MMA
インタビュー

【漢塾】石渡伸太郎、引退試合で扇久保とガチ宣言の理由を語る。CAVE勢は「全滅も全然あり得る」「漢を出して自分を超えて」

2022/01/23 00:01
 2022年1月23日(日)東京・竹芝ニューピアホールにて開催予定の「石渡伸太郎引退興行 漢塾~継承~」の前日計量が13時30分から都内にて行われ、新型コロナウイルスの影響で中止となった第3試合を除く、全選手が計量をパスした。  計量後、今大会の主催者かつメインイベントで、大晦日のRIZINバンタム級GPで優勝を果たした扇久保博正(パラエストラ松戸)と引退記念スペシャルエキシビションマッチ(5分2R)に臨む石渡伸太郎(CAVE)がインタビューに応じた。  公開計量で「扇久保選手を明日、けちょんけちょんにしてやろうと思います」と語った真意とは? また、CAVE勢にとって厳しい試合を組んだ理由も、石渡は語った。 長期で休んでいたら、身体の麻痺がどんどん抜けてきた ──会見でのコメントでは、明日のエキシビションに向け、「扇久保選手を明日、けちょんけちょんにしてやる」という言葉がありました。 「はい。『ぼっこぼこにする』って言うとちょっとニュアンス違うかなと。『けちょんけちょんにしてやろう』と思います」 ──それほど仕上げてきた、ということですか。 「正直、仕上がってるかどうかは分からないんですけど(苦笑)、一番最初にまず、今回主催者として、セコンドとして、選手として、いろんな面から関わらせてもらって、これまでずっと僕は若い時から生意気な顔して大会に出てましたけど、まずは興行があるっていう、このことに、いろんな方に支えられてやっていたんだなって実感しました。そういった中で忙しく過ごしてたので正直、ものすごく仕上がっているかといえばそうではないですが、本当にこの試合で引退するってことを発表してから、長期で休んでいたこともあって、身体の麻痺がどんどん抜けてきたんですね。具体的に言うと、左の大胸筋とかまったく感覚がなかったんですけど、それが今は感覚がある。その状態で普通にスパーリングすると、正直どの選手とやっても負けないですね。だから扇久保選手とやっても、まったく遜色ないというよりは、怪我がなければ上だろうと思っています」──「復活興行」になりそうな勢いのある言葉です(笑)。 「フフフ、強いこと=選手としてやることではないと思うので。そういう新しい仕事でも強さを証明して、コーチとして、説得力を見せるというか、信頼を得るための戦いと思って、ある意味、選手としてのキャリアの終わりというよりは、コーチとしてのキャリアのスタートとして、扇久保選手をけちょんけちょんにしようと思っております」 ──あらためて、対戦相手が扇久保博正選手になったことについてどんな思いからでしたか。 「あのバンタム級GPで、最後はワンデートーナメントで優勝して、今回、短いスパンのなかで受けてくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。それとは別に、もともと僕、1回目RIZINで扇久保選手と戦うとき(2019年大晦日「RIZINバンタム級王座挑戦者決定戦」)に、“この辺と一緒にしないでほしい”ということを、言ってたと思うんですけど、もはやそんなこと誰も覚えてないくらい、僕と扇久保選手じゃ、ものすごい差が開いてしまいました。でも、今回のエキシビションで僕はフレッシュな状態。フレッシュといっても筋力的には7割くらいですけど、それだけ戻ってきただけでも、扇久保選手をけちょんけちょんにできると思っているので、そういう最後の自分のプライドを見せられるか、逆にけちょんけちょんにされるか。“やっぱトーナメント覇者つええな”と思わされるか。分からないですけど、僕は自信があります」 ──最後の“顔見せ”的なエキシビションではないのですね。 「見ている人が分かる形でしっかり差をつけたいと思っています。扇久保選手にも前もって伝えてますけど、エキシビションだからってへらへらやるつもりはないです。ルール違反になっちゃうから、思いっ切り顔面を殴ることはしないですけど、思い切り組み伏せようと思っています。しっかり、扇久保選手をやっつけにいくし、扇久保選手も来てくれる。そういう約束を僕はしています。扇久保選手もファイターなんで、“やってやるよ”みたいな感じになるんじゃないですかね。“何言ってんの、俺の方が強いよ”っていう。そういう雰囲気は出てました」 ──MMAグラップリングのようなエキシビションになるでしょうか。 「扇久保選手が、今回受けてくれたことに対する最大のリスペクトは、思いっきりぶん殴らないということ。でも、当たったときのことも考えてグローブのサイズはちょっと大きめにしています。そのなかで打撃も、“今の(まともに当たったら)倒れたんじゃね?”“今の失神したでしょ”という瞬間を作ろうと思います」 [nextpage] 弱気や恐怖も全部跳ね除けて漢を出して、僕を超えるファイターになってほしい ──そのほかの試合も今回のルールはRIZINルール。1デイトーナメントも組まれました。それを後輩に経験させたかったのでしょうか。 「正直、1デイを経験させたいという気持ちはないです。ただ1日しかない興行のなかで、ある程度、皆さんに説得力のあることをしようとすると、どうしてもトーナメントとして組む必要があったので組みました。やっぱり、いま国内で一番盛り上がっているRIZINのルールを採用することによって、よりいろんな人に見てもらえるチャンスが増えるんじゃないかと思いました」 ──これまでRIZINルールを経験していない選手もいます。シビアな戦いになる可能性もありますね。 「僕は自分でファイターとしてやってきて、基本がRIZINルールみたいな感じで戦っていて、ほかの団体に出るときは、“こっちではこれやっちゃいけない”という感じで戦っていたんですね。なので、それが普通なのですが、皆もそんなに問題ないのかなと思っていたけど、それで辛いなら今回を機に見直してください(笑)」 ──そのコンディションの良さを活かして、今回出場するCAVE勢(雅駿介、鬼神光司、笹川JP)の皆に稽古つけてきたのでしょうか。 「そうですね、今までスパーリングとか一切、出来なかったんですけど、今年に入って数回やって、痺れもなく、雅とかには直々に稽古つけてやってきました」 ──その雅選手は、ワンデートーナメントの初っ端から強豪の風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)との対戦になりました。 「これが事実上の決勝戦だと思うのですけど、優勝候補の風間選手に対抗するのが雅だと僕は思ってるんですけど、それがいきなり1回戦で、お互いフレッシュな状態で、お互い潰し合おうっていう、そういう互いの意思により、今回この組み合わせになったと思います」 ──ほかカードも含め、CAVEの塾生がヒリヒリするようなマッチメイクをしたのは? 「雅に関しては、絶対に落としちゃいけないと思うんですよ。厳しいところなんですけど、普通に考えて雅は、DEEPにランキングがあったとしてもランキングに入らないでしょうし、それに対して風間選手はPANCRASE1位まで行っているので、タイトル戦線でどうなんだってところの選手じゃないですか。  だけど、雅は力があるだろうというのが僕の読みで組みました。彼にとっては、このトーナメントは絶対クリアしなきゃいけないんですよ。それに対して、鬼神、笹川に関しては、変な話、まだ全然誰も知らない。だから“まだ何回負けてもいいよ”と言っていて、そのなかで何かのタイミングでガラっと化けるタイミングが出てくる。特に笹川は、CAVEで始めて日が浅いですけど、最初来た時と今とでは全然違う動きをしている。結構仕込んだので、“もしかしたらいけるんじゃないか”というのが今回の試合で出るかもしれない。それまではひたすら試練を与え続け、何回負けても強い選手とやって強くなってほしい。今回も“負けていいよ”とは言わないけど“まだ道の途中だ”と言っています。負けたら引退という話じゃなく、これから強くなっていくなかで、強い選手とやっていく試合。とくに鬼神は、階級が実は一個上げているんですけど(※これまではバンタム級)、これも試練で。自分も強くなりたいから、強い相手とやるということです」 ──リザーバーになったら同門対決もありのトーナメントでしたが、残念ながらリザーブマッチのCAVEの原虎徹選手と内山拓真選手の試合は、内山選手のコロナ検査陽性で中止となってしまいました。 「あれも、(雅と原で)『どっちが強いの?』と言っても、どっちも『自分が強い』というし、『じゃあやれば』と言ってたんですけど、流石に反対ブロックで組んで、やらせるのも……もしリザーバーで上がってきちゃったら(同門対決も)しょうがないとは思ってました。でもそれも無くなったので。僕の目から見てどっちかなというのは僕がトータルで見て、今回選んだつもりです。でも(原も)リザーブマッチが無くて悔しい気持ちだと思うので、どっかでチャンスがあったらまた試合を組んであげたいです」 ──ジム単位でも、今回のようなボーダーレスなマッチメイクがまた見られたら、と思います。 「僕は出来ないっス(苦笑)。僕は2度とできないです。当日たくさんの人が集まってくれるのは幸せな気持ちでいっぱいで、嬉しさもいっぱい、忙しさもいっぱいいっぱいで、人生のなかで一番忙しく生きてました。頭からずっと煙が出ているような感じで、明日もきっとずっと煙出てます(笑)。ホッとする時間が無いし、アップしてから会場入りしようと思っています。スタッフ入りにされるんじゃないかと。何時起きなんだろう(苦笑)」 ──あらためて「継承」の思いを。 「難しいですね……今回の1試合でみんなにバーンと継承できるとは思ってないです。最終的に目指しているものがあって、そこに向かうための試練で練習でもあります。最終的に一番になればいい。とにかくCAVEの選手は、今回、全滅が全然あり得ると思っていて、大試練を与えました。そのなかで彼らは日々の練習でも厳しくやってますし、試合のなかで、弱気になったりとか、怖いっていう気持ちとか色々あると思うのですけど、そういったもの全部跳ね除けて、それぞれが漢を出して、そして結果を出して、それが積み重なっていくことで僕を超えていくファイターになってほしいと思っております」 ──ところで、メインの石渡伸太郎vs.扇久保博正戦のリングサイドには、両“女将”が揃うのでしょうか。 「プロポーズしたけど向こうはまだ“彼女”ですよ(笑)。招待してます!」
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