◆Bellator 222
▼Bellator世界バンタム級選手権試合 5分5R×ダリオン・コールドウェル(134.6ポンド/61.05kg/王者/アライアンスMMA)12勝3敗[判定0-3]※47-48、46-49×2○堀口恭司(134.4ポンド/60.96kg/挑戦者/アメリカントップチーム)28勝2敗
【関連記事】“決戦”直前・緊急インタビュー! RIZIN海外事業担当・柏木信吾氏が語る「堀口恭司vsコールドウェルは『真の世界一』を決める戦いの始まりに──」2015年4月にUFCでデメトリアス・ジョンソン(DJ)が持つ世界フライ級(-56.7kg)王座に挑んでいる堀口は、海外での世界タイトルマッチは2度目。今回はバンタム級(-61.2kg)で2大メジャータイトルのひとつであるBellator世界王座に挑む。
堀口とコールドウェルは、2018年の大晦日の「RIZIN.14」で対戦。堀口が3Rにギロチンチョークで一本勝ちし、初代RIZINバンタム級王座に就いていた。今回はコールドウェルのホームでBellator王座を賭けての再戦となる。
今回のBellatorでのタイトルマッチは、前回と異なり世界戦の5分5R制、さらにリングからサークルケージ(円状の金網)となる。
入場する堀口(C)RIZIN FF
先に入場は堀口。サークルケージをサイドステップでサークリング。続けて入場はコールドウェル。雄たけびを上げて花道を行く。ドミニク・クルーズがセコンドにつく。堀口のセコンドにはマイク・ブラウンに加え、日本から亡き二瓶弘宇館長の三男である二瓶孔宇氏の姿も。
(C)RIZIN FF1R、オーソドックス構えの堀口、サウスポー構えのコールドウェル。細かいステップは堀口。最初の右ローはかわすコールドウェル。間合いを保つコールドウェルは左ハイを2度出してから圧力強め、シングルレッグへ! 片足立ちになる堀口にテイクダウンはコールドウェル! いったん背中着かされる堀口だが、上体を立てる堀口だが、コールドウェルは後ろ手に堀口の左手を縛り、片手でエルボー! まだ堀口は上体は金網に立てるが、左ヒザを堀口の右足の下に入れて、浮かせて支点を無くすコールドウェル。
横に倒そうとするコールドウェルに堀口は再び金網背に尻立ち。右手を縛りながら左でパウンドはコールドウェル! ハーフでコールドウェルがグローブを掴んだか、堀口がアピール。スタンド再開。圧力をかける堀口だが、ゴング。1Rはコールドウェルのラウンドに。
2R、サウスポー構えから左ハイで牽制するコールドウェル。堀口はステップインしながらフェイント。左ハイはブロック。ワンツーの右はボディに堀口。左フックから飛び込む。左で触る堀口だが、その入りに前足にシングルレッグはコールドウェル! 片手をつきながら耐える堀口だが、金網までドライブするコールドウェルがテイクダウン。左足を浮かせて立ち上がりを防ぐコールドウェル。左腕は腰に回して殺すと、右手で左足を浮かせる。そこで立つ堀口だが、しつこく組み付くコールドウェルは横にテイクダウン! 堀口はすぐに金網に座り、細かいパンチを打つ。左足首を持って浮かせるコールドウェル。しかし膠着としてブレーク。
左の縦蹴りはコールドウェルも見切る堀口。ゴング。このラウンドもコールドウェルのラウンドか。堀口はダメージは無いがコントロールされる。
(C)RIZIN FF3R、先に中央を取る堀口。右中段蹴りは堀口。跳び蹴りからコールドウェルのダブルレッグをがぶる堀口。細かく殴る堀口にコールドウェルはついに引き込むように下を選択! ハーフから上を取る堀口。下のコールドウェルの跳ね上げにも対応し、右でオーバーフックする。背中をつかせる堀口。抱き着くコールドウェル。疲労が見える。堀口はハーフからパス狙い。しがみつくコールドウェル。堀口が左を当てるとそのスペースで立つコールドウェル。左フックから組むがまたも引き込む形に。亀になったコールドウェルにパウンド連打! 立ち上がったコールドウェル。打ち合いからシングルレッグテイクダウンはコールドウェル。しかし堀口も金網背に立つ。その立ち際にヒザを打つコールドウェル。堀口が取ったラウンドに。王座戦ならではの4R以降、スタミナで堀口有利に。
(C)RIZIN FF4R、コールドウェルの左の蹴りを潰した堀口。突っ込んでくるコールドウェルにギロチンへ! クローズドガードの中に入れて絞るが、汗で滑る。そのままダブレッグテイクダウンに行くコールドウェルに金網を上体背に細かくパンチを打つ堀口。コールドウェルは動かず。腰を抜く堀口。頭を抱え左で差し返す。細かくパンチを打つ堀口。ブレークに!
残り1分半。右で飛び込む堀口。さらに右ロー! 下がるコールドウェルだが遠間からシングルレッグでアンクルピックに! これは足を抜いた堀口! 詰めるコールドウェルは金網に押し込むが体を入れ替えた堀口は小外でテイクダウン! ゴング。このラウンドも堀口につく可能性がある。
(C)RIZIN FF5R、右の下段蹴りから入る堀口。攻める堀口。コールドウェルのバックスピンは見切る。圧力をかける堀口は左の突きで飛び込むと、ダッキングでかわしたコールドウェルがテイクダウン! 金網背に尻で立つ堀口。左で頭を抱える堀口。場内からはブーイングも。堀口の右足を浮かせるコールドウェル。堀口もギロチンを狙う。上から細かいパンチ、エルボーは堀口。しかしコールドウェルは腰を殺して両足を掴む。シングルレッグからアンクルピックを狙うコールドウェル。しかし、そこをがぶり鉄槌、エルボーを落とす堀口! しかしがぶり切れない。そのまま押し込むコールドウェル。右目下から堀口も出血。ゴング。ドクターチェックに堀口は笑顔。
2Rと5R、4Rをどう取るか。判定は……48-47、49-46が2者、3-0で堀口が勝利! Bellator世界バンタム級新王者となった堀口。日本人初の北米メジャーの世界王者、そしてRIZINと合わせ、2団体同時世界王者となった。
試合後、堀口は「すみません、つまんない試合で申し訳ないです。(コールドウェルの失速を感じたか?)最初はあまり飛ばさず、最終ラウンドで勝負しようと思ってました」と試合を振り返った。
【試合後会見】堀口恭司「UFCとかとどんどんクロスプロモーションしてほしい」
【パトリッキー“ピットビル”フレイレがRIZINライト級GP参戦】
「Bellator222」大会終了後の会見でスコット・コーカー代表からパトリッキー“ピットビル”フレイレ(MMA21勝8敗。実弟はフェザー級&ライト級王者パトリシオ・フレイレ)のRIZINライト級GP参戦がアナウンスされた。
ゴング格闘技7月号日本人初、北米メジャーの世界王者となった堀口恭司が、渡米前に朝倉未来とスパーリング対談。さらに武尊×不可思の盟友対談、那須川天心秘話、平成格闘技プレーバックも掲載!
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▼Bellator世界ウェルター級選手権試合&ウェルター級ワールドGP準決勝 5分5R○ローリー・マクドナルド(169.4ポンド/76.83kg/カナダ)21勝5敗1分[判定3-0] ※49-46、48-47×2×ネイマン・グレイシー(169.8ポンド/77.01kg/ブラジル)9勝1敗
1R、ともにオーソドックス構え。近めの距離からジャブを刺すのはマクドナルド。ネイマンは右ローキック、さらに右ストレートを突くが、マクドナルドは左ジャブをダブルで当てる。ネイマンの右ミドルの蹴り終わりを掴んでケージに押し込み右ストレートを当てるマクドナルド。右に回るネイマンは右ローを返す。
2R、左右から胴で組みダブルレッグから、小外でテイクダウンはネイマン! 下のマクドナルドは足関節を自ら仕掛けると、マクドナルドが内ヒールへ、さらに外がけでサドルロックを狙い、うつぶせでヒザ十字へ! ヒザを抜き、この足関節からのスクランブルの展開で寝技を脱したマクドナルド。
なおもネイマンはボディロックからバックに回ろうとするが、脇を潜らせないマクドナルドが押し倒して上に。下を選択したネイマンはガードのなかにマクドナルドを入れると、マクドナルドはヒジ狙い。ネイマンがクローズドから足を解くと、マクドナルドは上体を離してパウンド。そこにネイマンは腕十字を狙う。
3R、ネイマンの入りに右ストレートを合わせるマクドナルド。左ジャブから入るネイマンだが、ジャブの刺し合いはマクドナルド。距離が空くとバックスピンキックも。これはかわしたネイマンがダブルレッグへ。差し上げるマクドナルドが逆にボディロックから回してテイクダウン! 上からヒジを狙う。フルガードから両脇を煽り、片足をすくいスイープを狙いつつ腕十字に行くネイマン! しかしマクドナルドはすぐにヒジを抜き、上を取る。
4R、先に左ミドルから入るネイマン。しかしマクドナルドも右ストレートで迎撃。ネイマンは右を振って前進もマクドナルドは左に回ってさばくと左ジャブを連打! ネイマンはダブルレッグへ。さばこうとするマクドナルドのスタンドバックへ! 4の字で組むが、中腰で前に落とそうとするマクドナルドは背後のネイマンの腕を前に引き、正対! 力を使ったネイマンはマクドナルドをクローズドガードの中に入れる。インサイドから右のパウンドはマクドナルド。体を離すと下からネイマンは足首を持ちペタラーダ狙い。マクドナルドはその足をさばいてパウンドを狙う。
5R、左ジャブを連打するマクドナルド。右ロを当てるネイマンは遠間からダブルレッグで押し込み金網際で押し込み左を差して、回してテイクダウン! 右で差してすぐにパスしてマウントを奪うネイマン。最後のチャンスに極めを狙うネイマン。残り2分30秒。腰を押し、片足を戻すマクドナルド! さらにシッティングでフックガードで両手を背中に回し抱き着くマクドナルド。背中のクラッチを剥がしたネイマンは、足関節へ。サドルロックから内ヒールに入るが、すぐにヒザを抜いたマクドナルドは後ろを向いてヒザを曲げてエスケープ。ゴング!
判定は3-0(49-46、48-47×2)でマクドナルドが勝利。「3者全員…」のコールの段階でネイマンはジャッジから手を離し、拍手で勝者を祝福した。
マクドナルドはBellator世界ウェルター級王座防衛に成功するとともに、同級トーナメント決勝進出を決めた。試合後、マクドナルドは先に決勝進出を決めていたドゥグラス・リマと、サークルケージのなかで2ショットに収まった。
▼ライトヘビー級 5分3R○リョート・マチダ(204.4ポンド/92.71kg/ブラジル)26勝8敗[2R 0分22秒 TKO]※跳びヒザ蹴り→パウンド×チェール・ソネン(205.6ポンド/93.25kg/米国)31勝17敗1分
UFCから2017年1月に約3年のブランクを経てBellatorで復帰したチェール・ソネン(42)。Bellator初戦はティト・オーティズにリアネイキドチョークで一本負けしたが、その後ヴァンダレイ・シウバ、ランペイジ・ジャクソンに判定勝ち。前戦は2018年10月にヘビー級トーナメント準決勝でエメリヤーエンコ・ヒョードルを追い込みながらもパウンドでKO負けを喫していた。今回が再起戦となる。
対する元UFC世界ライトヘビー級王者のリョート・マチダ(41)はヴィトー・ベウフォートを前蹴りでKOするなどUFCで2連勝し、Bellatorに移籍。2018年12月のBellator初戦で元ミドル級王者のハファエル・カウバーリョに接戦の末スプリット判定勝ち。今回はライトヘビー級でソネンとのレジェンドマッチとなった。
1R、先にいい組み手を取ったのはリョート。四つで押し込むソネンを突き放すリョート。右の中段蹴りを2度突くが、距離を詰めるソネンが投げからバックへ。リョートも正対する。
リョートは右の中段蹴りを腹に突き刺すと、ソネンの体がくの字に! さらに右の前蹴りから跳びヒザ! 後方にダウンしたソネンにリョートは鉄槌もソネンは何とかガードの中にリョートを入れる。しかし、体を離し、両足を払うリョートがパウンド! ソネンは亀になりながら連打を受けるが、立ち上がったソネンが正対しゴング。
2R、距離を詰めて手を伸ばして圧力をかけるソネン。ダブルレッグに入るが、そこにリョートはケージを背にしながら、その場跳びのヒザ蹴り! ダウンしたソネンにパウンドを連打、ソネンが身体を丸め打撃を浴び続けると、レフェリーが間に入った。41歳にして現在進行形の姿を見せたリョートは4連勝。
試合後、ソネンは青のグローブをケージの中に置き、「ほんとうは1Rで負けていたと思う。ここでの試合はとても楽しい日々だった。これで終わりだ。さようなら」と引退を表明した。MMA戦績は31勝17敗1分だった。
▼175ポンド 5分3R○ディロン・ダニス(175ポンド/79.37kg/米国)2勝0敗[1R 4分28秒 腕十字]×マックス・ハムフレイ(174.4ポンド/79.10kg/米国)3勝3敗
金網際でハーフガードを取るハムフレイ。“悪童柔術家”ダニスはパスガードからバックマウント、パウンド。さらにトラックポジションから、再びバックマウント、腕十字狙いで鉄槌。脇を上げてきたハムフレイに最後はうつ伏せになって極めた。
▼バンタム級 5分3R×リッキー・バンデハス(136ポンド/61.68kg/米国)11勝3敗[1R 1分06秒 リアネイキドチョーク]○パトリック・ミックス(135.6ポンド/61.50kg/米国)11勝0敗
サウスポー構えからダブルレッグで金網まで押し込み、ボディロックから脇を潜り、スタンドバックを奪うミックス。前屈みになったバンデハスのバックから両足をトライアングル(4の字)に組んだミックス。右腕を喉元に入れ、リアネイキドチョークを極めた。ミックスは12勝無敗。Bellatorデビューを一本勝ちで飾った。
▼フェザー級 5分3R×エドゥアルド・ダンタス(145.6ポンド/66.04kg/ブラジル)21勝6敗[2R 4分59秒 KO] ※右フック○フアン・アルチュレタ(145.8ポンド/66.13kg/米国)22勝1敗
1R、ダンタスはバックフィスト。ダンタスのスタンドバックを取るアルチュレタだが正対するダンタス。打ち合いは互角。
2R、オーソドックス構えから出入りし、組み際の打撃を見せるアルチュレタ。右アッパーも。詰めるダンタスに下がりながら金網背にしたアルチュレタは、ダンタスの左ミドルからの左フック、右フックにカウンターの頭を下げての右フック! ダンタスは後方に大の字でダウン。アルチュレタは追撃せずに両手を挙げた。
試合後、フェザー級のアルチュレタは堀口との対戦をアピール。フェザー級トーナメントかバンタム級に戻すか。アルチュレタはバンタム、フェザー、ライト級の3階級の制覇を豪語。戦績を23勝1敗とし、セコンドのカブ・スワンソン、TJディラーショーらと記念撮影に収まった。
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【Undercard】
▼女子112ポンド(50.8kg)5分3R×RENA(111.2ポンド/50.43kg/日本)8勝3敗[1R 4分04秒 リアネイキドチョーク]○リンゼイ・ヴァンザント(111.4ポンド/50.53kg/米国)6勝1敗
RENA(27=SHOOTBOXING/シーザージム※海外では本名の「久保田玲奈」で出場)が米国MMAデビュー。
対戦相手はリンジー・ヴァンザント。ヴァンザントはMMA5勝1敗(アマチュアMMA3勝3敗)の25歳。これまで105ポンド(47.62kg)を主戦場としており、唯一の敗北は2018年の「Invicta FC31」でケリー・ディアンジェロ(米国)に判定負けしたもの。アマチェアMMAの戦績も豊富で、プロでは4試合を打撃によりフィニッシュ。Bellatorには2019年2月に女子アトム級で初参戦し、金網に詰めての左フックでタバサ・アン・ワトキンス(米国)に2R KO勝ちを収めている。
ヴァンザントは2018年5月に浅倉カンナに判定負けしているメリッサ・カラジャニスを相手に同年10月にマウントからのパウンドでTKO勝ち。RENAにTKO負けしたアンディ・ウィンに判定負けの記録を持つビ・ヌグエンを相手に2017年10月にはスプリット判定で競り勝っている。
基本オーソドックス構えのRENAと同じくオーソドックス構えのヴァンザントは、打撃戦を厭わず圧力をかけていくタイプ。ケージ際での動きにも長けており、右で差して金網に押し込みながらの打撃や、がぶりからのギロチンには要注意だ。また、下になっても腕十字やラバーガード、オモプラッタなどの「寝技」も見せており、トータルファイターとしてそつのない動きで白星を積み上げている。
4月のサマンサ・ジャン=フランソワ戦の51kg契約に近い112ポンド(50.8kg)のキャッチウェイトで参戦し、女子ストロー級(115ポンド※-52.2kg)も視野に入れるRENAは、初のサークルケージ(円状の金網)でのMMA戦に臨む。
ケージを使った戦い方の経験ではRENAを上回るヴァンザント。またコーナーの無いサークルケージで、RENAは得意のボディ打ちなど圧力をかけて追い込むことができるか。ヴァンザントは足を使ってサークリングすることも可能だ。
『ゴング格闘技』7月号に掲載されている通り、RENAは現在、RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎朱加らとともにAACCでケージレスリング・Bellator対策にも取り組んでおり、MMAファイターとしてのスキルを上げている。MMAでは7勝2敗とまだ中堅どころのRENAだが、対戦相手も5勝1敗と同格の相手が用意された。
大舞台慣れしているRENAは初のケージMMA、そして米国ニューヨーク・マジソンスクエアガーデン大会で、堀口恭司とともにどんなインパクトを残せるか。また、RIZIN同様に世界の舞台でもBellatorやONEのようにMMAと立ち技を同時に行う大会が増えており、RENAにとっては様々な選択肢から戦う舞台を定めていくことになるだろう。
RENAのセコンドはAACCアベ兄と浜崎朱加。
1R、ともにオーソドックス構えから。右を振るヴァンザントはRENAの前蹴りに合わせてダブルレッグテイクダウン。しかしRENAもすぐに立つ。右ローはRENA。圧力をかけていく。さらに左ボディ。ヴァンザントは左ローを返す。RENAはニヤリと笑う。プレッシャーをかけていくRENA。ヴァンザントの右ミドルに左ボディ、さらに左ヒザ蹴りを入れて金網に詰めるRENA。しかし身体が伸びたところでヴァンザントはダブルレッグ(両足タックル)に小外掛けを合わせてテイクダウン!
RENAは背中はケージに立てヴァンザントの頭を押して金網背に立とうとするが、ヴァンザントはRENAの右足を両足でフックに引き出している。その立ち際で背中を見せるRENA。ボディロックからバックを取り、ヒザ裏を蹴って引き込んだヴァンザントは、バックマウントから4の字ロック。金網を蹴ってケージウォークを試みるRENAだが、足を巻くヴァンザントは左手でRENAの左手首を内側からコントロールし、右腕でリアネイキドチョークへ!最初は手の平を合わせたパームトゥパームで組んだ顎上から絞め上げて、頭後ろに組みなおす。のどもとにがっちり入ったヴァンザントの右腕。RENAは身体を伸ばされないよういったん亀になりながら左の後ろ手を外そうとするが、仰向けになり失神。ヴァンザントが一本勝ち。RENAは米国デビュー勝利はならず、初の金網戦で経験の差が出た形となった。
▼127.8ポンド契約 5分3R×ヘザー・ハーディー(127.8ポンド/57.96kg/米国)2勝2敗[1R 3分53秒 TKO] ※マウントからパウンド○テイラー・ターナー(127.8ポンド/57.96kg/米国)4勝5敗
1R、最初に組んで引き込みを見せたターナー。立つハーディーにボディロックからテイクダウン。すぐにマウントからバックマウントを奪うターナーはリアネイキドチョーク狙い。腕をつかみ正対するハーディーだがマウントのまま足を戻せず。ターナーはパウンド。打たれるままのハーディー。レフェリーが間に入った。
▼フェザー級 5分3R×アーロン・ピコ(145.4ポンド/65.95kg/米国)4勝3敗[2R 3分55秒 TKO] ※跳びヒザ→鉄槌○アダム・ボリッチ(145.4ポンド/65.95kg/ハンガリー)13勝0敗
カデットとジュニア時代に、フリースタイル、グレコローマン、フォークスタイルの3つのレスリングで全米王者に輝いたピコは、ボクシングでもカリフォルニア州王者となっている22歳の超新星。MMAは4勝2敗で、プロデビュー戦こそギロチンチョークで敗れたものの、以降、4連続KO・TKO勝利を挙げている。前戦は1月にヘンリー・コラレスから右アッパーで先にダウンを奪ったものの、クリンチボクシングの最中に右フックを浴び、逆転のKO負けを喫しており、今回が再起戦となる。
しかし、対戦相手のアダム・ボリッチ(ハンガリー)も無敗の強豪だ。名将ハリー・ホーフト門下生の25歳はMMA12勝0敗。HFCで連勝後、2017年4月にBellator初参戦。3戦全勝で2試合をリアネイキドチョークで極め、1試合を跳びヒザ蹴りでKO勝ちしている。
180cmの長身ながら“THE KID”の異名を持つボリッチは、オーソドックス構えから繰り出す打点の高い跳びヒザは山本“KID”徳郁ばりの決定力を誇る。キックボクシングの試合でもこの跳びヒザでダウンを奪うなど左右で打つことが可能で、懐の深い打撃では下がりながら右アッパーでダウンを奪うなど、蹴りもパンチも破壊力を持つ。さらに、長い手足で絡み獲るリアネイキドチョークでの一本勝ち、下になっても三角からのヒジ打ち、さらに三角絞めと、死角のない状態だ。
オーソドックス構えのピコの強い体幹から繰り出される鋭い左フック、左ボディ、アッパーは一気に間合いを詰め、カウンターで先に当てることが可能なスピードを持つ。しかし、やや前傾姿勢の構えはボリッチのヒザ蹴りの的にもなりうるため、両者がどんな距離で戦うのか、注目だ。
1R、オーソドックス構えで遠間からダブルレッグテイクダウンはピコ! 金網際で手を着いて立とうとするボリッチをピコは持ち上げてリフトし、中央でスラム。クローズドガードから足を解いたボリッチの足を束ね、その立ち際をバックを狙うピコだが、ボリッチは正対し立つ。しかし、すぐにダブルレッグテイクダウンはピコ。ハーフガードのボリッチはピコの左腕を巻き込むと、外したピコはシングルレッグへ。そこにボディロックから立つボリッチ。しかし、ピコは左を強振し、みたびダブルレッグへ。ボリッチに距離を取らせない。
2Rも開始騒動にダブルレッグテイクダウンはピコ。クローズドガードからギロチン狙いのボリッチは下からヒジを突き、後転から立つが、すぐに詰めるピコはダブレッグテイクダウン。パワフルに最後まで攻め続けられるか。背中を金網につけるボリッチを回してマットに着かせようとピコ。さらに両足を足で束ねてボリッチの左腕を後ろ手で縛ろうとする。片ヒザ立ちで金網にスペースを作らず背中を譲らず立とうとするボリッチは正対して立つ!
スタンドに。遠間から走り込んで右のヒザからジャンプするボリッチ。そこにピコはダブルレッグを合わせようとするが、二段の跳びヒザ左のヒザ! まともに浴びたピコは倒れ、そこにボリッチは鉄槌。レフェリーが間に入った。ハリー・ホーフト門下生のボリッチは13戦無敗に!
▼女子フライ級 5分3R○ヴァレリー・ローレダ(125ポンド/56.69kg/米国)2勝0敗[判定3-0]29-28,30-27×2×ラーキン・ダッシュ(125.8ポンド/57.06kg/米国)0勝2敗
1、2Rともにローレダは強い右ミドルをボディに効かせていく。2R、さらに左右で圧力をかけるローレダは右ヒザ! ダッシュは顔に受け、思わず背を向けるが、その左腕をつかむと引き手をつかんで、合気道の小手返し的に崩すと、すぐさま左フック! ローレダに尻餅をつかせる。
3Rも右ミドルを効かせるローレダだが、ダッシュは半身構えで凌ぐ。ローレダは右のバックキックで前に出るが、そこに大きな左フックはダッシュ! ダウンしたローレダにダッシュがパウンドで飛び込んだところでゴング! 判定は3-0でテコンドー衣をはおったローレダが勝利コールを受けた。
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▼180ポンド 5分3Rハキム・ゴザリ(178ポンド/80.73kg/イスラエル)11勝6敗グスタヴォ・ウリツアー(176ポンド/79.83kg/ブラジル)22勝23敗1NC
サウスポー構えから左右を振り組み付くのはヘンゾの弟子でイスラエル人柔術家のゴザリ。それを切るウリツアーの打撃にゴザリは引き込み、下からウリツアーの両足を広げさせる。ダブルオーバーフックから煽り、下から腕十字を狙うゴザリ。さらに三角に組み下からヒジを頭部に放ち、最後は三角に組んだヒザを手前に抱えて三角絞めを極め、タップを奪った。ゴザリは3連勝でMMA11勝6敗に。
▼ウェルター級 5分3R○ホブソン・グレイシーJr(168.6ポンド/76.47kg/ブラジル)2勝0敗[1R 3分15秒 腕十字]×オスカー・ヴェラ(168.8ポンド/76.56kg/米国)0勝1敗、アマ1勝2敗
グレイシーらしい鷹の目を持つホブソン。セコンドにはヘンゾがつく。金網に押し込まれながら左でオーバーフック、右で脇差しながら四つから小外でテイクダウン! ハーフガードから右脇差しパス、マウントを奪う。ホブソンはうつ伏せになりながら腕十字へ。ヴェラを仰向けに返して極めた。ホブソンはMMA2勝目。
▼ライト級 5分3R○マーカス・シュリン(155.6ポンド/70.57kg/米国)6勝1敗[判定2-1]※30-27,29-27,27-29×ニクルズ・ミルコジャエフ(154ポンド/69.85kg/米国)4勝3敗
1R、ともにオーソドックス構え。いきなりダブルレッグで大きくリフトして後方に水車落としで投げたミルコジャエフ! シュリンのダブルレッグには後方から腕十字を狙う。抜けたシュリンはミルコジャエフの強引な背後からの引き込みにニアマウントになるが、すぐに足を戻したミルコジャエフ。シュリンはがぶりからチョークを狙う。
2Rもミルコジャエフの動きに合わせてマウントを奪うのはシュリン。ヒジを落とす。首相撲からヒザを突く。3R、2R同様に首相撲からヒザはシュリン。ミルコジャエフもクリンチアッパーも動きが落ちてきた。しかし、バックテイクから後方への投げはミルコジャエフ。シュリンはガードの中に入れる。ミルコジャエフが上のままゴング。判定はマウントを奪い、ダメージを与えたシュリンがスプリット判定勝利。
▼ミドル級 5分3R○フィル・ハウェス(186ポンド/84.36kg/米国)5勝2敗[1R 5分00秒 TKO]※左目上をカット、ドクターストップ×マイク・ウィルコックス(185.4ポンド/84.09kg/米国)6勝4敗NCAAディビジョンIII王者
※1R、右フック、さらに右オーバーハンドからのシングルレッグでテイクダウンを奪い鉄槌を落とすハウェス。ウィルコックスは左目上をカット。ドクターストップに。
▼フライ級 5分3R×ブランドン・メディーナ(124.8ポンド/56.60kg/米国)プロデビュー、アマ4勝1敗[4分33秒 ギロチンチョーク]○ブランドン・ポルケア(126ポンド/57.15kg/米国)1勝2敗
▼165ポンド 5分3R○カストリオット・シェマ(164.6ポンド/74.66kg/米国)3勝3敗[2R 3分17秒 TKO] ※マウントからパウンド×ホイットニー・ジーン・フランソワ(163.8ポンド/74.29kg/米国)2勝7敗1分
▼フェザー級 5分3R○ジョン・ベネデューズ(146ポンド/66.22kg/米国)3勝2敗[判定3-0]×ケニー・リヴェラ(145.8ポンド/66.13kg/米国)2勝2敗
▼バンタム級→136.6ポンド契約 5分3R○マイク・キンベル(136.6ポンド/61.96kg/米国)3勝1敗 ※体重超過[判定2-1] ※30-27×2,28-29×セバスティアン・ルイズ(135.6ポンド/61.50kg/ペルー)2勝3敗
ともにオーソドックス構え。左右の大きなフックを振るキンベル。さらに左フックの相打ちから右フックを当てダブルレッグテイクダウンも。しかし立つルイズも左右を返す。右のアウトサイドローを蹴るルイズ。キンベルはジャブから伸びる右ストレートを当て、最後は後ろ廻し蹴りも。これはかわすルイズだが、キンベルはダブルレッグを切ってスタンドでヒジを落としスプリット判定勝利。