レスリングだけだと思わないでくれ
──バンタム級GP1回戦で、元王者のフアン・アーチュレッタ選手をKOに降しました。
「戻ってきたよ! 最高の気分だよ。夢みたいな気持ちもあるけど、自分のこれまでの努力があるから現実だって信じられる。世界最強の証明ができた。チームやコーチ、家族に感謝している。
アーチュレッタのような男と対戦できた事に。こんなに満足できる事はない。彼もベルトが欲しかっただろう。3回か何回か分からないけど、彼もチャンピオンだっただろう(TFE、CFL、KOTC4階級、Bellator)。それで俺が彼をノックアウトした初めての人間だ。サブミットはあったかもしれないけれど。今回の勝利は本当に自分にとってもデカかった」
──ダンスをしながらの入場でリラックスしているようでした。ダンスでもパウンドフォーパウンドですね。
「確実にそうだ。それは俺の称号だな。“Bellatorのパウンドフォーパウンドダンサー”だ。誰か挑みたいやついたら獲りに来い(笑)」
──アーチュレッタのような強豪を相手に、ベルトを巻くことが出来ると信じてやってこれましたか。
「ずっと信じていたよ。新型コロナウイルスの期間中も、“俺はベストだ、世界で一番強い、自信もあって恐怖もない”って。“ドミネートしてフィニッシュする。ベルトを獲る”って何度も自分に言い続けてきた。それが現実になったんだ」
──アーチュレッタ戦はどんなゲームプランだったのですか。
「アーチュレッタは出入りをして動き回るのが好きだ。だからフロントでキャッチして、バックからもキャッチしようと思った。で、そういう選手はよくスクランブルでスリップするだろ。だからその際でパンチ、キックも打ち込んだ。左ミドル、左前蹴り、左ヒザ……コーチにあのラウンドの前に同じ左でヘッドキックを出そうと言われて、それがパーフェクトに決めることができたよ」
──想定通りだったと。
「5R戦で、実はアーチュレッタはもっと最後まで粘ると思っていた。僕がアーチュレッタに唯一劣る部分はカーディオだと思っていたからね。あの心肺機能はすごい。でも、僕もテキサスの“O Athletik”でフィル・ファストのフィジカルトレーニングを受けてきたからね。彼は思ったより早く疲れたのかもしれない。アーチュレッタがレスリングでしっかり組んできたのはすごいなと感じたよ。彼も良かった。
でもレスリングだけだと思わないでくれ。ヘッドキックは何度も何度も練習してきた。だから想定もしていた。でもクレイジーだったな。実際に崩れたのを見て“オーッ”と思ったよ。俺も充分に準備をしてきた。家族と何週間も離れて。(同門の)セルジオと戦う予定だったからキャンプする場所も変えなければいけなかった。結構努力したんだよ……。子供とイースターも過ごせなかったし。だから、望んだ通りになったかな」