朝倉未来がクレベル・コイケへのリベンジ、朝倉海が井上直樹との対戦について、兄弟で語り合った。
登録者数「222万人」に達した朝倉未来のYouTubeチャンネルに、朝倉海(ともにトライフォース赤坂)が出演。「小学生以来」という『弟と20年ぶりに入浴しながら1年分語ってみた』の動画で、それぞれの知られざるエピソードを明かした。
「入浴大好きで入浴剤オタクみたいなところがある」という未来は、「H.L.B / Healthy Life Beauty」の入浴剤をヒルトン東京お台場のジャグジーで体感。「こんなことするやついないよ。29歳と28歳で、兄弟と風呂に入るって」と笑いながらも、本音をぶつけあった。
(未来が)目の前で失神した姿が苦しかった(海)
そのなかで「お互いに見てみたい対戦カード」を問われた海は、未来に今後の期待のカードとして、「クレベル選手とやってほしいですね。あの試合はなんかもうほんとうに俺も悔しかった。目の前で失神した姿がちょっとね……苦しかったですね、観ていて」と、2021年6月の東京ドームで、セコンドについた未来が三角絞めで失神一本負けした試合の再戦を望んだ。
2R、クレベルの引き込みをコーナー下に運んで落として、この日、2度目の三角絞めを潰そうとした未来だが、三角をセットされ落ちた。バックステージでは、「三角絞めのとき、あの逃げるやつ何でやらなかったん?」と、想定していたエスケープをしなかった兄を詰問し悔しそうな海に、未来は「柔らかすぎて、あそこで入らんと思ったら入った」と答えるなど、兄弟2人にとって悔いの残る戦いであったことが後日、語られている。
海と20年ぶりに兄弟風呂で語り合った未来は、クレベルとの試合について、「それはでも、ファンの人はみんな思っているところだよね、たぶん。まあ、でもそこはやりますよ。俺もそこを目指してますからね。もちろん今年中にやりたいなとは思ってます」と、年内にクレベルとの再戦を実現させたいと答えている。
「そこはね、ちょっと勝ってほしいなって」とクレベルへのリベンジを願う海。逆に未来は2つの試合を海にリクエストしている。ひとつは、「俺は井上直樹とやってもらいたい。井上直樹戦をいったん、やってほしい」と、2021年のバンタム級GPでともにベスト4に残りながら、幻に終わった井上直樹との対戦を望んだ。
(海には)井上直樹とやってもらいたい(未来)
もうひとつの試合は、GP優勝の扇久保博正との対戦だ。
「それか、扇久保選手になってくるよね。(GP決勝とは)また違った展開になるだろうな。もう1回やったらね」という未来に、海は「扇久保選手とやりたいけど、周りは観たいか、というとどうなのかなというのはあります」と、リベンジはしたいものの、即再戦をファンが望むかどうかが大事という。
その意見に、未来は「井上直樹戦の方が観たいと思うよ。で、勝者がもう1回、(扇久保と再戦)というパターン。でも井上選手が(海に)勝ったら、みんな扇久保選手とはやらなくていいでしょ、と思いそう。だって、1回戦目で勝ってるじゃん。でも(1日2試合目の)決勝に関してはいろいろあったと思うから。朝倉海が(井上に)勝った場合は、また扇久保選手と観たいよね、となりそうな気はする。だから井上戦の方が観たいんじゃないかな、扇久保選手との再戦より」と、井上直樹に勝利することで、GP覇者とのまっさらな再戦に説得力が生まれるとした。
「確かにそんな気はするな。日本人とやるなら、そこですよね」と、井上との初対戦を視野に入れている海は、「新鮮だからね。僕も割と最近知ったけど、高校(愛知県立豊橋工業高校=現・豊橋工科高等学校)の後輩だったんですよ。しかも同じ電気科」と、未来が「観てみたい」と望む、4歳下の後輩との対戦の可能性を考えていることを語った。
兄弟ともに「UFCで戦いたい」
さらに、格闘家としてのゴールを未来は、「本気で思っているのはUFCの舞台に立ちたい。『UFCのチャンピオンになりたい』とか、現実味の無いことは言えない。でも(出場した)その先に何かあるかもしれないし、THE OUTSIDERやRIZINに初めて出るときに周囲に馬鹿にされたように、『UFCに出たい』っていうのも、いまは馬鹿にされるかもしれないけど、普通に思う。環境が変われば俺たちも取り組み方が変わる。2、3年のうちに絶対に移住する」と、UFCで戦うことが格闘家人生の目標であることを、あらためて語る。
その査定にもなる海外勢との対戦に関して「以前もやったけど、Bellatorとの対抗戦は盛り上がる。負けられんなって。観客と一緒になれた」と、榊原信行CEOが調整しているBellatorとの対抗戦への出場の意欲を語った。
海も、「日本人代表として日本を背負って、海外の強い選手と戦いたい。BellatorとかUFCにチャレンジしたい。行けるところまで行きたい」と、世界最高峰への挑戦を諦めたことはないとした。その上で「今年はとりあえず海外(修行に)に行ってみようかと思っている」と、肌感覚で海外の練習環境、ファイターたちを感じてみたいとした。
2021年大晦日のバンタム級GP準決勝で瀧澤謙太に勝利するも右拳を骨折した海だが、登録者100万人を突破したKAI Channelでは、「拳の方がだいぶ治ってきたので、ついに練習復帰」と語り、未来とのコラボ動画『朝倉未来が強くなったトレーニングやったら死にかけました』をアップ。
未来のトレーニングルームで、魔裟斗も指導した土居進トレーナーのもと、エアロバイクによるミドルパワートレーニングで体力測定。パワーマックスやローイングエルゴメーターに取り組む姿勢を披露している。
格闘家によるYouTuberの先駆者的存在である朝倉兄弟。メディアを持つことで発信力を高め、自身をプロモートし、資金も得ることでファイターとして強くなる環境を整えてきた。
動画では、このほかにも「同じ階級だったらどっちが強い?」の質問では「禁断の兄弟対決」にも触れた未来と海。さらに注目は、「未来が海を格闘技に誘っていなかったら、海は格闘技を始めていなかったのか?」の質問に、海はどう答えたか。伝説の「兄弟路上スパーリング」のときの海の思い、海が格闘技を始めたことへの未来の思いも含め、必見の内容となっている。