難病と戦いながら、2年8カ月ぶりに復帰した征矢は見事TKO勝ち
2022年4月16日（土）東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナで開催された『SPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rd』の大会終了後、榊原信行RIZIN CEOが大会を総括した。
全7試合の中で最も印象に残った選手はと聞かれた榊原CEOは、難病であるクローン病と戦いながら2年8カ月ぶりの復帰戦で見事TKO勝利を収め、場内を熱狂させた征矢貴（パラエストラ松戸）をあげた。
「征矢選手ですね。闘病生活を乗り越えて何度目かの再起戦だったと思いますが、3年近いブランクを感じさせることない征矢らしい…最後、一発パンチが当たってダウンがとれてもそこでゆっくりしてしまう展開が多いんですけれど、そこできちっとフィニッシュまで行ける、あそこでラッシュする、そこで迫力のあるフィニッシュを取りに行ける姿勢は征矢選手の持ち味。それを失うことなくカムバック出来たのは素晴らしかったなと思います」と絶賛。
復帰2戦目で摩嶋一整（毛利道場）をTKOに仕留めたベテランの金原正徳（リバーサルジム立川ALPHA）については、「久しぶりにTHE MMAと言うか、いいものを見せられたなという試合だったと思いますね。3R戦っても逆に摩嶋がガス切れするという。金原の方が5分3Rしっかり戦いきるフィジカル、ペース配分も含めて読んでのことだと思いますが、素晴らしい展開だったと思います。金原選手次第だと思いますが、金原選手と話をして、この後フェザー級の上位陣と交わっていくことに彼も貪欲にチャレンジする気持ちを持ってもらえればいいなと思いますね」と、フェザー級上位陣にチャレンジしてもらいたいとの見解を示した。
大きな注目を集めてデビューした貴賢神（フリー）をTKOに仕留めた関根“シュレック”秀樹（ボンサイブルテリア）については、「今回カードの設定だけで言うと踏み台じゃないけれどかませ犬的な形に思われがちだったと思いますけれど、積み重ねてきた年月と、やってきたことは嘘をつかないと言うか裏切らないというか。当然フィジカルの部分は年齢と共に落ちているのかもしれないけれど、テクニックとか試合をここまで重ねてきたことでの駆け引きとかは、若さとか勢いだけではどうにもならないことを証明できたので、これからもゲーリー・グッドリッジのようにはならないと思いますが、ヘビー級の若い選手たちはシュレックを超えてこないと通用しないという門番的な形になったら面白いかなと思います」と、日本人ヘビー級の“門番”としての役割を任せたいとする。
第2試合でグラント・ボグダノフ（アメリカ/ALMA FIGHT GYM LIFE）にTKOで敗れた泉武志（FIGHTER'S FLOW）について聞かれると、「凄く前評判というかレスリングベースで言うと相当期待感の持てる実績のある選手なので（2017年アジア選手権優勝、同年世界選手権出場）。ボグダノフ相手によくやったんじゃないかなと。本人はほろ苦デビューだったと思いますけれど、片りんを見せた試合だったかなと思うので、ここからさらにMMAファイターとしての進化に期待して、早いんじゃないですかね、その進化していくスピードは。負けましたが好印象でした」と、将来性に期待が持てるとした。
また、大会2日前に対戦相手の金太郎（パンクラス大阪稲垣組）がぎっくり腰のため欠場、試合が中止となった倉本一真（リバーサルジム新宿Me,We）には「我々主催者側も残念だったし、ファンにも申し訳ないと思っています。一番残念なのは試合2日前に相手選手の怪我による欠場ですから、全部仕上がっていた倉本は踏んだり蹴ったりなので1日も早く試合を組んであげたいと思います。それはリング・ケージ関係なく彼がスタンバイ出来て、明日、早いタイミングでの追加のイベントの発表をしますので、そのタイミングで相手が見つかれば。倉本の相手を見つけるのは実は大変なんですね。この短期間でのタイミングでの大会だったりすると相手探しも含めてもありますが、出来るだけ早く試合を組んであげたいと。金太郎選手の回復を待って金太郎との試合をやるのは当然ですが、そこまで倉本を待たせる気はないので、金太郎の回復が7月までかかるなら、その前に1試合やれる機会あればいいなと、そう思っています」と、早ければ明日17日（日）に同会場で開催される『RIZIN.35』で発表される次回大会にでも試合を組みたいと話した。
