2022年2月12日(日本時間13日)、米国テキサス州ヒューストンのトヨタ・センターにて『UFC 271: Adesanya vs. Whittaker 2』が開催された。
UFC 271: Adesanya vs. Whittaker 2 速報
現地時間2022年2月12日(土)、日本時間13日(日)米国テキサス州ヒューストン /トヨタ・センター
【メインカード】
▼UFC世界ミドル級選手権試合 5分5R〇イスラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)22勝1敗(UFC11勝1敗) 184lbs/83.46kg[判定3-0] ※48-47×2, 48-46×ロバート・ウィテカー(豪州)23勝6敗(UFC14勝4敗) 184lbs/83.46kg※アデサニヤが4度目の王座防衛
アデサニヤとウィテカーの両者は、2019年10月「UFC 243」での「UFC世界ミドル級王座統一戦」以来、2年4カ月ぶりの再戦。その時は、正規王者のウィテカーからカウンターの左右フックでダウンを奪った暫定王者アデサニヤが2R パウンドアウト勝利。王座統一に成功している。
その後、アデサニヤはヨエル・ロメロとパウロ・コスタを相手に王座防衛。2021年3月に2階級同時制覇を狙ってヤン・ブラホヴィッチのライトヘビー級王座に挑戦したが、テイクダウンを奪われての判定負けでMMA初黒星。わずか3カ月後の2021年6月にマーヴィン・ヴェットーリを挑戦者に迎えてミドル級王座防衛に臨み、判定勝ちで3度目の王座防衛に成功している。
対するウィテカーは、アデサニヤに敗れて王座陥落後、ダレン・ティル、ジャレッド・キャノニア、ルヴィン・ガステラム相手にいずれも判定勝ちで3連勝。今回のタイトルマッチに漕ぎつけた。王座奪還なるか。
最初のフェイスオフでのグローブタッチで、拳を差し出したウィテカーに対し、じゃんけんぽんの仕草で最後にパーを出して、ウィテカーの拳を包み込んだアデサニヤ。試合前からすでに勝っているという心理戦か。
1R、ともにオーソドックス構えから。長い左前手を出すアデサニヤ。ウィテカーは右ローから。遠間に立つアデサニヤは右ローを返す。ウィテカーも右ローを当てる。
アデサニヤの左ハイをかわすウィテカー。サウスポー構えにスイッチしての左ローはアデサニヤ。オーソに戻し右ローも。ウィテカーは右のダブルで飛び込むがかわすアデサニヤは右カーフキック! サウスポー構えになっての左ハイはウィテカーがかわすが、金網に詰まってのアデサニヤの左ストレートにフラッシュダウン。すぐに立ち上がり、低いダブルレッグに入るも、切るアデサニヤ。
アデサニヤの右ミドルとウィテカーの右ストレートが交錯。なおも低いダブルレッグに入るウィテカーだが、切るアデサニヤ。
2R、左のダブルで前に出るウィテカー。さらに左のダブルがアデサニヤの顔をとらえる。左ローを打つアデサニヤ。関節蹴り、ヒジ打ちのフェイトで狙い。左で飛び込むウィテカーに右のカウンターを当てるアデサニヤ。
なおも左のダブルで前進、右ハイは空ぶりのウィテカーはダブルレッグテイクダウン!足を束ねに行くが、金網で立つアデサニヤ。右で差すウィテカーだが、突き放すアデサニヤ。左の蹴りのダブルはブロックするウィテカー。
3R、詰めて来たアデサニヤ。ウィテカーの入りをかわして左ミドルを突く。アデサニヤの右に、左ジャブを合わせるウィテカー。左ジャブをダブルで突く。かわすアデサニヤはカウンターの右を当てる。
シングルレッグに入るウィテカー。タックルを切りヒザを突くアデサニヤ。右の蹴りをつかんでテイクダウンはウィテカー! スタンドバックにつこうとするが、金網まで歩くアデサニヤは片足をかけようとするウィテカーにキムラクラッチを仕掛けて離れる。
右カーフキックを当てるアデサニヤ! ウィテカーも右を突いてアデサニヤのバランスを崩す。左ジャブにはアデサニヤは左ミドルを合わせる。初めてテイクダウンを奪ったウィテカーだが、抑え込めず。
4R、左のダブルの2発目を大きく振ってかすめるウィテカー。左右の足をスイッチするアデサニヤは、右ロー! そこで組もうとすrるウィテカーを突き放す。アデサニヤの右に合わせてダブルレッグテイクダウンはウィテカー! すぐに背中に跳び乗り、あご下に腕を巻こうとするが、首を守り落としたアデサニヤ!
詰めるアデサニヤは左の蹴りを上下に。しかし見切るウィテカーは左のダブルも右はカウンターを警戒してか続けず。左を打つアデサニヤが前へ。そこにカウンターで組むウィテカーが金網に押し込み、アデサニヤが離れたところにウィテカーが右フックで飛び込んでところでブザー。
5R、先に詰めるアデサニヤは右ロー。そこにカウンターの左を当てるウィテカー。アデサニヤはじりじりと詰めて左前蹴り。それを左に回って左ジャブのウィテカー。両者ともに決定打にはならず。シングルレッグに入るウィテカー。切るアデサニヤ。アデサニヤの右手がアイポークも再開。
ダブルレッグをドライブしてテイクダウンをトライするウィテカー。しかし金網ですぐに「立つアデサニヤに、ウィテカーはヒジ。しかし突き放すアデサニヤは頬を叩いて前に。ここもダブルレッグで組むウィテカー。切りながら金網背にするアデサニヤ。
左で差して投げるウィテカー。残すアデサニヤは金網背にしてブザー。力のこもる最後の攻防後、両者はハグ。アデサニヤは勝利を確信か、ウィテカーの手を挙げて讃えた。
判定は3-0(48-47×2, 48-46)でアデサニヤが4度目の王座防衛に成功。試合後に「前回、自分は彼からすべてを奪ったので、彼がすべてを賭けてこの試合に臨んでくることは分かっていた。彼は失うものは何もない。彼はディフェンスもしっかりしていた。足を蹴ってテイクダウンを防いだ。UFCには新しい選手もいる、でも、チャンピオンは自分だ。欲しいなら取りに来い。このケージの中では自分がビッグドッグだ。次は6月頃かな、楽しみにしていてほしい」と勝利のコメント。
続けて、歓声に笑顔を見せた敗者ウィテカーは、インタビュアーのダミエル・コーミエーから「この歓声!今日はよりよいパフォーマンスで、イジーのベルトを奪うに足だけのことができたと思いますか?」と問われ、「うーん、第1ラウンドは不安定なスタートだったけど、その後のラウンドはすべて自分が取っていたように思う。まあみんな、ジャッジに委ねるなって言ってくれているのかな。それはそれ。心を賭して、思いっきりやれて、幸せだよ。でも......そうだな......悔しいな......俺は、十分やったと思ってたし、取れたって思ってた」と、2R以降は自身のラウンドだったと回答。
さらに、コーミエーから、「何か驚きはあった? 君のテイクダウンが成功していたのは見れば分かる通りだけど」と問われると、ウィテカーは「正直なところ、驚いたことはなかった。自分のプランがうまくいっていたことのほうに驚いているよ(笑)。ゲームプランを実行できて、その結果に驚いた。それはそれとして、だからって取り上げるつもりはなくて、彼がチャンプで、今回また俺を倒して2回目の勝利をした。俺たちは2人の、世界最高の選手だってことで、自分自身それを分かってるし、彼だってそう分ってる」と語っている。
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▼ヘビー級 5分3R〇タイ・トゥイバサ(豪州)15勝3敗(UFC9勝3敗)※UFC5連勝5KO 265lbs/120.20kg[2R 1分40秒 TKO] ※右ヒジ×デリック・ルイス(米国)26勝9敗(UFC17勝7敗)266lbs/120.66kg
ヘビー級3位のルイスと、9位のトゥイバサのヘビー級戦。今宵もポップミュージックが入場曲のトゥイバサ。シンディ・ローパーの「Girls Just Want to Have Fun」でにこやかに入場。
UFC最多13KOを誇るルイスは、2021年8月のシリル・ガーヌとの暫定王座決定戦で3R TKO負け。12月の前戦は、UFC4連勝中のクリス・ドーカス相手に1RKO勝ちで再起を遂げた。対する“バンバン”トゥイバサは、MMA12KO・TKO。勝利のシューイのパフォーマンスで有名。
1R、ともにオーソドックス構え。慎重な出足から先に右ローはトゥイバサ。かわすルイスに両網を差して押し込むトゥイバサ。ヒザを突く。ルイスはかんぬきで凌ぐ。ブレーク。
左ハイはルイス。ブロックするトゥイバサに右オーバーハンドはルイス。右で差すと左で小手に巻くトゥイバサ。押し込むルイスはシングルレッグ。切るトゥイバサは体を入れ替えるが、ルイスは大内刈テイクダウン!
右の連打を受けながら立ち上がるトゥイバサ。逆に体を入れ替えるが、そこに右をオーバーフックして投げるルイス! ここも立ち上がるトゥイバサ。両脇を差して押し込む。
2R、ゆっくりグローブタッチする両者。ルイスの大きな右をかわすトゥイバサ。さらにルイスの左右に頭が下がるトゥイバサ。右で差して押し込むトゥイバサ。ルイスは大内刈もここは残したトゥイバサが前に。互いに左の刺し合いから左ヒジを当てて金網に詰めたトゥイバサは右ヒジ! ルイスは前のめり倒れ、すぐにレフェリーが間に入った。
地元ルイスを降し、UFC5連勝5KOのトゥイバサは試合後、「ヒューストーン! キングオブKOのデリックを尊敬している。でも僕は若くて期待の選手だ。これからなんだ。これからが本番だ。ムエタイの“タイ”トゥイバサさ(笑)。いつでもヒジは得意さ。次はシドニーで、誰とでも試合をしたい」と語り、ケージの上で、さらに退場時に観客から勧められた靴いっぱいのドリンクを次々とのみほすシューイパレードで花道を後にした。
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▼ミドル級 5分3R〇ジャレッド・キャノニア(米国)15勝5敗(UFC8勝5敗)185lbs/83.91kg[2R 4分29秒 TKO] ※右ヒジ×デレク・ブランソン(米国)23勝8敗(UFC14勝6敗)185.5lbs/84.14kg
ミドル級3位のキャノニア。4位のブランソン。ライトヘビー級からミドル級に落としてからの5戦でウィテカー以外に負けていないキャノニア。37歳だが、2021年8月の前戦ではケルヴィン・ガステラムに判定勝ち。38歳のブランソンはセオドル、ハイニッシュ、シャバージアン、ホランド、ティル相手に5連勝中。
1R、オーソドックス構えのキャノニア。サウスポー構えのブランソンはシングルレッグから肩口まで右足を担ぎ上げてテイクダウン。しかし、立ち上がるキャノニア。なおもブランソンはシングルレッグも切るキャノニア。
ブランソンも左ストレートから手を引いて、そのまま左の蹴り。さらに詰めて右を刺すが、切るキャノニア。なおもダブルレッグに入るブランソン。両差しで金網まで詰めると、夜から小外がけでテイクダウン!
ハーフから立ち上がるキャノニア。右のダブルで詰めるが、そこにカウンターの右でキャノニアはダウン! 鉄槌を落とし、バックを奪い、リアネイキドチョークをアゴ上からパームトゥパームで絞めるが、ブザー。
2R、早々にシングルレッグを持ち上げてテイクダウンを奪うブランソン。しかし、ここも立ち上がるキャノニアは、ブランソンの組みを切ると、ブランソンは消耗。入りにヒザを突き、ワンツーの右、さらに右インローをヒット。
右を振ってダブルレッグに入るブランソン。しかし切るキャノニア。ブランソンは左ハイ。キャノニアはブロックして左ローを返すと、右の刺し合いで勝るキャノニアは、ブランソンの組みを再び切って、スタンドで右ヒジ! さらに右の裏拳組んできたブランソンを剥がして左で小手に巻いて投げて上に。そのまま左でオーバーフックしたまま、右ヒジを打ち込み、レフェリーが間に入った。
試合後、キャノニアは、「ミドル級でのキャリア、こんな展開には慣れている。障害を乗り越えることはよくあること。乗り越えられて良かった。バックハンドも当たっている。俺のことを尊敬しないやつにはお見舞いしてやる。ここでみんなにどうだったか聞きたい。ダナ、俺のことを見ろ。捕まえろよ、次のタイトルマッチ挑戦者は、俺だ!」と叫び、ミドル級タイトルショットをアピール。強く胸を叩いた。
試合後の会見で、ダナ・ホワイト代表は、キャノニアは次期ミドル級王座挑戦アピールについて「『ノー』とは言えない。(アデサニャは6月には戦う準備が出来ていると言ってるが)どうなるな。彼のそういうところは好きな部分のひとつだ。彼はいつでも戦う気でいるし、どうなるか見てみよう」とコメント。
さらに、UFCアフリカ大会について、「どこよりも開催したい。開催すべき場所はたくさんあるが、やはりアフリカが一番だ。アフリカ大会は絶対にやりたい」と語っている。
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▼ライト級 5分3R〇ヘナート・モイカノ(ブラジル)16勝4敗(UFC8勝4敗)156lbs/70.76kg[2R 1分23秒 リアネイキドチョーク]×アレクサンダー・ヘルナンデス(米国)13勝5敗(UFC5勝4敗)156lbs/70.76kg
フェザー級からライト級に上げてからは2勝1敗のモイカノ。黒星はハファエル・フィジエフ戦。15勝のうち8つの一本勝ちを誇る。対するヘルナンデスはUFC5勝のうち3勝がKOのハードパンチャー。
打撃の手数で勝るヘルナンデス。先に組むモイカノはテイクダウンから抑え込み。2Rに打撃から首相撲ヒザを打ち込むモイカノはアッパーも。連打からヒザを効かせると、ヘルナンデスの組みを切り、バックを奪い、パームトゥパームでリアネイキドチョークを極めた。
試合後、モイカノは「彼と握手が出来てよかった。僕のコーチの父親は五輪メダリストだよ。30年以上黒帯のコーチもいる。米国、大好きさ。MMAをリスペクトしている。大金が欲しいんだ、みんな応援してくれ」とボーナスをアピールした。
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▼ライト級 5分3R〇ボビー・グリーン(米国)28勝12敗(UFC9勝7敗)155.5lbs/70.53kg[判定3-0] ※30-27×3×ナスラット・ハクパラスト(アフガニスタン)13勝4敗(UFC5勝3敗)156lbs/70.76kg
ライト級。レスリングがバックボーンのグリーンは2021年11月にアル・アイアキンタに1R KO勝ち。ハクパラストはキックがバックボーン。2021年9月の前戦はダン・フッカーに判定負け。
1R、ともにサウスポー構えの。両手を下げた位置からジャブを突くグリーン。ともにアイポークで中断後、再開。ハクパラストは左ロー。さらにグリーンの左の打ち終わりに大きなワンツーを狙う。
ガードの間の中央にジャブを突くグリーン。ハクパラストの左右フックは肩でブロッキング。詰めるハクパラストは左の前蹴り、ハイも振るが、グリーンはケージ背にしながらもジャブを突く。
2R、3Rも右ジャブ、左ストレートの連打で試合をコントロールするグリーン。ハクパラストの顔面は血で染まる。グリーンは腹、顔面、アッパーと打ち分ける。ハクパラストは左のオーバーハンドもかわすグリーンが被弾せず、下がってもワンツーを中央に打ち込み、ブザー。
判定3-0(30-27×3)でハクパラストの倍以上のキャリアを持つグリーンが貫録の勝利。アイアキンタ戦に続く連連勝を決めた。
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【プレリミナリー】
▼ヘビー級 5分3R〇アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)33勝20敗(UFC22勝14敗)246lbs/111.58kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ジャレッド・バンデラ(米国)12勝7敗(UFC1勝3敗)265lbs/120.20kg
右ミドル、右ローを当てるバンデラ。組んで押し込むが、決定打を許さないアルロフスキーも左の蹴りを返し、右のバックフィスト、左ハイから右ストレートを要所で当ててスプリット判定勝ち。これで3連勝の43歳のアルロフスキーは、直近6戦で5勝1敗。29歳のバンデラはロマノフ戦に続く連敗。
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▼女子フライ級 5分3R〇ケイシー・オニール(豪州)8勝0敗(UFC3勝0敗)125.5lbs/56.93kg[判定2-1] ※29-28×2,28-29×ロクサン・モダフェリ(米国)25勝19敗(UFC4勝7敗)※引退試合 126lbs/57.15kg
日本留学中に総合格闘技に出会ったロクサンは、2003年11月の「SMACKGIRL」でプロデビュー、TUFでの非公式試合5試合を含め「50戦目」でMMAファイターを引退する。
まだ女子総合格闘技が日米で偏見の目で見られ、観客もまばら、それで生活することなど困難な時代から、日本文化と格闘技を愛し、強くなることを追い求め続けたロクサンは、TUF(The Ultimate Fighter)でチャンスを掴み、北米で人気者となった。
“ハッピー・ウォリアー”ロクサンと対戦するのは、8戦無敗のケイシー・オニール。UFCでも3連勝中で、シェイナ・ドブソン、ララ・プロコピオ、アントニーナ・シェフチェンコにいずれもフィニッシュ勝利している。
ロクサンは計量時のコスプレ『僕のヒーローアカデミア』にちなみ、第3期オープニング曲で入場。
1R、ともにオーソドックス構え。右手を伸ばしたロクサンにオニールはグローブタッチせず。前に圧力をかけるロクサンに左右で押し返すオニールは右をヒット! あごを引いて受けるロクサン。オニールはワンツースリーから左ハイ。右ストレートを被弾するロクサン。
入り際に右を当てるオニール。右の相打ちはロクサン。オニールも鼻血。右に回るオニール。左ジャブのダブルで攻めるロクサンに、右を打ち返すオニール。ロクサンに中に入らせない。右オーバーハンドから左ボディを突くオニール。初回はスタンドのみの展開に。
2R、コーナーから「ケージに追い込め」とアドバイスを受けるロクサン。中央を取るロクサンは前に。しかし右ストレートを返すオニールはロクサンの蹴り足を取る。足を抜くロクサン。声を出しながらワンツーのオニールは右回りで巧みに詰まらず。ロクサンは組むが左で小手に巻くオニールが突き放す。右ストレート、右フックを被弾するロクサン。オニールの組みは切ったロクサン。左ジャブ、左の蹴りも放つオニールに、ロクサンも追うが、右をブロッキング。オニールはその入りに左ミドルも突く。ボディから顔面と打ち分けるオニールは咆哮! ロクサンも打ち返して右にカウンターのダブルレッグテイクダウン! サイドを奪うがブザー。
3R、両目を腫らしたロクサン。オニールも左目下を腫らす。両手を挙げてファイナルラウンドに臨むロクサン。右を浴びるロクサンも左右の連打で応戦。右ヒザもつかむのはオニール。足を抜くロクサン。右の刺し合いはオニール! 入って行くロクサンに先に当てるのはオニール。ロクサンは近づき首相撲ヒザ! 離れるオニール。ロクサンは近づくが前蹴り、ジャブで止める。
ロクサンは組んでヒザも突き放すオニール。バックフィストも見せると、首相撲ヒザ。しかし突き放すオニールはワンツーでまとめる。左に右をカウンターで当てるオニール。低いダブルレッグ切られたロクサン。蹴り足をつかんでテイクダウン!
すぐに金網使い立つオニール。ボディロックから片足を挟んでテイクダウン狙いも倒れないオニール。ブザー。ともに両手を挙げると、オニールから近づきロクサンに両手を取ってひざまずいて礼。ロクサンも握り返し、互いに手を取り合って挙げると、観客は両者に大きな拍手を送った。
判定は2-1(29-28×2, 28-29)のスプリットでオニールが勝利。フライ級記録となる229回の有効打をマークしたオニールは「私にブーイングしないで」とコメント。
続けて、ダニエル・コーミエーはロクサンにもインタビュー。ロクサンは「次の世代にバトンを繋ぐときが来ました。たとえいつも勝てるとは限らなくても、まだまだ素晴らしい時間があって、これはとても素晴らしい人生の旅路でした。自分を誇りに思います。持てるものすべてを出し切ったから悔いはないです。素晴らしいキャリアでした。負けてもDCにインタビューしてもらうのは2度目、ありがとう。ファンのみんな、ありがとう。コーチのジョン・ウッドのおかげでめちゃくちゃ連敗したときも抜け出せて新しいキャリアを詰むことができました。シンジケートジムのみんなもありがとう」と語った。その後、フィアンセがロクサンを肩車。そこから降りると、グローブをマットに置いてオクタゴンを後にした。
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▼バンタム級 5分3R〇カイラー・フィリップス(米国)10勝2敗(UFC4勝1敗)136lbs/61.69kg[3R 1分48秒 腕ひしぎ三角固め]×マルセロ・ロホ(アルゼンチン)16勝8敗(UFC0勝2敗)136lbs/61.69kg
2018年のCXFでビクター・ヘンリーにスプリット判定負けしたフィリップス。2020年3月にUFCと契約すると、ソン・ヤドンに判定勝ちするなど3連勝。2021年7月の前戦では、フライ級から上げてきたハウリアン・パイバに後半を制され判定負けしている。対するアルゼンチンのロホは、2021年3月にUFCデビュー。フェザー級でシャルル・ジョーダインに3R KO負け。今回はバンタム級で戦う。
1R、ともにオーソドックス構え。思い切りよく右ストレートを打ち込むフィリップス。ロホの打ち返しに跳びヒザも。さらにダブルレッグも、受け止めるロホに離れ際に右ハイを打つ。
右から左で前に出すロホに、右ヒジを突き組んで右で差して足を引き出しテイクダウン! すぐにバックテイクへ。正対するロホは立ち上がる。
長い右の後ろ蹴りを見せるフィリップス。ロホの右オーバーハンドをかわして後ろ蹴りから近づけば組み。足払いでテイクダウン! ロホは下から腕十字も、フィリップスが外してブザー。
2R、右のカーフキックを打つロホ。少し距離を取るフィリップスも右カーフを返す。顔位を突き出し挑発するフィリップス。ロホはガード固めながら右のカウンターを狙う。
右カーフをこつこつと打つフィリップスに、ロホもジャブのダブルから前に。そこにダブルレッグを合わせるフィリップスだが、ロホもすぐに立ち上がる。
3R、詰め始めたロホ。右のカーフで迎撃するフィリップスに、ロホも右カーフを返す。ダブルレッグから右足を持ち上げながらテイクダウンしたフィリップスはキムラ狙いからマウント、三角絞めから下になってセット、三角のまま腕十字を極めた。
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▼ライトヘビー級 5分3R〇カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)4勝1敗(UFC1勝1敗)204lbs/92.53kg[判定3-0] ※30-27×3×ファビオ・シェラント(米国)7勝4敗(UFC0勝3敗)206lbs/93.44kg
アデサニヤと同門シティキックボクシング所属でキック出身のアルバーグ。Contender Series 2020で1R KO勝利後、2021年3月にUFCデビューも、ケネディ・ンゼチェクゥに2R KO負け。
対するシェラントは、元LFAライトヘビー級王者。2021年3月のUFCデビュー戦はアロンゾ・メニフィールドに1R ヴォンフルーチョークで一本負け、2021年8月にウィリアム・ナイトに1R KO負けと2試合連続フィニッシュされている。
1R、オーソドックス構えのアルバーグは、遠間から前蹴りも金的に入り中断。再開。サウスポー構えのシェラントは左右を振ると、アルバーグがボディロックテイクダウン。立つシェラントに右後ろ蹴りを腹に! さらにハイキックもガード上に当てる。しかし、終了間際、シェラントが左ストレートでダウンを奪い返す。
2R、詰めるシェラント。左を振ると、そこに左のカウンターを返すアルバーグは左で関節蹴り。さらに右前蹴りで押し戻す。さらに前蹴りを腹に突くと、シェラントは後退。金網に詰まると手数が出なくなる。
3R、左を振るシェラントに組んでテイクダウンのアルバーグ。立つシェラントだが、消極的な戦いに。場内からブーイングが出るなか、ブザー。判定は3-0(30-27)のフルマークでアルバーグが勝利。UFC2勝目を挙げた。シェラントはUFC3連敗に。
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▼バンタム級 5分3R〇ロニー・ローレンス(米国)8勝1敗(UFC2勝0敗)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※29-27×2, 29-28×マーナ・マルティネス(米国)9勝3敗(UFC1勝1敗)136lbs/61.69kg
“ハビブ2.0”の呼び声高いローレンスはオーソドックス構え。空手がバックボーンのマルティネスはサウスポー構えから。
1R、歩きながらスイッチして近づくマルティネス。そこにダブルレッグテイクダウンはローレンス。金網使い立とうとするマルティネスにバック狙いもマルティネスは正対。
離れてオーソドックス構えから右カーフを突くマルティネス。しかし、詰めるローレンスが右インローから右ストレート! ダウンしたマルティネスは足に組み付き前転ヒザ十字狙い、片足を入れてヒザを外して上になるローレンス。
2R、オーソのマルティネスに右インローを当てるローレンス。サウスポー構えになるマルティネスに左フック! ダウンしたマルティネスは潜りから足を戻すが、払ってパスしたローレンスがバックテイク。マルティネスは金網使い立つ。
サウスポー構え同士にするローレンスは右ストレートで3度目のダウンを奪うと、バックから4の字ロック! パームトゥパームでリアネイキドチョークを狙うが、腰をずらして正対したマルティネスが上を取りかかる。しかしその際で足を手繰りダブルレッグで上を取るのはローレンス。
金網際で足を手繰り、立ち際をバック狙い。マルティネスが正対するとダブルレッグテイクダウンのチェーンレスリングで圧倒。ブザーにマルティネスは首を振る。
3R、マルティネスの足に合わせて蹴って歩きながら左右にスイッチするローレンス。左ハイも。そこにマルティネスは右オーバーハンドを狙う。出入りで右ヒザはローレンス。さらに跳びヒザも。詰めてワンツーの右を当てる。
ローレンスの組みを切ったマルティネスが左バックフィスト! さらに右ストレートでダウンを奪うとスクランブルからダブルレッグテイクダウンのローレンスに三角、腕十字のマルティネス! しかしズラして前転してインサイドガードに入るローレンス。
蹴り上げで立つマルティネスにローレンスは後ろ廻し蹴り。ブロックするマルティネスにダブルレッグテイクダウンでブザー。最終ラウンドにピンチを迎えたものの、それ以外は制したローレンスが判定3-0(29-27×2, 29-28)で勝利。「やるべきことをやったから勝てたけど、力を出し切れたとは思っていない。ダナをがっかりさせたかもしれないけど……」と語ると、インタビュアーのDCは「もっと出来るよ」と励ました。
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▼ミドル級 5分3R〇ジェイコブ・マルクーン(豪州)6勝1敗(UFC2勝1敗)186lbs/84.37kg[判定3-0] ※29-28×3×AJ・ドブソン(米国)6勝1敗(UFC0勝1敗)185lbs/83.91kg
ウィテカーのスパーリングパートナーのマルクーンが、ボディロック&小外がけ、シングルレッグテイクダウンも奪い、上から削って判定勝ち。「レスリングが効果的だった」。
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▼バンタム級 5分3R〇ダグラス・シウバ・ジ・アンドラージ(ブラジル)28勝4敗(UFC6勝4敗)136lbs/61.69kg[2R 3分24秒 リアネイキドチョーク]×セルゲイ・モロゾフ(カザフスタン)17勝5敗(UFC1勝2敗)135lbs/61.24kg
1R、アッパーを効かせてテイクダウン奪うモロゾフがインサイドガードからヒジで出血させる。さらに立ち際にヒザ蹴り。立ち上がるアンドラージをなおもダブルレッグで尻下でクラッチしてテイクダウン。
2R、アンドラージのバックスピンキック、右ストレートでダウンしたモロゾフ。足を手繰り立ち上がる。モロゾフの前手のアイポークで中断後、再開。左ボディから右ストレートを対角で効かせたアンドラージはバックフィストも当てて、右で小手に巻いての左ヒジを効かせる左ヒジ! 押し倒してバックを奪うとパームトゥパームでリアネイキドチョーク! モロゾフが失神した。
試合後、アンドラージは「やられたけどカムバックできた。タフな試合だけどカムバックできてよかった。ダナありがとう、次の試合もよろしく」と語った。
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▼ウェルター級 5分3R〇ジェレマイア・ウェルズ(米国)10勝2敗(UFC2勝0敗)170.5lbs/77.34kg[1R 4分38秒 リアネイキドチョーク]×マイク・マテサ(ニュージーランド)3勝1敗(UFC0勝1敗)170lbs/77.11kg
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▼ヘビー級 5分3R〇マキシム・グリシン(ロシア)32勝9敗(UFC2勝2敗)206lbs/93.44kg[判定3-0] ※30-27×3×ウィリアム・ナイト(米国)11勝3敗(UFC3勝2敗)※UFC2連続KO 218lbs/98.88kg ※※ナイトが体重超過。試合はナイトが対戦相手のグリシンに報奨金の40%を支払い「ヘビー級戦」として行われた。
【中止】
▼フライ級 5分3Rアレックス・ペレス(米国)24勝6敗(UFC6勝2敗)128lbs/58.06kgマット・シュネル(米国)15勝6敗(UFC5勝4敗)126lbs/57.15kg
※フライ級(125ポンド/56.7kg)で、128ポンド(58.06kg)と重超過したアレックス・ペレスについて「体重管理に問題があった」ため、マット・シュネル戦が中止に。