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【THE MATCH】フジテレビの放送見送りについて実行委員会が緊急会見、全文掲載「フジテレビが納得する形にどれだけでも変えます」

2022/05/31 21:05

もう一回フジテレビさんに戻ってきて欲しい


 それでもフジテレビさんは突然、今日午前中に今から内容証明を送ります、放送は中止します、やれませんでした、力及ばずですってご説明をいただいて。これは本当に僕トラウマで、17年前にタイムスリップしてしまうんですけれど、百歩譲って放送をやめると決断されたのは理解する。でも選手にも関係者にも僕らにだってきちっとご案内するための時間がいただきたいってその場でお伝えはしたんですけれども、問答無用でそこから15~20分後にはTwitterとHPに上がる。あまりにもひどすぎないですか、それは。

 これだけのことを一緒に一回やると言って、CMの枠も売って放送枠も確保されて。先月4月末の金光社長の定例会見では媒体価値が上がるとまで言ったイベントから撤退するんだったら、もう少し丁寧な作業をしていただきたいですし、それは共にこの放送環境を最後まで守ろうとしてくれた役員の方とか編成担当の方ではないと思いますが、そういうジャッジをされたことには憤りを覚えますけれど、いかんせんフジテレビさんには何か理由があるんでしょう。

 経済的なことがやはり折り合わない、経済的なこととは別に今回制作委員会の中ではフジテレビさんは放映権料が満足いく金額ではなくても、フジテレビさんがぜひやりたいんだと地上波の枠を用意いただけるということだったので、ここまで皆さんのコンセンサス・ご理解もいただいてですね、CXさんでの地上波の枠を確保してきたんですが、結果それがはしごを外される形になった。いずれにしてもそれは榊原さんに疑念があるからだとか、ポストの記事が事実はどうだったんだこうだったんだ、でもそこも調査されたうえでひとつの結論が出たのであれば僕は最後までこのTHE MATCHをフジテレビさんの力で届けて欲しかったなと、そう思っています。

 で、この場でお願いですけれど、もう一回フジテレビさんに戻ってきて欲しい、そう思っています。これは伊藤さんにも中村さんにもお願いしました。僕らが抜けることが条件なら抜けます。たくさんのファンが見たいと思っているんだし、天心も武尊もこの試合が地上波に流れることを期待しています。アンダーカードの選手たちもみんなそうです。映るか映らないか分からないけれど、地上波に出たいんだと思って頑張ってやっている選手たちに、僕らには理解できない、形を変えればいいじゃないですか。フジテレビが納得する形にどれだけでも変えますよ。それでなんでやれないのか。それが僕には分からないし、それだったらやってくれると信じています。

 ファンの声、視聴者の声をフジテレビさんに届けて欲しいと思う。この2時間枠があるんだから、今から他のものを用意するのは大変だと思うので、放送枠でCMの枠を買っていただいているスポンサーさんもたくさんいらっしゃると聞いていますので、我々が何か形を変えることでこれならフジテレビが放送できるよって形を全力で一緒に作り出せるように、ぜひこの場でフジテレビさんにお願いしたい、と。一方的な決定で僕もパニックになってあわくってますけれど、断られても諦めきれない、そんな想いでいます。

 いずれにしてもそういうことをお伝えしながらも、まずファンの皆さんにお伝えすることは大会は予定通り行われます。選手たちも全選手一丸となって、これは中村プロデューサー、伊藤代表含めて選手たちも、こんなことがあってもひとつになって頑張ろうぜと鼓舞してくれると信じています。常に格闘技界って逆風の中、アゲインストの中、戦ってきている競技だと思うので、メジャーなスポーツになるために僕らが避けては通れない、そんな思いでもいますし、ABEMAさんは変わらずPPVでの配信を行っていただきます。何も変わらず最高のものを6月19日にご用意する。あとは今回途中で心が挫けそうになったかもしれないけれど、まだ3週間あるのでやっぱりこういう形でやりますって前向きな発表が出来るように頑張りたいと、そう思っています。ちょっと気持ちが前のめりになってアツくなってしまいましたが私からは以上です」

――3点質問です。一つは17年前のいわゆる“フジテレビショック”に続いて今回色々とあったわけですが、ご自身は「一点の曇りもない」と、「事実無根である」ということを重ねて仰ってきていると思います。なぜ前回・今回とこういう報道が起きてしまって、こういった沙汰になってしまったのか? ご自身ではどう分析されてるかということが一点。

 もう一点は、結果的に放映が無くなることによって、運営としてはかなりの損害をこうむることになったと思いますが、フジテレビ側、週刊ポスト側に対して改めて法的な措置についてお考えはあるのか? 3点目は、週刊ポストの記事中にあった“Yさん”。Y氏という人物ですけども、現在どういったポジションでいらっしゃるのか? まだ運営に関わっているのか? 関わってないとすればどういった理由なのか? 関わり続けているとすればどのような理由なのか?

 最後にお三方に伺いたいのですが、今日のような事態になって、伊藤さん、中村さん、榊原さん、変わらず信頼関係は持ち続けて、対外的にもイベントを実現していこうということで、変わらずアライアンスは組んでいけるという風にお考えでしょうか? 伊藤さん、中村さんに関しては、今回の週刊ポスト報道から、今回に至るまでの流れについてもどういうふうにお考えかも併せて伺えたらと思います。

「まあ一つは、多分週刊ポストのことがあって、こういう自体に最終発展したんだと思ってるんですけど、17年前と大きく違うのは、記事が書かれてからここまで早いんです。ゲンダイの時はもっと前に書かれて、「不適切な事象がある」っていう風に報道されたんです。それはフジテレビさんが一方的にその時は夕方のニュースで、PRIDEとの契約を切って「不適切な事象」ということで、ものすごいショッキングだったんですけど、今回はまあ、一つはほんとに口頭行為での契約で、常にフジテレビさんとは──これまでもそうですけど──契約書に至るところの手前でお互い契約条件含めて合意に至らなかったということではあるんですね。ですので、ポストの件も折り込みながらフジテレビさんとして総合的なご判断なんだろうなと思います。

 個人的には、まあ、こんな事が2度も起きるんだなという。2015年に僕が戻ってきた時にもコンプライアンス委員会を立ち上げて、常にコンプライアンスの事は徹底してたんですね。ただ放送局が求める放送倫理の中におけるコンプライアンスと、一般常識的なお付き合いをするコンプライアンスというのは若干温度差があるのかなという気はしないでもないです。ただ放送に耐えうるコンプライアンスを徹底してやってきても、やっぱり足を引っ張りたいとか目立つようになって、話題になれば色々揶揄されることもあるし、非常に残念だなと思います。

 17年前も含めて、日本のこういうメディア環境とか、何も変わってない。旧態依然としたまま、世の中の人達も含めてだと思いますけど、僕からするとほんとうにそれはポストさんにもだいぶクレーム言いましたけど、反社、交際音声、データ、流出っていうタイトルだと、僕が反社と交際してる音声データが流出したかのようにとられると思うんですけど、そういうわけではないんです。だから事実と違う事で見出しを売りたいとか新聞売りたいとか色々あるんだと思うんですけど、ちょっとそこにも思うところはありますけど、すごいショックだなと。残念だなと。また同じことをこうやって人生で繰り返すことに、駄目な男だなと、自分自身にそう思ってます。申し訳ないなとそう思ってます」

――ポストとフジテレビに対する法的措置は?

「ポストさんには、記事が出る前に、すでに法的なアクションを起こすことはお伝えしてます。それはなぜかっていうと、僕らの9日の記事は一方的に書かれたんですよ。普通であれば取材をあてて反対の意見だったり事実を確認した後に雑誌に載せる。僕はあの、16日の時にもインタビューの中で答えましたけど、『取材には応じます』と。ただ海外から戻って隔離の期間もあるし、イベントも控えてるので、『御社の締切のスケジュールには間に合いませんよ。9日以降だったら受けますよ』とお伝えしたんですけど、『いや締切の都合があるんでもう書きます』って事で書かれてしまった。そういうところも、まあ、そんな天下の小学館さんの抱えるポストさんが、それはあまりに一方的すぎないかということで、通達は送らせていただいておりますけど、別にほんとはこんな事で争いたくないです。正直。争っても多くの人たちは過ぎ去って行くことで、事実こういう風に勝ちました負けましたって、なんでもそうじゃないですか? あんまりみんな見てもいないんで。こういう風に晒し者になる、ネタになる、的になっちゃうことが嫌だなと思って生きてきたんですけど、それぐらい『THE MATCH』がインパクトがあるので、こういう形になっちゃったんで、ほんとに自分の事が一つ話題になったことが申し訳ないなと思っているという事ですね。

 あとYさんという登場人物があるんですけど、あそこの記事に書いてある通り、コメントした通りです。週刊ポスト読んでもらったらいいと思うんですけど、RIZINの何者でもない立ち位置の人なんで、フリーランスで動いている方なんですね。ですので別にこれまで通り業務をやってもらうとか、何か僕らが業務を任命してやってもらったり、それに対して僕らがギャランティしてるってことでもないので、そこもちょっと歪曲されてというか、事実と違うことなんだなと思ってますけど、なにか特別な関係があるということでもないです。でまあ、僕の個人の意見ですけども、まあ伊藤代表、中村プロデューサーが変わらずに、僕と一緒にまた6月19日に向けて全力で走ってくれたらいいなと、そう思ってますけど」

 会見には実行委員会の伊藤隆RISE代表と中村拓己K-1プロデューサーも同席。次のようにコメントしている。


伊藤隆(RISE代表)実行委員

「ビックリしました。突然のニュースだったので。非常に残念だなと。それと選手のモチベーション、ファンの落胆を考えるととても辛い気持ちになります。6月19日はやることは決まっているので、選手たちのフォローをして、今回出る選手は一流選手ですから、最高の試合をしてくれると願っていますし、信じています。先ほど榊原代表も言いましたけれど6月19日、満員の東京ドーム、こんな機会はほとんど今までなかったと思うので、ましてやキックボクシング、K-1、RISE、その中でこういうこともなかったので私も実行委員として全力で力を入れてやってまいりたいと思います」


中村拓己(K-1プロデューサー)実行委員

「僕も今日昼ですね、発表される直前にこちらの話を聞いたので、本当に驚いてビックリしてえっというのが一番ですね。それプラス、こういった形で地上波の放送がなくなってしまったのは本当に残念です。でも大会をやるってことは変わらないですし、K-1ファイターは地上波がないから力を出し切れないとか、モチベーションが上がらないとか、そんなやわな選手はいないですし、どんな場所でもどんなリングでもどんな会場でもどんなシチュエーションでも今まで全力を出して最高の試合をしてきたファイターたちなので、皆さんそこは安心してください。僕らと戦うRISEさんの選手たちだったり、いろいろな選手たちも気持ちはきっと同じだと思います。この最高の格闘技のイベントを今まで以上に注目されることになると思うんですけれど、最高のイベントをこの日にしか見られないイベントにして、ファンの皆さんに喜んでもらいたいなと思います。そこへ向けて残りの時間全力で頑張りたいと思いますし、榊原さんの言われたもしまだチャンスがフジテレビさんであるのであればそのチャンスにも懸けたいなと思います」(※この項、続く

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