MMA
インタビュー

【DEEP】21歳の神龍誠が藤田大和に一本勝ちで「UFC本戦に行きたい」──オリジナルニンジャチョークとフライ級について語る

2022/05/09 13:05
 2022年5月8日(日)東京・後楽園ホールにて『DEEP 107 IMPACT』が開催され、メインイベントの「DEEPフライ級王座統一戦」(5分3R)で、正規」。正規王者の神龍誠(神龍ワールドジム)が、暫定王者の藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)を3Rの激闘の末、0分53秒、ニンジャチョークに極めて、統一王者に輝いた ▼メインイベント DEEPフライ級王座統一戦 5分3R〇神龍 誠(神龍ワールドジム/王者)[3R 0分53秒 ニンジャチョーク]×藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We/暫定王者)※神龍が統一王者に  まだ21歳の神龍はレスリングをバックボーンに、15歳でプロデビュー。2019年にDEEP史上最年少の18歳で、柴田“MONKEY”有哉との暫定王者決定戦を制し王者となった。その後、第4代DEEPフライ級王者・和田竜光の王座返上により、第5代王者に昇格。  BELLATOR JAPANでの中村優作戦での判定勝ちを経て、2020年8月の『RIZIN.23』では第3代ZST王者・伊藤盛一郎からギロチンチョークで一本勝ち。その後、地元・宮城でジムをオープンする準備のため試合から離れ、2021年10月に1年2カ月ぶりに復帰。元修斗王者・福田龍彌に判定勝利を挙げている。  対する藤田は、ボクシングでアマチュア5冠を達成しMMAに転向。プロデビュー戦となった2017年のRIZINで那須川天心と対戦し判定負け、同年にキックルールで再び那須川と対戦しKO負けを喫したが、その後はDEEPでキャリアを積んできた。  2021年2月には渋谷カズキにカーフキックを効かせてのサッカーキックでTKO勝ちし、フライ級暫定王座を獲得、続く6月大会では山本聖悟をTKO。前戦の9月大会では伊藤裕樹に判定勝利し、初防衛に成功。6連勝中だった。  試合は、序盤に神龍の蹴りを掴んで藤田がテイクダウンを奪うなど、ストライカーからMMAの組みも消化した藤田が積極的に組んで行く。スクランブルで対抗する神龍は、シングルレッグ、ボディロックで崩して、藤田の立ち際にサッカーキック。  互いに足の殺し合いも。中盤以降には、神龍が上になる場面が増え、キムラロックでのキャッチも奪う。  試合が決したのは最終回。神龍が首相撲からのヒザ蹴りで主導権を握ると、そのままケージに押し込まれた藤田がヒザ蹴りを効かされたか、頭が下がったところに神龍がニンジャチョーク一閃! 頭をズラしていった藤田だが、神龍は「回転されても極まる」独特の形でタップを奪った。  マット上で、「次は世界で戦いたいですね。UFC、オファーを待っています」と世界進出をアピールした神龍。  フライ級GPの開催も噂されるなか、試合後のバックステージでは、「UFCは『ROAD TO UFC』のトーナメントではなく本戦に直に行きたい。世界に行けないならRIZINしかない。DEEPのチャンピオンとしてDEEP最強、神龍誠最強を示したい」と語っている。  21歳の統一王者が、次に戦う場は、RIZINかUFCか。試合後の一問一答全文は以下の通りだ。 [nextpage] いちいちトーナメントで何試合もじゃなくて、僕はもうUFC本戦に行きたい ──ちょうど聞かれていた通り、伊藤裕樹選手は『俺を倒してから世界へ行け」と言っていましたが。 「順番を間違えてるな、と。俺の方が上にいるので。勝ったいまやる必要もないので」 ──メインイベント、正規王者は強かったです。統一王者になって気持ちを教えてください。 「やっぱり気持ちいいですね。取ると分かっていても、いざこう両肩にベルトがあると気持ちいいです」 ──藤田選手も際のサッカーキックなど危険な技もありましたが、試合を振り返っていかがでしたか。 「相手も暫定チャンピオンでさすがに強かったです。全部思ったようにはいかなかったですね。サッカーキックもやられたやらやりかえそうと」 ──事前のコメントでは「相手を殺す、心が弱い」と煽ってきました。 「自分にプレッシャーをかけて、こんなところでコケるようじゃだめだと思うんで。過激な発言はそういったところから出ました」 ──ところで、いつもトレードマークだったマスクが今日はなかったですね。 「それ言いたかったんです。実は忘れて(苦笑)。車で移動中に気づいて“やっちゃった!”と思って、でも帰ったら間に合わなかったので、“うわ、最悪や”と思って、今日手こずったのはそれがひとつメンタルにあったかもしれないです(笑)」 ──「NEW神龍」ということかと思いました。 「本当に忘れただけです。“うわ、まじかよ”と思って。それくらい大事なものだったので。でもそれでへこんで負けているようだったら世界に行けないんで。まあマスクもめっちゃ大事ですけど、それでも俺は勝ちました」 ──自身のジムも作って練習環境も大変だったかと思います。 「それは自分で工夫してやってきましたね。上がったのか、久々の感じなので、前回僕がコロナで飛んでしまったので、もっと(試合が)コンスタントに出来たら上がってくると思います」 ──ブランクについて、藤田選手からも言われました。 「周りの人から『ジムを出したから弱くなった』とか言われるのは嫌でしたね。“いや、俺は違ぇーよ”って気持ちはずっとあったんで。こういう形で勝って結果を残せたのは良かったです。圧倒的な勝ち方ではなかったですけど、とりあえず勝てて良かったです。まだ僕、21歳で意外と若いので、これからバンバン上に上がっていきます」 ──前戦に比べ、スタミナに余裕あったようです。 「そうですね、トレーナーをつけて。フィジカルは僕のサポートチームに見てもらいました。3R目でもまだいけました。パーソナルトレーニングも、まだやり始めて1カ月くらいだから、たぶん次の試合からだんだん上がるんじゃないかと」 ──最後の首相撲からヒザ蹴り連打がフィニッシュに繋がったと思います。あれは狙っていた? 「そういう展開は前戦で見てて、そういう時は(藤田が左右フックの)パンチを打ってくるんだなって思って、その時にカウンターで入るかなと思っていました」 ──相手のセコンドも「頭が低いぞ」と言ってましたが、頭を下げさせて首を取ってしまえば、いけると? 「いや、フロントチョークは警戒されていたのがあったので、そこまで固執はしていなかったです。ヒザが効いて(身体が)丸くなったんで、あっこれはニンジャが入るかなと思って。ちょっと僕のニンジャは特殊で、あのまましっかりクラッチして、僕の場合は回転されてもいいように極める、練習でもやっている形でした」 ──最後のニンジャチョークは、自分の腹の下に頭があって、足がかかってなくても、回転してズラしてくることにも対応できると。 「そうですね。反転されることがあるので僕の場合は、二の腕で組んでキープしてそのまま相手が反転しても一緒についていって極められます。ニンジャチョークでも、ちょっと僕のオリジナルの形ですね」 ──あらためて。UFCの契約の話になりましたが、フライ級での出場を望んでいるのですね? 「はい、そうですね。フライ級で」 ──『ROAD TO UFC』の話も以前からありましたが、6月9日と10日にシンガポールで開催が決定済みだと、このタイミングでどうなるか。それとも本戦でのオファーを望んでいますか。 「本戦ですかね、いちいちトーナメントで何試合もじゃなくて、僕はもう本戦に行きたいです」 ──「世界」という言葉も出ましたが、もし国内の場合、フライ級でどう展開していきたいですか。 「世界にもし行けないとなったら、日本だったらRIZINに出るしかないですね。僕がDEEPのチャンピオンとしてRIZINに出て、DEEP最強、神龍誠最強を言っていきたいです」 ──噂されるトーナメントになったら? 「まあ、出れば僕が優勝する、というだけですね。(真のトップだと証明することに?)になるんじゃないですかね。僕が出ることになれば」
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