一航「自分の方がキャリアもあるし、技術でも負けていない」
WMC日本バンタム級、WBCムエタイ日本統一バンタム級、NJKFバンタム級の3本のベルトを巻いた一航が満を持してK-1に参戦。「K-1は周りの友達もみんな知っている団体。自分も有名になれるし、強い選手も集まってくるので、自分も強い選手に挑戦したいと思った」と、更なる強者との戦いを求めてK-1参戦を決意した。
これまでは3つの王座に君臨し、追われる立場であった一航だが「挑戦はいつでも楽しい」と、K-1に参戦することで挑戦者に立ち戻った。K-1初参戦で挑む形となった第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメントには、先んじてK-1で活躍する金子晃大、玖村将史、璃明武、佐々木洵樹の出場が決定。いわばK-1スーパー・バンタム級四天王と評される4選手との対戦の機会に、一航は「相手が上げられれば上げられるほど戦うのが楽しい。挑戦のしがいがあります」と不適な笑みを見せた。
K-1の舞台ですでに実績を挙げている四天王へ挑む武器は、これまで培ってきたムエタイの技術だ。「蹴りを打っていくし、パンチも見せる。相手が嫌がることをしていく。K-1とは違ったスタイルを見てもらいたい」と、一航は独自のスタイルで相手を幻惑する構え。公開練習ではムエタイスタイルらしい強烈で美しい左右ミドルに加え、鋭く重い左右のパンチをミットにたたき込んだ。
懸念点はこれまで主戦場としてきたムエタイとのルールの違いだが「自分も警戒する攻撃が減るので問題ないです」と自信満々。「自分の方がキャリアもあるし、技術でも負けていない。初めてのワンデートーナメントですが、一試合一試合慎重に大切に戦って勝ちます」と、初参戦でのワンデートーナメントにも不安は見せない。
1回戦の相手は現Krush同級王者である璃明武。「映像を見ましたが、蹴りやパンチ、SNSなどで話題になっている回し蹴りのスピードが速い」とスピード感ある打撃を高く評価する。170cmの璃明武に対し168cmの一航と、身長差はわずかに2cmながら、一航は「リーチ差をどう埋めるかが鍵」と攻略法は見えている。「距離を潰して倒す」と、至近距離でのKOに強い意欲を見せた。
1回戦をクリアした先に待つ準決勝・決勝では金子晃大、玖村将史との対決をイメージする。「優勝候補の2人だと思うので、この2人は外せません」という一航。「試合を見ていてもやっぱり2人は強い。自分が(金子・玖村を相手に)どれだけできるか見てみたいですね」と、スーパー・バンタム級のトップ戦線を走る2選手との対戦を心待ちにしているようだ。
改めてトーナメント参戦に向け「何より強い選手と戦えることが楽しみで、その延長線上にベルトがある。このトーナメントで勝って、自分の強さを認められた上でベルトを巻きたい」と、一航はK-1王座と知名度を全てかっさらう構えを見せた。