前田浩喜「“元チャンピオン”からまた“現チャンピオン”になる」
「仕上がりはいい感じで、体調もすごくいいので、いい動きができると思います」
――今回は3階級制覇を懸けた試合となります。
「やっぱり気合い入りますよね。フィジカルトレーニングを数年前から始めて体も大きくなったり、コンディションの勉強とかもして階級を上げていって、チャンピオンになるというのは成長の証や成果だと思うので、フェザー級のベルトを獲るのはそういった意味ですごく大事なことだと思います」
――フェザー級は体に馴染んでいますか?
「去年の試合(21年9月、57㎏契約で国崇にKO勝ち)はまだ、どちらかというとスーパーバンタム寄りだったと思うんですけど、今はフェザーでしっくり来ているので、2020年(フェザー級で2試合を行うも1敗1分け)とかに比べたら全然いい動きができると思います」
――これで3つ目の階級となりますが、その中で前田選手の中で変化はありますか?
「基本的にはそんなに変わってないと思うんですけど、単純にバンタムの時とかは終盤もう減量がキツかったので、普段の練習の時と全く違う動きだったのが歯がゆくて、そういう意味ではフェザーぐらいだと本来の自分の動きができているのかなと思います」
――減量苦のあったバンタム時代はどんな感じだったのですか?
「一番はもう体が重くて足が上がらないというか蹴れもしないし、パンチも出す気にもならないというか、気持ちも全然上がらないし。体重自体は戻っているんですけど、体調が戻らないというか。なんかずーっとボーッとしている感じで、体も重いし、“あ、もう試合ですか”みたいな感じで最後の方は試合をしていました。それでこれじゃダメだよなと思って階級を上げていきました」
――計量を終えて体重はすぐに戻っても、体調は容易には戻らないのですね。
「若い頃はある程度カバーできたのかもしれないですけど、さすがに年齢を重ねると、っていうところもあるのかもしれないです。でも今はいい動きができていると思います。ここは(3階級制覇を)必ず達成したいです」
――王座を争う大輔選手とは16年10月に対戦し判定勝利していますが、改めて印象をお願いします。
「ゴリゴリのムエカオ(※ヒザ、首相撲が得意な選手)というか、前に出て首相撲を狙ってというタイプだったので、あまり日本人にはいないタイプというか、そういう意味ではやり辛かったです」
――とはいえ一度下した相手です。苦手意識はなく自信があるのではないですか?
「そうですね、自分のやってきたこと・今やっていることに自信があるので、相手に関係なくその自分のスタイルにハメれば勝てると思っているので、ただそれにハメるだけです」
――大輔選手も得意の組みに持ち込むんだということを話していました。
「だから単純に、どっちが自分のやりたいことをやれるか、じゃないですか。お互いもうスタイルがあるので、そういう見方をするのも面白いんじゃないですかね。どっちが自分のスタイルを貫けるか、だと思います」
――昨年は国崇選手に勝利した1試合だけとなりましたがいかがですか?
「試合をもっとやりたかったんですけど、国崇選手と12年ぶりに戦って勝つことができたので、自分のやりたい動きもできたしちゃんとKOで勝てたので、そこだけを考えるならよかったです。自分の試合ができましたし、国崇選手も世界チャンピオンなので」
――今年は初戦からベルトの懸かる試合となりましたが、ここを乗り越えどんな風に見ていますか。
「勝って幸先いいスタートを切りたいです。やっぱり『現チャンピオン』という響きがすごくいいし、いくら国崇選手、世界チャンピオンに勝ってもタイトルマッチじゃなかったら自分は『元チャンピオン』のままなので。やっぱり現チャンピオンと元チャンピオンって少し違う気がしますし、今回獲ればまた違うステージ、さらに上のステージにも行けて幅も広がると思います。必ずベルトを獲って、チャンピオンとしてまたどんどん試合をやっていきたいです」