MMA
インタビュー

【RIZIN】王者ホベルト・サトシ・ソウザ「みんなに見せたいのは『夢を信じて!』ということ」=大晦日矢地祐介を相手に初防衛戦

2021/12/30 21:12
 2021年12月31日(金)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.33』の前日公開計量が30日、都内で行われ、セミファイナル第15試合で、RIZINライト級(71.0kg)タイトルマッチ(5分3R)に臨む、王者ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)が70.90kg、挑戦者・矢地祐介(フリー)が70.85kgでともにパスした。  計量後、「明日はもちろんみんなにいい試合を見せます。その後はベルトをまた持って帰ります」と防衛を宣言したサトシ。29日に行われたリモートインタビューとともに、王者の言葉を紹介したい。 もっと長い試合がやりたい。柔術だけの選手じゃないということを見せたい ──試合を控えた現在の心境は? 「(※すべて日本語で回答)うん! 元気ですね。大晦日に(出場するのは)初めてだから嬉しいです、はい」 ──これまでの大晦日はご自宅でテレビで格闘技を観戦していましたか。 「本当にそれについては面白いことに、私は3、4年くらい前はテレビで大晦日のRIZINを見ていて、川尻(達也)と北岡(悟)が試合していた(2018年)。今は、私がベルトをとって大晦日に出て。それは面白いね。もう、3、4年くらい前はRIZINに出てもいないけど、今は私がライト級のチャンピオンとして出られて、とても良かったです」 ──ベルトを獲って初めての防衛戦。ムサエフ戦とは違った意気込みがあありますか。 「うーん? まあ、そんなに変わらないですよね。私の気持ちは変わらない、全部の試合が大事だから。あまり変わらないです」 ──挑戦者の矢地選手の印象をあらためて教えてください。 「最初に対戦した時はちょっと早い(決着だった)から(2020年8月に1R 1分52秒でサトシがパウンドでTKO勝ち)、私と彼とは本当には分かっていない。彼はリベンジだと言うけれど、気持ちは初めて(の対戦)みたい」 ──どんな試合展開をイメージしていますか? 「もっと、もっと長い試合がやりたい。もっとみんなにいい試合を見せたいね。今、私はRIZINのチャンピオンだから。それで一人でも(多くの)みんなにもっといい試合見せたい」 ──見せたいのは、たとえば打撃ですか? 「両方。今までは、本当にグラウンドと極めだったから。もっと打撃のコントロールとか、グラウンド、投げのコントロールとかも見せたい。私がもっと見せたい(と言う)のは、(自分は)柔術だけの選手じゃない(ということ)ですね」 ──「柔術だけじゃない。ほかも出来ることを見せたい」というのは、練習のなかでそういう手応え、自分が出来るようになっているから見せたいという思いでしょうか。 「多分、もっとキックとか、あまりこれまでの試合で全然キックを使ってないけど、いまよく練習できているキックとか動きとかパンチとか、それをみんなにもっと見せたい」 矢地はテイクダウンディフェンスが強くなったけど、私の投げはちょっと違う ──当初、ジョニー・ケース選手と試合する予定だったのが、来日できなくなって作戦ももう一度作り直さなきゃいけなかったと思いますが、その点で、矢地選手はどんな選手だと感じていますか。 「ベース(が違う)。相手の構えがジョニー・ケース=オーソドックスから、矢地=サウスポーになったということの違いについて最初に考えた。(それ以外は)2人どちらでも、あまり変わらない。打撃もよく練習しているから、柔術はもちろん得意だけど、そのぐらい。2人のどちらであっても、そのベースだけの違いですね」 ──矢地選手は、MMAのレスリングがすごく強くなっていると思います。下になったらリスクもあるなかで、サトシ選手はトップからも攻められる。どう自分の柔術やMMAを見せたいですか。 「彼の試合をよく勉強したから。特に最後の2試合、いま彼にあまり(対戦相手は)投げ(テイクダウン)ができない。それで彼は投げのディフェンスが強くなったけど、私の投げはちょっと違う。彼が武田(光司)や川名(雄生)とやった時の、この2人の投げと私の投げはちょっと違う。私はよく勉強したから緊張しない。それに投げができなくてもまだ打撃に自信があるから」 ──同じボンサイ勢として、大晦日にシュレック関根選手や鈴木博昭選手(BELLWOOD FIGHT TEAM)も出る。一緒に練習してこれたことで、モチベーションや、自身の打撃が向上した手応えもありますか。 「それは本当にすごい。たまに私が疲れたら、鈴木さんが練習来るからということで私は頑張ったり、鈴木さんが疲れてきたら、関根さんが相手にやってきたりして、互いに引っ張りあった。それに鈴木先生もサウスポーだから、絶対に、彼とスパーリングできるのは、矢地が試合で打撃で来るから(その対策の上で)やれたことが、すごい大事。投げももちろん、チームの仲間とやれて嬉しいし、モチベーションがすごい上がる」 ──タイトルマッチでベルトを必ず持ち帰りたい? 「そうね。あまりベルトのことは気にしないけど。全部の試合がもちろん大事だから、ベルトのことは、あまり、もう今はチャンピオンになったから(笑)、そんなに気にしないしプレッシャーはそんなにない」 ──矢地選手には粘り強い組みの展開もありますが、やはり強みの打撃で勝負してくる可能性があります。それを迎え撃つ、やり合う気持ちがありますか。 「もちろんありますね。彼は打撃やりたいから。でも私も、今までは打撃そんなに使っていないから、やりたいです!」 ──それはすごく自信がある? 「ああ、もちろん! 彼が1回ミスしたら、KOパンチと、KOキックが私にはありますから。打撃でも、私には得意技があります」 ──それは鈴木選手から教わった打撃ですか? 「そうね、いろいろ鈴木さんに教えてもらい、そして彼が練習のときに『これを使えば絶対にKOできる』と言ってくれるから、そのことですごく自信が上がりました」 [nextpage] 相手が1回でもミスをしたらそれで試合は終わる ──相手は「ウィークポイントを見つけた」とということだが、そうはさせない? 「大丈夫ね。それはみんなが言うけど。まだ一人だけですからね、私に勝つことができたのは。私は気にしない。たくさん練習したから自信があります」 ──逆に矢地選手にもウィークポイントがある? 「彼は、まだ試合のなかでちょっと色々ミスがありますね。だからもう、彼が1回だけでも(ミスしたら)、私はすごい自信がある。(どんな試合でも)相手が1回だけでもミスをしたらそれで試合は終わる。だから(前回は)試合の早いところで1回、彼がミスしたから彼を極められた。私はすごい自信がある。今までの対戦は全部そうで、相手が1回だけミスしたら、それで試合が終わる。それが一番の自信」 ──そこを見逃さないと。 「そうです」 ──矢地陣営は「テクニシャンは先が読めるから諦めも早い」と指摘しています。それはケース戦を踏まえてのことだと思いますが、いまのサトシ選手は心が折れるようなことはないような成長をしていますか。 「ああ、それがもうね。私がよく言うのは『ジョニー・ケース戦の前と後では私は違う人』ということ。本当にジョニー・ケースの試合前はまだ、RIZINのトーナメントやベルトに挑戦できる段階じゃなかった。頭も心もまだ準備できていなかった。ただ、いまはその気持ちがあるから、あまり気にしないですね」 ──大晦日の試合がテレビで放送されるときに、あまり格闘技を見たことがない人にもアピールしたいことはありますか。 「私がみんなに見せたいのは『夢を信じて!』ということ。みんな見ると分かるから。面白いことに私は3年前くらいはまだRIZINデビューもしていないのに、今はRIZINチャンピオン。メインでやったり大晦日に出ている。本当に素晴らしいことでしょう? みんなが夢を信じて頑張っていれば、絶対できるから。それを試合(を通して)で見せるのは難しいかもしれないけど、それを見せたいと思っています」
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