格闘技の殿堂マディソン・スクエア・ガーデンの前で、堀口の両脇を固めるATTのマイク・ブラウン(右)とジョシュ・スミス(左)。(C)CoCoKARAnext
6月14日(日本時間15日)、米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われる「Bellator 222」にて、Bellator世界バンタム級タイトルマッチに出場する堀口恭司が9日(同10日)、トレーニング拠点のフロリダからニューヨーク入り。『ゴング格闘技』読者に向けて、意気込みを語った。
対戦相手のバンタム級王者ダリオン・コールドウェルとは、昨年末の「RIZIN.14」で対戦。前回は堀口が3ラウンド1分13秒にギロチンチョークで一本勝ちし、新設された初代RIZINバンタム級王者に就いている。今回のリターンマッチは、コールドウェルが持つ王座がかかるタイトルマッチ。堀口がBellatorに乗り込み、挑戦者としてマディソン・スクエア・ガーデンで戦う。
会場前に立った堀口は、地元のファンから「ウェルカム・トゥ・ニューヨーク!」と歓迎を受け、インタビューは始まった。
冒頭、格闘技の殿堂マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)を訪れた感想を問われた堀口は、「特にありません」と淡々と語った。「ニューヨークには一度来た事があるのですが、試合で来たのは初めてなので少し気合が入っているかな、というところです」──何気ない言葉だが、ここに堀口の強さの一端が表れている。日本人としてMSGのメインカードで王座戦に臨むことに、何の気負いもないのだ。
2015年にカナダ・モントリオールの大観衆の前で、当時、無敵を誇ったUFC世界王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦している堀口にとって、今回のニューヨーク決戦にも動じることはなく、またそれが空手時代から戦いに臨む際の堀口のスタイルでもある。
以下、堀口との一問一答だ。
──ついにマディソン・スクエア・ガーデンに立ちました。この場所に感慨などは?
「特にありません。ニューヨークには一度来た事があるのですが、試合で来たのは初めてなので少し気合が入っているかな、というところです」
──現在のコンディションは?
「調整はバッチリです。現地について、今から減量(※計量は試合前日)なので、しっかり体調を崩さないように試合に持っていきたいと思っています」
──今回は時差が無い場所での試合となります(※RIZINでは試合の2週間前には来日して調整していたが、今回は練習拠点のアメリカントップチームがフロリダのため、ニューヨークは同じアメリカ東海岸時間となる)。
「時差が無いので、5日くらい前にニューヨークに入って、あとは減量だけですね」
──ATTでは仮想コールドウェルとしてまたパートナーを用意して準備してきたのでしょうか。
「前回と同じく、同僚のジョシュア・スミスとレスリング対策をしてきました。前回と同様に、マイク・ブラウンコーチと共に、今回もセコンドに就きます」
──米国と日本のファンにどんな試合を見せたいですか?
「しっかりとKOか一本で勝って“日本人も強いんだぞ”というところを見せたいです」
堀口が語ったように、実は前戦では、名将マイク・ブラウンとともに長身のジョシュ・スミスをパートナーに仮想コールドウェルとして対策を練ってきた堀口。スミスはネブラスカ大レスリング部で活躍し、MMAでも8勝5敗を挙げている新鋭だ。今回も堀口は、スミスを帯同し、ニュヨーク入りしてきた。
前戦では、身長13センチ、リーチ20センチという体格差をものともせず、リングでもコールドウェルのテイクダウンに背中を着かず、バックを取られることもなかった堀口。
今回は世界戦の5分5ラウンド制で、リングからサークルケージに舞台は移るが、UFCでのキャリア、そしてアメリカントップチームでのスミスらとのケージレスリングのトレーニングによる進化が、MSGで試されることになる。
Bellator世界バンタム級王座戦では、ヴェールを脱いだ堀口の新たな姿が見られるのかもしれない。
前日計量は6月13日(日本時間14日)に行われる予定で、堀口はその後、日本から届いた米、みそ汁、経口補水液などで身体を回復させて、本番へ臨む。