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【K-1】最重量級と最軽量級のトーナメントが続けて行われる2月と4月、試される軽量級の選手たち

2022/02/24 12:02
【K-1】最重量級と最軽量級のトーナメントが続けて行われる2月と4月、試される軽量級の選手たち

(上)2月27日に行われるスーパー・バンタム級トーナメントに出場する8人(下)4月3日に行われる「無差別級トーナメント」に出場する8人

 2022年2月27日(日)東京体育館で開催の『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』で行われる「第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」。スーパー・バンタム級(-55kg)は現在、タイトルが制定されているK-1の階級の中では最軽量級となる。


 その一方、4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催の『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~K’FESTA.5~』では、新生K-1初の「無差別級トーナメント」が開催される。

 ご存じの通り、K-1は1993年4月にヘビー級(無差別級)の大会として誕生した。大男たちが倒し合いをする迫力に観客は熱狂し、一躍格闘技ブームを巻き越した。その後、70kgのK-1 WORLD MAXが誕生し、中量級も同じく観客のハートを捉えて一時はヘビー級以上の人気を勝ち取ったと言えるだろう。

 2014年11月に旗揚げされた現在のK-1=新生K-1はスーパー・ライト級(-65kg)からその歴史が始まり、当時スーパー・バンタム級だった武尊が中心となっていって軽量級から軽中量級が主軸となっていった。クルーザー級(-90kg)とヘビー級(-100kg)のタイトルもあるが、それは決してメインストリームではない。現在のK-1はあくまでも日本人の選手層が厚い軽量級から軽中量級が主役となっている。


 今回、偶然にも新生K-1を象徴する最軽量級のトーナメントと、K-1の原点である無差別級のトーナメントが続けて行われることになった。ここでひとつ危惧することがある。それは両トーナメントを見比べた時、どこまで差が出るのか、ということだ。

 格闘技の大会においてよく聞かれる言葉がある。「やっぱりヘビー級には勝てない」という言葉だ。何しろ、大男がパンチ一発空振り、ハイキック一発空振りしただけで観客が「おおーっ」とどよめくのだ。格闘技の大会はよく「非日常を見せる」と言われる。ヘビー級の戦いはまさに“非日常”だ。大男たちが殴り合う、ぶつかり合うなどということは日常生活を送るうえでほとんど見ることはないだろう。


(写真)ヘビー級の男たちの肉弾相打つ戦いが一大格闘技ブームを巻き起こした旧K-1

 一発で試合が終わる緊張感、一発で試合がひっくり返る意外性、そして説得力。格闘技のだいご味はヘビー級にあるとは昔からよく言われている。その迫力と分かりやすさでは、他の階級は太刀打ちできないだろう。ビジュアルからして違うのだから。ましてや大会場ともなれば、身体の大きい方が映えるのは間違いなく、今回2つのトーナメントが続けて開催されることで「やっぱりヘビー級は面白い」という声があがってきても不思議ではない。

 いや、そうじゃないよ、ということを体現してきたのは武尊だ。ヘビー級に負けない迫力のあるKOシーンを演出し、ヘビー級には決してないスピードで現在のK-1を盛り上げてきた。「軽い階級は迫力がないし、KOも少ないからつまらない」という定説を一気に覆して観客の見方を変えたのである。


(写真)軽量級でも迫力のあるKOシーンを見せられることを証明して今のK-1を作った武尊

 その武尊が最初に保持していたK-1スーパー・バンタム級王座を争う今回のトーナメント。争うのはベルトだけでなく、新生K-1のイデオロギーもだ。無差別級に負けない観客を魅了する試合を行うことが、新生K-1がやってきたことが間違いではなかったとの証明になる。

 勝算は十分にある。まずスピード、次にテクニック、そして何よりも観客の心を動かすのはハートだ。ヘビー級の攻撃の炸裂音は会場の隅にまで響くかもしれないが、選手の熱いハートも観客席の隅々にまで届くことは歴史が証明している。

 K-1はやっぱり無差別級なのか、それとも新生K-1が種を蒔いて育ててきた軽量級なのか。その答えがこの2月と4月に出るのかもしれない。

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