RIZINにレギュラー参戦している渡部だが「強い選手に勝ってもなかなか自分の評価が上がらない」と、今後の可能性を今回は見せたいとした
2022年4月16日(土)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ『SPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rd』に出場する、全選手の個別インタビューが14日（木）都内にて行われた。
第4試合のバンタム級（61kg）5分3Rで須藤拓真（X-TREME EBINA）と対戦する渡部修斗（ストライプル新百合ヶ丘）がインタビューに答えた。
渡部は、父に修斗初代ウェルター級チャンピオンの渡部優一を持つ父子鷹。柔道＆レスリングをバックボーンに、2012年にPANCRASEでプロデビュー。以降はZSTで経験を積み、2018年にFighting NEXUS初代バンタム級王座決定トーナメントを制し、王座を戴冠。2019年にDEEPに初参戦し、必殺のマジカルチョークで一本勝ち。2020年8月にRIZIN初参戦し、元UFCファイターの井上直樹にリアネイキドチョークで一本負けも、続くNEXUS×PFCでの一本勝ちで再起を遂げると、2021年3月のRIZIN.27で、修斗の若き天才・田丸匠にマジカルチョークで一本勝ち。RIZINバンタム級GP出場を決めた。
2021年6月の前戦では、RIZIN.28東京ドーム大会でのトーナメント一回戦で朝倉海と対戦。朝倉にギロチンチョークを仕掛けるも、強烈なパウンドを被弾し1R TKO負けを喫した。いったんは引退も考えたが、現役続行を決意。2021年10月の『RIZIN LANDMARK vol.1』で、内藤頌貴を1R ダースチョークで極めて再起を飾っている。
自分の可能性が見せられるような試合をしたい
――現在の心境は？
「やることはやってきて充実した日々を過ごしてきたのであとは試合をしてしっかり勝って、自分の実力を証明するだけだなと思っています。あと、調布（会場が調布市）なんですけれど僕は数年前までRIZINに出る前はアルバイトをしていた場所だったので、そこにRIZINのファイターとして試合が出来ることで戻ってこれたの嬉しく感じます」
――どんなアルバイトを？
「トレーニングジムで。受付でしたけど(笑)」
――そのアルバイト先の方も応援に来る？
「来ないんじゃないですかね(笑)。よく会場の近くでもビラ配りもしていました」
――当時ビラ配りをしていた場所で今回は試合。ところで…ビラを受け取ってもらうコツは？
「頭をめちゃめちゃ下げて『お願いしまーす』と言うと、ご年配の方は受け取ってくれました。あとはポスティングで何回も同じところに入れました(笑)」
――ストライプル百合丘以外での練習は？
「最近ですとトライフォース池袋さんの方で、今年に入ってからグラップリングの選手クラスがあって。そこで少数精鋭で選手だけの練習に参加させてもらっていますね。あとは自分で練習仲間、いろいろなジムの人を集めて場所を借りてプロ練習会という形でやっています」
――グラップリングの選手クラスでの練習は今回の須藤戦のために？
「いや、須藤選手との試合が決まる前からもっとグラップリングに力を入れたいと思っていて、ちょうどお声がけいただいたので。そんなトップ選手が集まるところだったらめちゃくちゃ練習になるだろうなと思って参加させていただいて。みんなめちゃめちゃ強いので。日本の柔術のトップクラス、あとはノーギワールドの世界チャンピオンの方とかもいてめちゃくちゃ練習になりますね」
――対戦相手の印象は？
「足関節特化型の選手なのかなと思うんですけれど、足関節以外にも普通に柔術が強い。柔術ベースで本当に柔術が強い柔術家だなと思います。あとはキックボクシングもアマチュアで勝ったりしているみたいなので、打撃も出来るんじゃないかなって感じです」
――相手選手もFighting Nexus出身ということで、渡部選手は解説もやっているので試合は生で見ている？
「はい、全部見ています。当然試合が決まってからも各試合映像を何十回ずつ見て研究しました。対策もそうですし、自分が勝負できるところは分かっているつもりですので、そこら辺はバッチリ出来ているかなって感じですね」
――試合展開のイメージは？
「やっぱりグラップラー同士なので寝技の攻防は出てくるかなと思いますし、当然そこでも負けたくない。普段通りの自分の力を出したいのが一番で、普段通りの自分の動き・自分の強さを見せてしっかり勝って、今後につながるような、自分の可能性が見せられるような試合をしたいと思います。ただ勝つだけじゃなくて、勝つのは大前提で今後につながるような、いろいろな人が見て渡部修斗だったら次も楽しみだなって思ってもらえる試合をして勝ちたいと思います」
――トライフォースのノーギのメンバーは？
「澤田伸大さんとか、鈴木和宏さんっていう柔術茶帯の日本トップクラスの人と、吉永力さんというノーギでも強い黒帯トップ。この前は高橋サブミッションさん、あと重量級の全日本王者で市川公貴きん。それとマスターで優勝されている小岩健一さん。茶帯でQUINTETにも出ていた中島康輔さんたちとやっています」
――ノーギで足関節あり？
「もちろん。ヒールも膝十字も全部ありで」
――須藤選手と自分のMMAグラップリングとの違いはどこにある？
「自分は王道のトップポジションキープ、トップポジションから攻めるっていう形なんですけれど須藤選手はそこがなくて、むしろ自分から背中を着けにきて下から攻めるという。全然違いますよ。本当に柔術家だなって動きをしています」
――お互いの得意なところを作らせず、さらにそれを上回るプランが見えてきている？
「めちゃくちゃ考えてこの期間練習しましたし、やれることが増えましたし、防御もやり方が増えました。あとは普段通りの自分の力を出したいのがあって、普段通りの自分が出せているのかって言ったら全然出せていないので、それを本当に出したいですね。試合して強い選手に勝ってもなかなか自分の評価が上がらないのは、自分の試合内容だったりが悪かったからだと思っているので。そこをこれから勝って、皆さんの評価を上げて自分の実力を証明していくためにそういう可能性を見せないといけないと思うので、しっかり普段通りの自分の実力を出して勝ちたいと思いますね」
