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インタビュー

【RIZIN】“投神”倉本一真、覚醒なるか「ド派手な試合をしたい」オープンフィンガーグローブでも「掌底も打つ」、太田忍とのライバルストーリーにも闘志

2022/02/17 20:02
 2022年2月23日(水・祝)静岡・エコパアリーナにて開催される「SPASHAN HPS presents RIZIN TRIGGER 2nd」のバンタム級で、地元・浜松の加藤ケンジ(3POUND/K.O.SHOOTO GYM)と対戦する倉本一真(リバーサルジム新宿Me,We)が17日、所属ジムにて、公開練習を行った。  山崎剛 Me,We代表が持つミットに、グレローマンレスリング時代と同じオーソドックス構えから左右の強打、そしてテイクダウンからパウンドまで繋ぐ動きを見せた倉本。1R1分半の公開練習では、フリースタイルのようにダブルレッグでのテイクダウンも披露した。  グレコで、2013年世界選手権60kg級7位の実績を持つ倉本は、修斗7連勝で暫定王座に挑戦も敗れ、2020年大晦日からRIZINに参戦。中原太陽に1R TKO勝ち後、2021年6月の前戦、バンタム級GP1回戦でアラン“ヒロ”ヤマニハに判定負けを喫している。  公開練習後のリモートによる囲み取材で「今回は怪我もなくいい感じでリラックスして調整しながらできています」という倉本は、「打撃をしっかり練習してきたんで、レスリングや寝技はもちろんなんですけど、打撃をしっかりやろうと思っています」と、得意の組みに持ち込む前のスタンドを強化してきたと語った。  対戦相手の加藤ケンジは、2020年2月の浜松大会でRIZIN初参戦。金太郎に1R リアネイキドチョークで敗れるも、2020年8月に山本アーセンを1R 右フックでKO。2021年は1月の修斗で藤井伸樹に判定負けも、5月に坂巻魁斗にTKO勝ち。前戦11月の「RIZIN TRIGGER 1st」ではケージのなかで藤原克也を2R TKOに下し、2連勝を飾っている。  7cm長身でリーチもある加藤について、伝統派空手の経験も持つ倉本は、「ストライカー、打撃に特化しているという印象。身長も高いし、リーチも長いですけど、僕とやるとだいたいの人はそうなので気にしていない」と、身長差は気にならないといい、打撃強化は、「打撃でもしっかり勝っていかないとグラウンドに持ち込めないので、全局面で上回れるようにしています」と、スタンドから始まる試合でしっかり立ち合えてこそ、得意の組みが生きるとした。 [nextpage] 相手に触れたときの組みの強さを見てほしい  レスラーらしく、投げを武器とした「自分らしい試合」を望んでいる。 「今までRIZINであまりいいところを見せられていないので、今回はいいところを見せられるように、自分らしい試合をすれば勝てると思っているので、それを見せたいと思います。RIZINでしっかり組んで投げれていないので、今回は怪我もなくほんとうに万全の状態で臨めることもあり、ド派手な試合をして、しっかり勝ってメインの憂流迦選手に繋げたい」と、“投神”らしい豪快な投げ、パウンドを予告した。  2022年1月には、今成正和主催のグラウンド打撃ありの変則グラップリング大会「IRE」に参戦。スタンドから片ヒザを着けた「グラウンド状態」から、掌底アッパーを効かせるなど、衝撃のKO劇で周囲の度肝を抜いた。  RIZINではオープンフィンガーグローブをつけて戦うため、組み際の打撃はパウンド、鉄槌と握った拳での打撃が主となるが、倉本は、IREでの経験から掌底を打つ可能性も語る。 「掌底? 使います。RIZIN掌底ありですよね。いい発見が出来たので、その場面になればしっかり食らわさせていただきます。RIZINルールで使うのはいいと思います」  主催者によると、オープンハンドでの打撃は指を前に出した動きはアイポークとなる可能性があるため禁止だが、RIZINルールでは、前に出さなければ、掌底の使用が可能だという。果たして組み際の寸勁が見られる場面があるか。  そして、「TRIGGER」のケージは、グレローマンレスラーの倉本にとって、吉と出るか凶と出るか。ロープに比べ、クラッチを組みにくいケージでは、詰めて相手の動きを封じることが出来る分、テイクダウン後の立ち上がりに金網を使われることも多い。しかし、倒して立ち上がる際にいい組み手を取れれば、ドミネートの無限地獄に引きずりこんで投げを狙うことも可能だ。 「自分もケージは得意ですね。楽しみです」と語る倉本は、試合で注目してほしいポイントとして、「もちろん入場から全部ですが、特に、相手に触れたときの自分の組みの強さ。組んだら“おっ、これからか”くらいの気持ちで見てもらえたら、と思います」と、投げに期待してほしいと語った。  グレローマンレスリングからは、リオ五輪59kg級銀メダリストの太田忍もRIZINに参戦。2020年12月のデビュー戦こそ所英男の腕十字に一本負けしたものの、2021年9月に久保優太に判定勝ちすると、大晦日には祖根寿麻をコントロールし、TKOに降すなど2連勝を遂げている。  この太田と倉本は、レスリング時代に日本一を争っている。2013年の天皇杯全日本選手権グレローマンレスリング60kg級決勝で、7歳年長の倉本がテクニカフフォールで勝利。翌2014年の全日本選手権59kg級決勝でも倉本がフォール勝ちと、追随を許さなかった。  バンタム級のライバルの台頭について問われた倉本は、「全日本で2回くらい決勝で戦って僕が勝っているんですけど、レスリングが強いのは分かっています。MMAも最近、勝ってますよね。まあ、これからじゃないですか」と、勝負は上位戦線と戦うこれからだとした。 「自分は(バンタム級)トーナメントで負けちゃったんで、まずは今回しっかり勝って上を目指して、RIZINのベルトを目指すためにしっかり勝っていくことですね。いまの状態ではエラそうなことは言えないんで」と、白星を積み重ねてベルトに手をかけたいと語った倉本。加藤との打vs.投の戦いは、MMAのなかでそれだけではない、新たな姿を見せることになるか。
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