キックボクシング
インタビュー

【RISE】那須川天心ファイナルマッチは「愛と殺意」×風音「何が何でも勝ってやる」=4月2日(土)代々木

2022/03/30 21:03
 2022年4月2日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『Cygames presents RISE ELDORADO 2022 ~Tenshin Nasukawa Finalmatch~』メインイベントで、「那須川天心 RISE Final Match バンタム級(-55kg)3分3R延長1R」で対戦する、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)と、風音(TEAM TEPPEN)が、TARGET SHIBUYAにて公開練習を行った。今回は、その後の一問一答全文を紹介する。 那須川天心『あと2試合ですし、めちゃくちゃ蹴りたい』 ――今公開練習で動き見せていただいたんですけど非常にいつも以上にキレとスピードがあるっていう印象だったんですけど、ご自分ではいかがですか? 「多分見てもらえれば分かると思うんですけどキレもスピードも威力も全てにおいて上がってるというか、ここへ来てまた成長できてるなっていうのを実感できてるんで、調子はめちゃめちゃいいですね」 ――ミット打ちの時に左ミドル打ってそのまま蹴り足で相手の攻撃を想定したブロッキングとかの動きもしてましたけどあれも自然に出てるような感じなんですか? 「そうですねもう練習の一環なので。やっぱり打つことだけ考えても絶対に癖で打つだけってなると良くないので。どちらかと言うと防御メインで練習はやるようにしてますね」 ――今回はもう本当にRISEのラストマッチとなりましたけど、その辺やっぱりちょっと感慨深いものってありますか? 「今となればもう試合前なんで特にそういう意識はないですけど、最初決まったときだったりとか元々この試合で最後っていうのがあったんで、こっから6月もあることになって色んな感情はありましたけど、でも全然すっきりしてます」 ――2014年にデビューして8年、今年9年目になりますけども那須川選手にとってはこの期間っていうのはあっという間でした? それとも結構長い期間でした? 「すごく早かったっすね。本当に…あっという間でしたね。本当に一瞬というかすぐ時が過ぎましたね」 ――先日この一戦のためにだと思うんですけど、4日間沖縄合宿されたじゃないですか。その成果っていうのかいかがですか? 「沖縄合宿に行ったんですけど、もう疲れ過ぎて……結構仕上がってる感じ、あと1カ月ぐらいでだいぶ仕上がってる感じだったんですけど、そこから更に4日間追い込んだので、なんかもう何も体が動かなくなって、体重とかもすごく増えました。歩くのもやっとだったので、だからもう一段階に行けたなっていうっていうのは今ありますね、あの合宿を経て」 ――沖縄で練習を朝7時からやってたんですか? 「1日3部練。朝7時ぐらいからやって走って休憩して、また走って休憩して夜やってみたいな。観光なんて一個も行ってないですよ」 ――本当に練習追い込み三昧だったわけですね。 「僕の中では1カ月前なのでちょっと追い込みすぎないのかなと思ってたんですけど、一緒に行ったら松本(志朗)っていう選手が、練習しかしたくないっていう風に言ってたんで、その人のせいでというかその人のお陰で、今となればその人のお陰でですけどガッツリ練習だけになりました」 ――では今回RISEのラストマッチとなりますけれどもさらに進化した那須川天心選手が見れるって感じになりますかね。 「そうですね、毎回毎回進化をしていってるっていうのはあるんですけど、何ですかね自分の中のこう心の内だったりテーマだったりとかっていうのをやっぱり出していかないとなっていう風に思うので、今回は本当にまたちょっと特別というかそんな思いはありますけどね」 ――あと2試合でキックボクシング最後っていうのはすごく寂しいですけれど、ご自身の中で「キックボクサー那須川天心」完成度としては今どのぐらいまで来てると思いますか? 「毎回毎回自分の中の100%で挑んではいるんですけど、やはり課題が残るので、本当に格闘技って完成っていうのはないと思うんですよね。だからこそ面白いんであって、だからこそ練習するのかなと思います。常に100%だと思ってたのが、そうじゃないっていうのは続いているので、完成っていうのはないんじゃないかと思います」 ――フェデリコ・ローマ戦で竜巻蹴りでKOっていうのがありますけれど、あの試合を今回超えたいというか自分なりに試したい技とか何かありますか? 「あの試合を超えたいっていうのはちょっとどうか分からないですけど、色々な技をやりたいなと思いますよね。あと2試合ですし、めちゃくちゃ蹴りたいなっていうのもありますし。その時思ったことを今回やるだけかなと思います」 ――何か技を用意してたりしますか? 「色んな技がありますけど、最近考えるのをちょっとやめたんで。それがやっぱり今の練習の中で上手くいってる部分なのかなと思います。そこは試合見てのお楽しみかなと思います。その日の俺に任せるしかないかな」 ――今回の試合のテーマは? 「テーマは自分の中では『愛と殺意』ですね。『あいさつ』です」 ――詳しく解説してもらってもいいですか? 「いや、そのままです」 ――愛を持って殺しに行くんですね。 「『あいさつ』です」 ――武尊戦のこと考えると今回エキシビションでも良かったんじゃないかっていう声もあるんですけど、そこら辺に対してはご自身の中では何かありますか? 「もともと4月が決まっていたというのもあるし、RISE最後の試合でエキシビションっていうのも俺は納得いかないんで。俺が納得いかないっていうだけなんですけど、周りがどう思うか分らないですけど、一回決めたことなんで。そこは僕の格闘技人生なんで、自分で決めたことでちゃんとやる、そこだけです」 ――今回の試合が決まってお父さんとの会話っていうのは風音戦に対して何かはあったんですか? 「何もしてないですね。試合に関しては『やるか?』って言われて『別にいいよ』って言って決まったという感じですね。そこに関して作戦だったり、そこに関しての内容だったりっていうのは僕は一切関わってないですね」 ――今回TARGET SHIBUYAを練習場所に選んだのは何か意図はありますか? 「4月、6月の試合の中での似たタイプの選手がいるのが一番大きいですね。練習のスタイルだったりマス、スパーリング、その中でも全然やっぱり違うんですよね。だからここに来て新たに発見出来ました。マスだったりスパーリングのやり方があるんだなという発見がありましたね」 ――いつも公開練習だと結構派手な技を使うじゃないですか。今回それはなかったのは単にあの受け手の問題ですか? 「前に一回RISEイベントでミットもやってるんで、別にいつもの通りのオーソドックスのやり方でいいかなっていうのはあったんですね」 ――改めてなんですけど風音選手に対してファイターとしてどういう評価をしてるんですか? 「“気持ちの塊”ですかね」 ――やっぱり気持ちが一番の武器? 「だと思いますね」 ――ちなみに天心選手も気持ちの塊ですか? 「なんだろ……その次元でやってないっていうのは正直あります。別に作戦とか今回本当にないですね。自分自身を高める練習だけしてきたというか、無意識に動けるまでやってきたんですよね今回」 ――じゃあ本当に無意識に今回は動くっていうのがテーマ? 「テーマですし、やっぱり自分自身を本当見つめ直すじゃないですけど、そういう時間を毎日作るようにしてそれで本当自分の中で気というか自分自身のエネルギーを上げる、そういうことを毎日やるようにしてますね」 ――RISEラストマッチですけど何を一番見せたいですか? 「最後ですしね、ちょっと派手にヒップホップな試合をしたいですね」 ――それどういう意味ですかね? 「ま、それは受け取ってもらえばいいですよ。見てもらえればわかりますよ」 ――昨年大晦日のRIZINのラストマッチではもう花道から涙を流しながらの入場ということであれもすごくたくさんの人の涙を誘ったと思うんですけど、今回の入場はまた涙になるのかそれとも違う形になるのか、現時点ではどう思われていますか? 「今回は涙じゃないと思いますね。前回はエキシっていう形だったんでそういう形になったんですけど、今はそういう気分は全くないので、もう本当にしっかりと仕留める、そんな感じですかね」 ――入場と言えばやっぱり天心選手コスチュームも毎回すごく注目を集めるんですけど、今回もやっぱりRISEラストということで特別なものを用意されているんでしょうか? 「今回はちょっと装飾品を派手に行こうかなと思ってます。ちょっとギラギラしていきたいなと思って」 ――これも注目を集めているんですが、セコンドというのは何か現時点でヒントをあれば教えていただきたいんですけれども。 「ちょっと最後の打ち合わせを今週にするんで、ちょっとそこで意思疎通をしっかりして(朝倉)未来兄貴に頼もうかなと思ってますね」 ――最後にファンの皆様にメッセージをお願いします。 「RISEラストの試合、今回本当色んな方々も来てくれますし、色んな業界の人たちの期待だったりとか希望を背負ってると思うので、戦争のことになってしまうんですけど日本もね少し平和ぼけしてるところが僕の中ではあるって思ってるんで、やっぱりいつ戦争に巻き込まれるかも分かんないですし。そういった張り詰めた感じっていうのは自分の中でも常に感じてるんで。その中で戦うっていうのはどうなのか分からないですけど、自分でやるべきことを形として最後に見せようと思うので、皆さん注目してもらえたら嬉しいです。本当僕はこれでRISE最後になりますけど、今後のRISEがどうなるかは正直僕には今は分からないですけど、自分が残してきたRISEをここで最後見せようと思ってるので、皆さん注目してください」 [nextpage] 風音『僕は純粋に勝ちたいっていうそれだけです』 ――今日公開練習をドラムミットにしたのは何か理由あったんですか? 「別に特にっていうか、あまり何も見せたくないなっていうので、一番安パイなやつです(笑)。何も見せなくていいんで」 ――やっぱり今手の内は明かしたくないっていう気持ちが強いですか? 「はい、できればこれもやりたくなかったんですけど」 ――じゃあもう見せないまま決戦の日を迎えたいぐらいな感じですか? 「そうですね」 ――この間のファンイベントでの公開練習の時にはかなりピリピリムードでしたけど今も変わってないですか? 「なんかああいう場だったからか分かんないですけど、でも気持ちとしては全然変わってないですね。ほんまはあれも行きたくなかったんで、何も見せたくないですよ」 ――この間SNSでは思わせぶりに「ふざけるな」っていう叫びが出ていましたけど、その辺もやっぱりちょっとイライラしてるっていうかフラストレーション溜まってる感じはありました? 「フラストレーションっていうか、試合なのでそういう企画感を持ってこられるとちょっと違うかなって思ったんで」 ――風音選手は企画とかもう全く抜きに本当に行くような気持ちだけで試合を望みたいって感じなんですよね。 「僕はそうですよ。僕は別にあれなんですけど、僕はそういう気持ちですね。純粋に勝ちたいっていうそれだけです」 ――今回の一戦は那須川選手のRISE引退試合ってこともあってやっぱり世間で色んな評判呼んでると思いますけど、そういった世間の声っていうのは気になりますか? 「いや、もうなんか逆に多すぎて、もう笑っちゃうぐらい多いんで。もう勝手に言っとけばええやんって感じですね。どうでもいい感じですね、何とも思わないですね。多過ぎてもうどうでもいいですよね」 ――多すぎるから風音選手にとっても右から左に聞き流すっていうかもうそんな感じですかね? 「同じようなコメントばっかりなんで、センスないなと思うんですよね。面白んないですわ(笑)」 ――去年のトーナメントの時も圧倒的不利って中から勝ち続けて優勝したじゃないですか。今回もっていう気持ちがやっぱり強いですか? 「下馬評どうたらこうたらとかは別に何も思わなくて、ただ僕は今あの選手倒したいし、あの選手に勝ちたいっていうそんな思いしかないですね」 ――凄くピリピリ感が伝わってくるんですけれども天心戦が決まってからこれまでどんな思いで過ごしているでしょうか? 「絶対に勝つっていうそれしかないですね。何が何でも勝ってやるっていう。別にそれ以外はあんまないっていうか」 ――特別感みたいなものはないですか。 「特別感っていうかワクワク感の方が大きいかなっていう。この選手に勝ったら俺見る世界が変わるのかなとか見えてくる世界が変わるのかなとか、どういうこの先の世界が広がってんねやろなとか、そういうワクワク感、楽しみの方が強いですね」 ――勝った後どうなりそうですか? 「いやもう想像つかないですよ。だって四十何人もそれできてない訳じゃないですか。そこで最後為し遂げていった世界はちょっと分かんないですよね。どんだけ評価されてどれだけ自分自身もっと強くなるのかっていう想像つかないですよね。でもそれは凄い楽しみですね」 ――プレッシャーよりも楽しみの方が今大きい? 「プレッシャーなんかそんなの全然ないですよ。ただ僕は全力でぶっ倒しに行くっていう。で、その先に結果がついてきてその先その先なんで、プレッシャーなんか何もないです」 ――先日公開練習ではYA-MAN選手があの風音選手が判定だと難しいんで倒しに行ったら逆にやられるかもしれないってことを予想していたんですけれども、これに対して反論はありますか? 「別に特にないです。なんかみんな言ってること一緒なんで。普通の人はっていうか格闘技ちょっと知ってる人とかは全員そう思うんじゃないかなっていう。特に普通の意見ですよね。だからその普通を覆してきたのは僕なんで、今回も一緒ですよ」 ――会長からは技術的なことは言えないまでも精神的なメンタル面の部分ではどういう気持ちで挑めみたいなこと言われてますか? 「挑めみたいに言われてないけど、二人でやっていく中でお互いの気持ちはいつもそうなんですけど、上がっていく感じなんで。挑めとかはないですよね、絶対勝つっていうそれだけですよね」 ――天心を意識するなみたいなそういうことは言われない? 「そんな特に。意識しない訳ないんで、それは」 ――この試合が決まってからこの期間で自分がどれぐらい強くなったかっていうのは実感したんですか? 「試合やってないから何とも言えないんですけど、でも確実に気持ちの面はすごい成長したなと思いますね。技術面とかそんなのはもちろんですけど、何か一個殻破ったなって感じはありますね。今の時点でも」 ――天心選手の試合映像はどれくらいご覧になったんですか? 「結構見てますよ。やっぱイメージ大事なんで、結構見るようにはしてます」 ――一日何回とか? 「細かくはちょっと分かんないですけど、何気なくバーって流してる感じですね」 ――攻略パターンというのは何通りくらいあるんですか? 「何通り…何通りとは……?(笑)わかんないっす、ただ流れなんでちょっと何通りとか言われると(笑)」 ――攻略するパターンみたいなのじゃないですか? 今やってるのは。 「それって戦略に入っちゃうですもんね? 入んないか……それバツでいいですか(笑)」 ――最近の天心選手の試合を見るとステップを使ってアウトボクシング的な動きをするとか多いじゃないですか。あの動きをされても問題ないような戦略はできてる? 「それは大丈夫ですね、その対策とかはしてるんで。それの対処法で言うと何パターンかあるっすけどって感じですかね」 ――なるほど、じゃあ相手の出方をいくついくつも想定してパターンはもう色々あるっていう感じですね? 「そうですね、そういう感じですよね」 ――去年の今頃ってHIROYUKI選手と戦ったぐらいじゃないですか。その時から一年でここまで辿り着くというのは想像してましたか? 「あの時はトーナメントが開催されるかされへんか分からへん感じだったから、まさか自分が一年後に天心選手とやってるっていうのは正直想像してなかったんですけど。でもいずれはこうなるだろうなっていうのはあったんで、それがちょっと早まっただけっていう感じですかね」 ――ファンイベントで天心選手とちょっとニアミスしたと思うんですけど、対戦決まってから彼と会うってことはあったんですか? 「ないですね。ジムでも会ってないですし、ファンイベントの時も会わないようにして気使ってもらったんでみんなに。ビジュアル撮影の時とかも凄い気を遣っていただいて時間ずらしてもらったりとか会わないようにしてもらってますね」
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