K-1 WORLD GP 2021 JAPAN ~K’FESTA.4 Day.2~2021年3月28日(日)東京・日本武道館
▼第19試合 K-1スーパー・フェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者)KO 2R 1分04秒 ※右フック×レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/挑戦者)※武尊が初防衛に成功。 武尊は2012年9月以来、快進撃を続けて今年3月にペッダムをKOして無敵の33連勝。戦績を39勝(23KO)1敗とした新生K-1の押しも押されぬエースだ。今回が2度目の防衛戦となる。
挑戦者のレオナは“石の拳”と称される強打を武器に、大雅、山本真弘、朝久泰央らを撃破。2019年6月のK-1ではK-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント準優勝(優勝は武尊)の実績を持つ小宮山工介をもKOした。9月には西京佑馬を下して第9代Krushスーパー・フェザー級王座に就き、12月には山本直樹をKOして初防衛に成功。
さらに2020年3月、武尊を苦しめた第2代K-1 WORLD GPフェザー級王者・村越優汰をも3Rにマットに沈めてKO勝ち。7月には武尊の盟友である大岩龍矢を判定に下して2度目の防衛に成功すると「Krushにはもう相手がいないので武尊選手、僕とやりませんか?」とリング上からアピール。すると武尊がリングに姿を現し「やろうぜ」と対戦を承諾した。戦績は28勝(12KO)5敗1分。
両者はアマチュア時代に対戦しており1勝1敗。プロでは初対戦。武尊は記者会見で「決着をつけたい」と話した。この試合は昨年11月、そして今年1月と2度の延期を経てようやく実現に至った。リングサイドで那須川天心が見守る中、ゴングが鳴らされた。 1R、レオナの左インローからスタート。ローの蹴り合い、武尊は得意の左インロー。徹底的にローの蹴り合い。レオナが右ストレート、左ジャブ、そしてヒザ蹴り。レオナが連打で詰めると武尊が打ち合いに応じ、笑顔でパンチを打ち合う。レオナのリーチの長いワンツーがヒット。武尊が左ローをフェイントに左ハイ。打ち合いに行く武尊が攻勢に出るが、レオナも打ち返す。ラウンド終了間際、レオナのワンツーに武尊が左フックを返してダウンを奪う。
2R、武尊が右カーフキック。さらに右カーフを蹴っていくとレオナの動きが鈍る。右がヒットすると武尊が腰を落とすが、武尊が打ち合いを制してダウンを追加。最後は左ボディからの左フック、そして右フックでレオナを倒し、武尊が豪快なKOで勝利を飾った。 武尊はマイクを持つと「今日は会場にスペシャルゲストが来てくれているので。那須川天心選手、ご来場ありがとうございます。K-1にようこそ。天心選手も世界の強豪を倒して最強を証明している日本人の一人だと思うので、天心選手と最高の舞台で最高の試合をやりたいと思っています。長い間お待たせしましたけれど、この試合は格闘技界にとってもスポーツ界にとっても日本にとってもめちゃくちゃパワーになる試合になると思うので、自分もやろうと思うので天心選手よろしくお願いします」と、改めて那須川天心との対戦をアピールした。
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▼第18試合 K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning/王者)KO 2R 1分46秒 ※バックハンドブロー〇シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM/同級初代王者/挑戦者)※カリミアンが新王座に就く。K-Jeeは初防衛に失敗
K-Jeeは福岡を拠点としてデビュー当初はスーパー・ウェルター級で試合をしていたが、2016年からヘビー級に転向。クルーザー級が新設されると再度転向して2018年9月のK-1初代クルーザー級王座決定トーナメントではベスト4。2019年には初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントで3試合ともKOして初代王座に就いた(同王座は返上)。2020年12月の福岡大会でカリミアンに挑戦し、1R1分54秒の速攻勝負でTKO勝ち。第2代王座に就いた。戦績は20勝(17KO)10敗。
カリミアンはアマチュアムエタイで活躍後、2018年9月の「K-1 WORLD GP初代クルーザー級王座決定トーナメント」に初来日。トーナメントを制して初代王者となった。2019年3月には加藤久輝を下して初防衛に成功、2020年3月には愛鷹亮の挑戦を退けて2度の防衛に成功したが、3度目の防衛戦でK-Jee敗れてタイトルを手放した。戦績は10勝(5KO)2敗。
カリミアンのセコンドには、かつてK-1で活躍したニコラス・ペタスが就く。1R、軽快な動きでローを蹴るカリミアンだが、K-Jeeはすぐに距離を詰めるとボディの連打から右フックでダウンを奪う。カリミアンが立ち上がると左右フックのラッシュでロープを背負わせると右フックでダウンを追加。さらに左右フックの連打を見舞い、カリミアンは防戦一方に。
K-Jeeは右ボディ。コーナーに詰めたカリミアンにジャブ、右ボディ、右フックを見舞う。前蹴り、右ローも蹴るK-Jeeは右ハイもスピードがかなり落ちている。動きが鈍くなってきたK-Jeeにカリミアンはヒザ蹴りもつかみで注意された。
2R、ローの蹴り合い。カリミアンが左右フックを繰り出す。K-Jeeが右カーフを蹴ると、カリミアンはヒザ蹴りを放つがつかんでしまい警告を受ける。再開後、カリミアンが右ローを蹴り、K-Jeeが右ローを蹴り返そうと前に出てきたところへカリミアンがバックハンドブロー。この一発でK-Jeeがダウンし、立ち上がるもダメージは明らか。レフェリーがストップし、カリミアンのKO勝ちとなった。
ベルトを腰に戻したカリミアンは両手で顔を覆って号泣。「ファンの皆さん、いつもありがとうございます。前半は思い通りにはいきませんでしたが、後半は自分がやるべきことが出来たと思っています。自分自身を褒めてあげたいと思います。7カ月間ベルトのことだけを考えてハードなトレーニングをしてきました。諦めずにハードな練習をしてきてこのベルトをまた巻くことができました。続けることで自分の行きたいところにたどり着けるので皆さんも頑張ってください。さあ、次は誰と戦えばいいんだ? 自分がこの階級のキングだ」とメッセージを送った。
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▼第17試合【眠活ヘッド整体Dr. HEAD Presents】スーパーファイト K-1ヘビー級 3分3R延長1R〇京太郎(チーム京太郎/第2代K-1ヘビー級王者、元プロボクシングWBOアジア太平洋&OPBF東洋太平洋ヘビー級王者、元プロボクシング日本ヘビー級王者)KO 2R 0分25秒 ※右フック×実方宏介(真樹ジムAICHI/第2代Bigbangヘビー級王者)
京太郎は2006年5月にJ-NETWORKでキックボクサーとしてプロデビュー。2007年12月にK-1 JAPANの強豪・中迫強をKOする大番狂わせを起こし、2008年4月にK-1本戦初出場。マイティ・モーから勝利を収め、20086がつにはK-1 JAPAN GPで準優勝。2009年3月、第2代K-1ヘビー級王者決定トーナメントでメルヴィン・マヌーフ、グーカン・サキを破り日本人初のK-1ヘビー級王座に就くと、2010年4月の初防衛戦ではピーター・アーツをKOした。
K-1活動休止後はボクシングに転向し、2013年7月に56年ぶりに復活した日本ヘビー級王座に就いたほか、日本人初のWBC世界ヘビー級ランキング入り、2017年1月にはOPBF東洋太平洋ヘビー級王座を獲得。同年5月にはWBOアジア太平洋ヘビー級王座も獲得した。
その京太郎と対戦する実方はBigbangを主戦場とし、2019年12月にBigbangヘビー級王座を獲得。2020年2月には『RIZIN』に出場し、キックルールでMMAファイターでもある酒井リョウに初回KO勝ちしている。今年11月の『Super Bigbang』では達磨石川を1Rわずか31秒、KO勝ちを収めた。戦績は12勝(9KO)7敗。
1R、試合前に「蹴らない」と言っていた京太郎だが、いきなり左右ローに左ミドル。実方もローを蹴る。実方の右カーフキックが強烈に決まる。さらにもう一発。京太郎も右カーフを蹴り返すが、実方はカットする。
2Rが始まってすぐ、実方が右カーフを蹴ってきたところへ京太郎が右フックを合わせてダウンを奪う。実方が立ち上がると右ボディで下がらせ、左フックからの右フックで実方が前のめりに倒れる。レフェリーが即座にストップ。京太郎がKOでK-1復帰戦を飾った。
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▼第16試合 スーパーファイト K-1クルーザー級 3分3R延長1R×愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/初代Bigbangヘビー級王者)判定0-3 ※26-28、27-28×3〇ANIMAL☆KOJI(LEGION TOP TEAM/DEEPフューチャーキングトーナメント2017ミドル級優勝、LEGION☆JAPAN MMA初代ミドル級王者)
愛鷹は中学・高校時代は柔道を学び、高校卒業後は静岡県警に就職して機動隊員になった。しかしプロ格闘家になる夢を諦められずに除隊、キックボクシングを始めて2016年12月にBigbangヘビー級王座を獲得。2017年8月にKrushに初参戦すると同年11月からはK-1にも参戦。2019年8月にK-1初代クルーザー級王者シナ・カリミアンとノンタイルマッチで対戦すると、カリミアンを右フックでマットに沈める“ジャイアントキリング”を起こして一気に注目を集めた。
同年11月にカリミアンとのタイトルマッチでの再戦が組まれたが、カリミアンの負傷により延期。2020年3月にようやくタイトルマッチでの再戦が実現したが、判定3-0(28-27×3)で敗れタイトル奪取ならなかった。その後、6月に両眼網膜剥離で手術したことを公表し、「必ずリングに戻ります」と宣言していた。
また、私生活では今年1月に元AKB48のメンバーである佐藤すみれさんとの結婚を発表。夏に第一子も誕生する予定だ。
対するKOJIはMMAファイターとして2017年のDEEPフューチャーキングトーナメントでミドル級優勝。2020年2月の『ONE Warrior Series』にも出場している。MMAでの戦績は6勝9敗。2020年12月のK-1福岡大会に初参戦すると、K-JeeとKrush王座を争ったRUIを2RでKOし、大きなインパクトを残した。
1R、ジャブを出しながら前に出る愛鷹がコーナーへ詰めての連打での右フックでスタンディングダウンを奪う。ジャブから右フックを何度もヒットさせる愛鷹が優勢。しかし、KOJIがジャブから右ストレートを放つと、今度は愛鷹がダウン。愛鷹が再び前へ出て右フックをクリーンヒット。KOJIは右ローを蹴る。
2Rも前に出る愛鷹がジャブと右ストレート。KOJIは左右フックから右ロー。KOJIが左右の連打で前へ出ると愛鷹はガードを固めて防戦一方に。それでも左右フックを放つとKOJIが下がる。愛鷹は大振りのフックを連発し、KOJIは逆に細かいパンチを打つ。愛鷹の右フックで場内が大きく沸く。
3Rも打ち合う両者。愛鷹は大きな右を振り、KOJIはワンツーを打つ。KOJIのストレート系のパンチになかなか入れない愛鷹。加えてKOJIは右ローも蹴る。愛鷹の右フックは空を切る。逆にKOJIのストレートはヒット。残り10秒、足を止めて打ち合った両者だが互いにヒットは奪えず判定決着に。
判定3-0で勝利したのはKOJI。愛鷹は復帰戦の勝利を飾れなかった。KOJIはマイクを握ると「K-1ファイターになりましたANIMAL☆KOJIです。ALIVE所属の難病で入院しているゆう君にこの勝利を捧げたいと思います。俺も頑張ったからお前も頑張れよ」とメッセージを送ると、「中村プロデューサー、タイトルマッチをお願いします」とタイトル挑戦をアピールした。
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▼第15試合 スーパーファイト K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R〇城戸康裕(谷山ジム/第2代Krushスーパー・ウェルター級王者)KO 2R 2分47秒 ※3ノックダウン×松下大紀(BELIEVE MAN)
今回が77戦目となる城戸は37歳の大ベテラン。2019年3月のK-1ウェルター級タイトルマッチでは敗れたが、元々の階級であるスーパー・ウェルター級に復帰すると連続KO勝ち。しかし、今年3月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」では準決勝で若い和島大海に判定で敗れた。8月29日にモデルの平木愛美と結婚したことを発表し、新婚第一戦となった11月の『スーパービッグバン』では藤村大輔から判定2-0で勝利を収めた。戦績は51勝(23KO) 24敗1分。
松下はスーパー・ライト級で戦い、2019年1月には鈴木勇人と第7代Krushスーパー・ライト級王座決定戦を争ったが、その試合を最後に一気に2階級上げてのスーパー・ウェルター級に転向。その第1戦では1月にEITOを初回KOに降した。戦績は10勝(8KO)5敗1分。
1R、城戸は左右に構えを変えながら前手を伸ばした構え。前に出る松下のパワーに城戸はバランスを崩す。城戸は松下のミドルをスネでカット。逆に城戸は左ミドルを蹴る。松下が飛び込んでの右ストレートがよく伸び、まともにもらった城戸が続く左フックでダウン。大ピンチを迎えた城戸に松下がラッシュ。城戸も左フックを打ち返す。
2R、城戸は左ミドルで距離を取るが、松下が左右フックで詰めていく。足を止めての打ち合いになると、右フックでダウンを奪ったのは城戸の方。さらにラッシュをかけて左右フックを打つ城戸。右ストレートで前に出た松下に城戸が右フックで2度目のダウンを奪う。
前に出てパンチをまとめる城戸。松下も前蹴りで距離を取ろうとするが、下がったところへ城戸が右フックをヒットさせ、逆転KO勝利。城戸はコーナーへ登って勝利をアピールした。
大はしゃぎする城戸はマイクを持ち「あぶねえ。効いちゃったよね。もう周り大丈夫だ、平気だって城戸のエゴが出ちゃいました。何を言うか忘れてしまいました。帰りまーす。きーちゃん来年40歳、まだまだ頑張るからね」と、まだまだ現役で頑張り続けると語った。
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▼第14試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R〇ゴンナパー・ウィラサクレック(ウィラサクレック・フェアテックスジム/第4代K-1 WORLD GPライト級王者)KO 2R 1分31秒 ※左ストレート×南雲大輝(八光流柔術総本部/Air KBZゴールデンベルトチャンピオンシップ 2017年67kg級王者)
ゴンナパーはタイで100戦以上のキャリアを積み、2010年から日本を主戦場に。日本人キラーとして名を馳せ、2016年9月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2018年4月に佐々木大蔵を下して第5代王座に就き、同年9月には大沢文也の挑戦を退けて初防衛に成功。2020年1月に横山巧、6月には篠原悠人の挑戦を退け3度の防衛に成功した。そして12月のK-1で林健太を破り、第4代K-1 WORLD GPライト級王座に就いている。戦績は108勝(22KO)29敗3分。
南雲はこれまで本名の金子大輝としてK-1に参戦していたが、今回から改名。また、K-1ジム大宮から八光流柔術総本部に所属を変えての参戦となる。MMA(総合格闘技)からミャンマーの頭突きありの超過激格闘技ラウェイに転向し、2017年12月にはミャンマー・ヤンゴンで開催されたAir KBZ(エアカンボーザ)チャンピオンシップにて67kg級の2017年王者となった。2019年6月、K-1への参戦を表明し、11月に初参戦して独特の動き・リズムを見せて林健太を戸惑わせたが、最後は右ストレートでKO負けを喫した。2020年6月の堀井翼戦は反則負け、8月の東本央貴戦では初回KO負けでキックボクシングの通算戦績は1勝5敗。
1R、両者サウスポー。左ローを蹴る南雲は左右フック、左ストレートを当てていく。コーナーへ詰めての右フックではゴンナパーがロープにもたれかかった。ゴンナパーも負けじと右フック。南雲は左ローを狙い撃ちにし、パワフルな左右フックを打つ。
2R、南雲が左ローを連打し、右フックを狙う。ゴンナパーも前へ出て左右のフック、そして右ストレート。リズムに乗ってパンチを放っていくゴンナパーが右ストレートをクリーンヒット。そして左ボディで下がった南雲の顔面へ左ストレートを直撃。南雲が崩れ落ちる。
カウント8で立ち上がった南雲だが、レフェリーは様子を見てストップ。ゴンナパーが貫録のKO勝ちを飾った。
ゴンナパーはマイクを持つと「自分の仕事が果たせて嬉しく思っています。お正月にタイへ帰って戻ってきて徐々に体を作り上げてきました。王者の義務が果たせて嬉しいです。次の試合も絶対にいい試合をするので僕に注目しておいてください」とアピールすると「よろしくお願いします」と日本語で挨拶した。
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▼第13試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R延長1R〇野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者)判定3-0 ※30-27×3×プライチュンポン・ソーシーソムポン(タイ/GTジム)
野杁は空手からキックボクシングに転向し、2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者となった。翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は5連勝している。戦績は43勝(19KO)10敗。
プライチュンポンは『MAX MUAYTHAI』や中国で試合をしていた重量級ムエタイ戦士で、2019年11月の『KNOCK OUT』に初来日。日本ミドル級トップクラスの元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98に勝利を収めた。その後は2019年12月の『BOM』でガオナー・PKセンチャイムエタイジムとのタイ人対決では判定負けを喫している。戦績は60勝(20KO)35敗2分のサウスポー。
1R、両腕ブロックを固めて前に出る野杁はプライチュンポンをコーナーへ追い詰めて左フック、右ストレート。サウスポーのプライチュンポンは野杁が入ってくるところへ右ヒザ、左ミドル。野杁がプレスをかけて攻めてはいるが、プライチュンポンも前蹴りやミドルを蹴る。
2Rも前に出る野杁にコーナーへ詰まるプライチュンポン。ロープを背負ったプライチュンポンが左ローを蹴ると、野杁はノーモーションの右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。コーナーへ詰めると左フックをヒットさせ、左右ボディを強打。フラつくプライチュンポンだがヒザ蹴りで粘る。野杁の右ロー、左フックが強く決まるが、プライチュンポンはのらりくらりとしながらも立ち続ける。 3Rもロープ際やコーナーへ追い込んでパンチを見舞う野杁。それでもプライチュンポンは左ミドルを蹴る。お互い組み合うとヒザ蹴り。ローの蹴り合いとなり、野杁が右ストレートを入れるがプライチュンポンは倒れない。さらに野杁が顔面にパンチをまとめるもプライチュンポンはハイキックを蹴り返す。
タフなプライチュンポンを倒し切ることができなかった野杁だが、ジャッジ三者とも30-27の圧勝で5連勝を飾った。
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▼第12試合 スーパーファイト -56kg契約 3分3R延長1R〇玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/Krushスーパー・バンタム級王者)KO 2R 1分56秒 ※右ストレート×ダウサコン・モータッサナイ(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム/元WPMF世界スーパー・バンタム級王者)
玖村は2018年1月にKrushデビューを飾り、同年に行われた第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメントで優勝して王座に就いた。2019年6月にはK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントに参戦するも決勝で武居由樹に敗れ、K-1 JAPAN GROUPでの11戦で唯一の黒星を付けられる。同年11月には林勇汰を破りKrush王座の初防衛に成功。2020年3月には無敗の金子晃大と注目の大一番を戦い、勝利を収めた。9月の2度目の防衛戦でも軍司泰斗を退け、武居が返上したK-1王座に最も近い存在と目される。戦績は16勝(7KO)3敗。
ダウサコンは元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級3位&元WPMF世界スーパー・バンタム級王者で、2017年~2018年にREBELSへ4度参戦した、強打が武器のムエタイ戦士。2018年4月27日に小笠原瑛作にKOで敗れWPMF王座を失った。最近では、ジャパンキック協会の2020年8月大会のメインに登場して、同団体のトップである馬渡亮太と引き分け、12月のREBELSでは栗秋祥梧から判定勝ちしている。戦績は90勝(8KO)48敗5分。
1R、玖村の左フックが決まるとダウサコンも打ち返す。ダウサコンは思い切った右ストレートを打ち、玖村が左ミドルで対抗する。ダウサコンの右ミドル腕で受けて左フック、左ボディを打つ玖村。
2R、玖村は左ボディを狙い撃ちにし、気を見て右フック、右ストレート。これでダウサコンがグラつき、玖村はショートのパンチを連打して右フックからの左フックでダウンを奪う。右ストレートからの左フックで動きを止め、さらにショートのすとういーどのある連打。ダウ竿痕は打たれながらも前へに出る。ダウサコンの左フックを空振りさせ、サイドへ回り込んでの玖村の左フックからの右ストレートが突き刺さり、見事なKO勝ち。
玖村はマイクを持つと「玖村兄弟で出られてよかったと思います。次はもっと強いのを用意してください。55kgも獲りますが、フェザー級も獲りに行くので楽しみにしておいてください」と、2階級制覇を狙っていることを明かした。
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▼第11試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R×篠原悠人(DURGA/第6代Krushスーパー・ライト級王者)判定1-2 ※29-30、30-29、29-30〇西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第8代Krushスーパー・フェザー級王者)
篠原は高校生時代にK-1甲子園2015 -65kgで優勝し、2016年4月にK-1初参戦。2018年K-1ライト級世界最強決定トーナメントでは1回戦でゴンナパーをKOする大番狂わせを起こして3位になり、2018年8月にはKrushスーパー・ライト級王座に就いた。同王座は返上してライト級に本格転向し、今年6月ゴンナパー・ウィラサクレックが保持するKrushライト級王座に挑んだが判定で敗れ王座奪取ならず。9月のK-1大阪大会でも卜部功也に敗れて連敗中。戦績は13勝(6KO)5敗。
西京はK-1甲子園2016 -60kgで優勝し、2017年4月にプロデビュー。4戦目でレオナ・ペタスに判定で敗れたが、2019年3月にわずか7戦目にして島野浩太朗を破り、18歳で第8代Krushスーパー・フェザー級王座に就いた。しかし、同年9月の初防衛戦で再びレオナに敗れて王座を失い、2020年9月の再起戦でも横山朋哉に敗れて同じく連敗中。今回からライト級に階級を上げる。戦績は6勝(2KO)3敗。
1R、西京は右ローを何度も蹴りに行き、右カーフを蹴ると篠原も右カーフを蹴り返す。お互いにカーフを蹴り、篠原は西京がローを蹴ると右フックを合わせに行く。両者前後のステップを踏み、篠原は飛び込んでの左フックを見せる。
2Rも両者右ローを蹴り合い、篠原がワンツーで飛び込んだところへ西京が右を合わせに行くが、篠原は寸前のところでかわす。やや見合いが多くなる中、篠原は左フックからの右ストレート。西京は額から流血が見られる。
3Rも西京はしつこく右ローを蹴る。前に出る西京へ左を合わせに行くが、西京も防御。右の打ち合い、左フックの交錯などお互いのやりたいことが似ている両者。ややヒット数で上回った西京が判定2-1で接戦を制した。
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▼第10試合 スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇横山朋哉(リーブルロア)KO 1R 0分29秒 ※左フック×佑典(月心会チーム侍)
横山はK-1甲子園2017 -60kg準優勝の実績があり、プロ戦績は7勝(3KO)2敗。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPの大会に出場、4連勝(3KO)と快進撃を続けていたが、2019年8月の試合で朝久泰央に敗れた。2020年2月には中島千博と好試合の末に判定勝ちして再起を飾ると、9月には第8代Krushスーパー・フェザー級王者の西京佑馬も破って連勝中。戦績は8勝(3KO)2敗。
佑典は身長170cmのサウスポーで、戦績は15勝(6KO)4敗。K-1 JAPAN GROUPには2021年2月のKrushで初参戦し、桝本翔也を1R2分36秒、左ストレートで2度ダウンさせてTKO勝ちしている。試合後のマイクでは「K-1に出るためここに来たんで、これに勝てばK-1に近づくなと思って強い思いで戦いました」とアピールしており、思わぬ形で実現することに。
1R、横山は左ローを蹴り、佑典の右フックに左フックを被せて一発KO。衝撃の29秒KO勝利となった。
横山はマイクを持つと「僕、こんなもんじゃないのでもっともっと強い選手、タイトルに絡む試合をしたいので。メイン楽しみなので最後まで盛り上がってください」とアピールした。
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▼第9試合 スーパーファイト K-1スーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第3代Krushバンタム級王者)TKO 3R 2分37秒 ※セコンドからのタオル投入×鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第6代Bigbangスーパー・バンタム級王者)
金子は第2回K-1アマチュア全日本大会チャレンジAクラス-55kgで優勝し、2006年9月にKrushでプロデビュー。9連勝を飾っていたが、前回2020年3月に玖村 将史に判定で敗れ初黒星。今回が再起戦となる。戦績は9勝(4KO)1敗。
岡山県出身の鬼山はKrushで連続KO勝利を飾っている注目の新鋭で戦績は3勝(2KO)1敗。「鬼に育てられた桃太郎」というキャラクター設定なのだという。2020年11月の『Super Bigbang』にてMA日本キックボクシング連盟スーパーバンタム級王者・戸井田大輝(戸井田ジム)を破りBigbangスーパーバンタム級王者となった。戦績は4勝(2KO)1敗。
1R、金子が右ストレートを打ち抜いてダウンを奪う。前に出る鬼山は左右のフック。金子はジャブを突き、右ストレートと右ロー。左ボディは打ち合う。ジャブと右ローで自分の距離を作る金子だが、鬼山は前へ出る。
2R、アグレッシブさを増す金子はジャブ、右ストレート、ヒザ蹴りを打ち込み、鬼山のパンチはかわす。右ロー、左ボディも打つ金子。外側から来る鬼山の攻撃に対し、金子は内側からの攻撃が目立つ。鬼山のフックはスリッピングアウェー。金子は左インローの3連打。
3Rも金子は前に出てくる鬼山に右ロー、ジャブ、ヒザ蹴りと攻撃を命中。左フックから右フック、さらに左フックで鬼山が棒立ちとなり、ダウンを取られる。そして金子が右ストレートを打ち込んだところで、鬼山のセコンドからタオルが舞った。
復活勝利を収めた金子は「今スーパー・バンタムの王座空位なので、僕がそこ獲ろうと思っているので早く挑戦させてください」と、K-1スーパー・バンタム級王座獲りを宣言した。
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▼第8試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R延長1R〇島野浩太朗(菅原道場/第7代Krushスーパー・フェザー級王者)判定3-0 ※30-28、30-27×2×三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
島野はMA日本キックボクシング連盟をホームリングに、2011年からK-1 JAPAN GROUPに参戦。強打を武器にトップ戦線で活躍し、北井智大、レオナ・ペタスらをKOし、皇治、卜部功也、卜部弘嵩らトップファイターたちと拳を交えてきた。2018年6月に郷州征宜を破り第7代Krushスーパー・フェザー級王座に就くと、同年12月に大岩龍矢を退けて初防衛に成功。しかし、2019年3月の2度目の防衛戦で西京佑馬に敗れ、ベルトを失った。前戦は2020年12月、芦澤竜誠にKOで敗れている。戦績は25勝(15KO)14敗。
三輪は2014年1月にKrush初参戦。2017年からはK-1 GYM SAGAMI-ONO KREST所属としてキャリアを重ね、2020年12月のKrush後楽園大会ではパンチ&ローで前へ出続けるタフファイトで伊藤健人から延長戦で勝利を収めた。今回がK-1初参戦となる28歳で戦績は8勝(3KO)13敗2分。
1R、三輪は突進して右ロー、右カーフを蹴るが、島野は前へ出てくるところに左右フック、アッパー、ストレート、ヒザ蹴りと面白いように攻撃を当てる。 2R、三輪は得意の右ローを蹴りながら前へ出る。島野は得意の左ボディを打ち、前に出てくる三輪に左フック、右ストレートを打つ。それでも前に出る三輪を島野は両手で押し返し、パンチとローを打ち込む。さらに左ボディブロー。ラウンド終了間際に三輪が右カーフキックで島野をグラつかせる。
3Rも右ローを蹴って前に出てくる三輪に島野は左右の連打で応戦。ロープへ詰めるとヒザ蹴り。連打からの左ボディ、そしてヒザ蹴り。三輪は右カーフを蹴るが、島野の手数に押される場面が目立った。
判定は3-0で島野が貫録の勝利。
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▼第7試合 スーパーファイト K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R×小鉄(K-1ジム琉球チーム琉神)KO 1R 2分21秒 ※右ヒザ蹴り〇アビラル・ヒマラヤン・チーター(志村道場/第4代HEATミドル級王者)
K-1ジム琉球チーム琉神の代表である小鉄は2008年にプロデビューし、14勝(9KO)16敗の戦績を持つベテラン選手。2020年11月の福岡大会では絢太を右フックでKOした。
アビラルは2016年1月に来日し、4月からキックボクシングを始めてキャリアは4年。2020年1月にHEATミドル級王座を獲得し、9月には初防衛にも成功している。12月のK-1両国大会で初参戦を果たすと、1Rに木村“フィリップ”ミノルから打ち下ろしの右でダウンを奪い、2Rに逆転TKO負けを喫したものの大きなインパクトを残した。戦績は9勝(8KO)2敗。
1R、アビラルは右カーフキックを狙い撃ちし、左フック、右ストレートにつなぐ。小鉄は右ローを蹴り返し、独特な小走りするかのように入って打つ右フック。アビラルは左右のストレートを出しながら前へ出て、右ストレートでダウンを奪う。立ち上がった小鉄へアッパー気味の左ストレート、そして左のヒザを顔面へ突き上げてアビラルが圧倒KO勝利を収めた。
アビラルはマイクを持つと「皆さんお待たせしました、これが俺のKOショーです。マジで本当にサイコー。皆さんに言いたいことがあります。前回木村戦の時、僕、肋骨が折れとって練習も追い込みなしで体重だけ落としてそれで試合してあそこまでいきました。ノーダメージで試合をするとこんな感じです。もう本当に誰が相手でも今日みたいなKOショーを見せるので、皆さんほとんど再戦みたいと思うので、僕もよければ再戦したいので木村選手。いま僕K-1のベルトだけ出来るだけ早めに欲しいです」と、流ちょうな日本語で木村とのタイトルマッチでの再戦をアピールした。
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▼第6試合 スーパーファイト 73kg契約 3分3R延長1R〇MIKE JOE(BATTLE FIELD/TEAM J.S.A/Bigbangスーパー・ウェルター級王者)KO 2R 0分45秒 ※右フック×EITO (Respect All Fear None)
JOEはアマチュアボクシングからキックボクシングに転向し、MMAにも挑戦した184cmの長身選手。2020年8月のKrushに初参戦すると、藤村大輔を相手に独特な柔らかい動きでパンチをかわし、右のストレート&フックをヒットさせての判定勝ち。しかし、12月の『スーパービッグバン』では神保克哉に判定で敗れている。戦績は7勝(2KO)4敗4分。
当初JOEは木村“フィリップ”ミノルとの対戦が決まっていたが、木村が練習中に右手中指の伸筋腱脱臼の怪我を負い、全治2カ月と診断されたため欠場。急なオファーでビッグイベントへの出場が決まったEITOは2勝(2KO)1敗の戦績を持つ25歳。
1R、序盤から前に出るJOE。ジャブ、右ストレート、そしてヒザ蹴り。右の強烈なロングフックをクリーンヒットさせ、ラッシュの中でもう一度右ロングをヒットさせるJOE。グラついたEITOだが持ちこたえ、打ち返すが右ストレートでダウンを奪われる。
2R、両腕ブロックでEITOのパンチを巧みにブロック、右フックをクリーンヒットさせるJOE。そこから右を連打していき、右フックでEITOが崩れ落ちる。ここでストップ。JOEが鮮やかなKO勝ちを飾った。
JOEはマイクを持つと「K-1初めての舞台で凄く気持ちいいです。今回相手変わったんですけれど急なオファーにも関わらず受けてくれたEITO選手ありがとうございます。男だったら、あそこまで役者気取ったらやりたいよね。やりたいっすね、。本当にやりたいんだよね。フィリピンの血が入ってるから強いんですよ。大和魂持っています」と、木村と戦いたいとアピールした。
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▼第5試合 スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R〇玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)判定3-0 ※30-28×3×鷹大(WSRフェアテックス西川口/WMC世界スーパー・バンタム級王者、WPMF日本スーパー・バンタム級&日本フェザー級王者)
玖村は空手を学び、キックボクシング転向後は2017年6月にNJKFバンタム級王座を獲得。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2019年6月には「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」に出場。同年10月の試合を最後に網膜剥離(全治3カ月)で戦線離脱していたが、階級を上げて復帰。「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では準決勝で新美貴士に敗れて涙をのんだ。戦績は14勝(7KO)8敗1無効試合。
鷹大はムエタイで活躍し、これまでWMC世界スーパー・バンタム級王座、WPMF日本同級王座、WPMF日本フェザー級王座と3つのタイトルを獲得。2018年からはKrushを主戦場とし、2019年6月にはK-1初参戦を果たしたが小澤海斗に敗れた。11月の再起戦では森坂陸から勝利を奪っている。戦績は22勝(8KO)11敗1分。
1R、両者ローの蹴り合い。玖村は飛び込んでの右ヒザを突き刺す。鷹大は思い切りのいい右ストレートを放ち、玖村も右を合わせに行く。玖村は右ミドルで前へ出るが、鷹大は思い切り右フックや左フックを繰り出していく。
2R、玖村の強い右ローが何度も決まり、鷹大が接近するとヒザ蹴りを突き刺す。さらに右ミドル。鷹大は入りにくそう。打ち合いに行こうとする鷹大だが玖村が先手をとってヒットを奪う。
3R、両者足を止めての打ち合いを何度も見せるが、その中でも玖村は右カーフキック、右ロー、右ミドルと蹴りを放っていく。左フックを思い切り振る鷹大に対し、玖村は回転の速い左右のストレート。玖村が押していく形となり、鷹大は後退。
玖村がスピードとパワフルさも見せて判定勝ちした。
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▼第4試合 スーパーファイト K-1女子ミニマム級 3分3R延長1R〇高梨knuckle美穂(Y’ZD GYM/第2代Krush女子アトム級王者)延長R 判定2-1 ※10-9×2、9-10×MARI(ナックルズGYM/元NJKFミネルヴァ・ピン級王者)
高梨は2018年9月に『KHAOS』でプロデビューし、強打を武器に4戦全勝(2KO)。2019年5月の第2代Krush女子アトム級王座決定戦でC-ZUKAをKOして王座に就き、同年10月にはパヤーフォン・アユタヤファイトジム(タイ)を延長戦の末に降して初防衛に成功している。Krush女子アトム級王座は返上し、一階級上の女子ミニマム級に転向すると6月の真美戦でダウンを奪って勝利。9月のK-1ではMIOを判定で降し、K-1の洗礼を浴びせた。戦績は6勝(2KO)無敗。
MARIは2018年4月に百花を破り、NJKFミネルヴァ初代ピン級王座を獲得。シュートボクシングではMIO、MISAKI、女神といったトップクラスと拳を交えてきた。前戦は11月のREBELSに参戦し、ぱんちゃん璃奈に判定敗れている。戦績は11勝(1KO)23敗3分。
1R、ワンツーで前に出る高梨にMARIも左フックで迎え撃つ。どっしりと構えて前に出る高梨。MARIも右ストレートで前へ出る。 2R、左手を下げるデトロイトスタイルでサイドに構え、前後にステップを踏むMARI。高橋はジャブを突いて右ロー。高梨はロー、ミドルを蹴る。MARIも右ストレートを繰り出して対抗。
3R、ワンツーで前に出る高梨にMARIも足を止めて打ち合う。高梨も激しく打ち合いパンチが交錯。何度もパンチを交錯させる両者。高梨が右クロス、右フック。ヒザ蹴りにはMARIがフックを合わせる。ラスト30秒でパンチのラッシュをかけて前へ出る高梨。MARIの右をもらう場面もあり、延長戦へ突入。
延長R、高梨は左ボディを放つがMARIはバックハンドブローをヒットさせる。お互いにパンチを繰り出してヒットを奪う。スピードで優るMARIに前へ出てワンツーを繰り出す高梨。甲乙つけがたい内容だったが、高梨が判定2-1で辛勝した。
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▼第3試合 スーパーファイト 女子-46kg契約 3分3R延長1R〇MIO(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/初代SB日本女子ミニマム級王者)判定3-0 ※30-26×2、30-25×山田真子(KINGS/元J-GIRLSアトム級王者、元プロボクシングWBO女子世界ミニフライ級王者)
MIOは元シュートボクシング日本女子ミニマム級王者で、シュートボクシング女子軽量級のエースとして活躍したが、2019年7月に突如シュートボクシングからの引退を発表。同年8月24日にK-1電撃参戦を表明し、2020年9月のK-1大阪大会でK-1デビュー戦を行ったが、高梨knuckle美穂に判定3-0で敗れた。
山田は姉の紗暉と共に幼き頃から格闘技に打ち込み、空手、テコンドー、キックボクシングなどのアマチュア大会で活躍。2010年5月にJ-GIRLSでプロデビューすると、同年12月にLittle Tigerを破りJ-GIRLSアトム級王座に就いた。2012年3月にはプロボクサーに転向し、2014年2月には韓国でWBO女子世界ミニフライ級王座を奪取。2014年5月、所属ジムとのトラブルから現役を引退。キックボクシング6勝無敗2分、ボクシング7勝(2KO)無敗とパーフェクトレコードを残す。
その後、2014年12月にキックボクシングの試合、2018年11月には元OPBF東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者・高野人母美と事実上無差別級のボクシングルールで対戦し、6回判定勝ち。2019年11月にはKrushに初参戦してMOEから勝利を収め、2020年11月のK-1福岡大会でも優に判定勝ち。ボクシングとキックボクシングを通じて17戦無敗という記録を打ち立てている。 MIOはこれまでの黄色ではなく黒の新コスチューム。1R、序盤からコンビネーションを回転させるMIOが山田の右前蹴りに合わせての右ストレートでダウンを奪う。山田は右ロー、前蹴りで一度距離をとる。MIOは右ローを蹴りつつ、左フックからの右ストレートへつなぐ。
2R、MIOは右ローを蹴りつつ、山田のジャブに右クロスを合わせる。山田が飛び込んでの左フックダブルを打った時、MIOは空振りさせてのカウンターの右フックでダウンを奪う。
3R、山田がワンツーで前へ出る。飛び込んでの攻撃を何度も見せるが、MIOはジャブを突いて山田のジャブに右を合わせる。自信の表れか右のクロスを思い切り打つMIO。試合終了間際にもその右クロスを強くヒットさせて試合を終えた。
MIOが大差の判定でK-1初勝利。山田にプロ初黒星を付けた。
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▼第2試合 スーパーファイト K-1ウェルター級 3分3R延長1R×海斗(ポゴナ・クラブジム)KO 3R 2分30秒 ※右フック〇寧仁太・アリ(K-1ジム総本部チームペガサス/第25回K-1アマチュアAクラス -70kg優勝)
海斗は『THE OUTSIDER』を経て2017年10月にKrushデビュー。強靭なフィジカルの強さを活かした攻撃力を誇り、戦績は8勝(6KO)4敗。3月の「第3代K-1スーパー・ウェルター級王者決定トーナメント」に出場したが木村“フィリップ”ミノルの剛腕の前にマットに沈み、前戦の8月には「第7代Krushウェルター級王座決定トーナメント」で近藤魁成にKO負けと連敗。再起を懸ける。
寧仁太は184cmの長身を誇り、第25回K-1アマチュアAクラス -70kg優勝。戦績は3勝(3KO)無敗とFUMIYAと同じく勝利は全てKOで飾っている。
1R、サウスポーの海斗は左の蹴りと左ストレート。寧仁太は右インローを狙い撃ち。海斗は寧仁太にロープを背負わせての左フックを見舞う。
2Rも寧仁太は右インローを狙い撃ち。右ローも蹴る。パンチを繰り出す海斗だが、徐々に手数が減り前へ出られなくなる。
3R、寧仁太は左ローからジャンプしての右ハイを繰り出すがこれは不発。左右フックで前へ出る海斗に寧仁太はヒザ蹴りを突き刺し、海斗も打ち返す。寧仁太は右飛びヒザ蹴りで海斗をグラつかせ、右フック、バックブローと畳みかける。海斗は苦しそうな表情を浮かべるが左右フックを打ち返す。寧仁太の飛びヒザで海斗は左目上から流血。そこへ寧仁太が右ハイキック。
蹴り足を受け止めた海斗だがそのままダウン。立ち上がると左右フックで逆襲する海斗だが、寧仁太の右飛びヒザ蹴りからの右フックで大の字に。KO勝ちした寧仁太も大の字になって喜んだ。
スペシャルラウンドガールの“令和のグラビアクイーン”石田桃香にKOボーナスを渡されると、寧仁太は嬉し涙。「絶対に勝ちたいと思ったし、怖かったし、でもずっと頑張って戦いました。ジムの先輩方、後輩とか、(梶原)龍児さんとか地元の仲間とか本当に自分は恵まれているなと思います。もっと強くなります」とアピールした。
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▼第1試合 スーパーファイト K-1ライト級 3分3R延長1R×弘輝(team ALL-WIN)KO 1R 2分22秒 ※3ノックダウン〇龍華(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)
弘輝は2020年6月にKrush初参戦を果たしたサウスポーで、初陣ではSEIYAを3Rでマットに沈めた。しかし、9月の朝久泰央では1Rに飛びヒザ蹴りでダウンを奪うも、2Rにハイキックで壮絶な逆転KO負けを喫した。戦績は6勝(5KO)2敗1分。
龍華は2018年11月にプロデビュー。K-1甲子園では2018年こそ準優勝に終わったものの、2019・2020と-65kg級で史上2人目の連覇を達成した。2020年11月には志村力輝を初回でKOし、プロでは現在6連勝中。戦績は6勝(3KO)1敗。多彩な蹴り技を持つ。
両者サウスポー。1R序盤から弘輝がアグレッシブに左右フックで前へ出る。。しかし龍華が左のカウンターを入れてグラつかせ、左右フックの連打で棒立ちにさせてダウンを奪う。ロープに詰めて連打する龍華に弘輝も打ち返すが、バランスを崩して2度目のダウン。龍華がコーナーへ詰めての連打で一方的な展開となり、龍華がKO勝ち。観客に火をつけた。龍華はこれで7連勝。
龍華はマイクを持ち、「昨日の会見でも1試合目からいい試合をして盛り上げると言ったんですが、盛り上がったんじゃないですか。Krushのベルトを狙っているのでぜひ挑戦させてください」とKrush王座への挑戦を笑顔でアピールした。
なお、この試合では“令和のグラビアクイーン”石田桃香がスペシャルラウンドガールを務めるはずだったが、1R決着となったため第2試合に登場は持ち越しとなった。
[nextpage]▼プレリミナリーファイト第5試合 K-1フェザー級 3分3R×倉崎昌史(GET OVER)KO 2R 1分37秒 ※左フック〇髙橋直輝(若獅子会館/ACCELバンタム級初代王者)
倉崎はこれが引退試合。パワフルな左右フックを打つ高橋に、倉崎はスピードのある手数で対抗。2R、ジャブからの右ロングフックでダウンを奪った高橋は、打ち合いにもっていって右フックからの左フックで2度目のダウンを追加。倉崎は立ち上がるもレフェリーがストップ。高橋の豪快なKO勝ちとなった。
▼プレリミナリーファイト第4試合 K-1スーパー・フェザー級 3分3R〇提髪和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/K-1カレッジ2018 -60kg優勝)判定3-0 ※29-26×3×児玉兼慎(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
1R、提髪が左フックからの右フックで早速ダウンを奪う。蹴りをしっかり織り交ぜながら右ストレートを狙う提髪。児玉も右ストレートを打ち返す。2Rには至近距離の打ち合いで提髪が右アッパーからの左フックでダウンを追加。至近距離で激しく打ち合う両者。3Rも両者の強打が交錯し、児玉がクリーンヒットを奪うがダウンには至らず、提髪が判定勝ちした。
▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R〇稲垣 柊(K-1ジム大宮チームレオン)不戦勝×清水卓馬(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)※清水は脱水症状で計量をパスできず、稲垣は計量をパスしていたため稲垣の不戦勝に。
▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1女子ミニマム級 2分3R×ケイト・ウィラサクレック(WSRフェアテックス三ノ輪)判定3-0 ※30-26、30-25×2〇美伶(WARRIOR OSAKA/第8回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジBクラス 女子-50kg優勝)
ワンツーで前に出てヒザ蹴りにつなげるケイトに美伶は左右ロングフックと右ローで応戦。ケイトは被弾が目立つ。2R、ケイトの左ローに美伶が右フックを合わせてダウンを奪う。3R、前に出るケイトだが今度は右ローを蹴ったところに右フックをもらってダウン。左のガードが低いところを狙われるケイト。前に出てパンチを連打するも美伶が大差の判定勝ち。
▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1ライト級 3分3R×羽鳥 仁(TEAM BIRD)KO 1R 1分19秒 ※右フック〇鈴木孝司(K-1ジム五反田チームキングス/第17回K-1アマチュア チャレンジAクラス -65kg優勝)
1Rに鈴木がヒザからのワンツーでダウンを奪い、左右フックで畳みかける。羽鳥も打ち合うが右フックで2度目のダウン。レフェリーがストップし、鈴木がKO勝ちで大会の幕を開けた。