琢磨(左)のパンチにヒジ打ちで対抗する駿太
Bigbang-統一への道-36
2019年6月7日(金)東京・後楽園ホール
▼第14試合 メインイベント第2試合 Bigbangスーパーフェザー級タイトルマッチ ビッグバンキックルール 3分5R
〇駿太(谷山ジム/Bigbangスーパーフェザー級王者)
KO 2R2分33秒 ※左フック
×琢磨(東京町田金子ジム/前WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王者)
※駿太が2度目の防衛に成功。
駿太は2003年2月にプロデビューし、今回の試合で60戦目を迎えた大ベテラン。2018年2月以来の王座防衛戦に臨む。
挑戦者の琢磨は今年2月に王座を失ったが、前WBCムエタイ日本スーパーフェザー級王者で、その前にはNJKF同級王座も保持していた。4年前に頸椎損傷の大怪我を負いながらも奇跡のカムバックを果たした不屈の男で、駿太が敗れているMOMOTAROから2勝を奪っている。
1R、琢磨はローを蹴りながら距離を詰めてパンチを細かく入れていく。駿太はそれを左ミドルやヒジで迎え撃ち、中盤からは琢磨の右ストレートに右クロスとヒジを合わせに行く。
2R、駿太は琢磨のワンツーにヒジや得意の右クロスを合わせに行くがうまく合わず、琢磨のパンチをもらう。リズムに乗る琢磨はパンチを次々とヒットさせ、アッパーの連打をもらって駿太はピンチに。しかし、ここで打ち合いに出た駿太が右ストレートからの左ストレート(駿太によればストレートとフックの中間のパンチ)をクリーンヒット。
琢磨はばったりと仰向けに大の字となり、10カウントを聞く。駿太が60戦目をKO勝利で飾った。
駿太はマイクを持つと「2Rにたまたま一発いいのが当たって倒れてくれましたが、ヤバいと思って。琢磨君のパンチは効いていました。勝てたのは自分自身を信じてやってきたからだと思います。自分は前回負けちゃったけれど、37歳になって初めての試合で、結果的に良かったし、内容は不満足なところはありますが、まだまだ37歳、このリングで頑張っていきます」と、まだまだ現役を続けていくと宣言。
試合後、駿太は「相手の方がパンチは上手だったのでヒジを合わせようとしたんですが、なかなかうまくいかなかった。でも1Rの後半に左ヒジが相手の右目に当たって効いたんですよ。そこから流れが変わったのが分かりました。1Rで倒せるかなと思ったくらいです。ヒジはガッツリ入ってだいぶ腫れていたので眼窩底骨折かもしれないです」と、1Rにヒットさせた左ヒジが勝利のポイントだったと振り返った。
そして「なんか自分が打たれて返しているだけの構図になっていたので、そんなプランではなかったんです。もっと滑らかに動く予定だったんですが、やはり試合とスパーは全然違います。練習と試合の感じを合わせていかないといけないと思っているんですが、いくつになっても何戦やっても難しい。いつか分かるのかなって思っちゃいます。長くやっているんですけれど、キックボクシングって難しいものだなって、面白みがあるなって改めて思いました」と、自分のスタイルと“キックボクシング道”を追及していきたいと話した。
▼第13試合 メインイベント第1試合 90Kg契約 ビッグバンルール 3分3R
〇愛鷹 亮(K-1ジムSAGAMI-ONO KREST/Bigbangヘビー級王者)
KO 1R37秒 ※右フック
×OD・KEN(ReBORN経堂)
両者は今年2月に行われた初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントに参戦したが、ともにKO負けを喫し、今回が再起戦。愛鷹はK-1ジムSAGAMI-ONO KRESTに移籍し、心機一転して臨む。
1R、両者とも重量級らしからぬ軽快な動き。愛鷹は左右フックの連打で襲い掛かり、KENはステップで回り込みながらローを蹴る。しかし、愛鷹の勢いは止まらず、左右フックを叩きつけ、左フックからの右フックでKENが倒れ掛かるとダメ押しの右フック。ODはばったりと倒れ、愛鷹のKO勝ちとなった。
愛鷹はマイクを持つと「K-1クルーザー級のトーナメントで1回戦で負けてしまって引退がどうかの決断を迫られた時に、俺はまだ何もしてないなって。環境を変えて続けようと思いました。俺は絶対に日本一になるので応援よろしくお願いします」と、再出発を宣言した。
▼第12試合 セミファイナル 67kg契約 ビッグバンルール 3分3R
〇山際和希(谷山ジム/前Bigbangウェルター級王者、2017年K-1世界ウェルター級トーナメント3位)
判定3-0 ※30-26、30-27、30-26
×ジョージ(CLUB E.D.O)
両者は昨年11月に対戦し、山際がダウンを奪って勝利しているが、その勝利は山際自身が「グダグダのしょっぱい試合」と納得のいかないものだった。現在3連続KO勝ち中の山際は「KOするスタイルに変えてどれだけ変わったか見て欲しい。1RからKOを狙っていく」と試合前に宣言している。
試合前、ジョージは山際の額に額をくっつけてのにらみ合いを仕掛けて挑発。
1R、前に出るジョージをタイミングのいい前蹴りで転倒させる山際。その後も前に出てくるジョージを左右ヒザ蹴り、右ロー、右ミドルで迎え撃つ。ジョージが下がると山際が前へ出ての左ヒザ蹴りでダウンを奪った。
2Rもパンチ、ヒザ、ミドルで徹底的にボディを攻めていく山際にジョージはパンチで必死の応戦。単発ながらアッパーがヒットしたが、山際は構わず前へ出てボディを攻めていく。
3R、山際はコーナーへ詰めてジョージを滅多打ちにするが、タフなジョージは倒れない。逆に攻め疲れした山際へパンチで逆襲。山際も前蹴り、ミドルを駆使して応戦し、ジョージに逆転を許さず判定勝ちした。
山際はマイクを持つと「もっと圧勝して4連続KOといきたかったんですが、僕の実力不足もあり、ジョージ選手の強さもあり、また1から出直してきます。こんな試合しておいて言うのもなんですが、8月、9月はビッグバンがないので中村プロデューサーお願いします」と、中村拓己K-1プロデューサーにK-1・KRUSH出場をアピールした。
▼第11試合 61kg契約 ビッグバンルール 3分3R
〇京平(湘南格闘クラブ/Bigbangライト級王者)
判定3-0 ※29-28、29-28、30-27
×剣闘士"俊"(K-1ジム総本部チームペガサス)
K-1 JAPAN GROUPのリングを主戦場とする両者がビッグバンのリングで対戦。
京平は10勝(5KO) 12敗1分と負けが先行しているが、Bigbangではライト級王座に就いている。3月のKrushで大岩龍矢にKOされ、今回が再起戦。対する俊も10勝(4KO) 13敗3分と負けが先行しており、2月のKrushでは里見柚己に判定負け。ともに白星が欲しい者同士の対決となった。
1R、京平は序盤から強い右ローを狙い撃ち。さらに顔面とボディのコンビネーションパンチを回転させ、俊からヒットを奪っていく。特に左ボディからの右ローが面白いように決まった。俊は強いフックを返すが手数に大きな差があった。
2Rも同じ展開。京平が右ローを主軸にパンチのコンビネーションを顔面・ボディへ当てていく。しかしタフな俊も右の強打を打ち返す。最後に京平が放った左フックで俊がフラついた。
3Rも打ち合いが続く。コンビネーションを回転させてローも蹴っていく京平だが、俊は攻撃をもらっても前へ出て右を狙いにいく。打ち合いが繰り広げられ、どれだけ打たれても前へ出て倒しに行く俊。試合終了になると、両選手に大きな拍手が送られ、ヒット数の多かった京平の勝利となった。
▼第10試合 ヘビー級 ビッグバンルール 3分3R
〇訓-NORI-(K-1ジム総本部チームペガサス)
KO 1R2分55秒 ※右フック
×実方宏介(真樹ジムAICHI)
1R開始直後から実方がブンブンとフックを振り回し、訓もこれに応戦。ヘビー級の迫力あるパンチの応酬となり、場内は沸く。パンチの応酬となる中、ボディも打ってコーナーへ詰めた訓が右フックを直撃させてダウンを奪う。
立ち上がった実方は逆転を狙っての左右フック、ヒザ蹴りで打ち合いに行くが、もう一度訓の右フックをもらってバッタリと倒れる。訓がヘビー級対決で場内を大いに沸かせてのKO勝ちを収めた。
▼第9試合 スーパーバンタム級王座決定戦準決勝 ビッグバンルール 3分3R・延長1R
×竹内将生(エイワスポーツジム/元MA日本キックボクシング連盟バンタム級王者)
判定0-3 ※28-29、28-29、28-30
〇戸井田大輝(戸井田ジム)
竹内は計量オーバーのため2点減点、グローブハンディありでの試合開始。
1R、竹内は強い右ローを次々と蹴り、戸井田が右フックを振ってくると同じく右フックを返す。竹内がミドルを蹴り始めると戸井田も負けじと強いミドルを蹴り返す。
2R、両者ともフルパワーのロー&ミドルとパンチで一歩も退かない。その中で構えを左右にスイッチして放つ戸井田のパンチの回転力が目立つ。クリーンヒットはないが、アグレッシブに攻めている印象を与えた。
3R、残り1分で打ち合いに出る両者。竹内は逆転を狙って前へ出ていくが、戸井田も強いパンチで譲らず。お互いに倒しに行く姿勢で最後までアグレッシブに攻め合い、戸井田の判定勝ちとなった。
▼第8試合 スーパーバンタム級王座決定戦準決勝 ビッグバンルール 3分3R・延長1R
〇亀本勇翔(K-1ジムSAGAMI-ONO KREST)
KO 1R49秒 ※ボディブロー
×大田原友亮(B-FAMILY NEO MUAYTHAI GYM/UKF世界スーパーバンタム級王者)
1R、亀本は強いローを蹴って左右ボディを強打。大田原もローを返すが、亀本がスピードのある左右ボディから左ローを蹴ると大田原はロープの外に飛び出してダウン。カウントが数えられ亀本が秒殺KO勝ちを飾った。
▼第7試合 90kg契約 ビッグバンルール 3分3R
〇工藤 "Hitman" 勇樹(エスジム/蹴拳ライトヘビー級王者)
TKO 2R2分13秒 ※レフェリーストップ
×メイサム ドラゴン(士魂村上塾)
1R、ドラゴンが左右フックを思い切り振り回し手前へ出ると場内からはどよめき。工藤は突進に下がるが、工藤の右フックが入ると形勢は逆転。工藤のパンチで足元がふらつくドラゴンに工藤が右ストレートでダウンを奪う。何とか立ったドラゴンだが、足元がおぼつかずダメージは明らか。それでもこのラウンドは耐えた。
2R、逆転を狙ってフックを振り回すドラゴンだが、まだダメージが残っており足元がフラフラ。そこへ工藤のパンチが決まり、左フックで2度ダウンを奪ったところでレフェリーが試合をストップした。
▼第6試合 63Kg契約 ビッグバンルール 3分3R
×バズーカ巧樹(菅原道場/MA日本キックボクシング連盟スーパーライト級王者)
KO 3R1分24秒 ※左飛びヒザ蹴り
〇テレカ∞(NEXTLEVEL渋谷)
1R、巧樹は右ローを蹴りつつ、左右のミドルで快音を響かせる。テレカは飛び込んでのパンチを繰り出し、ボディを攻めていくが、巧樹はバックハンドブローで反撃。
2Rも巧樹が左右ミドルをヒットさせて前へ出る。パンチを狙うテレカだが、手数も減り始める。
3Rも同様に巧樹がミドルで攻めていきバックハンドブローも放って優勢を保っていたが、テレカがサイドキックでコーナーまで下がらせたところで左飛びヒザ蹴り。これが見事にヒットし、テレカの逆転KO勝ちとなった。
▼第5試合 52.5Kg契約 ビッグバンキックルール 3分3R
〇奥脇一哉(エイワスポーツジム/元REBELSスーパーフライ級王者)
判定29-28、30-29、30-29
×峯 大樹(若獅子会館 東住吉支部)
1Rから奥脇は強い右ローを蹴ってすぐに胴へ抱き着き、そのまま身体を浴びせ倒す。3R序盤まで同じ展開が続き、打ち合いになるもやはり奥脇が組み付いて押し倒していく。峯もパンチで反撃に行ったが、奥脇の判定勝ちとなった。
▼第4試合 72kg契約 ビッグバンルール 3分3R
森 興二(X-ONEジム湘南/第2代ZSTフェザー級王者)
試合中止
川中 歩文(フリー)
▼第3試合 63Kg契約 ビッグバンルール 3分3R
〇昇也(士魂村上塾)
判定3-0 ※29-27、30-27、30-27
×武己(Aim high)
▼第2試合 フェザー級 ビッグバンルール 3分3R
〇杉山茅尋(HEAT)
判定3-0 ※29-28、30-28、30-28
×中村浩紀(新興ムエタイジム)
▼第1試合 90kg契約 ビッグバンルール 3分3R
×中村充利(PIT BULL/トリビュレート・クルーザー級暫定王者)
TKO 2R1分8秒 レフェリーストップ
〇真島達也(谷山ジム)