合について聞かれると「僕の試合は問題ないのでサクッと勝ちます」と答えた。▼スペシャルマッチ 左が木村組、右が芦澤一家×田勢ジャイル 判定0-2(19-19、19-20、19-20) 高橋享祐〇〇光原考音 判定2-0(20-19、19-19、20-19) 高橋享祐×光原考音 判定0-3(19-20、18-20、19-20) 国分勇太〇〇榊原達也 1R28秒、KO 国分勇太×〇榊原達也 判定3-0(三者とも20-19) 森優翔×
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