大切な人と戦うのは難しい。でも、王者は1人だけだと理解している
──これでバンタム級のベルトを巻きました。「暫定」ではない王者を目指すことになりますか。
「“暫定”ね。俺の目的は100万ドル(GP優勝賞金・約1億3千4百万円)を獲ること。それが一番のゴールだ。あと2勝すれば100万ドルだ。だから暫定という言葉は、正直、いまの俺にはパーフェクトだ。セルジオ(ペティス)が戻ってきたら、どうするか考えればいい。それは後のこと。セルジオとは仲が良いから、あまりやっつけたくない。今回はそういう事がない(ペティスが怪我でGPを欠場)から、今はものすごくハッピーだよ」
──セルジオ・ペティス選手ともフェイスタイムで話したそうですね。どのようなやりとりがありましたか。
「セルジオは『誇りに思うよ! おめでとう』って言ってくれて、『セルジオが戻るまで俺がベルト持っとくからな』って話をしたよ。セルジオも今の怪我をすぐ乗り越えるだろう。チャンピオンらしく。とにかく愛を感じるよ。セルジオは俺が可愛がってる友達だからな」
──それでも今回のGPに出場した時点で、同門のペティス選手と戦う覚悟はしていたわけですね。
「自分の頭の中を整理しなければならないから……自分が大切にしている人と戦うのは難しいんだ。そのことを理解するのは難しくて、ただ、嫌な気持ちになる。でも、王者が1人しかいないことは理解している。ビジネスであることも。俺とセルジオは以前、そのことについて話したよ。俺たちは世界一だ。我々はそれを成し遂げるだろうね」
──GPワイルドカードでは、ダニー・サバテーロが8戦無敗のジョーネル・ルゴを降しました。ストッツ選手の次戦の相手になるかもしれません。試合はご覧になりましたか。
「自分の試合に集中しなければいけなかったから、全部は見れていないけど、戻ったら見るつもりだよ。だけど、ドミネートしていたのは知っている。強いやつだな。ただ、サバテーロは嫌いな一人でもあるから戦えるなら嬉しいよ。でも(6月24日のGPでレアンドロ)イーゴにまずは勝たなきゃダメだろうから、どうなるかな」
──サバテーロとイーゴ、どちらと戦いたいでしょうか。
「正直なところ、サバテーロかな。彼はグラウンドが得意だろう? スタンドは下手くそだけど、グラウンドコントロールは本当に上手い。それにサバテーロはよく喋るだろうから、喋るのが好きな俺にとっては楽しみだ(笑)」
──6.24 モヒガンサンアリーナでの試合も生で確認しておきたいですか。
「正式な計画はないけど、サバテーロとイーゴの試合に立ち会いたいと思っているよ。ヤツの蛍光頭をスクラップしてみたい。好き嫌いの分かれる相手だ。個人的に彼のことはよく知らないけど、遠くからなら彼のことを嫌いでいてもいいような気がする(笑)。だから、そのつもりで行くし、モチベーションも上がるよ」
──Legacy FC、Victory FC、LFAを経て、Bellator6戦目でベルトを巻きました。Bellatorに移籍して勝ち上がって来たことをどう感じていますか。
「俺のBellatorの最初の試合は2年前、ハワイでだった。Bellatorには本当に良くしてもらっている。この団体が大好きだよ。底辺から始めて、タフな試合を何度も乗り越えてきた。自分でランクを上げてきたんだ。それで今は『チャンプ』と言われる。それだけの事をしてきたし、すごく嬉しいよ。だから、GPでも優勝する。世界のベストになるために誰とでも戦う。最強の相手と戦うつもりで準備をするよ」