2022年2月27日(日)東京体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント~』にて、「第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」の1回戦で対戦する金子晃大(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)と黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)が公開練習を行った。
金子晃大、宿命の相手・玖村将史にリベンジしてK-1のベルトを獲る!
金子は2016年にKrushでデビュー以来9連勝を飾っていたが、2020年3月「K’FESTA.3」さいたまスーパーアリーナ大会で、今回同じトーナメントにエントリーされている玖村将史に敗北。その後、1年間欠場していたが、昨年3月「K’FESTA.4 Day.2」日本武道館大会で復帰すると鬼山桃太朗、9月K-1横浜アリーナ大会では晃貴に2連続KO勝利を収め、絶賛巻き返し中だ。
復帰後は好結果が続いていることについて、「やってきたことの積み重ねが一つ結果として出たのかなと思います」と金子。特別な練習をしているわけでもないというが、「一つずつ意識を持ってやって、それが試合に出た感じですね」と、意識改革が現在の好調ぶりに繋がっているようだ。
約2年前のプロ初黒星をきっかけに「練習1回1回に対しての意識は変わりましたね」と、練習に取り組む姿勢が変わった。今回のトーナメントに向けても「スタミナのトレーニングやスパーリングの数だったり、そういうのを増やして。まあ、けど、いつも通りしっかりやってきたっていう感じですね」と、普段の練習に意識を持って取り組むことで備えているという。公開練習では蹴りのミット打ちを披露し、切れ味鋭い左右の蹴りを繰り出し続けた。
一回戦の相手は黒田勇斗になったが、「まあいい選手だなっていう印象ですね」と、素っ気ないコメントをした金子。このように掴みどころのないキャラクターだが、K-1アマチュア出身で、K-1 JAPAN GROUPでキャリアを積んできたことから、「自分はデビューから全部K-1なんで、一つの形としてK-1のベルトをこのトーナメントで巻きたい」と、K-1のベルトへの意欲は持っている。
そして、やり返さなければいけない相手もいる。キャリアで唯一黒星をつけられた将史だ。将史とはトーナメントの組み合わせ上、お互いに決勝に勝ち上がらないと対戦出来ないが、「トーナメントなんで誰が来てもいいような感じで練習してますけど、一度玖村選手には負けているんで、そこに勝つことが出来ればいい形でリベンジが果たせる」と、最終決戦でのリベンジを思い描いている。
さらに金子は「ベルトを獲ってから価値を残すことも大事だけど、ベルトを獲る時にいかに価値があるかだと思う。『さらっと勝ちました。ベルト獲りました』じゃ『ああ…そうなんだ』で終わるし、注目されるトーナメントでインパクトある勝ち方をして、ここ一番のところでベルトを獲れば価値があると思う」と勝ち方へのこだわりも口にした。
最後に今回のトーナメントのテーマについて、「『見えるんだけど、見えない』ってことですかね」と答えた金子。「トーナメントを見れば分かります」と、真意をはぐらかしていたが相変わらず掴みどころがない。しかし、トーナメント制覇に必要なものは、「自分がどういう状況になってもやり抜く気合いですかね」と返答するなど、金子なりに静かに闘志を燃やしている様子だった。
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黒田勇斗、トーナメントで予想を覆す!
「この試合に向けてずっと練習をしているので、いい感じに追い込めていると思います」と話す黒田。この日は2分1Rのミット打ちを行い、パンチからローやミドルのコンビネーションを披露。言葉のとおりコンディションの良さをアピールすると「ここから対策も練って、試合当日までに最高の準備をしていきたい」と、ここからさらに試合に向けて己を磨き続ける。
2021年はKrushを主戦場に戦ってきた黒田は「去年は結構試合に出させてもらったんですけど、勝率としては低くて(4戦1勝3敗)とにかく悔しい1年でした。一番悔しかったのは5月の晃貴選手との試合。あと一歩のところで届かなかったというのがとても悔しかったです」と昨年を振り返る。
10月の第7代Krushスーパー・バンタム級王座決定トーナメントでは一回戦で小巻海斗を下すも、準決勝でトーナメント覇者の璃明武に敗れた。「序盤は結構いい感じで距離感も詰められていたんですけど、ヒザ蹴りをもらってダウンしてしまって。ポイントを取り返すために、もう少し前に出て玉砕覚悟でいきたかったです」。
2021年の戦績こそ振るわなかったが、外国人選手の来日困難によって舞い込んできたトーナメント参戦のチャンスを前に「前回の試合で負けてしまったので自分が選ばれることはないと思っていました。でもこういう形でチャンスをいただいてありがたく思ってます」と黒田。
「最初は不安もありましたけど、自分がプロになったきっかけはプロでどこまで通用するのか試したいと思ったから。今回も自分の実力がどれだけ通用するのか楽しみもあったし、チャンスをいただいたからには優勝を目指してやっていきたい。この階級のトップから順に選ばているんじゃないかと思うメンバーなので、王座決定トーナメントに相応しいと思います。ここで勝つことで周りの評価も変わると思うので、しっかり結果を出して見返してやりたい」と闘志を燃やす。
1回戦の対戦相手は元Krushバンタム級王者で、トーナメントの優勝候補の一角にもあげられる金子晃大。黒田は「パワー、スピード、テクニックもあって全ての能力が高いので強いと思う」と金子を強敵だと認めつつ「自分の戦いをすれば勝ちは見えてくる。一番は気持ちだと思うので、勝負の場面で覚悟を決めて前に出られるかどうか。これからさらに追い込んで過去最高の状態に仕上げて挑む」と心技体を揃えて金子との対戦に臨む。
「スーパーファイトでのK-1参戦は初めてだし、見ている人の予想を覆すような、会場が爆発するようなインパクトのある試合をしたい」と話す黒田。K-1の大舞台での番狂わせ・名誉挽回を虎視眈々と狙う。