MMA
インタビュー

【DEEP】「クレベルと本当にやってみたい」──小見川を極めた“腕十字職人”中村大介、フェザー級戦線で「変な色物枠じゃなくて実力で絡んでいきたい」

2022/02/27 15:02
 2022年2月26日(土)東京・後楽園ホールにて『skyticket Presents DEEP 106 IMPACT』が開催された。  メインイベントでは、フェザー級で小見川道大(NEO JUDO ACADEMY)が引退試合。“介錯人”として中村大介(夕月堂本舗)が対戦相手を務めた。  試合は、引退試合ながら「本気で勝つ気で最高の調整をして臨んだ」という小見川が、序盤はガードを固めての左右の打撃、払い腰でのテイクダウンなど見せ場を作り、中村のアームロック・腕十字からのエスケープにも成功したが、「3Rの戦い方をした」中村が、最終Rに、アームロックからの腕十字でタップを奪い、フェザー級トップクラスの実力を示した。  中村は、現RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎と1勝1敗で41歳のベテラン。小見川より3年早い2002年5月にPRIDE THE BESTでプロデビュー後、DEEPを主戦場にMMA31勝20敗1分けの戦績を持つ。2020年9月のDEEPで、約4年ぶりのMMAに臨み長倉立尚を2R KO。2021年2月に牛久絢太郎に2R TKO勝ちしたが、2021年7月に王座を賭けた再戦では判定負け。しかし、2021年10月のRIZIN初参戦では新居すぐるに1R 腕十字で一本勝ちで再起を飾っている。  小見川との試合でも“伝家の宝刀”腕十字を極めた中村は、試合後、「20年やってきて、3R通して頑張ることに気付き、試合を全体的に見ることが出来るようになりました」と苦笑しながらも、「腕を取りにいくスタイルは結構、完成されてきて、ひとつの形として出来てきている」と、腕取りに自信を見せた。  2022年7月開催予定のRIZINフェザー級GPに向けて、王者の牛久絢太郎を筆頭に、クレベル・コイケ、朝倉未来、斎藤裕らが鎬を削っている同級戦線についても、中村はトップクラスと「絡んでいきたい」という。 「いま国内のフェザー級がすごい面白くて強い選手がいっぱいいるので、自分もほんとその辺と絡んでいきたいですね。こう、なんか……変な色物枠じゃなくて実力で」と、“41歳のベテランプロレスラー”の肩書で“色物”として扱われるのではなく、一回り年代が違うファイターたちを相手に「実力」で勝負したいと語る。  王者・牛久には、2021年2月に2R KO勝ち。同年7月のDEEP王座を賭けた再戦では判定負けでタイの戦績だ。 「牛久選手には1回勝てたので、その選手がRIZINのトップに立っているので、そのへんは自信になりますね。“負けてない”と思っているのでこれから楽しみですね」と、上位戦線とも互角に渡り合えるとする。  3日前の23日のRIZINでは、クレベル・コイケが佐々木憂流迦を2Rリアネイキドチョークで極めた。MMA5連続一本勝ち、RIZIN4連勝のクレベル相手でも「形に入れば極められる?」と問われた中村は、「やってみたいですね。同門のサトシ・ソウザ選手とQUINTETでやったんですけど、そこ(フィニッシュ)まで行けなかったので、クレベルもそのくらい強いとは思っているんですけど、グラップリングだと難しいかもしれないですけど、MMAだと違うと思うんで、ほんとう、やってみたいというのはありますね」と、MMAなら勝機はあると語っている。  2020年9月の復帰戦から4勝1敗、白星のすべてをフィニッシュしている“Uの後継者”は、果たしてRIZINフェザー級の王座戦線に絡むことができるか? [nextpage] パンツも真面目にやっていて、正装なので ──小見川選手と3Rに渡る熱戦でした。 「小見川選手、思った通りというか、全然まだギラギラしていて怖かったです」 ──投げられた場面もありました。 「そうですね。まあ、投げ合いで勝てるわけはないと思っていたので、その後、ひっくり返すのは想定していました。……まあ、綺麗に投げられましたね」 ──手の位置が低い構えの打撃で、小見川選手の打撃に応戦していました。 「もうちょっと得意の打撃で圧(力)をかけて腕を取るという、ほかもいろいろ練習はしているんですけど、そういう腕を取りにいくスタイルというのは、結構、完成されてきているのかなと……まだまだですけど、ひとつの形として出来てきているかなと思います」 ──3Rに一本を取れたのは? 「DEEPでもそうですが、3Rって結構大事だと、最近気付きました。20年やってきて(苦笑)。そういう作戦にしました。感覚・気持ちの問題なんですけど、3Rで頑張る──全体を見るようになりました。今まで1Rから飛ばしてバテるのが、やっと学習できたかなと。20周年で最近、気付いて、まだまだ未熟だなとほんとうに思っているので、身体が続く限り、やっていきたいですね」 ──あんな風にすっと近づいて腕を取れるのは、現役感の違いなのか、それともその3Rの使い方なのでしょうか。 「全体を見れるようになりましたね。腕取るのに関しては、結構、自信があるので、あそこまで行けば……ただ、足の力がすごく強くて、1Rも取れなかったんですけど、3Rなら取れるかなって」 ──介錯人という難しい立場での一本勝ちでした。 「そうですね……小見川選手に指名していただいた時からそういう役目だと思って、やってきたので、そういう通りになって嬉しいですね」 ──フェザー級のトップの一員として今後は? 「いま国内のフェザー級がすごい面白くて強い選手がいっぱいいるので、自分もほんとその辺と絡んでいきたいですね。こう、なんか……変な色物枠じゃなくて実力で」 【写真】2021年10月には新居すぐるに1R 腕十字で一本勝ちしている中村大介(C)RIZIN FF ──その「色物枠じゃなくて」という言葉は、いまのフェザー級戦線で、ベテランのプロレスラーで“別枠”だと感じる、ということでしょうか。 「感じ……ますね(笑)。なんだろう、自意識過剰ですかね。自分もこんなパンツで、こうして腹巻姿やっているので、そう見られても仕方ないですけど、これは真面目にやっていて、正装なので」 ──牛久絢太郎選手がDEEPでもRIZINでもフェザー級のベルトを巻いています。そのトップ戦線に絡んでいきたいと? 「牛久選手には1回勝てたので、その選手がRIZINのトップに立っているので、そのへんは自信になりますね。負けてないと思っているのでこれから楽しみですね」 ──形に入れば、クレベル・コイケも極められる? 「おおー、いやあやってみたいですね。同門のサトシ・ソウザ選手とQUINTETでやったんですけど、そこ(フィニッシュ)まで行けなかったので、クレベルもそのくらい強いとは思っているんですけど、グラップリングだと難しいかもしれないですけど、MMAだとグローブもあるし、違うと思うんで、ほんとう、やってみたいというのはありますね」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア