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【漢塾】石渡伸太郎が扇久保博正と引退エキシビション「伝えたいことはたくさんあります」、風間が2試合連続一本勝ちで優勝! 岩本健汰が最終回に極め切る=石渡伸太郎 引退興行

2022/01/23 14:01
 2022年1月23日(日)東京・竹芝ニューピアホールにて「石渡伸太郎引退興行 漢塾~継承~」が開催された。前日計量では、新型コロナウイルスの影響で中止となった第3試合を除く、全選手が計量をパスしている。  メインイベントで、大晦日のRIZINバンタム級GPで優勝を果たした扇久保博正(パラエストラ松戸)と引退記念スペシャルエキシビションマッチ(5分2R)に臨む石渡伸太郎(CAVE)は、「明日はRIZIN(バンタム級)トーナメントを優勝した扇久保選手と戦えるということで、ほんとうに感謝の気持ちがあるんですけど、いったんそれは置いておいて、扇久保選手を明日、けちょんけちょんにしてやろうと思います。以上です」と、エキシビションながら、「けちょんけちょん」にすると、古傷を癒した身体で扇久保と組み技ではガチモードで戦うと宣言した。  両者は、2019年大晦日の「RIZINバンタム級王座挑戦者決定戦」で対戦し、扇久保がスプリット判定で勝利。その後、2人とも2021年のRIZINバンタム級JAPANグランプリに出場。石渡は一回戦で井上直樹にKO負けし、引退を表明。  一方の扇久保は一回戦で春日井“寒天”たけし、二回戦で大塚隆史をいずれも判定で降すと、大晦日の準決勝で井上直樹、同夜の決勝で朝倉海に判定勝ちし、GP優勝を遂げている。 「兄貴と2年振りに闘います!」というGP王者の粋な計らいに、塾長は最後のマットで思い切りぶつかり合うようだ。 ▼第8試合 石渡引退記念スペシャルエキシビションマッチ 5分2R-石渡伸太郎(CAVE)-扇久保博正(パラエストラ松戸)※勝敗無し  リングインで拳を合わせた両者。コールに扇久保は十字を切り、石渡はいつものブルポーズを見せた。  1R、サウスポー構えの石渡。オーソドックス構えの扇久保から先に組みに。突き放す石渡。左右のボディを突く石渡は扇久保のシングルレッグを切りバックテイク。そのスクランブルにハイキックを見せる。ダブルレッグに入る扇久保は脇を潜りバック狙いも踵を上げて正対する石渡。立ち上がりに扇久保はダブルレッグテイクダウン。上を取り返す石渡のに股を潜る扇久保。石渡は走り込んでのダブルレッグテイクダウンもそこに扇久保は腕十字を合わせに行く。  2R、シングルレッグに入る扇久保、ニータップも。立つ石渡は逆にレベルチェンジからシングルレッグ、切る扇久保に足払いを見せる。ともにボディロックテイクダウンからすぐに石渡も切り返し。ストレートフットロックの掛け合いから、スタンド。ダブルレッグテイクダウンを決める石渡。最後はスタンドで両手を合わせてから殴り合いに。扇久保が詰めて右を当てたところでゴングが鳴らされ、互いにハグをかわした。  試合後、扇久保は「石渡さん、普通に強かったです(笑)。自分は石渡さんのことをずっと嫉妬の目で見ていました。アマチュア修斗の頃から将来スターになるんだろうなと。こうして多くのお客さんが来て、間違いなく格闘技界のスターだと思います。僕は石渡さんと2度戦うことができて幸せです。いつか3度目の戦いがお互いの弟子でできればと思います。お疲れ様でした」と挨拶した。 引退セレモニー  RIZIN榊原信行CEO、DEEP佐伯繁代表、PANCRASE廣瀬隆司コミッショナーらから記念品、花束を贈られた石渡は、妻の麗さん子供とも記念撮影。最後に「本日はお忙しいなか、またコロナ禍のなかご来場、配信をご視聴をありがとうございました。タイトルも獲り、大晦日にも戦えて、皆さんの前でこういった場を設けていただけたことが、キャリアのなかで一番の名誉なことです。今後は指導者として、感動と興奮を与えられる選手の育成と、私自身も何かを皆さんに届けられるように精進していきます」と挨拶した。  また試合後のバックステージで石渡は、「おぎちゃんに負けてないでしょう(笑)。この5、6年くらい、いや7、8年くらい(怪我で)出来ていなかったタックルが3発くらい出せてよかったです。感謝の気持ちでいっぱいです。今後の格闘技界に伝えたいことはたくさんありますね。もっと選手とこうしたらいいのにとか。それをいろんな人を巻き込んでやっていけたらと思います」と語った。 [nextpage] ▼第7試合 バンタム級 (61.0kg)トーナメント決勝戦 RIZINルール 5分3R〇風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)60.90kg[1R 4分29秒 三角絞め]×上田直毅(パラエストラ東京/ファイティスジムMSC)61.00kg  和術慧舟會HEARTSの風間は、柔術強豪からMMAに転向し7勝1敗。PANCRASE初戦で櫻井裕康に判定負けも、2戦目で上田厚志をパウンドアウト、3戦目で山本敦章に腕十字で一本勝ち。2021年2月の「Road to ONE」で、GRABAKAの前田浩平にツイスターからのパウンドで1R TKO勝ち。9月には花レメ紋次郎TKを1R 後ろ手に極めてのアームロックで、怒涛の7連勝を飾っている。今大会のワンデートーナメント1回戦ではCAVEの雅駿介を前戦と同じアームロックに極め、決勝進出。  対する上田はMMA7勝5敗2分。ZST SWAT! で経験を積み、2019年8月から5連勝中で、2020年12月の前戦「TTF Challenge 09」では、西村大地と組みで激闘し、バックを奪うなどスプリット判定で競り勝っている。今大会の1回戦ではガッツ天斗を組みでドミネートし決勝進出を決めた。  ともにオーソドックス構え。先に詰める風間はダブルレッグへ。両足を広げる上田をボディロックで崩して手をマットに着かせると、その瞬間にバックへ。ヒザ裏を蹴って引き込むとすぐに4の字ロックへ。背後からパウンド。  左右に傾き首を守る上田に足を組み直した風間はリアネイキドチョークをパームトゥパームへ。そこは防いだ上田に、背後からパウンドを打つ風間は、三角十字に。これを腕をクラッチして防ぐ上田の起き上がりに三角絞めを合わせ、上田を失神させた。  優勝賞金30万円を獲得した風間は、リング上で「このような興行に呼ばれて嬉しく思います。自分はもっと上のステージに行きたいと思います、次戦に備えたいと思います」とさらなるステップアップを語った。  [nextpage] ▼第6試合 RIZINルール 69.0kg以下契約 5分3R×笹川JP(CAVE)68.65kg[3R 4分47秒 リアネイキドチョーク]〇岩本健汰(ロータス世田谷)68.70kg CAVEの笹川順平こと笹川JPは、5勝3敗。DEEP、Fighting NEXUSで怒涛の5連勝も、4月の「Grachan 47×Brave Fight 23」で岸本篤史に判定負け。6月の前戦ではロコク・ダリに判定負けで2連敗中。再起を目指す。  対するグラップラー岩本健汰は、2021年9月の修斗でMMAデビュー。椿飛鳥に1R、リアネイキドチョークで一本勝ち後、11月に修斗世界ランカーの結城大樹にも判定2-0で競り勝ち、2連勝中。  サウスポー構えの笹川は岸本戦で組みで戦い、ダリ戦では打ち合いで対峙するなど、相手によって臨機応変に戦うことが可能だ。前戦でグラウンドコントロールの強い結城相手にテイクダウンから極めには至らなかった岩本にとっては、スタンドの進化が問われる試合となりそうだ。 笹川「試合をすごく楽しみにしています。全力でMMAをやりますので応援よろしくお願いいたします」 岩本「明日は普通に勝ちます」  1R、低いシングルレッグからバックテイクが速かった岩本。足を4の字ロック、リアネイキドチョーク狙い。その腕をアゴ下から押し上げて防ぐ笹川。外れると岩本はマウントからヒジ! 下を向く笹川になおもリアネイキドチョークへ。ここもアゴ下の腕を両手で押し上げて凌ぐ笹川。  2R、左右を突く笹川にシングルレッグから崩してバックへ。立ったまま笹川に足をかけて引き込んだ岩本はすぐさま4の字ロックに。しかし石渡がセコンドにつくコーナーでチョークを凌ぎ、腰をズラして正対した笹川は、下の岩本にサッカーキック狙い。ブレークから岩本のシングルレッグを片ヒザをついて耐えた笹川。右で小手に巻き、コーナーで立つ。  3R、オーソドックス構えの岩本は右ミドル。さらにシングルレッグに入るも切る笹川は左の蹴りとストレートへ。回る岩本を追うと、2度目もスプロールするが、岩本は3度目にダブルレッグテイクダウン! 腰を抱き、笹川のフレームを潰して背中を着かせると、左で差してハーフから片足を三角に挟み細かいパウンド。ここで足を抜き立ち上がった笹川だが、すぐについていく岩本はボディロックテイクダウン! ここでスクランブルを許さず、すぐに4の字に組んだ岩本は、リアネイキドチョークへ。  ロータス世田谷の八隅孝平代表から「やり切れ」の声に、後半の力を使ったなかでアゴ、鼻上からパームトゥパームでリアネイキドチョークでタップを奪った。 [nextpage] ▼第5試合 RIZINルール フェザー級 5分3R×鬼神光司(CAVE)65.95kg[判定0-3]〇河名マスト(ロータス世田谷)65.80kg CAVEに移籍した鬼神は、2019年に修斗で4試合を戦い、三好涼太に判定勝ちするなど2勝1敗1分け。2021年5月にはPANCRASEに参戦し、TSUNEにリアネイキドチョークで一本負けからの再起戦となる。  対する河名は、レスリンググレコローマンで、2017年U-23世界選手権59kg級金メダル、2015年世界ジュニア60kg級銅メダル。専修大学時代に全日本学生選手権、全日本大学グレコローマン選手権も制している。東京五輪レースでは、文田健一郎、太田忍に次いで3番手につけていた強豪レスラー。  2021年7月のMMAデビュー戦でジェイク・ウィルキンスの左ハイを受けてのカットで延長Rに逆転負けを喫したものの、10月の「Road to ONE」新関猛起戦で再三のテイクダウンからリアネイキドチョークで一本勝ち。12月の3戦目では森崇純をテイクダウンからのパウンドで1R TKOに下し2連勝中。半年で4試合目というハイペースで経験を積んでいる。  MMA5勝5敗2分けの鬼神は粘り強いケージレスリングを得意としており、CAVEでいかに磨きをかけたか。ロータス世田谷でグレコからケージレスリングに進化させている河名にとっては、キャリアで優る相手に3連勝を飾れるか。MMAの引き出しの多さが勝敗を分けそうだ。 鬼神「CAVEの鬼神光司です。今日までしっかり練習してきて、仕上がりは非常にいいです。試合ではキャリアの差を見せつけて、しっかりKOで勝ちたいと思います。応援よろしくお願いします」 河名「バンタム級の歴史を作って来た石渡選手の引退興行に出場させていただくということを光栄に思います。ですが、それと同時に自分がやることは変わらないので、確実にやることをやってしっかり勝ちたいと思います」  1R、先にコーナーまで詰めて左で差して投げて崩す河名に、すぐに立つ鬼神。川名はコーナーに押し込みヒザ、左ボディを突く。ブレーク。スタンドで先に左を差す河名は首相撲に切り替え、ヒザ! コーナー背にする鬼神。  2R、左右から右で差してコーナーに押し込む鬼神。しかし体を入れ替える河名はダブルレッグへ。差し上げる鬼神の右拳を持つ河名だが、突き放す鬼神は右! 河名も左フックの相打ち。左で差して崩すが、右で小手に巻きコーナーで立つ鬼神。なおもアタックする河名。鬼神も差し返してブレーク。河名の入りに右を合わせる鬼神だが、ここで下がらない河名は左のショートも返し詰めてゴング。  3R、先に右ストレートを当てる河名だが、すぐに鬼神も右を打ち返す。左でおっつけて右で首後ろを抱え右ヒザは河名! 四つから崩して鬼神についにヒザを着かせると、コントロールへ。しかし、亀から立ち、シングルレッグで立ち上がる鬼神。  なおも詰める河名は左で差して得意の大腰気味に投げ! 亀から立ち上がる鬼神だが、すぐにおっつけて距離を作らせない河名はなおも左で差して腰を抱いて前方に投げ。亀から立つ鬼神は前転してのヒザ十字を狙うが、河名はヒザを曲げたまま潰して鉄槌。  すぐに鬼神も立ち上がり尻下でクラッチを組み持ち上げようとするが河名は倒されず。 判定は3者は河名を支持し、3-0で河名が勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 スペシャルグラップリングタッグマッチ 10分3本勝負〇中村K太郎(K太郎道場)&アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&MOSH)×奥野泰舗(CAVE)&卯都木豪(CAVE)※計量無し ※中村K太郎が外ヒール、三角絞めと2本を先取し勝利。 [nextpage] 【中止】第3試合 バンタム級(61.0kg)トーナメントリザーブマッチ RIZINルール 5分3R原 虎徹(CAVE)内山拓真(ボンサイ柔術)※新型コロナウイルスの影響で欠場※内山がコロナ関連の影響で欠場となり、試合中止。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 1DAYトーナメント1回戦 Bブロック RIZINルール 5分3R×ガッツ天斗(パラエストラ綾瀬)61.00kg[判定0-3]〇上田直毅(パラエストラ東京/ファイティスジムMSC)61.00kg※上田が決勝進出  ガッツと上田は4年4カ月ぶりの再戦。2017年9月にZST SWAT! 161で対戦し、ドローとなっている。  修斗で4連敗中のガッツだが、黒星は前川大輔、石井逸人、加藤ケンジ、齋藤翼といった強豪にいずれも判定負けでフィニッシュはされていない。2021年10月の前戦の齋藤戦が2年のブランク開けで、本調子に戻せるか。  上田はMMA7勝5敗2分。ZST SWAT! で経験を積み、2019年8月から5連勝中で、2020年12月の前戦「TTF Challenge 09」では、西村大地と組みで激闘し、バックを奪うなどスプリット判定で競り勝っている。 ガッツ「上田選手とは4年ぶりの試合になりますが、正直やることは一つなので、それをしっかりやっていきたいと思います」 上田「1年ぶりの試合ですけどとても調子がよくて楽しみです。自分が成長した姿を見てもらって、このトーナメント優勝したいと思います」  1R、左右で詰めるガッツにボディロックテイクダウンは上田。三角狙いからハーフからフルガードに戻すガッツ。  2Rも詰めるガッツにボディロックテイクダウンは上田。その際で跳ね上げようとするガッツだが、ハーフに抑えた上田が、ガッツの動きにバックマウントへ。リアネイキドチョーク狙いまらマウントも、リバーザルしたガッツ。離れて下の上田に蹴りを打つ。ブレーク、スタンドへ。ここも詰める上田が四つからテイクダウン。上を取る。  3Rも先にテイクダウンは上田。バツクから4の字ロックでリアネイキドチョーク狙い。凌ぐガッツだがドミネートされゴング。判定は3-0で上田が、風間が待つ決勝へと駒を進めた。 [nextpage] ▼第1試合 バンタム級 1DAYトーナメント1回戦Aブロック RIZINルール 5分3R×雅 駿介(CAVE)61.00kg[1R 3分25秒 アームロック]〇風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)60.90kg※風間が決勝進出  雅は元ムエタイオープンライト級王者&スック・ワンキントーンライト級王者&WMC日本ライト級王者。2021年2月のDEEPでのMMAデビュー戦で「朝倉未来1年チャレンジ」のヒロヤを相手にケージムエタイを駆使して判定勝ち。しかし、7月の前戦では元英雄伝説アジア王者のRYUKIを相手に、テイクダウンを仕掛けるも際で下となり、三角絞めを外されパウンドでTKO負け。今回が再起戦となる。  和術慧舟會HEARTSの風間は、柔術強豪からMMAに転向し7勝1敗。PANCRASE初戦で櫻井裕康に判定負けも、2戦目で上田厚志をパウンドアウト、3戦目で山本敦章に腕十字で一本勝ち。2021年2月の「Road to ONE」で、GRABAKAの前田浩平にツイスターからのパウンドで1R TKO勝ち。9月には花レメ紋次郎TKを1R 後ろ手に極めてのアームロックで、怒涛の7連勝を飾っている。  雅のMMAムエタイか風間のMMAグラップリングか。互いにその狭間の組み、打撃にも注目だ。優勝するためには1日2試合を勝ち抜かなければならず、1回戦でより消耗するのはどちらか。風間は2021年9月のネオブラッド・トーナメントでワンデー2試合を経験済み。雅は立ち技では、2014年のKAMINARIMON全日本トーナメント65kg級などで優勝を遂げている。 雅「この試合が決まって本当にキツい日々を過ごしてきたのですけど、試合で勝つためにいろいろやってきたので、僕が勝ちます」 風間「トーナメントでは2フィニッシュ、圧倒的に優勝したいと思っています」  1R、先に詰める風間。雅は左ジャブもすぐに組んで倒す風間。コーナー使い立ち上がる雅。ボディロックする風間のクラッチを外そうとする雅。  背後から左足首を掴んで引き出そうとする風間。雅の右足を両足で挟み、引き出すと、そのヒザの抜き際にバックから足をかけてリストコントロール。  さらに前戦同様に、相手の左手を後ろ手に掴みハンマーロックへ。最後は正対してマウントから風間が絞ると、ワンハンドキムラの形で肩が外れたか、タップしたか、レフェリーがストップした。 [nextpage] ▼オープニングファイト DEEP FKT決勝戦ルール 漢塾トライアウトマッチ DEEPフェザー級 5分2R〇木本海人(CAVE)[判定3-0]※20-18, 20-17×2×竹下 登(暁道場)※当日計量
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