2度目のRIZINに臨む渡慶次。DEEPで活躍するスタローンと対戦する
2022年2月2日(水)都内にて、RIZINが『SPASHAN HPS presents RIZIN TRIGGER 2nd』(2月23日・エコパアリーナ)および『+WEED presents RIZIN LANDMARK vol.2』(3月6日・会場非公開)の2大会の対戦カード発表記者会見を行った。
『TRIGGER 2nd』ではライト級(71.0kg)5分3Rで渡慶次幸平(クロスポイント吉祥寺)がハリー・スタローン(関谷柔術アカデミー)と対戦する。
渡慶次は2012年5月にプロデビューし、当初はPANCRASEを主戦場とするMMAファイターだったが、2017年からミャンマーの超過激格闘技ラウェイに参戦。現在まで8勝4敗6分と本場ミャンマーの選手が相手の試合でも勝ち越している。『LETHWEI IN JAPAN』の活動休止後はキックボクシングの試合に出場していたが、7月の『LETHWEI×UNBEATABLE』第1回大会でラウェイに復帰してジョナタン・バイエスを3R KO。2021年10月にもレバナ・デオグラシャスを2R TKOに降している。11月には地元沖縄でのRIZINに初参戦し、約4年ぶりにMMAに復帰したが大原樹里に初回TKOで敗れた。MMA戦績は7勝7敗。
スタローンは喧嘩に負けた悔しさから15歳の頃にキックボクシングを始めたが、17歳に柔術に出会うと、ヒクソン・グレイシーカップ、柔術グランドスラム、Copa Dumau De Jiu Jitsuなどで好成績を残す。以降はアマチュア修斗、アマチュアパンクラスなどの大会にも参戦し、地下格闘技では20戦以上経験。2011年にDEEP浜松大会でプロデビューしたが、怪我もあり長期戦線離脱。2019年9月にDEEP浜松大会で約8年ぶりに戦線復帰すると田中壱季からアームバーで一本勝ち。2019年12月にはDEEPで現RIZIN&DEEPフェザー級王者の牛久絢太郎とも対戦している(初回TKO負け)。2021年12月のDEEPでは高塩竜司に判定負け。
会見には渡慶次のみが出席し、「本当に人生って上手くいかないなとこの間の沖縄大会で思い知ったばかりなんですけれども、東京に夢と希望を持って出て来て、すぐにホームレスになって。結婚して子供が出来てやっとラウェイでRIZINに呼んでもらえるようなファイターになってRIZINに呼んでもらえて故郷で試合をしたんですが、早々にやられてしまったので凄く悔しい日々をそこから過ごしていまして。1日も忘れないように。その試合が終わった当日に大原(樹理)くんの方に稽古を付けてくれとお願いしまして、そこからずっと一緒にパンクラスイズムさんとKIBAの方でトレーニングさせてもらっている。その日から確実に今は強くなっているので、それを戦いの場で証明するだけなので、この闘志が消えるまでしっかり戦い続けたいと思います」と、前回戦った大原と練習を積んできたという。
「このRIZINでの活躍を通して、僕は日本のこのちょっと暗い雰囲気を変えるきっかけを作りたいので参戦しています」とする渡慶次は、最近『狂戦士』(クラウドブックス)という自叙伝を出版しており、「沖縄RIZINに出場させてもらったこともあり、沖縄から反響があって1000冊売るぞと思って1000冊買い取って300くらい売りました。沖縄から200冊くらい注文が来て売れました。多分、今回RIZINに出る、RIZINに勝つ、ニュースになる、そのことでまた注文が入るはずなのであと700冊を売るためにも今回の試合に勝って、また呼ばれてまた本を売って、儲かったお金は全部未来を作る子供たちに寄付するので、そういういい形をファイターとして今後も見せていきたいと思います」と、本を売って子供たちのために寄付したいと語った。
対するスタローンからは「今までの試合は家族の元に無事に帰ることや、職場で無傷で出勤することなど、自分にリミッターをつけている状態で戦っていました。しかし次に試合をする時はそのリミッターを外して、自分は死んでもいいぐらいの気持ちで戦うことを決めていました。そこにRIZIN出場のお話をいただいたので、この試合では先のことを考えずに死ぬ気でやります。自分とやる相手が可哀想に思います」と、覚悟を決めたとのコメントが読み上げられた。
RIZIN MMAルール(62.0kg契約)5分3Rでは、遠藤大翼(IGGY HANDS)と吉野光(ALMA FIGHT GYM LIFE)が対戦。
遠藤は23歳で格闘技を始め、2007年5月のDEMOLITIONでプロデビュー。2連勝を飾ったが2008年9月のCAGE FORCEで水垣偉弥に一本負けを喫し初黒星をつけられた。2009年10月にはPANCRASEで佐藤将光に判定勝ちしている。2010年にはKrushでキックボクシングデビューも果たし、再びMMAルールの試合に臨むと2014年には金太郎、加藤ケンジに勝利、2015年6月には手塚基伸を破るなど実力を証明した。暫くジムの指導に専念していたが、今回、地元静岡で開催されるRIZINで約2年半ぶりに復帰を果たす。
吉野はバックボーンの柔道で高校の時に愛知県高校総体ベスト4という実績を残しており、高校3年生でMMAを始めると2016年にアマチュア修斗東海大会で優勝。プロデビュー後はHEAT、GLADIATOR、Fighting Nexus、DXFC、PFCなど地方大会でキャリアを積んできた。2019年10月にはONE Warriorシリーズに参戦。チャン・サマートと対戦し判定勝ちで7連勝を記録したが、12月のアリ・モタメッド戦ではスプリットで判定負けを喫し連勝ストップ。2021年2月のRoad to ONEでは同じ柔道ベースの野瀬翔平に勝利し、2試合連続でベストファイト、MVPを獲得した。7月には初参戦となったDEEPで原虎徹に判定勝ちを収め、現在までに10勝2敗の好成績を残している。
会見には吉野のみ出席し、「僕はあまり知名度無くて、RIZINファンの皆さんはきっとRIZINバンタム級トーナメントに出ている選手が一番日本でトップで凄い選手って思われていると思うんですけれど、国内にはまだ強い選手がたくさんいて僕はその中でも強い選手だと思っているので試合当日は僕の強さを見せたいと思っています」とアピール。
「TRIGGERは新しい選手を見つけ出して活躍していく場を与えてくれている場所だと思っているので、僕は自分にピッタリの大会だと思っています」という吉野は「人と違うキャリアを歩んできた人間として、僕は地元が名古屋で今は上京してきたんですけれど、そういうところでやって来てキャリアを積んで東京に来てRIZINというチャンスをつかんだので、勝ち上がって行くところを地方でやっている選手にも見せたいと思います」と、“地方出身の星”になりたいと宣言。
昨年開催されたバンタム級ジャパンGPに出た選手たちと比べ、自分はどれくらいのポジションまで行く自信があるかと聞かれると「やってみないと分からないので何とも言えないですが、出ているメンバーと見劣りしないくらい、普通に勝てる可能性は全然あると思っています」との自信を語った。
対戦する遠藤は「格闘技に出会ってから自分の人生が変わりました。性格や考え方、人との付き合い方、謙虚さ、他にもいろいろとあります。このような素敵なスポーツを少しでも多くのかたに知っていただきたい、楽しさやかっこよさを伝えていきたい、と思っています。今回参戦するにあたっては、当ジムの子供たちや会員の皆さんに、ただの指導者ではなくて選手としての顔も見てもらいたいと思いました。いぶし銀の渋さを伝えられたらと思っています」と意気込みを寄せている。