2022年4月3日(日)「Cygames presents RISE ELDORADO 2022 ~Tenshin Nasukawa Finalmatch~」(代々木競技場第一体育館)の一夜明け会見が行われ、メインイベントでRISEラストマッチを風音(TEAM TEPPEN)を相手に判定2-0で勝利した那須川天心(TARGET/Cygames)が出席した。
キックボクシングとMMAを合わせてデビュー46連勝でRISEラストマッチを飾った那須川だが、父・那須川弘幸氏が相手のセコンドについた前夜の試合を、「父親が“いない”というか、“相手側にいた”というのは大っきかった。聴き慣れている声や見慣れている顔が、僕を目がけて倒しにきているわけですから、イレギュラーなことばっかりで、変な感覚がずっとありました」と困惑していたことを明かし、試合後の控え室でも意見をぶつけ合ったこと、さらに「やっぱりお互いに意見を言い合って作っていかないと、良いものは作れない。そこの話し合い(が必要)ということなんじゃないかなと僕は思います」と語った。
また、苦戦の原因を「RISE最後の試合というのもあって追い込み期間が長くて、ずっと疲れた状態を繰り返していた」こと。さらに、試合後に明かした通り「6月に向けて筋肉を落としたくなかった」という那須川は、今回の減量について「最初のほうは体重が落ちていて、いいペースで”楽に落ちるな”と思っていたら、最後の追い込みで逆に増えて、”どうしよう、こんなの人生で1回もねえ!”という、いろんなストレス(があった)。1週間前くらいに、なかなか体重も落ちないし、3日くらい一切メシ食べなくてフラフラだったんですけど、水抜いて、いざ試合で力入らなくてエネルギーだけで戦った感じでした、器はダメでエネルギーだけで(戦った)という」減量苦にあったと吐露した。
「やっぱり感情的になっていたなというのもありますし、本当に追い込み期間から色々あったんですが、なかなか身体に力が入らなかったというか、自分の中でモヤモヤしたものがあった」としながらも、「そのなかでも勝ちっていうものを得れたというのは一個の括りとしては良かったんじゃないかなと思います。課題はたくさん残る試合、次につながる試合になった」と“次”となる、6月19日に東京ドームで対戦する武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)との大一番に“つながる”収穫もあったとした那須川。
最後は、「あと1試合、キックで試合しますが、RISEを応援していますし、RISEチャンピオンとして、いろんなリングに上がりたい。たくさんの思い出をありがとうございました」と、感謝の言葉で、RISE最後の会見を締めくくった。
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那須川天心、一夜明け全文「自分の心とか、いろんなモヤモヤした部分を壊す。そういうものと戦っていた気がします」
伊藤隆RISE代表 昨日はね、天心に『もっと泣かせてよ』と思いました(笑)。まあ、冗談はさておき、入場を見たときに感情が最高潮になりました。天心と、プロデビューからやってきて8年、走馬灯のようにいろんなこと思い出して。息子と同じような歳(23歳)ですし、息子のように接しましたし、仲間。ともにRISE、業界を盛り上げてきた仲間という思いもあります。卒業と同時に僕の“エピソード.1”も終わった。今回、他の選手が素晴らしい試合をしたのも、天心が引っぱり上げたものだと思うし、エピソード.2につながる選手の活躍は、天心が日頃言ってきたことをみんなが体現した。
内容は苦戦。2週間で4kg、6月に向けての体重調整だったと思うけど、それが原因のひとつ。風音も強かったし、頑張った。あらためて那須川会長の指導のすごさ(を感じた)。天心は今回、精神的に個人でいろいろあったと思うんですけど、改めて、那須川会長の、指導のすごさ、アツさ、リング上でも、試合が終わったあとも親子喧嘩みたいなのをしていて控室でもまだやっていたので、次はしっかり親子が結束して、負けられない試合なので、私もサポートに回って勝ちに行きたいと思っています。
那須川 昨日で「RISEの卒業試合」となって非常に感慨深いものがたくさんあるんですけど、本当に僕の1個の、人生の1ページが終わったというか、なかなかこういう大きい舞台で見送ってもらえることは無いので、思い出深い1日となりました。こういう舞台を設けてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
──那須川選手に伺います。改めて自身の試合を見返した感想は?
「感想的には、やっぱり感情的になっていたなというのもありますし、本当にまあ、追い込み期間から色々あったんですが、なかなか身体に力が入らなかったというか、自分の中でモヤモヤしたものがあったので、そのなかでも勝ちっていうものを得れたというのは一個の括りとしては良かったんじゃないかなと思いますが、課題はたくさん残る試合、次につながる試合になったんじゃないかと思います」
──父親がセコンドにいないことをどう感じていましたか。
「父親が“いない”というか、“相手側にいた”というのは大っきかった。聴き慣れている声や見慣れている顔が、僕を目がけて倒しにきているわけですから、イレギュラーなことばっかりで、変な感覚がずっとありました」
──控室でも親子喧嘩があったとのこと。6月19日の(武尊戦)に向けて収束して結束できそうでしょうか。
「そうですね、僕はそのつもりというか、ずっとそれはある。親子喧嘩っていうか……」──青と黄色の髪の色についてはどんな意図を?
「何をと言うか……やっぱりこう、世界的になかなか大変な状況なので、それをモチーフに、世界平和を祈ってウクライナカラーに。これをやったから何が変わるってわけじゃないけど心意気だけでも、その気持ちで戦いたいなっていうのはありました」
──今回、急激な水抜きの影響が試合に出たのでしょうか。
「水抜きもそうなんですけど、今回めっちゃ追い込んだんですよ。追い込み期間が長くて、やっぱりRISE最後の試合というのもあるし、後からの話にもなるけど、ずっと疲れた状態を繰り返していて、ずっと“精神と時の部屋”にいた感じ。最初のほうは体重落ちていて、いいペースで”楽に落ちるな”と思っていたら、最後の追い込みで逆に増えて、”どうしよう、こんなの人生で1回もねえ!”という、いろんなストレス(があった)。1週間前くらいに、なかなか体重も落ちないし、3日くらい一切メシ食べなくてフラフラだったんですけど、水抜いて、いざ試合で力入らなくてエネルギーだけで戦った感じでした、器はダメでエネルギーだけで(戦った)という」
──ご自身がやりたい戦い方と会長との思いにズレがあった?
「どうなんですかね? その、やっぱりお互いに意見を言い合って作っていかないと、良いものは作れないと思いますし、そこの話し合いということなんじゃないかなと僕は思いますけどね」
──6月の試合の発表があって、今回の試合の次の試合まで決まっている状況は経験上、多かったと思うが、その中での準備というは?
「色々修正していかないといけない部分もたくさんあるし、次がいつって決まっているので、そこは全然問題ないですね」
──6月を踏まえるという意識だったのか、今回の試合はそれで集中していた?
「集中ってとこもありましたし、いろいろ自分のなかでもいっぱいいっぱいでした。RISEの引退をどう作ってくのか、とか、どういう試合にしてとか、どういうプロモーションしてとか、ひとりでずっと考えてやっていたところがあったので、そういうの気にせずというか、本当に6月は自分の好きなようにやるしかないなと思いましたね」
──お父さんとの言い合いは具体的にどのような内容でしたか?
「僕は何も言ってないですけど……普通に、リング上ですよね?」
伊藤 補足させてもらうと、多分、やっぱり那須川会長のイメージと天心の動きが違ったと思います。それは那須川会長も悔しかったと思う。それに一方的に意見を行って、天心は聞いているというように見受けられました。リング上でも結構言ってたんですけど、天心の動きに対して、敵ではあるけど「天心はそれじゃないだろ」という気持ちがあって、その気持ちがぶつかった。
──風音選手はガチガチに対策を立ててきていた。天心選手は風音対策を立てていましたか。
「対策っていうもの自体は立ててなかったですかね。基本は自分の思った動きをやろうと。その時、その時で思った動きをやろうというのと、あとは攻める。今までのスタイルじゃなく、自分の心とか、いろんなモヤモヤした部分を壊す。そういうものと戦っていた気がしましたね」
──上手くいった技は?
「ところどころで、いつもだったら攻めないところを攻めたり、そういうことはできたと思うけど、やっぱり合わなかったというほうが大きかったですね」
──試合後のセコンドの朝倉未来選手からの感想はどのようなものでしたか。
「『すごい力んでたね』という話はして、『すごい気持ちはわかる』と言われましたね」
──最後にファンにメッセージを。
「皆さん、いつもありがとうございます。本当に僕は約8年くらい、RISEに関わらせていただいて、やっぱり最初に出た時、大田区総合体育館で『RISE100』でデビューして。そこでデビューするっていうのも自分の中でも感慨深いものがあったし、今メインとかでもやれてますけど、一緒に成長できたなというのもありますし、それを考えると、昨日、代々木の満員の舞台で1試合目でデビューした弟にはムカつくし、非常に生意気だと思いますが、今後弟も頑張ってくれると思いますし、これで僕はいなくなりますし、僕のいないRISEがどうなっていくか分からないけど、一人ひとり良い選手がいますし、自分達でRISEを作っていってほしいです。あと1試合、キックで試合しますが、RISEを応援していますし、RISEチャンピオンとして、いろんなリングに上がりたい。たくさんの思い出をありがとうございました。伊藤会長に出会えてよかった。格闘技業界で一番最初に関われたのが伊藤会長で良かったと思っています。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします」
伊藤 天心、本当にお疲れ様でした。リング上でも話したけど、ここまで盛り上げてくれて本当に感謝しています。8年、あっという間。長いようでしたが、あっという間でした。彼のチャレンジする精神が大好きで、全面でサポートし、彼のチャレンジを応援してきました。天心自身も昨日の試合で最後の試合を魅せなきゃいけないと、あれだけの修羅場を潜った天心でもああいう試合になっちゃうという人間味も感じましたし、あと1試合、武尊選手との試合でキックを卒業しますけど、RISEファイターとして、自分の弟子として、私自身は思い続けますので、RISEを変えたように、ボクシングに行ってもボクシング界を変える人間になってほしいし、どんどん今以上に輝いてほしいし、これからもサポートしていきたい。お疲れ様でした。