MMA
ニュース

【RIZIN】話題先行と実力の乖離、平本蓮の告白「もう1回這い上がる」に石渡「最後に一番になるんだ」=『RIZIN CONFESSIONS #93』

2022/03/29 12:03
 2022年4月16日(土)と17日(日)、武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催される『RIZIN TRIGGER 3rd』および『RIZIN.35』の追加カードが発表されるなか、『RIZIN CONFESSIONS #93』が、公式YouTubeにて公開された。  今回は、3月6日の『RIZIN LANDMARK vol.2』を特集。後半では、現KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王者でMMAとの二刀流を戦う鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)と、元K-1の平本蓮(ルーファスポーツ)のフェザー級(66.0kg)戦を特集している。  1Rで大きなヤマ場を迎えた両者。フックからストレートに軌道を変えて平本の腰を落とさせた鈴木の右については、本誌既報通り、オープンフィンガーグローブで効かせるために、真ん中を打ち抜いたものだった。 「ガードがしっかりしていたので直接生身で当てないとダメだなと思ってストレートに変えました。(ボクシング)グローブだったらガードの上からでも(重さがあって)倒せるんですけれど、オープンフィンガーグローブだとなかなか振動を伝えられないので」(鈴木)  一瞬、ヒザを落とした平本は、この瞬間を、「最初、作戦はテイクダウンを取りに行こうと思っていたんですけど、ちょっと打ち気になっていたところに出会い頭にもらっちゃったんで、いい拳でしたね。打ち合いが得意だし、もともと近い距離で戦うつもりだったけど、変に熱くなっちゃった部分もある」と振り返っている。  1Rに鈴木が両拳を負傷(左親指骨折)。ここで積極的に組みに行くことを選択している。  この試合運びについて、本誌の取材に鈴木陣営のパラエストラ八王子の塩田GOZO歩代表は、「今回は徹底的にMMAをやろうと伝えました。打って組む、組んで打つ、テイクダウンで徹底的に消耗させ、鈴木千裕のやりたい事を相手に押し付ける作戦でした」と明かしている。 敗れた平本に、石渡は「最後に一番になるんだ」  では、平本陣営はどう考えていたのか。  今回の CONFESSIONSで、CAVEの石渡伸太郎塾長は、「打撃で分が悪いな」と感じながらも、平本のMMA打撃の可能性を試合のなかで見極めようとしていたことを語っている。  それはMMAとしては近い距離での打ち合いだ。 「キックの距離でやろうとしていたので……(でも)彼だったらやれちゃうかもしれないじゃないですか。だから僕がその芽を摘んじゃいけないと思って、絶対に。彼のプランを尊重したんですけど、もしうまくいかなかったら、『立ち位置に気を付けよう。そっちに切り替えて』と」と、プランBも授けていた。  近い距離での打ち合いで上回ること。それは、平本が打撃でペースを握りつつ、自らもテイクダウンを仕掛けること、何より相手のテイクダウンを防ぐことが必須条件だった。しかし、平本はフレームの大きな鈴木に四つ組みに持ち込まれ、投げで下になり、立ち際に打撃を被弾。立っても押し込まれる場面が多かった。  石渡は「組まれたときには凌ぐ。でも(中盤以降は)相手が(打撃を)凌いでいる状態だったから、コーナーを背に止まってしまったのは良くなかった」と、平本が後手に回った場面を振り返る。  組み際でのリストコントロールは、弥益ドミネーター聡志が萩原京平戦で三角絞めを極める布石に使った通り有効で、鈴木も平本の手首を背中ごしに縛って、立ち際に打撃を当てている。  判定は3-0で鈴木が勝利。試合後、リング上で「また強くなったらやろう」と鈴木に伝えた平本は、バックステージでは、「負けました。けど負けてないです。またすぐやります。やっぱ、……死ぬ気でやってきたんで、後悔ないです。もう1回這い上がります。絶対頑張る」と、諦めないことを「負けていない」と表現した。  石渡塾長も平本に「最後に一番になるんだ。今じゃなかったってだけで」と語り、今後の成長に期待する。 「彼の知らないところに僕は踏み込まないようにしていたんで、これで踏み込めるんですよ、やっと。ついてきてくれるなら絶対に強くします。絶対に最後に一番になる。それは今も変わらない」と、平本のポテンシャルを認めた上で、新たな関係で取り組めると語る。  一方の平本も「辞められないっす、格闘技は」とつぶやくと、「どんどん試合をして、必ずRIZINの頂点獲ります。だからすぐに復活します。やるしかないです」と、試合経験を重ねていくことを語っている。 [nextpage] 格闘技をやっているなら実力をつけないと  MMAとしてはルーキーの平本蓮と三浦孝太の次戦について、榊原信行CEOは、3月23日の会見後の囲み取材で、「まだ引き続き調整中ではあります。4月に出て来る可能性も残しつつ、次の試合への期待感が大きな選手なので、どういう形で、この4月なのか5月なのか、いずれにしても彼らの試合をマッチアップしたい」と、早いうちに試合を組みたいとしている。  その対戦相手はどうなるか。  元UFCの金原正徳は、自身のYouTubeチャンネルで、SNS時代の話題先行ファイターをめぐる世間の状況に苦言を呈している。 「萩原と平本はすごい話題がある。でも話題が先行し幻想が膨らめば膨らむほど対戦相手選びが難しくなる。弥益のようにある程度全部出来る人の壁は結構高い。何かが突出している人は、誰にでも勝つ可能性がある一方、誰にでも負ける可能性がある」と、学ぶべきことが多いMMAに置いて、弱点があることのリスクを語る。  また、その話題と実力を兼ね備えているのは、朝倉未来だといい「朝倉未来は話題先行するなかで実力がしっかりあって弥益も倒している。あらためてすごいなと思った」と、高く評価する。  どれだけ話題になろうと、最後はマット上の勝敗が強さを証明する。その強さがファイターにとって、最大の価値ではないのかと、金原は訴える。 「試合が終わったあとのコメントとか見ると可哀そうになることがある。結局、勝ち負けじゃないんだなって。話題性になった時点で勝ちで、数字がどうこうと言うなら芸能界に行けばいい。格闘技をやっているなら実力をつけないと。お客さんを呼べる人が正しいのか、数字を持っている人が正しいのか、ほんとうに強い人が正しいのか、それがいまは曖昧になっている。強さが一番で、ほかの選択がある時点でおかしい」  4月16日のTRIGGERで金原正徳は摩嶋一整と対戦、翌17日のRIZIN.35では王者・牛久絢太郎が、前王者・斎藤裕の挑戦を受けるフェザー級王座戦が組まれている。群雄割拠のフェザー級戦線で、生き残る本物は誰だ!? ◆RIZINフェザー級(66kg) クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)29勝5敗1分 ※2.23 TRIGGERで佐々木に一本勝ち牛久絢太郎(K-Clann)21勝8敗1分 ※4.17 RIZINで斎藤裕と対戦朝倉未来(トライフォース赤坂)16勝3敗 ※12.31 RIZINで斎藤に判定勝ち斎藤 裕(パラエストラ小岩)20勝6敗2分 朝倉に判定負け後、4.17 RIZINで牛久と対戦ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)15勝4敗 ※4.17 RIZINで中島と対戦カイル・アグォン(米国)13勝10敗 ※クレベルに一本負け後、4.17 RIZINで芦田と対戦金原正徳(立川ALPHA)28勝14敗5分 ※芦田にTKO勝ち後、4.16 TRIGGERで摩嶋と対戦中島太一(ロータス世田谷)14勝11敗 ※4.17 RIZINでケラモフと対戦摩嶋一整(毛利道場)14勝3敗 ※クレベルに一本負け後、4.16 TRIGGERで金原と対戦堀江圭功(ALLIANCE)12勝3敗 ※11.28 TRIGGERで中田に判定勝ち佐々木憂流迦(セラ・ロンゴMMA)23勝10敗2分 ※2.23 TRIGGERでクレベルに一本負け弥益ドミネーター聡志(team SOS)13勝6敗 ※3.20 RIZINで萩原に一本勝ち中村大介(夕月堂本舗)32勝21敗1分 ※3.20 RIZINで山本空良に判定負け芦田崇宏(BRAVE)24勝11敗2分 ※金原にTKO負け後、4.17 RIZINでアグォンと対戦萩原京平(SMOKER GYM)6勝5敗 ※3.20 RIZINで弥益に一本負け白川陸斗(トライフォース赤坂)11勝8敗1分 ※10.24 RIZINで山本にTKO勝ち神田コウヤ(パラエストラ柏)8勝4敗 ※12.12 DEEPで牛久に判定負けDJ.taiki(パンクラスイズム横浜)21勝14敗6分 ※関に判定勝ち後、5.8 DEEPでCOROと暫定王座戦関 鉄矢(SONIC SQUAD)14勝8敗1分 ※DJに判定負け後、12.11 DEEPで山本歩夢に一本勝ち青井 人(BLOWS)9勝4敗1分 ※2.26 DEEPで木下尚祐にTKO勝ち鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)2勝1敗 ※3.6 LANDMARKで昇侍にKO勝ち昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ)19勝16敗1分 ※3.6 LANDMARKで鈴木博昭にKO負けCORO(K-Clann)18勝17敗5分 ※※3.6 LANDMARKで増田に判定勝ち、5.8 DEEPでDJと暫定王座戦鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)7勝3敗 ※3.6 LANDMARKで平本に判定勝ち山本空良(パワーオブドリームジム)14勝6敗2分 ※新居にTKO勝ち後、3.20 RIZINで中村に判定勝ち山本琢也(パラエストラ千葉)7勝2敗1分 ※10.24 RIZINで白川にTKO負け中田大貴(和術慧舟會HEARTS)4勝3敗 ※堀江に判定負け後、3.21 PANCRASEで亀井晨佑に判定負け新居すぐる(Potential)12勝12敗 ※2.23 TRIGGERで山本にTKO負けRYUKI(フリー)2勝2敗 ※3.20 RIZINで山本にTKO勝ち中川皓貴(総合格闘技道場 reliable)8勝2敗 ※2.23 TRIGGERで小島に判定勝ち小島勝志(STYLE PLUS GYM)12勝6敗1分 ※2.23 TRIGGERで中川に判定負け山本歩夢(フリー)3勝2敗 ※3.20 RIZINでRYUKIにTKO負け増田拓真(総合格闘技道場reliable)6勝2敗 ※3.6 LANDMARKでCOROに判定負け平本 蓮(フリー)2敗 ※3.6 LANDMARKで鈴木千裕に判定負け久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)2敗 ※12.31 RIZINでシバターに一本負け
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント