2022年2月5日(日本時間6日)に米国ラスベガスのUFC APEXにて「UFC Fight Night: Hermansson vs. Strickland」が開催された。 ミドル級でオクタゴンデビューを迎えるチディ・ンジョクアニは、UFC、ONE、Eagle FCで戦うアンソニー・ンジュクアニの実弟。
「2000年頃に兄の紹介で格闘技を始めた」チディは、BJJ黒帯と22年間のムエタイがベース。セルジオ・クーニャに師事し、立ち技ではワールドコンバットリーグ、ライオンファイト、プッシュキック等で活躍。
2007年にプロMMAデビューを果たすと、タチパレス時代に現UFCのアラン・ジョーバンをボディキックでKOするなど、ウェルター級王者に。
2015年からBellatorに参戦し、2017年12月には日本の加藤久輝に判定勝ちするなど5勝3敗。「ダナ・ホワイトContender Series 2021」を経て、今回のUFCデビュー戦にこぎつけた。
対するバリオーは、前戦でコンゴの柔道王者で、EFCライトヘビー級&ヘビー級王者のダルチャ・ランギアムブーラに判定勝ちでUFC2勝3敗。
▼ミドル級 5分3R〇チディ・ンジョクアニ(米国)21勝7敗(UFC1勝0敗)185lbs/83.91kg[1R 0分16秒 KO] ※右ストレート→パウンド×マルク・アンドレ・バリオー(カナダ)13勝5敗(UFC2勝4敗)184.5lbs/83.69kg
1R、ともにオーソドックス構え。前蹴りでバリオーを弾いたンジョクアニが詰めると、バリオーの左ローに左ジァブを合わせたンジョクアニが、さらに左を打ち返してきたバリオーに右ストレート! 後方に倒れたバリオー。左パウンド連打でレフェリーが間に入った。
UFCデビュー戦のミドル級ファイターとして、歴代2位のフィニッシュタイムとなる16秒KO勝ちでオクタゴン初陣を飾ったンジョクアニ。
試合後、ケージの中で、セコンドの兄アンソニー、コーチのセルジオ・クーニャに感謝の言葉を述べると、「最高だね。世界最高峰の舞台で勝った。次でベルトに挑戦してもいい気分だ」とコメント。
また、試合後の会見では「夢が叶った。ついにMMAの大舞台で自分のスキルを披露する機会が訪れたんだ。自分が思っていたよりクレイジーなフィニッシュが出来ていい気分だ。完璧だ。どんな試合でも緊張するけど、今回は今まで感じたことがないような緊張だった。一懸命練習してきて花が開いた。よりこの先の準備が整っていく」と語った。
会見では“リアルジョブ”という実家の清掃業と並行して、MMAの練習を積んでいることも明かしているンジョクアニ。今回の試合前に、推薦を受けて、UFCパフォーマンス・インスティチュートで調整が出来たことに「ほんとうに凄い場所だった」と感謝すると、最後にKOの秘訣について、「作戦はすぐに殴りかかることだった(笑)。でも彼は凄くタフでいい打撃も持っているから、彼がダウンして驚いたよ」と、素直に語っている。
パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトで5万ドル(約570万円)のボーナスも獲得した、MMA21勝7敗のレコードを持つチディは、兄アンソニー・ンジョクアニのようにオクタゴンでも活躍するか。