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【RIZIN】体重差約20kgの五味隆典に挑む那須川天心「やってきた思いを全て五味さんにぶつけたいと思っています」五味は「KOするつもりで行かないと」

2021/12/25 22:12
【RIZIN】体重差約20kgの五味隆典に挑む那須川天心「やってきた思いを全て五味さんにぶつけたいと思っています」五味は「KOするつもりで行かないと」

那須川は「怖いけれど楽しみな部分の方が大きい」と五味にぶつかっていくつもりだ

 2021年12月31日(金)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.33』の追加対戦カード発表記者会見が、25日(土)都内にて行われた。

 これがRIZIN“卒業”マッチとなるRISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)の対戦相手は、なんと元PRIDEライト級王者の五味隆典(東林間ラスカルジム)に決定。3分2Rのスタンディングバウト特別ルール(攻撃はパンチのみ)エキシビションで行われる。決着はKOまたはTKOのみで判定は無し。


(写真)武尊のお面をかぶってきた五味

 意外な相手との顔合わせとなったが、これは那須川の方から五味の名前があがったことで実現に至ったという。那須川は会見で「公式戦のつもりで2カ月前から調整していたんですが、相手が見つからないというか、オファーしても断られてしまうという。ちょっと悲しくはなったんですけれど、そういう時に五味さんがオファーを受けてくださって。五味さんとなら最高の引退ができるというか。僕がまさかRIZINでPRIDEを体験できると思っていなかったので興奮していますし、やってきた思いを全て五味さんにぶつけたいと思っています」と、やる気は十分。

 五味は那須川戦のオファーがあった時は「2週間前だったので、お客さんに見せられる動きが出来るかなって想いがあったんじゃないですかね。ただ、こういった機会を…やっぱり格闘技をやる人だったら大晦日のリングに立ちたい想いがあると思うので、エキシビションという形ですが、立てる機会があるなら立ちたいですよね」と、大晦日だからこそ引き受けたとした。


 パンチのみのルールになったことに五味は「僕が格闘技を始めたきっかけがボクシングだったので、凄くそういったものは嬉しいですし、天心もRIZINの大きな試合を終えればボクシングに転向するってことで、そういった意味ではスタンディングバウトはやりやすい。今できる唯一の形かなって思いがあります」、那須川も「五味さんとならどのルールでも戦えることに光栄だと思って、このルールでやります」と、両者異存はない。

 RIZINラストマッチがキックルールではなかったことをどう受け止めているかと聞かれた那須川は、「もちろんキックでやりたいのはありましたけれど、もうやれる相手もいないので仕方ないなと思いました。でも、僕のRIZINはMMAルールでスタートしているので、最終的にはどのルールでも戦えればいいと思っていました」と、ラストマッチをこの大晦日にやることが重要だったとした。

 契約体重はどうなるのかとの質問に、榊原CEOは「ガチガチに契約体重は作っていません。階級をはるかに超えていますので。多分、五味さんは77~78kgで来るんじゃないですかね。天心は自由な体重でということになるので、階級を超えた異次元マッチになります」と、特に契約体重は設けないとする。


 グローブハンディについては「これからですが、体格差があるのでグローブハンディがあった方がいいかなと思っています。天心からするとメイウェザーと同じくらいの当日の体重差があるんじゃないかなと思いますね。あの時は嫌々でしたが、メイウェザーもグローブハンディを飲んでくれたので五味さんも飲んでくれるかな」と、ハンディは付ける予定のようだ。

 榊原CEOが「五味さんは逆に自分の方にグローブハンディをくれって言ってます」と明かすと、五味は「腕が重いんですから。グローブが大きければ大きいほど腕が上がらないですから。天心が『五味さん、ヘッドギア付けた方がいいんじゃないですか』って言ってくれると思っているんだけれど。去年、俺が言ったことを待ってるんだけれど(笑)」と言って場内を笑いで包んだ。

 それだけの体重差(那須川は通常の試合では55~57.5kg)があるが那須川は「怖くないと言ったら嘘になりますが、怖いけれど楽しみな部分の方が大きいですね。そこはあまり考えてないです」と、それほど気にしてはいないとする。


 五味は「正直80kg前後でいつも総合の選手に指導してますから。自分より大きな相手を受け止めて練習しないといけないので。(減量を始めて)たった1週間なんですけれど、昨日は76.5kgです。頑張って。汗をかいたところで動きがよくなるかと言ったらまた別の問題なので。今日まで一気に落として、日曜日までやりますけれど、75kgを切ればいいパフォーマンスが出来るかって言ったらそれもまた微妙。ただやっぱり絞れるところまで絞ってという想いがあります」と、絞れるところまでは絞るとした。

「パフォーマンスだったり、動きもそうですし、僕がKOした時にコーナーへ上がったりするのは五味さんの真似していますし、いい試合をしたらやっていいよって言われたのでやっています。そういった部分を含めてですね」と五味への憧れがあったという那須川。「格闘家の中でもそうですし、僕の中でも大晦日といえば五味さんというイメージがあると思うし。戦うにおいてはエキシビションというのもありますし、思い切りぶつかっていこうと。それしか考えてないです。技術とかっていうのも大事かもしれないですけれど、そういうところではないなって部分も多少はあります」と、思い切りぶつかることがテーマのようだ。


 この試合で伝えたいメッセージはあるかと聞かれた那須川は、「若い子にはいろいろなことに挑戦してもらいたいなっていうのは、(自分が)身体で体現していると思うので。なんだかんだみんな保守的になると思うので、失敗を失敗と思わなければ失敗じゃないので、攻め続けて欲しいなって常に思っています。何かに飛び込まないと賛否も生まれないと思いますし、何かにチャレンジしないと成功も失敗もない。そこは僕が昔から思っていることで、そこがブレたら負けだなと思うので、そこブレてないでやっています」と、自分がMMAに挑戦したり、メイウェザーに挑戦したりしたように、チャレンジして欲しいと話した。

 また、「大晦日に判定? 駄目だよ、KOじゃなきゃ!」との名言がある五味に、今回もKOを狙うかと聞くと「そのつもりで行かないと、そんな打って来いよなんて言える余裕は…スピードについていけるかどうか分からないところがあるので。それくらいの気持ちでやらないと難しいかなと思いますね。体重差というよりは動体視力とかね、そういったものが差があると思うので、どうやってやろうかなという感じです」と、“KOするつもり”で行くとした。


 それに那須川も「僕も倒すつもりでいきたいと思います」と笑って答えた。

 ハイテンションで何度も会見場に笑いを起こした五味だが、最後には「いま一番元気のあるファイター・那須川天心と20年近く前に何とか頑張っていた選手とリングで向かい合えるということで、その当時見ていてくれた人も応援してくれるでしょうし、頑張ってる姿を見せられたらなって想いがあります。あと最近は暗いニュース、コロナもそうですし怖いニュースやネガティブなニュースが多いので、2人で頑張って世代は違いますけれど思い切り盛り上げることが出来たらと思っています。それで思い切り楽しんでいただいて、少しでも明るい気持ちになっていただければと思います」と、この対戦のテーマを掲げた。

 那須川も「大晦日ですし、お祭りなのでいろいろな人に見てもらいたいですね。これを見て元気だったり、俺も何かやってやろうと思ってもらえるように戦うしかない。その姿を見て何かアクションを起こしてほしいと思います」と、体重差のある2人の戦いでメッセージを伝えられたら、と語った。

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