(C)RIZIN FF
2021年12月31日にさいたまスーパーアリーナで開催される『Yogibo presents RIZIN.33』にて「RIZINバンタム級JAPANグランプリ準決勝&決勝」に臨む朝倉海(トライフォース赤坂)が16日、所属ジムで公開練習を行った。
1Rのミット打ちを公開した朝倉は、オーソドックス構えから左右の蹴り、パンチ・キックを軽快な動きで披露した。
拳が使えない期間に蹴りを強化、レスリングにも自信
6月から開幕した16名参加のGPで、1回戦で渡部修斗をパウンドでTKO。9月の2回戦では、ボンサイ柔術のアラン“ヒロ”ヤマニハに3-0の判定勝ちを収めたが、右拳を負傷した。
公開練習後の囲み取材で、朝倉は「怪我は1カ月くらいで完全に治って、いまは問題なく、ほんとうにすごくいい練習ができています」と語る。
今回の大晦日ワンデーでのGP準決勝&決勝に向け、走り込みや縄跳び、階段を走ったり、基礎体力を大きく向上させたという。
「ラントレでは、ダッシュの日と中距離の日と分けて、30mの坂道ダッシュと、1000mを2~3本、毎回タイムを計って伸ばしていくようにしました。このトーナメントが始まってから、その量を増やしたことで、スパーリングの中でもスタミナがつきましたし、ステップも瞬発力もついたので、注目してほしいですね」
自身のYouTubeでも公開している吉成名高、BRAVE勢とのスパーリングでは、これまでも得意としていた蹴り技を多用する場面が増えている。特に、扇久保博正が瀧澤戦で効果的に使ったオーソドックス構えからの左前足でジャブのように使う蹴りが、ハードパンチャーである朝倉のなかで磨かれたようだ。
「右の拳を痛めていたのでパンチの練習ができていなくて、その期間、下半身のトレーニング、蹴りのミット打ちをしてきたので、かなり強くなりました。技術も威力も向上してたくさん使える場面があると思います」と、その変化を語る。
フィジカルに加え、もっとも強化されたのは、レスリングだ。
これまでも週に1回トライフォース赤坂で合同練習を行ってきたBRAVE勢との練習を、大晦日に向けて、もう1日、朝倉からBRAVEに足を運んで組み技を強化してきた。
それはレスリングのみならず、寝技の部分でも「テクニックを実戦のなかで、ポイント・ポイントで教えていただき、技術がすごく上がりました」という。動画では、BRAVEの強豪レスラーの原口央&伸兄弟との力の入るスパーリング動画を公開しているが、「全然、見せてもいいところしか見せていないので、隠したい部分は見せていないから全然問題ないです」と、公開していない部分にこそ、今回の進化があるとした。
瀧澤の狙ってくることは想像がつく
準決勝では、瀧澤謙太との試合が決定している。
カード発表会見のフェイスオフでは、互いに視線を外さず、緊迫した空気が流れたが「退かなかった?」と問われ、「いや、全然ないです。それはたぶん気のせいだと思う」と笑顔を見せた。
ともにMMAファイターの中では、ストライカーに分類されるが、瀧澤の打撃について、「勝負どころで勝負できる強さを持っているのかなと。下がらず打ち合えたり、攻めるところで攻められる選手」と、元谷友貴を降したように、攻めどころでの思い切りの良さを評価する。
しかし、スタンドの展開でも瀧澤とは差があるという。
「多分、対戦相手が味わったことのない打撃のスピードだったり、威力を感じることになると思います。もちろん打撃で勝負しても全然問題ないと思います」
瀧澤とは、かつて練習で肌を合わせたことがある。
「結構前のことでしたが、レスリングとか寝技の練習をしていて、タックル切る反応は速かったです」と、高校でレスリング部に所属し、主にテイクダウンディフェンスを磨いてきた瀧澤の組みの印象を語るが、公開練習での「テイクダウンは取られない」発言には、「余裕だと思います」と、自信をのぞかせた。
「自分からテイクダウンの可能性も十分ありますし、試合の中でいろいろ準備している作戦もあるので、そこでいろいろ変えていきたい」という朝倉は、「結構、向こうの狙ってくることが想像がつくので、一方的な展開になると思います」と、実力差があるとした。
瀧澤と言えば、GP出場選手の公開練習ライブにログインすることで有名だが、今回の朝倉海のときには姿を見せず。
「瀧澤選手、17LIVE、見ていないですか? ダメじゃないですか。ちゃんと見てみないと」と朝倉は余裕の指摘。終盤に参加の表示があると、「俺の公開練習を見てしっかり分析しておくれ」とメッセージを送った。