眼鏡をかけてリモートインタビューに応じた三浦(C)ONE Championship
2022年1月14日(金)シンガポール・インドアスタジアムで開催される「ONE: HEAVY HITTERS」にて、ONE女子ストロー級世界タイトルマッチに臨む三浦彩佳(TRIBE TOKYO M.M.A)のインタビューが主催者より届いた。同級4位の三浦は王者ション・ジンナン(中国)に挑戦する。
三浦は中学入学後から柔道を始め、高校時代に埼玉県大会で優勝したほか、数々の大会で優勝を収めた。22歳でMMAに転向し、2014年5月プロデビュー。DEEP JEWELS、PANCRASEを経て2019年2月からONEに参戦し、3連勝も2020年2月にストロー級(※56.7kg)で対戦したティファニー・テオ戦で初黒星。2021年5月に58.3kg契約でハイアニ・バストスに1R2分58秒、キーロックで勝利して再起を飾った。
王者ジンナンは2018年1月にティファニー・テオとの王座決定戦でTKO勝ちして初代ONE女子ストロー級世界王座に就くと、ラウラ・バリン、サマラ・サントス、アンジェラ・リーに勝利し、2019年10月には1階級下のONE世界女子アトム級王座戦でアンジェラと再戦。5R リアネイキドチョークで敗れている。2020年10月にテオとの再戦を判定勝ちで4度目の防衛、2021年9月には柔術世界王者ミッシェル・ニコリニを判定で破り5度目の防衛に成功しているストロー級の“絶対女王”だ。
前戦で強いハートで組んできたニコリニの寝技をことごとく凌いだジンナン相手に、三浦は得意の首投げから袈裟固め&アメリカーナ「彩佳ロック」を極めることが出来るか。
凡人でも頑張れば、王者になれるところを見せたい
──王者ション・ジンナンとの対戦が決まったと聞いた時の気持ちは?
「最初は、去年の9月に聞きました。驚きましたね。(当初)試合は10月の予定だったので、間に合うのかなとトレーナーにも相談しました。ジンナン選手も9月に試合をしていたので、大丈夫なのかなと思いました。最初は驚きましたね」
──ジンナンはONEに参戦してから誰も止められない勢いを持っています。
「彼女とタイトルマッチやって負けていて、私にも負けている選手が2人(ラウラ・バリンがジンナンに5R 判定負け、三浦に1R 一本負け。サマラ・サントスがジンナンに3R TKO負け。三浦に2R 一本負け)いたので、そこはあまり気にしていないですね」
──ジンナンはアグレッシブな打撃がトレードマークでもあります。最も危険だと思うテクニックはなんだと思いますか。
「左右に振ってくるパンチは危険だと思います。それと、アンジェラ・リーを倒したボディも強力だと思っています。 彼女と打撃をやり合うっていうよりかは、打撃を見る練習をしてきました。パンチを見る、もらわないようにする、目を鍛えてきました」
──では、ジンナンのグラップリングについてはどう評価していますか。
「出来なくはないと思います。アンジェラ・リーに押さえ込まれても、対処していたので。試合ではあまり見せていないですが、実は強いんだろうなって思います」
──10段階でジンナンのグラップリングを評価したらどのくらいですか。
「6、7とかですかね。理由は、ディフェンスが上手い。それはつまり、基礎的な動きがしっかりできている。それを試合でできるから。自分からタックル行くとかできれば、完璧だと思います」
──ミッシェル・ニコリニもテイクダウンを取るのに苦労しました。柔術家の彼女とはどんな違いを見せられますか。
「ニコリニ選手は現代MMAではなかったですよね。しつこさとかもあまりなかったと思います。そういった違いはあると思います」
──現代MMAとしてアプローチしてテイクダウンを奪うと。そして得意技である“彩佳ロック”を仕掛けに行きますか。
「そうですね。隙があれば行こうと思います。まあ、彩佳ロックに行くまでにも色々とあるので、今回は今までとは違う試合展開になると思います」
──“彩佳ロック”を仕掛けられるとなぜ、相手は逃げられないのでしょうか。
「柔道の押さえ込みを使って、相手の肩を固定して肘を逆に曲げるっていう技です。関節を固定されて、逆方向に曲げられるので痛くて逃げられない、タップするしかないからですね。名前の由来? テレビ東京で最初に言われたのかなと思います。もしくは、ABEMA解説の大沢(ケンジ)さんが言っていたので、それが始まりかもしれません」
──同じTRIBEの若松選手とは同じジムですが、12月の試合で5連勝で王手をかけています。MMAキャリアの中で影響を受けていることはありますか。
「はい。彼は特にこの前の試合(中国のフー・ヨンに判定勝ち)では、3ラウンドで判定でしたけど、自分のやりたいことや引き出しを練習で増やしていました。見ている人からするとフィニッシュしてくれ、という思いがあったとは思いますけど、私は見ていて面白かったです。絶対パンチに行くって思ったところでテイクダウンするとか、練習でやっていることを試合で出すっていうのは、勇気がいること、難しいことですから。
気持ちが昂ってしまうのを抑えながら試合をしていた。気持ちをしっかりコントロールしながらできていて、すごいなと思いました。もし私があの試合だったら、1Rでフィニッシュしに行こうとして、2Rとか3Rでバテバテになっていたかもしれないと思いました。ペース配分を見ながら、やりたいことをやっていた若松くんはすごいと思いました。
彼の前回の試合から、気持ちを抑えること、ペース配分について勉強になりましたし、先日、PANCRASEでチャンピオンになった小川(徹)選手も、5Rのペース配分を巧くコントロールしてやっていましたね。トレーナーとも、今回の5Rの戦いに向けて話し合って、気持ちを抑える準備をしてきました」
──チーム仲もいいようですね。
「ジムの仲間はみんなとても仲が良いです。彼は、練習に向かう姿勢が真面目なので、彼を見ていると私もしっかりしなきゃな、もっとやらないとなって気が引き締まりますね。(自分は)練習以外はヘラヘラしている性格なので(笑)。ジムも良い雰囲気で、練習をたくさんする選手ばかりなので、みんなでたくさん練習しています」
──若松選手ともトレーニングをすることはあるのでしょうか。
「打撃も寝技も、トレーニングも一緒に練習します。ユウヤ君と私の身体の作りとか、頭の作りは似ているらしいので、私も同じように出来るようになるはず。彼と私は、トレーニングの内容も似ています。 ユウヤ君に投げを教えてください、とか言われたことがあります。ユウヤ君は寝技を習いに行って、それを私に教えてくれたりします。彼はよく情報をくれますね。彼は人に伝えることで覚える感じみたいです」
#ONEHeavyHitters まであと1️⃣週間!
— ONECHAMPJP (@ONECHAMPJP) January 7, 2022
ONE女子ストロー級世界タイトルマッチ、ション・ジンナン👑との戦いに向け燃える三浦彩佳🇯🇵!
1月14日(金)午後7:00〜
ABEMAで生中継をお見逃しなく😎@ayk917m #WeAreONE #ONEChampionship #格闘技 pic.twitter.com/kYneDEiX2K
──今回の試合予想として、メンボー選手が「(三浦には)レスリング以外何もない、打撃になれば厳しい戦いになるだろう」と話していました。何かお返しの言葉はありますか。
「メンボー選手は寝技ができないですよね。それだけです」
──この試合で証明したいことは何でしょうか。
「凡人でも頑張っていけば、チャンピオンになれるんだというところを見せたいですね」
──ファンにタイトルマッチの意気込みとメッセージをお願いします。
「メンボー選手がそういうのはすごく理解していて、みんなが私が勝てるの!? 無理なんじゃない? って思っている人もたくさんいると思います。そんな中でも、何とかしがみついて頑張っていくので、1月14日、応援宜しくお願いします!」