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決戦まで73日──2022年6月19日(日)『THE MATCH 2022』東京ドーム大会で行われるRISE世界フェザー級(57.5kg)王者・那須川天心(TARGET/Cygames)と、K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級(60kg)王者・武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の“世紀の決戦”の記者会見が、4月7日(木)に行われた。地上波フジテレビでも生放送されるこの試合のチケットは、「日本のエンタメ史上過去最高となる」300万円のVVIP席が用意された。
会見で、武尊は「試合の詳細が決まってきて、練習も減量も調整も進めていて、この試合を期待してくれている人達が盛り上がってきているのを感じる。それをパワーに変えて、いま練習を頑張っている。6月、最高の勝ち方で最高の勝利をするので、応援してくれたら嬉しいです」と最高の勝利を約束。
那須川も、「もうここまで来て言うことも特にないですし、絶対に勝ちます。必ず勝ちます。何が何でもどんな結果でもみんなを信じて必ず勝つ。キックの最後の試合というか、僕の人生の中でも一番大きいことなので、何が何でも勝ちます。それだけです」と必勝を誓った。
注目のルールはワンキャッチ・ワンアタックありのキックボクシングルール。今回、新たにラウンド数が3分3R+延長1Rになることが発表された。
3分3Rで決着がつかなければ延長1Rへ。その延長ラウンドの内容のみのマストでジャッジし、どちらかに必ず優劣をつける。そのジャッジの基準の詳細については実行委員会で協議中としている。
前回12月の会見で武尊は、「僕は正直、この試合の判定とか、ドローとか、そういう結果はいらないと思うので、僕は延長無制限ラウンドでやりたいと思ってます」と、より多いラウンド数、無制限ラウンドを希望していた。
今回の決定に、「決まったルールに合わせて調整していくだけなので。僕が言った“完全決着ルール”は、この試合で出来ることが決まった(※マスト判定)ので嬉しいし、天心選手が会見で言いましたが、“延長に行く必要のない試合をすればいい”だけなので、3分3Rの中でKOで倒します」と、最大4Rのなかで決着をつけることを語っている。
「3分3R+延長1R」は無尽蔵のスタミナを誇る武尊と、ステップを駆使する那須川のどちらに有利となるか。
そして、契約体重は58kg、当日の戻し体重は4kgまでとされていたが、今回、その当日計量が「試合の3時間前」(榊原氏)であることも新たに発表されている。
実は、その当日計量が何時になるかは、注目の的だった。もし朝計量であれば、夜までに大幅に戻すことも可能だ。しかし、それは最大限に動ける身体でなければならない。スピードを持つ選手ならば、体重が戻るとパンチの重みが増す。
那須川は2020年大晦日RIZINでのクマンドーイ・ペットジャルーンウィット戦こそ57kg契約だったが、直近3試合はいずれもバンタム級の55kgで志朗、鈴木真彦、風音に判定勝利している。58kg契約は2020年11月の裕樹戦以来で、そのときは2Rに跳びヒザ蹴りでTKO勝ちを決めた。
前戦2022年4月2日のRISEで、「6月に向けて筋肉を落としたくなかった」那須川は、バンタム級(-55kg)で「こんなの人生で1回もない」という減量苦があったことを告白している。それは、武尊戦に向けての肉体改造の過程のことでもあった。
一方の武尊は2021年3月の前戦レオナ・ペタス戦がスーパー・フェザー級タイトルマッチの60kgで、2R、右ストレートでKO勝利している。今回の当日計量について「メチャメチャ悩んで、(12月の会見の)前日の朝くらいにOKした」と語っていた武尊にとっても、いつもの試合体重からさらに2kg削る58kgで、当日戻しの制限がある今回の試合はプレッシャーになるだろう。
2022年2月のK-1では予行演習として水抜き無しで62kg以下まで落とし、朝に水抜きをして約59kgからリカバリーを試して61.75kgに。夜にはK-1 WORLD GPフェザー級王者の軍司泰斗とエキシビションマッチを行った結果、「格闘家は落としてからその状態で戦わないといけない。次の試合はリカバリー制限があるので難しい部分がいろいろある。ここからの減量は多分今まで落としたことのない領域」と語っている。
最終計量後、残り3時間で試合に臨む両者が、どんなプランを立てて、どんな身体でリングに上がるかのも注目の“世紀の決戦”だ。