NO KICK NO LIFE(第2部)2022年1月9日(日)東京・ニューピアホール
▼メインイベント(第5試合)61.5kg契約 3分5R〇森井洋介(野良犬道場/KING OF KNOCK OUT初代ライト級王者)判定3-0 ※48-47、50-47×3×健太(E.S.G/元WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
森井は国内ライト級屈指のハードパンチャーで、近年はKNOCK OUTのエースとして活躍。2016年9月の旗揚げ会見スペシャルマッチから2019年2月までに11勝(9KO)2敗1分という戦績を残した。2017年に開催された「KING OF KNOCK OUT初代ライト級王座決定トーナメント」では3試合全てKOで制し、初代王座に就いている。チャンヒョン・リー、原口健飛に連敗してどん底を味わったが、2020年10月のNO KICK NO LIFE復活大会で翔貴にダウンを奪われながらも逆転KO勝ち。再起を果たし、2021年2月の同大会では永澤サムエル聖光に判定勝ち。7月には前口太尊の引退試合の相手を務め、得意の回転ヒジ打ちでKOした。戦績は45勝(30KO)10敗5分。
健太は2005年にプロデビューすると、2008年5月にNJKFウェルター級王座を獲得。その後、NJKFスーパーウェルター級王座、初代Krush -70kg王座、WBCムエタイ日本ウェルター級王座を獲得。NJKFを代表する選手として『ONE Championship』など世界を舞台に戦ってきた。2021年9月にホームリングNJKFでの試合で100戦目に到達、その試合を勝利で飾っている。11月のBOMではキヨソンセンにダウンを奪われて敗れた。戦績は62勝(19KO)32敗7分。
森井はこれが61戦目、健太は102戦目と共に大ベテランだが、今回が初対決となる。“剛”の森井か、“柔”の健太か。
1R、健太の前足を内側と外側から蹴り、フックとボディにつなげる森井。健太はジャブを突き、右フックからの左ロー。健太は森井の強打を警戒している様子でよく見てかわす。
2R、両者ギアを上げて健太は速いジャブ、森井はインローを蹴ってフックにつなげる。ローを蹴ろうとした健太に森井の左フックがヒット。間合いを詰める森井だがヒジを警戒してか手が出ない。それでも左ボディ、右ロー、右ボディとヒットを奪う。終盤、健太も連打を繰り出して挽回を図る。
3R、前に出る森井が左右フックから左ロー。森井の左右フックに健太も左右フックで打ち合うが、森井の放つ左奥足ローにガクッと腰を落とす。森井はさらに左右でボディも打ち、右ローも蹴る。健太は左フックを打つがこのラウンドは明らかな劣勢。
4R、ジャブやローを出す健太に森井は強い左フック、左ボディ、左ロー。左フックからの右ローも決める。健太は森井のパンチをよく見てかわしてみせるが、ローをもらってしまう。健太がヒジを出せば、森井もロープに詰めての右ヒジ。森井はロープを背負った健太にもっと詰めたいが、健太のヒジを警戒。その通り、健太は終盤にバックスピンエルボーを繰り出した。
5R、両者ジャブを突いて右につなげる。森井は左ローも蹴る。森井は連打からヒジを繰り出し、健太はロープを背負いながらもハイキック。森井が右ローを蹴ると、健太が明らかなダメージを感じさせる。前に出る健太は左右フック、右ストレート、右ローで攻め込み、健太も打ち合う。森井はバックスピンエルボーに懸けたが不発。
勝敗は判定に持ち込まれ、森井が大差をつけての判定勝ち。勝利者インタビューでは「今年一発目だったので絶対にKOしたかったんですが、さすが百戦錬磨の健太選手。倒せなかったのですいませんでした。今年は勝負の年で、一発目が微妙な勝ち方をしてしまいましたが、次はKOするので今年もよろしくお願いします」と答えた。
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▼セミファイナル(第4試合) 70kg契約 3分5R〇緑川 創(RIKIX)判定3-0 ※49-48×2、50-47×プライチュンポン ソーシーソムポム(タイ)
緑川は2005年デビューのベテランで、新日本キックボクシング協会でミドル級王座とWKBA世界スーパーウェルター級王座を獲得。K-1 MAX世界王者アンディ・サワーにも勝利した実績を持ち、国内ミドル級最強の一角として長く君臨している。2020年7月よりRISEに参戦し、ウェルター級王者の“ブラックパンサー”ベイノアから2度ダウンを奪い強さを見せつけるも、その後は海人、憂也に連敗。2021年2月に『NO KICK NO LIFE』で高木覚清に判定勝ちすると、6月の『RISE』で宮城寛克に判定勝ち、7月の『NO KICK NO LIFE』では憂也と引き分け、8月はモトヤスックに判定勝ち、9月の『BOM』では柿沼慶にKO勝ちと34歳にして4カ月連続試合に臨み、3勝1分の戦績を収めた。しかし、12月のRISEで新鋭のRYOTAROにまさかのダウンを奪われて判定負け。戦績は54勝(25KO)15敗8分2無効試合。
プライチュンポンは『MAX MUAYTHAI』や中国で試合をしていた重量級ムエタイ戦士で、2019年11月の『KNOCK OUT』に初来日。日本ミドル級トップクラスの元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98に勝利を収めた。その後は2019年12月の『BOM』でガオナー・PKセンチャイムエタイジムとのタイ人対決では判定負けを喫している。2021年3月にはK-1に参戦し、野杁正明と対戦するも判定負け。今回は本来のヒジ打ちありルールでの試合となる。
1R、緑川はサウスポーのプライチュンポンの右側へポジショニングしての右ロー、プライチュンポンは左ハイ、ヒジと序盤から倒す攻撃。プライチュンポンのローがローブローとなって試合は中断。再開後、緑川は右ボディから左フックを多用するがプライチュンポンのガードは固い。
2Rも右ローを蹴って左フックに繋げたい緑川だが、プライチュンポンは左ミドルとジャブで距離をとってくる。緑川はパンチの距離に持っていきたい様子もプライチュンポンはヒジを繰り出す。
3R、プライチュンポンはヒジ打ちを3度仕掛け、左ミドルを蹴る。緑川は右ストレートからの左フックをヒットさせ、右ロー、右インローを蹴る。ヒジを打ってくるプライチュンポンに右ストレート、左ボディを当てていく緑川。プライチュンポンのヒジをかわしてのパンチが目立った。
4R、緑川が右ボディからの左フック、右ストレートで攻め、プライチュンポンは左ボディストレート。プライチュンポンは左ヒジを出すが届く前に緑川のパンチをもらってしまう。緑川の右ローに後退するプライチュンポン。緑川の左右フック、右ローにプライチュンポンは表情が変わる。
5R、プライチュンポンが頭を下げたところへ飛びヒザを見舞う緑川。ロープを背負って動くプライチュンポンに緑川が攻め、プライチュンポンが組み付くという展開が続く。判定は攻めの姿勢を見せた緑川が3-0で勝利した。
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▼第3試合 62kg契約 3分3R△髙橋聖人(真門ジム)ドロー 判定1-1※30-28、29-30、29-29△トン フェロージム(タイ) 高橋は現在NKBライト級2位で、戦績は18勝(5KO)3敗2分。高橋3兄弟の三男だ。
1R、高橋は右ローと前蹴り、トンは前蹴りをボディと前足に打ち、組み付いてヒジ狙い。トンはガードをしっかり固めて様子を見ていたが、首相撲に行く展開が目立った。
2R、コンビネーションでボディを狙う高橋にトンはやはり首相撲からのヒジで対抗。高橋もヒザで応戦。
3R、高橋は右ローを狙い撃ち、トンは前蹴りと左ミドル。どっしりと構えるトンに高橋も攻めあぐねている様子で、トンもあまり手を出さない。高橋がハイキック、トンは組んでのヒザ。両者決め手なく、判定はドローとなった。
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▼第2試合 70kg契約 3分3R△喜多村誠(ホライズンキックボクシングジム)ドロー 判定1-0 ※29-28、28-28、28-28△璃久(志真會館)
喜多村は大学の空手部で主将を務めたのち、伊原道場に入門して2005年7月に新日本でプロデビュー。2011年10月に第4代日本ミドル級王者となった。2015年5月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王座にも挑戦している。2018年10月、元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者のT-98をヒジでカットし、TKO勝利。伊原道場から独立して最初の海人戦ではKO負けを喫したが、その後は3連勝。2021年7月にはBOMミドル級王座決定戦でJを破り王座に就いたが、12月のリマッチで敗れて王座を失った。
璃久は2020年11月の後楽園大会で村田義光に延長戦の末に敗れたが、2021年7月の勝川大会では、実力者・小原俊之に大差を付けて番狂わせの勝利を収めた。8月には数々の大会で優勝を飾っているフルコンタクト空手家・小野寺天汰にKO勝利。戦績は4勝(3KO)2敗。
1R、いきなり璃久が左右フックからボディへのヒザと猛攻を見せる。ガードを固めてローとミドルを蹴り返す喜多村だが、璃久はパンチで攻める。璃久はバックハンドブローから左右の連打、喜多村も左奥足ロー、右ストレート。
2R、喜多村は徹底的に左右ロー。ワンツーからの左ハイが音を発して璃久の顔面をとらえる。璃久は蹴りから細かく連打し、飛びヒザにつなげていくが喜多村のガードは固い。左ミドルを蹴る喜多村に璃久は左ボディストレート。
3Rが始まってすぐ、前へ出てパンチで攻める璃久にキムタラの右ストレートがカウンターでヒット、ダウンを奪う。逆転を狙う璃久は飛びヒザ、ハイキックを繰り出すが喜多村は右を当てに来る。長いジャブを伸ばし、右ストレートを繰り出す喜多村に璃久も声を上げながら右フックを叩き込み、タイムアップ。
判定はジャッジ1名が喜多村を支持したが、ドローとなった。
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▼第1試合 60kg契約 3分3R〇翔貴(岡山ジム)判定3-0 ※29-28、30-29×2×旭野 穂(野良犬道場)
翔貴はRISEやKNOCK OUTにも出場。栗秋祥梧を相手にドローに持ち込んだ戦績が光るが、その引き分けを挟んで8連敗を経験。2021年5月に新田宗一郎と引き分けると、9月にRISING大輝に判定勝ちで連敗を脱出。しかし、12月5日のINNOVATIONスーパーフェザー級(58.96kg)王座次期挑戦者決定トーナメント決勝戦で新田宗一郎に初回KO負けを喫した。戦績は11勝(6KO)17敗7分。
対する旭野はKROSS OVER認定-60kgキック初代王者で、森井洋介の弟分。2021年10月には17日(ドロー)と31日(初回KO勝ち)に1カ月2試合を行うという破天荒ぶり。戦績は10勝(7KO)6敗2分。
1R、サウスポーの旭野に対して左へ回り込んでいく翔貴に旭野はパンチと右ローを出しながら前進を続ける。ロープを背負った翔貴へ旭野は左ストレートを直撃。
2Rも前に出るのは旭野。パンチとロー、右ミドルで前へ出る。翔貴は左ミドルとヒジで迎え撃つが、打ち合いになると旭野が右フックをヒットさせ、翔貴はすかさず組み付いてヒザ蹴り。
3R、左右ストレートと左右ローで前へ出る旭野に右ミドル、左フック、そしてヒジで応戦する翔貴。旭野も左フックをヒットさせる。翔貴が左フックを当てれば旭野も左ストレートを返し、判定は明確なヒットが多かった翔貴の勝利となった。