弘中代表の背中を追いかけて、追い越すつもりでやっています
――RISE WESTでは2021年と2022年に2試合を戦いました(1勝1敗)。立ち技での試合を経験したいと思ったのはどういったことからだったんですか。
「弘中先生から、本番とスパーは違うから、もう立ち技も怖がらずに出て、距離感とかパンチの感覚とか掴んだ方がいいと。負けてもいいから、大きな階級でもいいから、減量を無理せず、キックの試合に出て挑戦しろと言ってもらったことがきっかけでした」
――弘中代表もシュートボクシングで5試合を戦っています。実際に経験して生きてきたことは?
「立ち技ではいつも減量せずに出るようにしているんです。僕より20センチくらい大きい185cmの選手を相手に、MMA選手の力任せに戦うのではなく、潜り込んで相手の懐に入っていくような練習とか、ローキックやボディと上下散らして打つというのは、MMAにも生きてくるんじゃないかなと感じています」
――修斗に続き、UFCは弘中代表が戦った場所です。師匠の道に続いて勝ちたいという思いも?
「もちろんあります。師匠の背中を追いかけて、いずれ抜かすつもりで抜かして、追い越すつもりでやっています」
――今回の対戦相手ウリジ・ブレン(中国)はMMA20勝8敗。すでにUFCで3戦を戦っています。ただ、UFCで敗れた3試合を見る限り、つかみどころのない選手で、しかし、UFC後にWLFなどで4勝1敗と勝ち越して、今回の再チャレンジを掴んでいます。どんな印象を持っていますか。
「そうですね。立ちが強いのか、寝技が強いのかも分からない感じで、UFCで戦ってはいる。ただ、UFCからリリースされて、もう一度これにエントリーしているということは、弱い選手なわけがないです。甘くは見ていないですけど、勝てる相手だとも思っています」
――バンタム級トーナメントでは、野瀬選手と同じ山で韓国の強豪キム・ミンウがシャオ・ロンと対戦し(※ミンウの不戦勝)ます。
「そうですね……キム・ミンウと戦うことを、ちょっと頭によぎることはあるんですけど、もう目の前の相手に勝たないことには何も始まらないので、トーナメントのことは今はあんまり考えないようにして、今回の試合に集中しています」
――唐突な形で決まったものの、常に準備はしてきてMMA4試合、キック1試合の5連勝中です。24歳で先も見据えるなか、今の野瀬選手のどんな力を見せたいと思っていますか。
「僕の中の課題──自分の中では、気持ちを強く持って。大きい舞台で、相手が今までより強いからって固くなって見合って、相手に合わせちゃうというような風にならないように──今まで通り、自分の得意なことを押し付けて、自分の動きが出来るようにすれば、今後にも繋がると思うし、優勝もできるんじゃないかなと思っています」
――この間、沖縄からUFCでデビューした平良達郎選手が22歳。首都圏や関東のジムではないところから、世界で戦っている。野瀬選手も福岡から世界で戦って証明したいこともありますか。
「福岡から世界で戦える選手になれると思っています。平良選手が沖縄であれだけ結果を残せているので、福岡ではできないという言い訳はきかない。もう福岡でも、ほかの地方でもちゃんとした指導者の方がいて、熱意を持って努力をすれば、世界で戦えると思っています」
――先のトーナメントのことは考えないということですが、別ブロックで中村倫也選手とググン・グスマンが対戦し、風間敏臣選手とケレムアイリ・マイマイチツォヘチが対戦(※風間が判定勝ち)するという日本人3選手が出場するのが、バンタム級です。やっぱり最後に日本人が勝って、自身がUFCの切符を掴みたいという気持ちは?
「日本人同士で決勝になったらそれは一番、日本の方たちが盛り上がると思うので、そのために僕は、まずは1回戦、準決勝と勝たないと実現しない。こっち側のヤマは日本人は僕1人なので、絶対勝つぞという気持ちはあります。もちろん出るからには優勝を目指して戦うつもりでいます!」
試合当日、朝ごはん食べて、ゆっくり柔軟中~✋調子よし😊昨日はサスケ敗北で凹んでましたが、、切り替えて挑みます‼️いざシンガポールインドアスタジアムへ👊 pic.twitter.com/R0BwvuvLUV
— 弘中邦佳 (@hironaka9244) June 10, 2022